ようこそ財力至上主義の教室へ   作:ウメSUN

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申し訳ございません...私生活のごたつきもあって、一月ほどエタっておりました...
これから再開いたしますので、是非読んでいただけると幸いです


心理戦って難しいからね

 

 

 

 

「おっ、橋本くんから連絡来たよ?」

 

「...どうやらそのようだな。ククク、あの野郎、かなり優秀なようだな。」

 

船上の自室にて、あたしは龍園と通話していた。内容は橋本くんからの優待者の情報が来たことに関してだ。結局、あの密会を終えてから1時間もしないうちに、優待者の連絡は来た。流石に早すぎじゃないかな?という疑念もあるが、グループで情報共有などをしていたのならあり得るライン...なのかな?ちなみに情報としては、

 

子グループ:石田優介

 

酉グループ:鳥羽茂

 

亥グループ:森下藍

 

と言った感じであった。ちなみに、うちのクラスの優待者は、

 

寅グループ:近藤玲音

 

未グループ:中泉昌平

 

戌グループ:山田アルベルト

 

といった感じだ。アルベルト大丈夫?という心配は喉奥に飲み込んでしまおう。

 

「ねぇ龍園...この情報、鵜呑みにしてもいいのかな?今のところ、橋本くんにそこまでの信頼は置けないと思うんだけど...」

 

「ハッ、お前らしく無ぇセリフだな。ただ、断言できる。この情報は間違いなく本物だ。橋本の野郎がヘマでもやらかしてない限りは、な。」

 

自信ありげに答える龍園。

 

「そうかな...?ちなみに、根拠の方を聞いても?」

 

「簡単だ。アイツにはここで俺らを裏切るメリットが無ぇんだよ。現時点で俺らCクラスは、クラスポイントで見た場合Aクラスの敵にはならねぇ。そんなクラスをどうして陥れる必要がある?そんな事をして俺らとの契約を破棄するほど、アイツは馬鹿じゃねぇよ。それに、アイツは葛城の派閥じゃねぇからな。」

 

「わざわざ対抗派閥に塩を送ることはしないだろう...ってことよね?」

 

「あぁ、そうだ。」

 

実際にそう言われてみると、橋本くんが裏切ることは無いように思えてくる。となると、あと危惧すべきは「橋本くんがニセの情報を掴まされている」というパターンだが、彼はコミュニケーション能力も高いし、ニセの情報を掴むほどバカでもないので安心だろう。これでヘマされた場合は、石崎とかに頼んでタコ殴りにしてもらおう。

 

「えーっと、じゃあこの情報を使って、あたかも『優待者の法則を発見した』かのようにして、Aクラスと同盟を結ぶんだよね?いつにする?」

 

「まだ消灯まで時間がある。今日中に同盟を組むぞ。」

 

「今日ぅ!?早いねぇ...」

 

ただ、明日の午前にはすでに第一回の集まりがあると考えると、できるだけ早く同盟を締結させておくべきではある。善は急げ、思い立ったが吉日、という言葉もあるしね。それに、下手に長引くとどこかの誰かが勝手に指名をしてしまう...なんてのもあり得る。どこかのミーモダンシングな金髪男が思い浮かんだが、彼以外にも逸ってしまうものはいるかもしれない。

 

「分かった。一応あたしも同席した方が良い感じ?」

 

「...?当たり前だろ?」

 

「分かった...じゃ、準備が済んだら呼んで頂戴。」

 

 

 

 

 

そして、約30分後、龍園から連絡が来た。

 

『22時30分 俺の部屋』

 

とのことだ。消灯時間が23時なので、かなりの強行軍ではあるが、30分で事を済ませれば良いだけだ。頑張るぞ。

 

 

 

約束の時間に部屋に来てみると、そこには既に葛城くんと龍園が揃っていた。

 

「ハッ、遅えじゃねえか。」

 

「そっちが早いんでしょ?一応時間どおりに来たはずなんだけどなぁ...」

 

龍園からお小言を頂戴していると、同席していた葛城くんが口を開く。

 

「...して、こんな夜遅くに何の要件だ?...龍園だけでなく辰見も居るという事は、なにかクラス間の重要な話であることはおおかた見当は付くが...」

 

