新DLCに登場したら激アツ
白き霜。デッド・デリーダ。世界の終わり。
ファッキン異世界エルフ共による侵攻。
シリラ。途絶えたとされる古代エルフの血筋の末裔。源流、古き血脈。
大体今がいつ頃か分かった。
トゥサンでのんびり過ごしているうちに、ニルフガード帝国の勢力伸長の噂がかなり広まってきている。ニルフガード帝国の勢いはまさに太陽が昇る如くでエビングの抵抗虚しく併呑されるであろうことは疑いの余地が無いとのことだ。エビングの次はメティナ、ナザイル、メヒトだ。
そして時間をおいてシントラ。そうなればウィッチャープレイヤーの知ってるニルフガード帝国の版図の完成だ。
多少の読み書きが出来るようになった後も、余計な事を考えたくないのであまり今がいつなのかを考えないようにしていたわけだが、この噂が示すところは一つ、今はゲームより何十年も前、何ならシリラが産まれるのが1251年?1253年?あたりだから、あと10年以上猶予がある。
日々基礎訓練を怠らず、怪物を狩り、剣の業と印の力を深めなければならない。
本職の魔法使いや魔女のように戦略級の火力は持たないが、今やアードの衝撃波で指向性を持たせれば騎士の一人ぐらいはバラバラに出来る上、アードの一掃めいて自分を中心に衝撃波で周囲を薙ぎ払えるようにもなったが、これを他の印でも出来るようにならねばならない。
そして1273年のケィア・モルヘン防衛戦とワイルドハントとの最終決戦に参戦するのだ。サイドクエストもしっかりやるタイプのゲラルトだと良いが、サイドクエストスルーのゲラルトでは味方の戦力が足りない。白き霜を防げなければ我々は終わり。世界に未来は無い。
必要があればヴィルジフォルツとの戦いにも参戦したいが、それ以前の問題として猫流派の一部の造反により狼流派との友好関係は壊れる定めだ。流石に4〜5人の、それも俺より熟練のウィッチャーを含む戦士達を無力化は出来ない。なので、介入するのはウィッチャー1〜3の時代がせいぜいだと思う。また、猫流派キャラバン壊滅のタイミングである1271〜1272年頃はヴェレンにいなければならない。ゲータンを救い、ゲラルトを支援する必要があるからだ。人生2週目である以上は生命は惜しくない。惜しくないが使い所は選びたい。
それなりにまとまった金額をトゥサンで稼いだ俺は、気性は荒いが立派な牝馬を一頭買い、宿屋のおやじや仕事をくれたワイン農園のそれぞれに挨拶をしてトゥサンを旅立ち、北へと向かった。
目的地は今やエイダーンの領地となっているドル・ブラサンナ近辺である。我が猫流派の中興の祖、キャラバンのグランドマスターであるゲズラスはかつて"人間よりもアイン・シーデの依頼を受けろ"との金言を残した。エルフは危険で傲慢だが、猫流派の恩人でもあるし、当然ながら現在のマスターウィッチャーもゲズラスの方針を引き継いでいるため、人間族・非人間族及び依頼の種類を問わず仕事を引き受ける。そういった繋がりからドル・ブラサンナ近辺や青色山脈付近でエイダーンを相手にゲリラ戦を展開しているエルフどもを支援してやれとの仕事?命令の手紙がダリウスを通じて届いたのだ。
ちな何かもうどっかのテロ組織かってくらい指揮系統が細分化され、個別の"細胞"ごとにマスターウィッチャー⇨上役⇨末端の形で連絡や指示が来るから正直なところまだ猫流派の組織の全容を掴めないでいる。俺にとっての上役がダリウスなのと同期にゲータンがいて面識を持ったことだけは間違いないんだが、下っ端ッチャーなので流派の核心?みたいなものとかには全然触れられてないし、狼流派みたいにケィア・モルヘンで一同会して冬籠りみたいなのも特にない。独り立ちして以来、キャラバンにも帰ってないし。時々ダリウスニキから伝書鳩が来るだけ。
まあ地獄だわ。エリレンの反乱に加勢したゲズラスはどんな気持ちだったんすかね。どいつもこいつもNPCと思えば殺人に躊躇いはないし、不意を突く戦いばかりだから怖さはないんだけど怯えるエイダーン兵だのどう見ても徴兵された農民兵ぶち転がしてると気分は良くない。特に猫流派の変異の不完全性か情動が不安定だから一回剣抜くとバラバラに刻むまで止まれないんすよね。一応は仲間のスコイア=テルもどきのエルフどもにもドン引きされてますからね。友達も話す相手も全然いない。
…利用する気満々のこのエルフ野郎以外は。
「猫、今回の襲撃もドゥオインにしては良い手際だった」
イオルヴェスである。まあいますよね。この時期なら。
だってスコイア=テルの悪評が世に広まるずーっと前からゲリラ戦やってて数百歳くらいなんじゃ?って噂もあったし。ウィッチャー3だとご本人は登場しないんすよね。ヴーヒス将軍から人殺しと怪物殺しのコンビか?みたいにゲラルトが皮肉られるぐらいで。まだ復興したドル・ブラサンナ&フランチェスカ・フィンダベアらに見捨てられてないので、こういう作戦もやりますよね。
