魔法少女のマスコットになったと思ったら、魔法少年(女装)だった話   作:らくべえ09

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02、まあ一話が終了して

 

 

 その時。

 わいは夜中コンビニでなんか買おうと出かけた。

 

 というのは、まあ建前で。

 ほんまのところちょっと外を歩きたかったんや。

 ……どうやら、わいは転生をしてもうたらしい。

 いや、ホンマに。

 

 ネットとかでお馴染みのアレやね。

 なんか大きな音がしたような気がして飛び起きたら……。

 そうなっとった。

 

 しかしやね、諸君?

 

 別に異世界とか、まったくの別人やなくって。

 高校時代のわいになっとったやんで。

 家も、おとんもおかんもおんなじ。

 いや、それは逆行というかタイムリープ的なもんやろ?

 と、誰かに言ったらつっこまれるやろなあ。

 

 しかしどうやら転生のほうらしい。

 なんちゅうか、高校まで人生の記憶っちゅうのがあるんやけど。

 色んな部分はちょっとずつ違うんや。

 

 それにや。

 ネットを見てみたら――

 総理大臣の名前とか年号とかが全然違う。

 記憶を探ってみると、大まかなところはおんなじやけど。

 あちこちが微妙に違う。

 

 並行世界というか、マルチバース?

 そんな感じらしい。

 

 最初はえらく困惑したで。

 わいの中に、30過ぎたオッサンのそれと、高校のわいが一緒におる。

 それがお互いにあわてとるちゅうのかな。

 せやけど、だんだん落ち着いてきてやね。

 どっちのわいも一緒になっていった。

 中年のわいが乗っ取るとかやのうて。

 うまい具合に融合した感じや。

 

 ええ年こいても精神的に成長しとらんのが功を奏したんかもな。

 情けない話や……。

 

 しかし、ま。

 やっぱり混乱はしとる。

 なんで、冷静になるために外出したんやけど……。

 

 コンビニに行く途中で、曲がり角を曲がろうとした時や。

 

「うおっ!?」

 

 前からきとった相手とでくわした。

 ちょうど電灯の真下で、相手の顔はハッキリ見えた。

 お、女の子?

 

 あんまり美形なんで一瞬お化けか幽霊やと思ったほどや。

 せやけど……。

 着とるのはブレザーで、男もんの制服やった。

 あれ、男か?

 いやいや、ないな。

 うん。

 これはきっと何かの趣味とか事情とかで――

 

 と思った途端や。

 なんや周りの景色が歪んできて……。

 

 気づいたら、この場所におったんや。

 ほんで、さっきの状態になっとったちゅうわけ。

 

 それはさておき、いや。

 

 そ、そろそろ武装? 状態から戻りたいんやけどなあ。

 わいが思うと、自然と体が元の……まあ、動物みたいなんに戻った。

 体を見て見ると?

 なんや緑色でぬいぐるみっぽい。

 やっぱりマスコットの立場か?

 

 で。

 目の前には、ぬいぐるみちゅうかマスコットがおる。

 うーん。

 クマみたいな感じやで。

 いわゆる、テディベアちゅうやつか?

 

「正直混乱してると思うが……お前さんは、魔法少女になった。いや、選ばれたというべきか」

 

 ぬいぐるみが言うと、

 

「なんだ、それは――」

 

 例の美形―― 

 黒い魔法少女はゾッとするような冷たい目と声で言った。

 

 うーん。

 ちょいとハスキーな美声やで。

 顔ばっかりやなくって、声もええんな。

 

「そうだな……。簡単に言うと素質のある女の子が選ばれる、極めて特殊な立場というやつか」

 

 この説明……。

 あんまり簡単でもないような気がするなあ。

 曖昧な感じで、今いちハッキリしとらんわ。

 

 もしや。

 これはダーク系の魔法少女ものか!?

 

「オンナノコ?」

 

 黒い魔法少女、今度はハッキリと表情を浮かべた。

 うわっ。

 眉をしかめた。

 ゴキブリでも見るみたいな目つきやで……。

 

「ふざけるな」

 

 黒い〝魔法少女〟は吐き捨てるみたいに、

 

「俺は男だ。れっきとしたな」

 

 え?

 

 ……。

 

 ええええ?

 わいは混乱で頭がクラクラした。

 男装少女と思ったら、男の娘か!?

 いや……。

 そう言えばフツーに男のカッコしとったけど……。

 

 ま、まあ?

 とにかく……。

 

 アニメの第1話みたいな経験のあとや。

 わいらはマスコットと魔法少女に案内されて、おかしな場所に連れていかれたで。

 すぐ路地裏に入ったら、真っ暗な道に出た。

 正直かなり怖かったわ。

 

 いや、アニメやったら面白そうに思えるけどな。

 こいつは、自分で体験しとる現実や。

 何をどうされるか、わかったもんやない。

 

 しかし、好奇心がめっちゃあったんも事実。

 もしかすると、この先美少女との出会いがあるかもしれん!

 まあ、今のわいはマスコットやねんけどな……。

 

 歩いていくと、すぐに前が明るくなった。

 そこは、なんかでっかいドームの中……みたいに思えたな。

 高い高い天井があって、まわりはどっかの公園?

 ちょっと小高い場所に市役所みたいな建物があったで。

 中は、こうなんちゅうかこう――ホテルのロビーに似てたな。

 

 途中でクマが、

 

「こっからはわしが連れてくから。()()()は帰ってもいいぞ」

 

 タヌキマスコットが言うたら、

 

「う、うん」

 

 魔法少女はチラリとわいや黒い魔法少女(いや、少年か?)を見てから――

 そのままどっか行った。

 

 やっぱり家に帰ったんかな?

 マスコットと同居とかしてないのかしらん?

 

 そんなこと考えてると、どっかの社長室みたいな部屋に連れていかれた。

 高そうな机がある……けど、椅子がない。

 机の上には、白い小さなキツネがおった。

 

 おおう……。なんかすごい魔力とかもってそうやで。

 

「やあ、よく来てくれたねえ。ま、立ち話もなんだ。かけてくれたまえ」

 

 キツネが言うと、床から高そうな椅子が2つ出てきた。

 わいはそこに座る、というよりのっかったというか。

 ただ、あれ?

 なんか無意識のうちに空中に浮いとったわ。

 

 となりの美少年もまだ魔法少女コスチュームのまんまや。

 ぜんぜん違和感ないから、これが普通みたいに思いかけてた。

 

 そんでまあ、白いキツネが言うことには――

 

 

 

 

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