「わお、流石の洞察力だね。伊達にAクラスのリーダーはやってないって事ね。」

 

「...世辞はいい。先に要件を話してくれ。」

 

「単刀直入に言う。俺達Cクラスは、全グループ結果①を目指している。そのために、お前たちAクラスと同盟を結びたい。」

 

「...?意味が分からんな。」

 

いきなり要件をぶっこんだ龍園に対して、葛城くんは予想通り怪訝そうな表情を浮かべる。それもそうだ。多量のクラスポイントの得られるこの試験で、わざわざプライベートポイントを狙う意味が分からない。ましてやCクラスはクラスポイントでAクラスとダブルスコアなのだから。

 

「まぁ、そう考えるのも無理は無え。俺達Cクラスが、何故結果①にこだわるのかが分かんねぇんだろ?」

 

「...あぁ、その通りだ。」

 

「理由は簡単だ。俺たちは、プライベートポイントの重要性に気付いているからだ。この前、坂上の野郎に聞いてみたんだが、『プライベートポイントで、テストの点を買える』らしいんだ。他にも、2000万ポイントで退学を免除もできるしな。そんな感じで、俺たちはプライベートポイントが、いずれ重要になってくると思っている。」

 

龍園の言葉に、葛城くんは少し納得したような表情を浮かべる。

 

「先の無人島試験で、クラスポイントを捨ててプライベートポイント稼ぎに走っていたのも、それが理由という訳か。」

 

「ご名答!それに、それの分で貸し付けたお金の回収がまだだから、ここで学年全体の所持プライベートポイントを多くしておかないと、Dクラス辺りはなかなか回収できないだろうしね...」

 

「...そうか、お前たちの目的は分かった。」

 

「じゃあ、同盟は...」

 

「断る。」

 

「なんでよぉ!」

 

「我々がそれに乗るメリットは薄いからだ。生憎、お前たちCクラスへの借金もAクラスのポイント支給額からすればそこまで重くもないし、そもそも同盟など無くともAクラスは上々の結果を得られると思っているからだ。」

 

まぁ、それはそうだろう。葛城くんの言っていることは、1から10までほぼ正論だ。ならば仕方ない。ハッタリで乗り切り騙しきる、そうするしかあるまい。橋本から得た優待者の情報を使って、あたかも『全クラスの優待者を知っている』ように思わせるのみだ。あたしは龍園と目くばせする。あちらも同じことを考えていたようで、目が合う。その後、しばらくの沈黙が走る。沈黙を破ったのは龍園だ。

 

「クハハハハ!!!そうか、交渉は決裂か...」

 

「...何がおかしい?」

 

「だったら仕方ねぇ、ここからは強硬策だ。」

 

「強硬策?どういう意味だ?」

 

「簡単だ、俺達Cクラスは、『全グループの優待者を知っている』んだよ。」

 

「全グループの優待者を...?ふん、下らんハッタリだ。」

 

葛城くんがそう思うのも無理はない。実際ハッタリなのだから。

 

「確かに、こんな短時間でこんなことを言ってると、ハッタリにしか聞こえないのも無理はないと思うよ。ただ...『この優待者たちに何か法則があるとすれば?』」

 

「お前たちはそれを発見したと?」

 

「そうだ。うちのクラスには賢い奴もそこそこいてな。たまたま見つけたってワケだ。何なら、Aクラスの優待者を言ってやろうか?子グループの石田優介、酉グループの鳥羽茂...」

 

「分かった、もういい!...どうやら、その『法則性を見つけた』という言葉も嘘ではないらしい。」

 

「ククク、分かってくれたようで何よりだ。ってことで、どうする?...いや、もう選択肢は無ぇか。答えろよ、葛城...『交渉』は既に、『命令』に変わっているんだぜ...!」

 

どこか徐々に奇妙な言葉づかいで、龍園は葛城くんを詰める。実際、あちらの視点だと、この試験においての命をこちらに握られているのも同義なため。断ることはできないだろう。葛城くんは、観念したような表情をする。

 

「分かった...お前たちと同盟を組もう。だが、一つ条件...というより頼みがある。」

 

「頼み?あいにく、成功報酬が欲しいとかそういうのはNOだよ?」

 

