EDF 怪獣戦記   作:究極神黎斗

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第17章「破綻」

第17章「破綻」

後退したはずの巨体が、再び動く。

ガイガン(FW)

距離を取ったまま静止しているその姿は、先ほどまでの攻防とは明らかに違って見えた。動いていないはずなのに、圧だけが残っている。前線に、わずかな違和感が広がる。

「止まった……?」

G5イグアス

「警戒しろ、そのまま詰めすぎるな」

G4ヴォルタ

だが、流れはまだこちらにあった。押している側の判断が、そのまま一歩を踏み出させる。

「今だ!!押し切るぞ!!」

G1ミシガン

前線が踏み込んだ、その瞬間だった。

ガイガンの装甲が軋む。嫌な音が空気を震わせる。

司令部

「対象エネルギー反応、急上昇——!」

次の瞬間、巨体が“消えた”ように見えた。

踏み込みの質が変わっている。速い、というより——間合いそのものが狂う。

「はぇ——いや、違うぞこれ!」ヴォルタの声が低くなる。

一瞬で距離を詰められる。

「チッ……!」イグアスが反応するが、間に合わない。

衝突。

一撃で、隊列が崩れる。

司令部

「前線崩壊!各機、間隔を——!」

「散開しろ!!立て直せ!!」ミシガン

だが、その指示よりも早く、ガイガンは次の標的へ移っていた。

視線の先にいるのは——

ヴァルチャー

「来るぞ!!」イグアス

回避が間に合わない。

直撃。

ヴァルチャーの機体が弾き飛ばされる。

司令部

「ヴァルチャー大破寸前!出力急低下!」

「クソッ……!」ミシガン

その混乱の中で、一機だけ違う動きをしていた。

V.Iフロイト

すでに位置を取っている。状況を追うのではなく、先に回り込んでいる。

踏み込み、正面から迎え撃つ。

衝突。

止める。

だが——押し切れない。

わずかに、押し返される。

司令部

「V.I……押されています……!」

「……そう来るか」

V.IIスネイル

初めて、その声にわずかな揺らぎが混じる。

「全機、距離を取りなさい。今のは想定外です」

「了解した、無理はしない方がいい」

V.IVラスティ

「下がれ!ここは受ける!」ヴォルタ

「うるせぇ、分かってる!」イグアス

だが、ガイガンは止まらない。

連撃。

さっきまでとは違う。動きに迷いがない。対応しようとした瞬間、その先を潰してくる。

司令部

「戦闘パターン変化……解析が追いつきません!」

成立していた戦線が、目に見えて崩れていく。

フロイトが、再び前に出る。

今度は真正面から。

衝突。

拮抗。

一瞬だけ、時間が止まる。

その均衡の中で、フロイトが小さく呟く。

「……いいな」

わずかに笑う。

「そうこなくては」

次の瞬間、ガイガンの刃が変形する。

軌道が変わる。読めない。

一閃。

フロイトの機体をかすめる。

司令部

「V.I被弾——!」

一瞬、戦場が静まる。

誰もが、その結果を見る。

フロイトは止まらない。ただ一歩だけ引き、姿勢を崩さずに構え直す。

視線は逸らさない。

ガイガンも動かない。

互いに、次の一手を測っている。

■ラスト

完成したはずの戦術は、通用しなくなった。

だが、それは敗北ではない。

通じていたからこそ、相手が変わった。

戦いは——次の段階へ進む。

■第17章「破綻」 完

 

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