EDF 怪獣戦記   作:究極神黎斗

12 / 29
第12章 「同時戦域」

第12章「同時戦域」

海の戦闘が終結した時点で、人類は一つの戦場を取り戻した。

だが、それは終わりではなかった。

むしろ——

“余裕が生まれたことで、他の戦場が動き出す”。

前線。

ガイガン(FW)

ガイガンは依然として戦場に存在している。

だが、その動きはこれまでとわずかに違っていた。

止められている。

完全ではないが、“流れ”を制御されている。

LCが空間を削り、

ヴェスパーが逃げ道を潰し、

レッドガンが押し返す。

そこにイェーガーが加わることで、戦線は維持されていた。

だが、それはあくまで“維持”に過ぎない。

「……削りきれない」

司令部の分析は明確だった。

ガイガンは学習している。

同じ配置、同じ圧力では徐々に対応される。

時間の問題だった。

都市部。

ジラ

こちらも変化していた。

出現頻度が増えている。

そして何より、“行動が連続している”。

単発ではない。

明確に“線として繋がる動き”。

補給拠点が順番に落ちていく。

コンバットフレーム部隊が再投入される。

ウイングダイバーが上空から監視を続ける。

それでも、完全には止められない。

「……増えている可能性」

誰も否定できなかった。

そして海。

潜水母艦

ダガーラの支配は崩壊した。

だが海域は完全には安定していない。

セイレーンが再びソナーを展開する。

「……微弱な異常流、複数確認」

一点ではない。

広がっている。

「残っている……」

ダガーラは“消えた”のではない。

分散した。

ここで初めて、三つの戦場が一つに繋がる。

前線ではガイガンが戦線を削り、

都市ではジラが補給を断ち、

海ではダガーラが再構築を始めている。

どれか一つを止めても、意味がない。

司令部に沈黙が落ちる。

そして、結論が出る。

「……分けている場合じゃない」

全戦力を、同時に動かす。

■再編

ここで人類側の戦力が再構築される。

前線。

レッドガン、ヴェスパーに加え、イェーガー部隊を集中投入。

“止める”から“削る”へ移行する。

都市。

コンバットフレームを主軸に、ウイングダイバー、レンジャー部隊が再配置される。

“維持”から“奪還”へ。

海。

潜水母艦群の再編成。

轟天号は後方待機に下がり、次の突入に備える。

さらに——

ここで、初めて名前が出る。

「……例の機体は?」

短い沈黙。

「まだ安定していません」

「それでもいい。選択肢がない」

その時、別の格納庫で起動音が響く。

ヴァルチャー

完全ではない。

だが、“何かを変えるための戦力”。

■ラスト

戦場は三つに分かれている。

だが——

戦いは、もう一つだ。

それぞれの戦場で起きていることが、すべて繋がっている。

ガイガンは止まらない。

ジラは増え続ける。

ダガーラは形を変えて残る。

そして人類は、

初めて“同時にすべてと戦う”段階に入る。

■第12章「同時戦域」 終

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。