「...いや、そうではない。俺はプライベートポイントが欲しいわけじゃない。欲しいのは...」

 

「実績だろ?坂柳グループに取って変わられないような、活躍や功績が欲しいんだろ?」

 

「その通りだ。お前たちも、プライベートポイントを集めているという狙いが大々的になるといいうのは、あまり望ましいことではないだろう?それをもとに対策を立てられるかもしれんしな。だからこそ、この同盟は俺の発案という事にさせてほしい。」

 

確かに、Cクラスがプライベートポイントを大量に集めている、という情報は、8億ポイント計画のためにも、現時点ではあまり大々的にしたくない。無人島試験での稼ぎ行為のみなら、「今回の試験は捨てるので、ついでのポイント入手に舵を切った」と思われるが、今回もそれをやってしまうと、「Cクラスの優先度がクラスポイント<プライベートポイント」ということが明確になってしまう。...そう考えれば、葛城くん、もといAクラスを隠れ蓑にするのはアリかもしれない。

 

「ハッ、そんぐらいはいいぜ。ただ、そう言って矢面に立つからには、ヘマだけはするなよ?」

 

「分かっている。」

 

どうやら龍園も、あたしと同じような結論に至っていたようで、案外あっさりと同盟は締結された。やったね。

 

「では、Aクラス全員にこの同盟については連絡しておく。他クラスのリーダーとの話し合いの場も、第一回の集まりのが始まる前にこちらで用意しておこう。s参加者はお前たち二人で構わないか?」

 

「おお、至れり尽くせりだね。あたしはそれでOKだよ。」

 

「俺もそれで構わねえよ。」

 

「ならそれで行かせてもらう。予定が決まり次第、連絡させて貰う。...そろそろ消灯だ。俺は帰る。...くれぐれも体調は崩すなよ。」

 

「は~い、じゃまたね、葛城。」

 

その後、あたしも部屋に帰り、特別試験一日目は過ぎていった。龍園の部屋から出てきたのを見た西野ちゃんに、そういう関係なのか問い詰められるといったイベントもあったが、それは省略させてもらおう。

 

 

 

 

 

翌日の9時、Aクラスの葛城くん、Bクラスの一之瀬ちゃんと神崎くん、Cクラスのあたしと龍園、Dクラスの堀北ちゃんと平田くんの計7人で、空き部屋に集まっていた。要件はもちろん、4クラス合同で、全グループの結果を①にするための同盟についての話だ。事前の打ち合わせで、『この同盟は葛城くんの発案であり、自分たちは第三者』という立ち位置の設定になっている。

 

「......以上が、この同盟の内容だ。やはり皆、無人島試験で疲弊しているものもいるだろうから、ここは一時停戦で、全員でプライベートポイントを均等に得る結果①を狙う、というのはどうだろうか。異論のある者は?」

 

「ククク、俺は異論無えよ。俺たちCクラスは、無人島試験での借金も返してもらわないといけないわけだしな。」

 

龍園がすかさず援護射撃をする。第三者という立場の方が、こういった援護はしやすいだろうと踏んでのこの立ち位置だ。龍園の発言の後、一之瀬ちゃん達からも声が出る。

 

「こっちもまぁ、異論はないかな。確かに、無人島試験で疲れてる子もいるし、ここでの同盟はみんなが得する、良い案だと思うよ。ほら、報酬はご褒美の側面もあるって感じでね?」

 

「それに、全員結果①で終わった場合、一クラスにつき約2000万ポイントが手に入るのは有難い。2000万ポイントで、退学の回避も可能である以上、いざというときの保険として大金を持っておくのは良い選択だ。」

 

Bクラスからも賛同は得られた。残るはDクラスだが...

 

「私としては賛同しかねるわ。A、Bクラスの貴方たちは、クラスポイントに余裕があるからそう言えるんじゃないかしら。Dクラスとしては、少しでも差を縮めたいと思っているの。」

 

案の定である。実際その通りで、クラスポイントでダブルスコアをつけられているのに、現状維持のような結果なのは、Dクラスの向上心のある生徒にとっては望ましくないだろう。

 

「...確かに、それも一理あるだろう。だが、約2000万のポイントを得ることは、そちらにとっても悪いことではないと思うが?現に、Dクラスでは現時点で2度の退学の危険があったようだが?」

 

「そもそも、Dクラスは俺達Cクラスに何百万もの借金があるんだ。それを忘れてもらっちゃ困るぜ。」

 

「ぐっ...!」

 

龍園と葛城の口撃により、うろたえる堀北ちゃん。実際、特に明確な期限を設けてはいないとはいえ、貸したものは早く返さなければいけない。当然のことだ。というより、そもそも...