「そういう仕事だ。将来的なドル・ブラサンナ奪還を目指してエイダーン兵を排除、この地域での影響力を削る。その代価としてキャラバンは魔術師の派遣や武器の供給を受けていると聞いている」
エイダーンの巡回部隊の死体を印で燃やしながら返答する。
イオルヴェスも仲間にエルフ語で何やら指示を出しながら近寄ってくる。
「キャンプに引き上げて1日休息を取る。その後、移動して襲撃だ」
「次も同じように?」
「そうだ。我々が探し出した獲物にお前が突っ込んで注意を引く。混乱する敵に対して我々が一斉射を加えた後、残敵を掃討する。手慣れたものだろう?」
「他の流派は知らんが、俺たち猫流派のウィッチャーは殺す相手を選り好みしないんだ」
「それは結構なことだ。まだまだ働いてもらうぞ」
そこから1年間くらいは転戦に次ぐ転戦でエイダーン・ケイドウェン・レダニアの兵士に対するゲリラ戦を支援した。なお、優先順位も今述べた順である。エルフって長寿なかわりに子供全然産まれないらしいからキルレで圧倒的に不利なんだよね。ニルフガードと手を組んで、同胞を切り捨ててでもドル・ブラサンナを確保したフィンダベアは正しい。殺しても殺してもエイダーンもレダニアもまだまだ兵士の動員は可能だろうし余裕があるように見受けられる(もちろん前線の兵士は嫌だろうけど)
俺が支援するようになってからの死傷者はかなり少ないらしいが、仮にエルフ:人間のキルレが1:100だったとしてもエルフ的には大損なわけだから大変だよな。まーこれでイオルヴェスが多少ね、ゲラルトに歩み寄ってくれてイオルヴェスルートに行けば本当の意味での自由都市ヴァージェンを成立させられるわけで。差別差別アンド差別みたいなこの世界で唯一の希望、これまたウィッチャー3ではあんまり触れられないサスキアが関与してる自由都市には何とか成立?存在していてほしいところ。てかウィッチャー3ではノヴィグラドとオクセンフルトは行けるのにヴァージェンは何で行けないのかね。制作期間の兼ね合いもあって削られちゃったのかな?
何となく思うんだけど、このメンバーが後のスコイア=テルとかヴリヘッド旅団の中核になるんだろうな。本当に強い。俺は弓使わないし、何なら石弓も装備してないんだけど彼らは本当に百発百中。強い。
で、つい先日ダリウスから伝書鳩が来て"我らの道(THE PATH)"に戻っていいよ〜とのことだったので、最後の襲撃に参加後(ケイドウェンの補給隊を襲った)にイオルヴェスに別れの挨拶をしたところだった。
「さらばだ、猫よ。お前には助けられた」
「仕事のうちだ。また何かあったら呼べ」
「あぁ…それとこれは餞別だ。持っていけ」
イオルヴェスの部下のエルフが何やら鎧櫃と二振りの剣を持ってくる。
「我々は使わないが、質は悪くない装備だ。使いやすいようにこちらで多少の改造も加えてある。剣は片方が人間用、片方が銀の剣だな。銘は
それぞれ…ドゥオインの言葉にするなら"千の花"と"ホワイト・ウィドウ"といったところか」
鎧櫃を開け、中の鎧を確かめた後に剣を抜き放ってみる。いずれもエルフ様式のルーン文字が刀身に刻まれた優美な剣だった。恐ろしい程に鋭く、そして軽く、手に良く馴染む。
「ありがたく受け取ろう。礼と言ってはなんだが一つ助言を」
「聞こう」
イオルヴェスは若干怪訝そうな顔をするも続きを促す。
「邪眼のアイヴァーというウィッチャーを知っているか?蛇流派の古いウィッチャーだが」
「名前と噂だけは」
「俺にもそいつに近い力がある…かもしれないと思ってきいてくれ。お前は何年か後に再びウィッチャーと手を組む時が来る。その時は必ずそのウィッチャーを仲間に引き込み、彼を助けろ。何を言ってるか分からないと思うがとにかく彼と手を組み、助け、死なせるな」
イオルヴェスはますます怪訝そうな顔をし、部下のエルフも困惑した顔をしているが一旦は頷いてくれた。
「分かった。心に留めておこう。お前は…良い戦士だった。ドゥオインを少し見直したかもしれん」
「前にも言ったかもしれんが俺は人間じゃない。ウィッチャーだ」
「おっと、そうだな。どうやら人間への憎しみはそのまま持っていて良さそうだ」
相棒の牝馬(ローチをもじって灯火を意味するトーチと名付けた)に荷物を載せて跨ると、イオルヴェスたちに手を振りながら手綱を引く。
次はかの有名なアレツザ魔法学院を拝みにゴーズ・ヴェレンの港町に向かおう!ドラウナー狩りの良い口にありつけるかもしれないし、女魔術師と知己を得られるかも!
「ハイヨー!トーチ!」
あとサスキアもね。DLCに出してね。