楽園に至るには   作:NTT.T

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この奇跡(Blue archive)が、錆び付かないように

 

あの後、ヒフミを送り届けた俺は、そこから間も無くして先生と接触することに成功した。

 

無事で何よりだ。いや、無事と言って良いのかイマイチ分からないのだが……俺も無理を通してこの場にいるのだ。どうこう言う筋合いは無いだろう。

 

それはさておき、だ。

 

そこから『下江コハル』という少女とも合流し、現在は先生、ヒフミ、ハナコ、コハル、そして俺の計五人で行動している。

 

目標は『白洲アズサ』との合流。そして、仲直りだそうだ。

 

……なら俺は、それを全力でサポートする。

 

それに、白洲アズサはアリウスの生徒なのだそうだ。もし会うことができたのなら、俺はアリウスのことをより理解することが出来る。

 

現状、問題点として挙げられるのは───

 

「ユスティナ生徒会の複製(ミネシス)……やはりアレが最も脅威だな」

 

"そうだね…………"

 

当然『錠前サオリ』『槌永ヒヨリ』『戒野ミサキ』『秤アツコ』の四人から構成されている『アリウススクワッド』も脅威であることに違いはないが、脅威の単位が違う。

 

彼女達は単騎であろうとある程度の活躍が見込める。連携をとらせて仕舞えば尚そうだろう。

 

だが、複製(ミネシス)は違う。奴らが最大の脅威である所以は───その圧倒的な物量だ。

 

単純な話だ。無限に生成される兵など、脅威でしか無い。戦場で最も大事なものの一つとして、兵力が挙げられるだろう。

 

そして、それを維持するためには大量の資源が本来なら必要だ。だが、複製(ミネシス)にはそれが必要ない。

 

戦場にこれほど恐ろしいものはないだろう。あの時はヒナや、数多くの生徒が複製(ミネシス)を足止めしていたから何とかなったものの、更に数が増える、或いは別の個体……それこそリーダーと呼べる複製(ミネシス)が存在しているのなら、事態は一気に悪化する事だろう。

 

俺達の継戦能力にも限度がある。特に俺はそうだろう。レギルスが使えなくなって仕舞えば、戦力として活躍できる見込みは薄い。

 

……せめてビットが使えさえすれば、蹴散らす事が出来るというものを──

 

と、長い時間を掛けて尚、ビットを完成させることが出来なかった事を悔やんでいると───

 

"でも、大丈夫だよゼハート。それに対しての対抗策はもう練ってあるんだ。"

 

先生が、俺にそう話しかけてきた。……不覚だな。この程度の事で動揺していては先が思いやられるというもの。

 

それも、レギルス越しに察されてしまうとはな……情けない。

 

……それにしても、何か秘策があるのか?

 

「……流石だな」

 

素直に感嘆せざるを得ないだろう。無限に生成される兵をどう止め──いや待て、そうか。

 

正面から立ち向かおうとする事自体が間違いだったのか!

 

恐らく、先生はこの兵力の源を停止させるつもりなのだ。問題は、それをどの様にして実現させるかだが……策はあると、先生はそう言っていた。

 

後で詳しく聞かせてもらうとしようか。

 

俺なりに先生の秘策を考察していると、話は進んでいた。

 

"いやいや、私だけの力じゃないんだ。皆で力を合わせたからこそ、だよ。"

 

そういえば、トリニティでは作戦会議とやらをしていたそうだな。俺は部外者故、参加する事は憚られたが………

 

「そうですね♡皆さん(の知恵)が交わればこそ、です♡」

 

「な、何言ってるの!?エッチなのは駄目、死刑!!」

 

「あ、あはは……ハナコちゃん。その辺りにしておいてくださいね……」

 

……随分賑やかだな。これが決戦前の姿か……?いや、リラックスするという事も大事だからな。少しは見習うとしよう。

 

彼女達の会話を見守りながらも、周囲を警戒し、襲撃に備えていた。

 

既に夜は明けているはずだ。尤も、この曇り空ではそれすら若干曖昧だが……戦闘は始まっていると見て間違いないだろう。

 

急がねばな。

 

そう考えながら、俺達は足を進めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「………お前も分からない奴だな、アズサ」

 

「それはこっちのセリフ。サオリだって何も分かってない」

 

私が何度言ってもまるで話を聞かない。サオリだって、本当は分かってる筈。

 

銃撃戦を続け、もう満身創痍になりつつある……けど、まだだ。

 

伝えなきゃいけない事がある。

 

「サオリの言ってる恨みは、呪いは!全部植え付けられたもの!!何でそれを分かってくれないの!?」

 

私がそう言うと、サオリは震えながら、私に訴えかけて来た。

 

「……それが、それがどうした!?植え付けられたものだから何だ!?私達が知らないだけで世界に希望はあるのだと、お前はそう言いたいのか!?」

 

……違う。

 

「どこまで行こうと、世界は虚しいものなのだ!!」

 

……………違う!!

