エロゲ世界の寝取り悪役………の取り巻きに転生した俺は主人公とヒロインを幸せにしたい! 作:愛平
「ぐへへ!キャンキャン喚いてんじゃねえぞぉ!」
「兄貴、この女どうすんすかぁ〜?」
「はん、決まってんだろうが!この媚薬をぶち込んでメス豚にしてやんだよ!」
「へへ、流石兄貴っす!じゃあ、俺は両腕を押さえてるんで早く気持ち良くしてやって下さいよ!」
「おい、てめえもぼそっとしてねえで早く女の顔でも殴って泣き止ませろよ!」
…………………………………
目を開けたら……………修羅場だった件について。
へ?何コレ。ふぅ。………一旦状況を整理しよう。
目の前には下着しか着ていない美少女が居た。
そして、その美少女の細くて綺麗な両腕をゴツい男が押さえつけている。
その表情は。……………おぇ。……………おっと、
すまない、気持ち悪過ぎて吐きそうになってしまったよ。……………顔がじゃないぞ!
………やっぱり顔もキモいかも知れん。
腕を押さえつけているゴツい男は舌舐めずりをしながら兄貴?と呼ばれているまたまたゴツい男が媚薬を鞄から取り出すのをウキウキと言う効果音が出ていると錯覚してしまうくらいにニコニコしながら
待っているではないか。これは流石にキモくね?
つまり、だ。簡単に説明すると、だ。
上半身の男が三人。うん…………………何故か俺も
服を着ていなかったのだ。それにほぼ全裸の美少女。……………………ほんとになんだこれ?
「おい、さっきから何ぼそぼそ言ってんだ!
俺の言ってる事が理解出来ねえのか?」
ひぇ…………物凄い鋭い目で俺を睨んで来やがった!そもそも、何で俺がラブホテルに居るんだよ!
俺は童貞だぞ!こんなクソ陽キャが来る様な場所は一生縁がねえと思ってたのに!
嫌、陰キャでも来る……………か?
来るか、って!それはエロ漫画の世界だけじゃねえか!
しまった、遂、興奮して一人ツッコミをしてしまった。今から突っ込むからツッコミも入れとこうってね♪……………死ね!
まてまて、本当にふざけてる場合じゃないんじゃ。
今、犯罪を目撃してるんじゃないか?
「やだよ、離してよぉー!お願いよ。
もうこんなのやだ、よ。」
足をバタバタと暴れさせながら大粒の涙を流して
大きな声で助けを求めている。
どこか、そんな美少女の泣き顔に既視感があった。
「や………めろ。」
掠れた声で、だけどはっきりと言葉を口にしたのは
急に現れたひょろい男だった。
今にも泣き出しそうな辛そうな顔をしながら大男の足に必死にしがみついている。
気付かなかった、だが、良く見ると顔のあっちこっちに打撲跡の様な物がある。
酷い傷じゃないか!何故、こんな顔に?
状況を見れば簡単に分かる事だった。
目の前の美少女を助け様として返り討ちって所だろう。だが、とても悲惨な光景だ。
ボロボロの少年と下着姿の少女。
そして、それを玩具の様に乱暴に扱う大男達。
これは本当に現実なのだろうか。
さっきまでエロゲをしていた筈なのに。
気付けばラブホにいた。
どんな異世界転生だよって話だろ?!
俺だって嫌だよ!初めての転生先が男達に乱暴されている少年と少女の間とかさぁ!
そもそも、これが異世界転生かも分からないけどな。
「おい…………おい!聞いてんのか?
俺の事を無視するとか良い度胸じゃねえか!」
急な事で頭が追い付かず真っ白になっていたのだが更に真っ白になってしまう。
「てめえ、このクソガキみてえにしてやろうか?」
……………やだ、この人ぉー。
只、考え事をしていたのだが、それをこの大男は
無視をされたと思ったのだろう。
持っていた鞄を放り投げて俺の首を勢い良く掴んで絞めてくる。先程まで一生懸命足にしがみついていた少年は髪の毛を引っ張られてそのまま床に
叩き付けられたのだろう、床に顔を伏せていたが
顔付近が血溜まりになっていた。
ぐ、グロすぎる…………。その初めて見る光景に俺は絶句していた。
「てめえ、絞め殺すぞ!俺の言う事が聞けねえ子分なんていらねえよなぁ?」
へ?………
「が、がぁ。ぐ…………ぐるじ。」
ま、まじ………かよ。こいつ………本気でころ……す………つもりか!
あ、やばい。これ以上締められたらまじで。
死ぬ…………死を目の前にし苦しいのもあり少し
だけ目尻に涙を溜めると。
「ふん。」
ドン、と壁際にふっ飛ばされてしまった。
「ごほ。けほ。けほ。はぁ、はぁ。」
し、死ぬかと思った。
まじで一瞬意識飛んでたぞこの野郎!
「これで分かっただろ?次からは態度に気を付けろよ!」
何だよ、この俺様野郎は。こんなのアニメや漫画
だけにしてくれよ…………多分ここは俺の知ってる世界じゃなかったわ。
「おい、立場を理解したならその女を押さえとけ、
俺は一旦そこにいるガキの躾をしてやんねえと
なぁ〜?」
少し口端を吊り上げてドカドカと倒れ伏す少年の元
まで歩き終えると。
「なぁ、俺はめっちゃ優しいからよぉ〜。
条件付きでならそこの女を解放してやっても良いんだぜぇ?」
髪の毛を掴んで無理矢理に顔を上げさせると突然
そんな事を言い出した。
「ほ……………と……………にぃ?」
歯が折れているのか痛みで口が上手く回らないのか口元から血を垂らしながらも唯一の光だと思い必死に口を動かしている、しかし、既に意識が朦朧としているんだろう、言葉が途切れ途切れになっている。
「あぁ、あぁ!本当だぜ!優しいだろぉ〜?」
大男は少年の言葉にうんうんと口端を吊り上げながら首を縦に振る。次の瞬間。
大男の腕が何故か上に振り上げられていた。
は?おいおい、まさか…………嘘だろ。
本当に死んじまうぞ!
