青い空と赤い星   作:(눈_눈)

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戦闘描写がむずい!
そして特に話題もない!


#10  相対する赫と白

ドォォォォォォォン!!

 

赫い彗星と白き巨蛇。

二つの怪物が、砂嵐の中心で正面から激突した。

彗斗の刀がビナーの装甲へ叩き込まれる。

 

ギィィィィィン!!

 

鈍い金属音が砂漠へ響いた。白い巨大な身体が僅かに揺れる。

 

「……硬っ!」

 

思わず悪態をつく。

ゲームで見た姿より、実際に相対するビナーは遥かに巨大だった。

高層ビルのような巨体、砂を掻き分ける白い装甲。

その圧倒的な質量が、ただ存在するだけで恐怖を与えてくる。

だが——。

 

(それでも、諦める理由にはならねぇッ!)

 

翼を大きく広げる。

 

キィィィィィン!!

 

龍気を噴射、一瞬で上空へ飛び上がった。

すると——。

 

ガコンガコン

 

ビナーの側面が展開される。

 

「……なんだッ!?」

 

シュゴォォォォ!!

 

砂嵐を埋め尽くす程の白い軌跡が放たれる。

 

「ミサイルかっ!?」

 

急上昇そして急降下。

砂丘のすぐ上を掠める。しかしどれだけ激しい動きをしてもミサイルは振り切れない。

そして後ろで爆発が起こる。ミサイルの爆風が背中を押し、熱で背中が焼ける。

 

「あーもうッしつこいって!!」

 

龍気を翼へ流し込む。

 

キィィィィ!!

 

さらに加速。

誘導弾を引き連れたまま旋回し、そのままビナーへ向かって突撃する。

 

「返すぞッ!」

 

急上昇。

曲がりきれなかったミサイルが一斉にビナーへ向かう。

 

ドドドドドドド!!

 

ミサイルがビナーに直撃し、白い装甲が焼ける。

今のミサイルでビナーが少しよろめく。

その隙。

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

さらに龍気を圧縮し全身に流す。

一撃、二撃、三撃。

盾で装甲を叩き、装甲の隙間を刀と翼で突き刺し、翼から圧縮した龍気を放つ。

だが——。

 

ギィィィ……

 

ビナーの巨大な眼がこちらを捉える。

その瞬間、ビナーが突然動きを変え巨体を激しく動かしだす。

 

(質量攻撃かッ!?)

 

咄嗟に刀と翼を抜き翼から赫い龍気を出し、その場から飛び去る。

しかし不安定な姿勢で咄嗟に飛んだため、姿勢を崩し地面に転がる。

そしてすぐに立ちあがろうとした、その瞬間——。

胸の奥が焼けた。

 

「っ!?」

 

熱い、違う。熱いなんてものじゃない。

身体の内側。血管を、骨を、臓器を。何かが燃やしている。

 

「がっ……!」

 

予想外の痛みに膝をつく。

限界まで圧縮した龍気が暴走していた。

本来なら制御されるはずの力が、限界を超えて溢れ出している。

心臓が脈打つたび、全身が焼けるような痛みが全身に走る。

あまりの痛みに呼吸すらまともにできなくなる。

 

「ぐっ……!」

 

本能が警告する。止まれ。これ以上は危険だ。死に至るぞ。

その瞬間、視界の端にユメが映る。

 

彗斗くん!

 

その声だけで、立ち上がれた。

 

「……まだだ…!まだ…終わらんよ!」

 

キィィィィィン!!

 

赫い龍気がさらに濃くなる。

胸が今までにないほど赫く輝き、翼の隙間から溢れた光が炎のように揺らいだ。

 

ビナーが身体を持ち上げる。巨大な口がゆっくりと開いていく。

 

ギィィィィィ……

 

空気が震えた。

アツィルトの光がくる。彗斗は直感で理解した。

なら、避ければいい。アツィルトの光は発射から着弾までの時間は短いが、予備動作が長い。

そして一度避けてしまえば、こっちを捉えるのは不可能ッ!

そう思った。だが、

 

「彗斗くんッ…!」

 

ユメ先輩の存在に気づいた。

俺の真後ろにいる。完全に射線上にいる。

 

(まずいッ!)

 

時間が止まったように感じる。

避ける。そうすれば自分は助かる。

だが、その先にはユメがいる。

迷いはなかった。

盾と翼を前に構える。

 

(受け切るッ!)

 

自分から、一歩前へ進む。

その瞬間——、視界が白に染まる。

 

ドォォォォォォォ!!

 

極太の光が放たれた。

 

「彗斗くん!!」

 

ユメの悲鳴。

次の瞬間。

アツィルトの光が彗斗を飲み込んだ。

 

「————-ッ!!」

 

全身が焼けたような感覚がする。

盾が溶けて、左半身へ直撃している。制服が消し飛ぶ。左腕の感覚が消える。

視界が白で染まり何も見えない。

 

熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

 

身体の中を焼く龍気。そして身体の外を焼くアツィルトの光。

二つの激痛が重なる。

 

「ぁ……ぐ……」

 

地面へ膝をつく。

左を見る。腕がない。

肩から先は焼き切られ。左半身は無惨に爛れていた。

 

「彗斗くん!!」

 

ユメが駆け寄ろうとする。

 

「来ないで!!」

 

叫ぶ。

 

「まだ……終わってない……!」

 

立ち上がる。

左腕は失った。左半身は動かない。

それでも尚、立ち上がる。

 

キィィィィィィィィィ!!