 

「いつか全て消え去り、無が生まれる!!そこに残るのはただの虚無だ!!何故そんな物(世界)に縋り、運命に抗おうとするのだ!!」

 

「違う!!!!!」

 

「私は、世界に希望を見出してる訳じゃない!!……確かに、世界は、終わりを見詰めれば、どこまで行こうと虚しい物なのかもしれない。けど!!」

 

そうだ。だからなんだ!!そんな事、私には関係ない!!

 

「例え世界がどこまで行こうと虚しい物なのだとしても、それが最善を尽くさない理由にはならない!!」

 

「………っ!!!」

 

例えこの身が砕けようと、そこだけは、その意思だけは曲げない!!

 

「それに、サオリ達だって、本当は分かってる筈!!」

 

だって────

 

「世界が虚しいと、そう言うのなら!!何で私を助けてくれたの!?何で、何でアリウス皆の事を背負おうとするの!?」

 

「…………れ……」

 

「本当に虚しいのなら!私達に何もしなくても良かった筈だ!!」

 

「………黙れ」

 

「何で!!!私達の事を気にかけてくれたの!!?」

 

「黙れぇ!!!!!!!!」

 

「お前に、お前に何が分かる!?トリニティというぬるま湯に浸かり切り、人を殺す覚悟も持たない奴が!何を分かったつもりでいる!?」

 

……やっぱり、サオリは分からず屋だ。

 

「………なら、決着をつけよう。私とサオリ、どちらが正しいのか」

 

「……ああ。此処で、全て終わらせよう。お前の信念諸共、全てを壊し尽くす」

 

……もう、身体は普段通りに動きそうにないけど。そうだとしても、足掻く事だけは、決して辞めない!!

 

私はそう決意し、幾度目かの戦闘を始めようとすると───

 

 

 

 

 

 

「ま、待ってください!!」

 

 

 

 

 

 

背後から、聞きたく無かった(聞きたかった)声が聞こえて来た。

 

「……ヒフミ。それに皆」

 

振り返ると、補習授業部のみんなが、先生がいた。

 

「……や、やっと見つけました」

 

「…………何だ、お前は」

 

サオリが、そうヒフミに問いかける。

 

「普通の、トリニティの生徒です」

 

「……だ、駄目だヒフミ。ヒフミはこんな所に来るべき人じゃない。だって、ヒフミは、普通の生徒で……」

 

私は、私が一人でやらなきゃ駄目なんだ。アリウスに関わるものとして、サオリ達に───

 

「……確かに、私は平凡で、普通です」

 

「そして、昨日見せてくれたガスマスクの姿が、本当のアズサちゃんだって事も、私なりに理解できました」

 

「……アズサちゃんが、本当は私なんかの手の届かない所に生きているのだと、そう言いたいのも分かりました」

 

「……なら、どうして───」

 

「アズサちゃんは一つ、大きな勘違いをしています!!!」

 

「っ!?」

 

大きな、勘違い?

 

「今此処で、私の本当の姿をお見せします……!!」

 

……本当の、姿?

 

少し驚きながらも、ヒフミの言葉を待った。

 

「私の正体、それは─────」

 

そう言いながら、ヒフミは紙袋を被って───

 

 

 

 

 

 

 

「覆面水着団のリーダー!ファウストなのです!!!」

 

 

 

 

 

よく分からない事を言った。

 

「……………え?」

 

ふ、覆面水着団?何だそのハナコが所属していそうな組織は?

 

と、私が混乱していると、ヒフミは私に話しかけて来た。

 

「ほら!!見てくださいこの姿を!!アズサちゃんのマスク姿にも負けてません!!寧ろ勝っています!!」

 

「う、うん………?」

 

「だから、その、ですね………アズサちゃんは、私達と違う世界になんて住んでません!!」

 

「………………」

 

ヒフミ………

 

「隣にだって立てます!!拒絶されたって、一緒に居ます!!居たいんです!!!………離れ離れになんて、なりたくないんです!!!」

 

「だから!!世界が違うだなんて、言わないで下さい!!」

 

……ヒフミ、私の事を、そこまで………

 

「ヒフミ。気持ちは嬉しい。けど、私の為に嘘なんてつかなくても────」

 

私が言葉を続けようとした、次の瞬間───

 

 

 

 

 

 

 

「嘘なんかじゃないよ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

何処からか、言葉が響いた。

 

そして、その言葉と共に、いつの間にかヒフミの背後に現れたのは───六人(・・)

 

そして、その中でも一際目立つ、ペロロの仮面を被った、浅葱色(・・・)の髪の少女が、話し始めた。

 

「リーダー!!助けに来たよ!!!」

 

「ち、ちょっと先輩(・・)……!!まだ合わせる準備が…!!……ゴホン、いやー何だか大変みたいだね〜」

 

………誰だ?