俺が待てと言う暇もない程にそれは一瞬の出来事
だった。
拳はそのまま少年の顔に向かっていき。
グチャ…………部屋に嫌な音と…………そして笑い声
だけが響いている。
本当に……………やりやがった。
「ギャハハハ!言ったろ?条件付きだってよぉ〜。
嘘は吐かねえぜぇ?その女はしっかりと!
無事解放してやるさ。
俺からの暴力に1時間、意識を失わずに耐えれたら、なぁ!」
そして、今度は立ち上がって腹部付近を思いっ切り蹴り上げる。
「おぇ………う、うぅぅぅ。」
「ギャハハハ!おい、吐くんじゃねえよ。」
腹部を蹴られてお腹の中の物が一気に部屋に飛び散ってしまう。しかし、少年は涙を流しながらも許しを乞う事は一度もなかった。
「お願いよ!もう………彼を傷付けないで!
彼が死んじゃうわ!」
ベッドに居る少女は恐怖で顔を歪ませているにも
関わらず必死に声を発して止めるように伝える。
大男は少女の悲痛な叫びを聞いてまたニヤリと薄気味悪い笑みを浮かべた。
「あぁ、良いぜ?言ったろ、俺はすげえ優しいんだぜ?……………………自分で媚薬を飲め。
それでこのガキは部屋から出してやる。」
この男は鞄から取り出した媚薬をベッドにいる少女に向かって放り投げた。
この男は本物の屑らしい。屑なんて言葉は生温い様に感じてしまう程に凄まじい屑っぷりだな。
「ほら、それを飲まねえと本当にこのガキ死んじまうかもなぁ〜?ギャハハハ!
だけど、それを飲んだら俺等とのエッチは合意の上って事を忘れんじゃねえぞ?」
俺は拳を握り締める。手の平に自分の爪が食い込んで血が出るがその程度の痛みは今はどうでもいい。
それよりも思い出したのだ。
この光景を俺は見た事がある。あった。
さっきは急な展開に頭が追い付かず周りがあまり
見えていなかったが首を締められた事で少し冷静に周りを見る事が出来た。
この、大男は短いショートヘアー。
そして、もう片方も金髪のショートヘアーだ。
あそこに居る美少女の容姿は。
くりくりとした目。綺麗な黒髪。
真面目そうなキリッとした顔。
モデルをやっていると言われても違和感のない
スタイルの良さ。
下着からでも大きさが分かる程よい胸の大きさ。
綺麗に揃えられたセミロングヘアー。
今は傷だらけで判断は出来ないがこの少年の容姿は
綺麗な茶髪に優しそうな目。
身長は160前後くらいの小柄な体型だ。
そして、今のこの光景。
……………………何でだよ。
何で……………エロゲー【あの子は僕を愛してた】
の中盤に転生?してんだよ。
この光景はストーリーの中盤に見た。
生意気にも注意をしてきた少女に逆ギレして半ば
強引に睡眠薬を飲ませてそのままホテルに連れ込んだと言うのがストーリーでの話。
この男達は同じ様なやり方で何度も女の子を無理矢理襲い、恥ずかしい写真を取ってそれをネタに何度も脅して強引に関係を迫ってくるのだ。
だが、ゲーム本編だと取り巻きの方はまだ童貞で
この場所で遂に卒業してエッチの気持ち良さを知り
やりたい放題学校でする事になるのだ。
きっとこれまでは兄貴と呼ばれる屑。
佐藤健二《さとうけんじ》が俺の女だとか言って誰にも触れさせなかったんだろう。
しかし、それも飽きて来たから乱交だとかやった事のないプレイを楽しむ様になる。
「はぁ……………お前が渋るってんならそれでも
良いんだぜ?…………こいつを殺すだけだ。」
また、髪の毛を掴んで拳を振り上げようとする。
「ま、待って!もう…………分かった………から。
の…………む。だから、彼には手を出さないで」
「そうかよ、おい、許都《きよと》手を離して良いぜ。逃げるだなんて考えんなよ?
こっちにガキが居る事を忘れんなよ!」
解放された少女は媚薬の瓶を手に取る。
逃げれる訳がない。人質が居るんだぞ?
それに、こんな大男達に囲まれて恐怖で体なんてまともに動く訳がないだろ。
「……………………………や……………め。」
必死に少女に手を伸ばそうとする少年の姿は控えめに言ってもとても見れたもんじゃない。
悲惨過ぎる、絶望で顔を染めていた。
泣きながら嗚咽を漏らす少年少女。
「ギャハハハ!てめえらは最高たぜぇ!
その顔が見たかったんだわ!」
本当に屑だよな、こんな事が現実で合っていい訳がないのだ、作者はそんなつもりは一切なかったのかも知れない、現実になるとは思ってないだろう。
けど、この少年少女からしたらゲームで済む話なんかじゃねえよな。
俺の気持ちなんて固まってるさ。
とっくに………な。
これだけは先に伝えたい。
少年少女…………ごめんな。
ラブホテルの店員さん………すみません。
こっそり鞄から見えていた
それを手に持ち
カチャ。火を付け………………放り投げたのだった。
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