 

「だが、現にD以外の3クラスは同盟締結に前向きな姿勢を見せてくれている。つまり、極論ではあるが『A、B、Cの3クラスのみで同盟を組み、Dのみを陥れる』ということも可能なわけだ。」

 

「......確かに、それはあまり好ましいくないね。」

 

「まぁ、あくまで極論ではあるのだが、そういうことも可能という事だ。」

 

そうなのだ。現時点で多数派がこちらな以上、Dクラスには半ば選択権が無いようなものなのだ。ここで断れば、最悪で―150クラスポイントは確定、となると、マイナスのない4クラス同盟を選ぶほかないのだ。それを聞き、平田くんも仕方ないといった表情になる。

 

「分かったよ。僕たちDクラスも、その同盟に参加させてもらうよ。」

 

「ちょっと、平田くん!?」

 

「......こうする他無いんだ、仕方ないよ堀北さん。ただ、そのうえで一つ、というか一人、問題があるんだ。」

 

問題、というと彼の事だろう。恐らく、ここに居る全員の頭の中に、金髪がサラサラと靡いていることだろう。

 

「あー......高円寺くんかぁ...」

 

あの聖人の一之瀬ちゃんですら、微妙な表情でそう言っている。ただ、それに関しては問題ないというのがあたしの見解だ。

 

「いや、流石の高円寺くんでも、この同盟を破るような真似はしないんじゃないかな。葛城くん、同盟を破った場合のペナルティとかってある?」

 

「ああ。それに関しては、破ったクラスは各クラスに、今回の試験で入手できるはずだった総ポイント数、2150万プライベートポイントを均等に分配するようにしてもらうつもりだ。」

 

「もし高円寺くんが抜け駆けして、どこかの優待者を指名したとしても、この分のペナルティをクラスで払わなきゃいけないじゃない?それに、そんなことをするようなクラスとは、他クラスも同盟を組みにくい...そうすると、今回みたいな特別試験でも勝ちにくくなって、ポイントを得にくい...そんなデメリットを無視して、そんな選択を選ぶほど、高円寺くんは馬鹿じゃないと思うよ。彼は自由人であっても愚者ではないからね。」

 

「実際、抜け駆けで指名しても、同盟に従っても、50万は等しく貰えるんだもんね。」

 

「なら、高円寺の心配はひとまずしなくて大丈夫そうだな。...Dクラスも、それでいいか?」

 

「うん...分かったよ。」

 

「仕方無いわね...」

 

「ならば決まりだ。次の集まりまでに、クラスの全員にその方針は通達しておくように。」

 

こうして、4クラス同盟は締結した。

 

 

 

 

 

そして、特別試験最終日。結局、高円寺くんも大して不穏な動きを見せず、最終日までこぎつけた。高円寺くんと同じグループの人によると、グループでの集まりの時間はずっと筋トレか読書をしていたらしいが、それはまぁ、許容範囲内だろう。

 

そして、22時。試験が終了し、回答もすべて送り終わった。ほどなくして、結果が船内にアナウンスされる。

 

子グループ:試験終了後グループの全員の正解により結果①とする

丑グループ:試験終了後グループの全員の正解により結果①とする

寅グループ:試験終了後グループの全員の正解により結果①とする

卯グループ:試験終了後グループの全員の正解により結果①とする

辰グループ:試験終了後グループの全員の正解により結果①とする

巳グループ:試験終了後グループの全員の正解により結果①とする

午グループ:試験終了後グループの全員の正解により結果①とする

未グループ:試験終了後グループの全員の正解により結果①とする

申グループ:試験終了後グループの全員の正解により結果①とする

酉グループ:試験終了後グループの全員の正解により結果①とする

戌グループ:試験終了後グループの全員の正解により結果①とする

亥グループ:試験終了後グループの全員の正解により結果①とする

 