 

私がそう困惑していると、ハナコがハッとした様子で言葉を発した。

 

「あの覆面……まさか……!!」

 

その言葉に呼応して、桃色の髪の少女と、浅葱色の少女は声を揃えた。

 

『そう!私達は泣く子も黙る覆面水着団!!!』

 

「ん、この覆面がその証拠」

 

「普段はアイドル活動に勤しんでいますが、夜になると悪人を倒す副業をしているんですよ♤」

 

「いやアイドル活動なんてしてないでしょうが!?」

 

[……そういうわけで、覆面水着団のリーダーであるファウストさんのご命令の元、集合させていただきました!!]

 

「……………!?」

 

何だかよく分からなくなって来たな……

 

「え、え!?」

 

「実在したんですね………」

 

私と同じ様に驚くコハルとハナコ。

 

「……アイツらは……?」

 

少し前に来ていたミサキとヒヨリにそう尋ねるサオリ。

 

「………データベースには載ってなかったね」

 

「ふ、覆面水着団。噂で聞いた事はありましたが、本当にいたんですねぇ……」

 

心なしかサオリ達も驚いている様な気がする。……というか、なんでヒヨリはそんな事を知ってるんだ……?

 

ますます深まる疑問を思わず抱いてしまう。

 

「……リーダー。気をつけて、アイツらヘラヘラしてるけど、侮れる相手じゃなさそう」

 

「……そのようだな」

 

……サオリ達が警戒を深めている。

 

実際、あの桃色の人。立ち姿、重心の掛け方からして只者じゃない……何者……?

 

「ちょっと君たち!!私達のファウストさんに何しようとしてたのー!?おいたはダメだよー!!」

 

「その通りだね〜。それに、怒ったファウストさんは怖いよー?」

 

「そうですよー?何せファウストちゃんは実質、カイザーグループの幹部を倒しちゃったようなものですから♤」

 

「銀行強盗もお手のもの」

 

「それにこの前なんて、カイザーPMCを砲撃でぶっとばしちゃったんだから!!」

 

「もはや生きる伝説、いや暗黒街のボスといっても過言じゃないよね〜。君たちはそんなファウストさんの逆鱗に触れようとしてるんだよ〜?」

 

「うん。それがファウスト」

 

『ファウスト!!ファウスト!!ファウスト!!』

 

………もしかして、ヒフミって普通じゃないのか……?

 

息が揃ったファウストコールを聞き、私はそう感じざるを得なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ってちょっと待ってよ委員長!!ペースが速すぎるって!!」

 

[そうです委員長!!流石にこれでは他の生徒が付いて来られません!!]

 

「でも、これくらいしなきゃ先生のところに間に合わない」

 

「………それは、そうかもですけど!!」

 

「けど……私の事、助けてくれるんでしょう?」

 

[………!!このままのペースで行きますよ!!委員長の御心のままに!!]

 

「ちょっとアコちゃん!?話が違うって!!」

 

[うるさいですよイオリ!!委員長の命令が聞けないのですか!?]

 

「い、いや。そういう訳じゃないんだけどさぁ………」

 

「……こうなっては仕方ありません!!イオリ!何とかしてついていきますよ!!」

 

「チナツまでそんな事言うの!?………あーもうどうにでもなれー!!」

 

………本当に、頼れば皆助けてくれるのね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思い返すは、一日前のこと。

 

ゲヘナに帰る前にゼハートと話した、ある一時のこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ヒナ。俺の観察眼が正しければ、お前は一人で抱え込むタイプの人間だろう。今回の先生の一件も、自分の責任だと考えている』

 

『………そう、ね。私が守りきれなかったから、先生は───』

 

私がそう言ったら、貴方は───

 

『断言しよう。お前でなければ、先生は死んでいた。お前がいたからこそ、先生は命を取り留めたのだ』

 

そう言ってくれたわよね。

 

『……でも、私じゃない誰かなら───」

 