 

圧縮した龍気が暴走する。

 

「あ……あぁ……!」

 

身体の中が燃えるような感覚が走り、骨の隙間を龍気が暴れ回る。

痛い、苦しい、今すぐにでも楽になりたい。

なのに、身体は勝手に立ち上がる。

翼が広がる。赫い光が再び強くなり、翼から龍気が漏れ出し炎のように揺らいでいる。

 

「……お前を」

 

その言葉に呼応するようにビナーが後退する。どうやらこちらをかなり警戒しているようだ。

しかし彗斗は気にせず、一歩前へ進む。

 

「…壊す!」

 

ドォォォォン!!

 

地面が砕け、砂が巻き上がり彗斗が消える。

上、下、右、左。

ビナーの周囲を目にも止まらない速度で飛び回る。

背後に周り、翼を叩きつけ装甲を砕く。

ミサイルが飛ぶ。しかしありえない速度、そして物理法則を無視したような動きを捉えきれず、

明後日の方向へ飛んでゆく。

しかし彗斗自身にも限界が近づく。

痛みが増す、どうやらアドレナリンが切れたようだ。

しかし、止まらない。

龍気の暴走の痛み、そしてアツィルトの光によって焼けた痛みが逆に思考を冷静にさせていた。

 

『————!!』

 

ビナーが叫び、大きく口を開き奥が輝き始める。

アツィルトの光が来る

 

(今だ。)

 

彗斗は笑った。

 

「待ってたぜェ!!この瞬間をよォ!!」

 

翼を広げる。最後の加速。

 

キィィィィィィィィィィン!!

 

赫い軌跡が一直線にビナーの口へ飛び込む。

 

「な……!」

 

ユメが叫ぶ。だが止まらない。

喉の奥。アツィルトの光が放たれる寸前、彗斗は翼を前へ突き出す。

 

「これでッ…終わりだーーッッ!!」

 

銀の翼がゆっくりと正面へ向けられ、その槍のような翼脚が互いに噛み合うように重なる。

 

ギィィィィィィン……

 

耳障りな高音。

翼の隙間から、赫い龍気が漏れ出した。

空気が震える。まるで世界そのものが悲鳴を上げているかのようだった。

翼脚の先端へ集束した赤い龍気がやがて赫い光に、赫い光は次第に白く、白い光は青白く。

そして――眩しすぎる一筋の閃光へと変わった。

その瞬間、翼がわずかに開いた。

――撃つ。

 

ズドォォォォォォォォン!!

 

天地を揺るがす轟音。極太の龍気の奔流が、一直線にビナーの顔を貫いた。

それはビームなどという生易しいものではなかった。

暴走する龍脈を、そのまま一本の槍へ押し固めたかのような破壊の光。

ビナーの装甲は触れた瞬間に蒸発し、頭部を内部から吹き飛ばしていく。

ビナーの後頭部から貫通した龍気の赫い光が火の粉のように散る。

 

『——————ッッ!!』

 

ビナーが声にならない声を叫ぶ。

しかし次の瞬間、限界を超えた龍気と漏れ出したチャージしたエネルギーが衝突した。

 

ドォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!

 

大爆発が起こる。ビナーの口の中から爆炎が噴き出した。

爆風が遅れて襲いかかり、砂が巻き上がり砂塵を起こりる。

その爆発でビナーが倒れる。そして彗斗もその爆発に飲み込まれ、意識が闇へ落ちる。

 

ズズズズズズ……

 

爆発の煙の向こう、ビナーの顔が見える。

全身の白い装甲は所々剥がれ落ち内部が見えており、顔の右半分は抉れていた。

ビナーは巨体を引きずりながら、砂の中へ撤退し、静寂が戻る。

いつの間にか砂嵐は去り、雲ひとつない綺麗な夕焼けが見える。

 

____________________________________________

 

その頃。

 

「ユメ先輩!!」

 

とてつもない音を聞いたホシノが砂漠を駆けていた。砂丘を越える。

そして、つい先ほどまで戦闘があった場所へ辿り着く。

 

「……

 

言葉を失う。そこには何十mもあるクレーターやら、何か大きなものが通った後のような不自然な砂の跡があった。しかし、気を取り直しあたりでユメ先輩を探すと、大きな盾を持ちアビドス高校の制服を着た緑がかった薄い水色の髪、ユメ先輩がいた。

無傷とはいかないが大きな怪我はなかった。

しかし、様子がおかしい。ユメ先輩の視線の先を見る。そして、少し離れた場所。

誰かが倒れている。

 

「彗斗……?」

 

嫌な予感がする。

走って近付く。

そこで、呼吸が止まった。

目に映ったのは、左半身は酷く焼かれ、左腕は失われ。

全身が血と砂にまみれていた天宮彗斗だった。

 

「…けい…と?」

 

思わず駆け寄る。そして生きているか確認する。

僅かに、胸が上下している。呼吸をしている。生きていた。

 

「……馬鹿

 

震える声が漏れた。

 

なんで……」

 

ホシノは膝をつく。震える右手で、そっと彗斗の肩へ触れた。

 

どうして、そこまで……」

 

返事はない。意識は失われたままだった。

沈みかけている太陽の光が倒れた赫い彗星と、涙を浮かべる二人の少女を静かに照らしていた。




主人公がなぜユメ先輩を連れて逃げなかったのか疑問があるかもなのでここで説明させてもらいます。まず、主人公はユメ先輩を連れて飛んで逃げることは可能でした!まあ方向がわからないので逃げた先で遭難して◯にます*1。逃げなかった理由はバルファルクの特殊個体と同じで、龍気の暴走による攻撃性の上昇です。簡単に言うと破壊衝動ですね。
理由としては以上です。

力は速さと速さや!極超音速でぶち抜いたる!

*1
暑くて干からびそ〜

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