EDF 怪獣戦記   作:究極神黎斗

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第19章「突破」

第19章「突破」

戦場に落ちた静寂は、すぐに破られた。

ガイガン(FW) が再び動き出す。第18章で受けた損傷は確かにあるはずだったが、その挙動はむしろ洗練されていた。先ほどまで通じていた連携、そのすべてに対して“先回りする動き”に変わっている。

司令部

「攻撃パターンを読まれています……同じ動きは通りません!」

「チッ……!」イグアス

「関係ねぇ、押すぞ!!」ヴォルタ

再び前線が踏み込む。だが間合いに入るより先に軌道を潰され、踏み替えた先も読まれる。攻めているはずなのに、常に半歩遅い。

「くそっ……!」ヴォルタ

「下がれ!!深追いするな!!」ミシガン

それでも戦いは止まらない。

「特空機、前に出ます」

特空機1号 セブンガー と 特空機2号 ウインダム が再び戦線に入る。

セブンガーがブースターを噴かし、強引に間合いを詰める。

「……持つ」

掴みにいく。

だが、その手はわずかに空を切る。ほんの数センチのズレ。それだけで拘束は成立しない。

「……読まれてる」

ウインダムがすぐに回り込み、角度を取りながら射撃を重ねる。

「撃つよ」

レーザーと誘導弾が連続して叩き込まれるが、直前で軌道をずらされ、決定打にはならない。さらに接近し、高回転硬芯鉄拳で削りにかかるが、それすらも半歩先で外される。

それでも二機は止まらない。セブンガーが無理やり距離を詰め、ウインダムが角度を変えて削り続ける。

だがすべて——わずかに届かない。

「くっ…!ここまでか」

V.IIスネイル

「いや、違うな」

V.IVラスティ

「まだ余裕があるやつがいる」

その視線の先。

V.Iフロイト は動かない。

ただ見ている。

ガイガンの軌道。

セブンガーが外されたズレ。

ウインダムの攻撃が弾かれた角度。

すべてを繋げるように。

「……そういう動きもあるのか」

わずかに呟く。

次の瞬間、動く。

正面でも側面でもない。これまでの攻防で生まれた“わずかな隙間”に滑り込むように踏み込む。

ガイガンの刃が振り下ろされる。

その瞬間——そこにはもういない。

「なっ……!?」イグアス

次の瞬間には背後。

振り抜かれる一撃。

深い。逃げ場がない。

装甲を貫き、そのまま内部まで届く。

ガイガンの動きが止まる。

完全に。

巨体が崩れ落ち、地面を揺らす。

しばらく、誰も動かなかった。

「……終わったのか」ヴォルタ

「……あぁ、今度こそな」ミシガン

セブンガーはその場で構えたまま。

ウインダムもまだ照準を外さない。

完全に沈黙したのを確認するまで、誰も気を抜かない。

その中で。

フロイトだけが一歩引く。

「面白いな」

それだけを残して、戦場から離れる。

■ラスト

誰か一人では届かなかった。

だが、すべてを重ねたことで“届く位置”までは来ていた。

そして最後に、その先を越えたのは——ただ一人。

■第19章「突破」終

 

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