「……いいかヒナ。たらればを考えた所で意味はないのだ。お前は確かに、あの場でできる最善を尽くした。お前が俺を信じたように、俺もお前を信じている』

 

『………そう言ってくれるのは、嬉しいのだけれど……本当に、私は上手くやれていたの?』

 

『ああ。間違いない』

 

『…………………』

 

けれど、そんな簡単に意識は変わらなくて、中々納得はできそうになかった。

 

そんな時に、貴方はこう言ってくれたの。

 

『……確かに、お前は失敗したのかもしれない。だが、あえて問おう。───このままで良いのか?』

 

『…………』

 

『一度失敗したからそれで終わりでいいと、本気でそう思っているのか?』

 

『……でも、私には出来なかった』

 

私がそう弱音を吐くと、即座に答えが返って来た。

 

『一人で出来なかったのなら、周りを頼ってみればいい』

 

『………周り、を?』

 

『そうだ。一人で出来る事には限界がある。無理に一人で全てをこなそうとすれば、訪れるのは破滅だ。………俺も、かつてはそうだった』

 

『……そう、なの?』

 

少し意外だった。何故かゼハートは失敗しないようなイメージを勝手に持っていたのが原因なのかもしれない。

 

『ああ。今となってはそれも過去の出来事ではあるが……経験したからこそ、こうしてここにいる俺だからこそ、お前に伝えられる』

 

そうして、改めて私の方を向いたゼハート。

 

『周りを頼れ。弱音を誰でもいい、伝えてやれ。それが、お前の為にもなり、お前を慕っている者達の為にもなる』

 

『頼られないという事は、思いの外……辛いそうだからな』

 

少し考え込み、ゼハートは私にそう言った。

 

『…………分かったわ。貴方の言葉、信じてみる』

 

何故そこまで簡単に納得できたのかは、今でもよく分からない。

 

今まで、全部自分でやらないといけないって思ってた。そんな簡単に変わるような意思でもなかった筈。

 

けれど……私は不思議と、それがその場任せのような言葉には思えなかった。実感の籠った、確かに重みのある言葉だった。

 

だからこそ、私は貴方の言葉を信じれたのだと思う。

 

………ありがとう、ゼハート。私なんかの事を、信じてくれて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………」

 

………いや、対策委員会の皆さんが来た時点でこうなる事は何となく予想してましたよ!?でも、流石に持ち上げすぎですって!!

 

私は抗議の意味も込めて、紙袋を取り外した。

 

「あ!?ファウストちゃんが紙袋を外しちゃいました!!」

 

「……いやー流石に恥ずかしかったかぁ……ごめんね〜」

 

「本当にごめんねヒフミちゃん。流石にはしゃぎすぎちゃったよ………」

 

皆さんは一様にそう言いながら、覆面や仮面を外していきました。

 

「……全く、ユメ先輩(・・・・)はいつもそうですよね」

 

「いやいやホシノ先輩!?自分の事棚に上げすぎじゃない!?」

 

「ん、明らかにホシノ先輩もノリノリだった」

 

[何なら二人で同時に掛け声してましたよね………]

 

「可愛かったですよホシノ先輩!」

 

「……う、うへ〜……」

 

……相変わらずですね。

 

こんな戦場の中心にいてもいつも通りな皆さんを見てると、不思議と心が落ち着きます。

 

[……ま、まあとにかく。改めて……対策委員会!今度はヒフミさんを助けに来ました!!]

 

この場を一度収めようとしているのか、そう焦りながらいうアヤネさん。

 

……嬉しいです。本当に。

 

「ありがとうございます、対策委員会の皆さん」

 

私は感謝の意を込めて、そう言った。

 

そして、少し離れたところにいる方々は、周囲が色んな人達に囲まれていることに気が付き、警戒しているようだった。

 

「……完全に、包囲されてしまいましたねぇ……」

 

「コレはちょっと厳しいんじゃない?リーダー」

 

「……知った事か。無限に増殖するユスティナ生徒会の前では、全てが無意味」

 

「むしろ好都合だ。アズサ以外のこの場にいる全員に教えてやれ」

 

瞳を鋭くしながら、その人は叫ぶ。

 

「世界に存在するのは殺意と憎しみ。ありとあらゆる努力は全て無駄なのだと。それが真実だという事を!」

 

「足掻こうと何の意味もない!!全ては虚しいのだという事を!!」

 

………さっきから黙って聞いてましたが、もう我慢できません!!

 

ですが、その前にアズサちゃんにも言いたい事があるので、それは後にします!