「やったー!!」

 

「やりましたね、辰見さん!」

 

自室にて、椎名ちゃんと結果を聞く。思惑通り、全グループ結果①になったようだ。これで、各クラスに2150万ものプライベートポイントが手に入ることになる。これで、借金も返してもらえるだろう。また、ポイントの流通量が増えたことにより、オンラインカジノもより活性化するだろう。よだれが止まらない。

 

「いやー、兎にも角にも、作戦通りに事が進んでよかったよ!あたし、葛城くんにお礼してくるね!」

 

「あら、そうですか?行ってらっしゃいませ。」

 

そう言って、あたしは部屋を後にした。葛城くんの部屋に行く最中、珍しい顔と出くわした。

 

「やぁ、こんな夜更けにどうしたんだい、ドラゴンガール?」

 

「げっ...高円寺くんじゃん。どうしたの?というかドラゴンガールってあたしのことか...」

 

「いや、この私に無駄な時間を過ごさせた張本人と少し話したくってね。」

 

「その言い方から察するに、高円寺くんにはもうバレちゃってるってわけか。」

 

「当たり前だろう?君たちの思惑や策程度、私が見破れないはずは無いのだよ。」

 

「だとしたら感謝しなくっちゃね。その情報をどこにも流してないんだから。」

 

そう言うと、高円寺くんは愉快そうな表情を浮かべる。

 

「わざわざいう事も無いだろう?私は別に、クラス争いなどはどうでも良いのだから。」

 

「......そっか、だったら、今後も邪魔をしないでくれると嬉しいかな?」

 

「ふっ、レディとはいえ、君に私の行動を決める権利は無いさ。私は好きなようにやらせてもらうよ。...ただ、私は劇の中でも、特に喜劇が好きでねぇ...君たちの行動は好意的に見ているのだよ?」

 

「......あたしたちのしていることが喜劇だと?」

 

「違うのかい?」

 

苛立つ心を抑え、平静を保ちながら答える。

 

「ま、まぁ価値観は人それぞれだからね...高円寺くんの見方を否定はしないよ。」

 

「そうかい?それならば、これからも精々頑張りたまえ。ではさらば。」

 

そう言って、高円寺くんは去っていった。正直、森下ちゃんの比じゃないぐらい話していて疲れるので、なるべく会いたくはない...

 

 

その後、葛城くんにお礼を言い、部屋に戻ると、西野ちゃん、伊吹ちゃん、椎名ちゃんの三人が机を囲み、何やら話し合っていた。あたしを見るなり、伊吹ちゃんは鼻息を荒くして話し出す。

 

「ねぇ辰見!これ見なさいよ!椎名がすごいもん見つけたの!」

 

「何々...」

 

ちらりと椎名ちゃんの持っていた紙を見ると、そこには船上試験のグループ名と、各メンバーの名前が書いてあった。何かしらの書き込みも加えて。しばらくして、椎名ちゃんが喋りだす。

 

「アガサ・クリスティの小説を読んでいて、ふと気づきまして...この試験の優待者は、干支の順番と五十音順でリンクしていたんです!例えば、子グループなら五十音が一番早い人が優待者なんです!ほら!」

 

「ほ、ほんとだ...」

 

その後も、語り続ける椎名ちゃんの話は上の空で、あたしはもう少し本を読んでおくべきだったと後悔しながら、がっくしと膝をつくのであった。

 

「もう少し先に言ってよぉ......」

 

 




モブ生徒の名前などは、よう実のウィキを参照にさせていただいてます。いつもありがとう。


現在のCクラスの所持金

船上試験・・・+1750万pp(Cクラス生徒に報酬として各自10万ずつ配った分の残り。)

無人島試験の収入・・・+1090万pp(今回の報酬により無事全回収)

夏休み以前、6月までの所持金・・・260万pp

=3100万pp

7月以降の毎月の収入・・・200万pp
内訳は、暴力事件の分の慰謝料(毎月60万)、リーダー指名料(20×3クラス)、Aクラスへの物資提供分(80万)

といった感じになっています。

ちなみにですが、軽井沢さん関連のいざこざは原作と同様に起こっています。オリ主ちゃんが何一つ気づいていないだけで。
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