1日一話ペースで投稿できるように頑張ります。
こちら回収班! 対象を確認! 至急増援を要請します!」
カイザーPMC隊員の声が無線越しに響く。
「対象は飛行能力を有する未知個体!」
「繰り返す! 飛行能力を有する未知個体を確認!」
その頃。
天宮彗斗は必死に空を飛んでいた。
「いつまで追ってくるんだよ!?」
背後から迫る車列を振り返りながら叫ぶ。
砂漠の上を数台の装甲車両が疾走している。その側面には見覚えのあるロゴ。
カイザー。
ブルーアーカイブ世界における巨大企業だ。
しかし今の彗斗にとっては企業などではない。
ただひたすら自分を追い回してくる危険な集団だった。
「捕まるかっての……!」
翼が大きく広がる。龍気が噴き出す。赤い光が砂漠の空を染めた。
キィィィィン――
まるでジェットエンジンのような音が響く。速度が一気に上昇する。
景色が流れる。廃墟が線になって後方へ消えていく。
「くっ!?」
2度目の飛行だがやはり慣れない。速すぎる。制御技術がまるで足りない。
右へ傾く。慌てて修正する。
今度は急上昇する。危うく失速しかける。
「うわっ!」
身体が大きく揺れた。それでも何とか持ち直す。
少しずつ。本当に少しずつだが飛び方が分かってきている気がした。
そんな時だった。
ダダダダダダダッ!!
銃声。
後方から放たれた弾丸が空を裂く。
「撃ってきた!?」
ヒュンッ
弾丸が横を通過する。
さらに第二射。第三射。
今度は数が増えていた。
車両の窓から身を乗り出したPMC隊員たちが射撃している。
「冗談だろ!?」
彗斗は慌てて回避した。
急旋回。急降下。急上昇。
だがそれが逆に予測不能な軌道となり、隊員たちも狙いを定められない。
「当たらない!」
「軌道が読めません!」
隊員たちが怒鳴る。
しかし偶然は長く続かなかった。
ガンッ!
翼脚に当たった乾いた音ではない。
その一発は運悪く彗斗を捉えた。
「っ!?」
翼の付け根。
そこを弾丸が掠めた。
衝撃が走る。
身体の中を巡っていた龍気が乱れる。
キィィィン――
翼の発光が不安定になった。
「まずい……!」
瞬間。
バランスが崩れた。
世界が回転する。
空。地面。空。地面。
視界がぐるぐると入れ替わる。完全に制御を失った。
「うわあああああああああっ!!」
必死に翼を動かす。だが言うことを聞かない。
龍気の流れが滅茶苦茶になっている。どうにもならない。
彗斗はそのまま落下していった。
遠くにアビドス高校が見える。
だが届かない。その手前。
砂漠に飲み込まれた廃墟群。
かつての街だった場所へ向かって一直線に落ちていく。
「止まれえええええっ!!」
叫びも虚しく。
次の瞬間。
ドォォォォォォン!!
凄まじい轟音が砂漠に響いた。
砂煙が天高く舞い上がる。廃ビルの壁が崩れる。周囲の窓ガラスが砕け散る。
そして静寂が訪れた。
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数10分前。
アビドス自治区。
廃墟街周辺。
「見えましたか?ユメ先輩」
「んー……まだかなぁ」
双眼鏡を覗きながらユメが答える。
隣ではホシノも周囲を見回していた。
少し前だった。
空に奇妙な光が見えたのだ。
赤い閃光。そしてジェット機のような轟音。
さらに遠方で聞こえた爆発音。異常事態であることは明らかだった。
「流れ星だったのかなぁ?」
ユメが呟く。
「まだ昼間ですよ」
ホシノは答える。
「じゃあ隕石かも!?」
二人はアビドスのパトロール中だった。
最近はヘルメット団が増えて動きが活発になってきている。
念のため確認しに来たのだ。
そして。
「ホシノちゃん!なんか大きい穴があるよ!」
ユメが足を止めた。
巨大なクレーター。周囲に散らばる瓦礫。
何か大きな衝撃が加わって地面が不自然にへこんでいる。
「何かが爆発した跡…?」
ホシノは疑問を口にする。
二人は慎重に近付く。
何があるか分からない。武器はいつでも使えるようにしていた。
やがて。
クレーターの中心が見えた。
「……人?」
ホシノが目を凝らす。
そこには少年が倒れていた。
銀色の装甲。巨大な翼。見たことのない姿。
そして頭上にはヘイローが存在しない。
「え?」
ユメも目を見開いた。
ヘイローがない。キヴォトスではあり得ないことだった。
「助けないと!」
ユメが急いで近付き、脈を測る。
呼吸もある。意識を失っているだけらしい。
「よかった、まだ生きてる」
ユメは安堵したように微笑んだ。
「大きな怪我はないみたい」
しかしホシノは警戒し続ける。
誰なのか。なぜ空から落ちてきたのか。
なぜ翼があるのか。なぜヘイローがないのか。分からないことだらけだからだ。
「とりあえず学校へ運ぼう!」
ユメはそう言った。
「っ正気ですか!?こんな怪しさだらけの男を校舎に入れるだなんて!?」
「でもこのまま砂の上で放置は可哀想だよぉ…」
ホシノは反対する。
その時だった。
ホシノの耳がぴくりと動く。
「……ん?」
「どうしたのホシノちゃん?」
ユメが振り返る。
ホシノは遠くを見ていた。
風に乗って聞こえる。微かな音。
エンジン音だ。
しかも一台ではない。複数。
高速でこちらへ近付いている。
ホシノの表情が変わる。普段の眠たげな雰囲気が消える。
「ユメ先輩」
「どうしたの?」
「何か来ます…」
短い言葉だった。しかしユメはすぐ理解した。
ユメは気絶している彗斗を運び高所へ移動し周囲を確認する。
そして見えた。
砂煙。黒い車列。武装車両。
「カイザー……?」
ホシノが眉をひそめる。
車両の数は多い。十台以上はある。しかも真っ直ぐこの墜落地点へ向かっている。
偶然とは思えなかった。
「この子を追ってきたのかな?」
ユメが呟く。ホシノも頷く。
「おそらく」
少し考え。ホシノは決断した。
「…ユメ先輩」
「うん」
「そいつを連れて学校へ行ってください」
「分かった!」
ホシノはカイザーの方へ振り向きショットガンを構える。
「私が時間を稼ぎます」
「無理しちゃダメだよ」
「カイザー程度に遅れはとりません」
そう言ってホシノはカイザーの方へと歩いて行く。
「ちゃんと戻ってきてね」
「わかってますよ」
ユメは頷く。
そして気絶したままの彗斗を背負った。
そのままアビドス高校の方向へ走り出す。
ホシノはそれを見送り。一人、廃墟街に残った。
遠方では車列が迫っている。カイザーPMC、何を目的としているのかは分からない。
だが――。
「あいつが何者か帰ったら問い詰めてやりますよ…」
ショットガンを構える。
廃墟を吹き抜ける風が髪を揺らした。
そして数分後。
カイザーPMCの車両が廃墟街へ到達する。
その進路を塞ぐように小さな少女が一人立っていた。
「はあ」
ホシノは静かにため息をつく。
「ここから先には行かせませんよ」
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「クックック…興味深いですね…神秘ではなく恐怖でもない、いえ根源がそもそも違う…
既存の理論では説明不能…、まさしく未知の概念…実に興味深い…クックック…」
うわーん!キャラのエミュが難しすぎます!
ようやく原作キャラを出せました。
果たしてこの作品はどこまでいけるのか!
最終編まで行けたらいいな!