 

そして、私は改めてアズサちゃんの事を見る。

 

「ヒフミ…………」

 

……長い間戦闘を続けて来たのだと思います。服はボロボロで、綺麗だった銀色の髪も少しくすんで見えます。

 

そんな姿を見てしまうと、怒りは再び燃え上がって来てしまいました。

 

「アズサちゃん。私は今すっごく怒ってます。すっごくです!」

 

けど、それ以上に───

 

「ですが……無事で、本当に良かったです」

 

「それに、よくよく考えれば、こうなったのはアズサちゃんのせいではないです。なので、もう私は怒ってません」

 

……都合のいい感情だと私も思ってしまいますが、今はそうです。

 

「ヒフ、ミ…………」

 

それよりもです!さっきは置いておきましたが、私はあの方達に言いたい事がたくさんあります!!

 

「ですが、あの方達にはまだ怒っています!殺意ですとか、憎しみですとか……真実ですとか………」

 

「それを強要して、全ては虚しいのだと言い続けていましたが……」

 

 

 

 

 

 

 

「それでも、私は…………!!!」

 

 

 

 

 

 

 

そんなの、嫌なんです!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

服を握り締め、心のままに喋る。

 

 

「アズサちゃんが人殺しになるのは嫌です……」

 

 

「そんな暗くて憂鬱なお話、私は嫌なんです」

 

 

そんな暗い決意をさせてしまうのも嫌です!!アズサちゃんが苦しむ顔を見たくないんです!!

 

 

「それが真実だって、この世界の本質だって言われても、私は好きじゃないんです!」

 

 

それも嫌です!私は、そんなものよりも───

 

 

そして、少し深呼吸をし、息継ぎをして───叫ぶ。

 

 

「私には、好きなものがあります!」

 

 

そうです!私には、好きなものがあります!ペロロ様も好きですが、それと同じくらい好きなものが!!

 

 

「平凡で、大した個性もない私ですが……自分が好きなものについては、絶対に譲れません!」

 

 

ここを譲ってしまったら………私は、胸を張って幸せだと言えません!!

 

だから、この言葉が例え無視されようと、何度だって伝えてみせます!!

 

そんな想いを込め、私は言った。

 

 

「友情で苦難を乗り越え、努力がきちんと報われて……」

 

 

「辛いことは慰めて、お友達と慰め合って……!」

 

 

「苦しいことがあっても……誰もが最後は、笑顔になれるような!」

 

 

「そんなハッピーエンドが私は好きなんです!!」

 

 

そうです!それが、私の好きなものなんです!!馬鹿みたいだって言われても、ここだけは曲げません!!

 

私は、綺麗なバッドエンドよりも、整合性のないハッピーエンドが見たいんです!!

 

例えそのバッドエンドが、私達に夢が叶わない事の美しさを伝えてこようとしたって、そんなの、知りたくないんです!!!

 

それに、私には責任があります!!

 

『ヒフミ、俺の分までハッピーエンドを迎えてくれ。それが、俺にとっての救いにもなる』

 

だって、約束したんです!!ハッピーエンドにするって(・・・・・・・・・・)!!!

 

だから────!!!

 

肺が痛くなって、喉が掠れてでも、言わないといけないんです!!

 

 

 

「誰が何と言おうとも、何度だって言い続けてみせます!」

 

 

「私達の描くお話は、私たちが決めるんです!」

 

 

誰かになんて決めさせやしません!!私達が歩み、私達が軌跡を残していくんです!!

 

 

「終わりになんてさせません、まだまだ続けていくんです!」

 

 

「私達の物語……」

 

 

そして、ありったけの(想い)を込めて、叫ぶ。

 

 

「私達の、青春の物語(Blue archive)を!!!」

 

 

 

 

 

それが、私の友達(ゼハートさん)と交わした約束。そして、私のしたい事ですから!!!

 





空崎ヒナ

原作では先生がヒナの自責の念を溶かしていたが、ここではかつて、似たような心境だったゼハートの一言により、もう少し頑張ってみようと奮起することとなった。オマケに、少しは風紀委員会の皆んなを頼ろうという意識も芽生えて来た。そう何度も実行するのは彼女の性格上難しいだろうが……それは、確かに大きな一歩だろう。

梔子ユメ

何故か生存している。このような事態に陥った理由は……後々描写させてもらうので、この場では割愛させてもらう。

やっぱブルアカ宣言ってカッコいいですよね……ストーリー見返してたんですけど、ここで襲い掛かってくる感動は何度見ても変わりません。

たくさんの高評価や、コメントなどありがとうございます!ドシドシしてください!!

それでは、また次回お会いしましょう!!
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