EDF 怪獣戦記   作:究極神黎斗

22 / 29
第22章「補足」

第22章「捕捉」

崩壊した市街地の中で、戦場の様相は確実に変わり始めていた。

ジラ は依然として姿を捉えさせない。出現と同時に攻撃し、即座に位置を変える。地上、地下、建造物の影——その移動は繋がらず、追跡は成立しない。

だが、先ほどの交戦で一つだけはっきりしたことがある。

完全に捉えられないわけではない。

止まる“瞬間”がある。

「ストーム2より各員へ」

大尉の声は落ち着いていた。

「やり方は見えた。あれは消えてるんじゃない、“逃げてる”だけだ。止まる一瞬を作って叩く」

単純だが、それを成立させるには精度が要る。

再び幼体の群れが押し寄せる。

だが今度は違う。

前に出たのはストーム3だった。

「問題ない」

重火力が地面ごと叩き潰し、敵の動きを強引に止める。倒すためではなく、“流れを固定する”ための一撃。

その隙間をストーム4が埋める。

「右、抜けるぞ」

高速で回り込み、逃げようとする個体だけを正確に撃ち抜く。数を減らすのではなく、動きの方向そのものを制御していく。

戦場が、絞られていく。

「いいぞ、そのまま押し込め!!」ストーム2

爆発が連続し、幼体の流れが分断される。逃げ場が削られ、動きが限定されていく。

そのとき、地面が動いた。

来る。

ジラ

側面から潜り込むように出現し、そのまま離脱しようとする。

だが、その進路上に——すでにいる。

ストーム1。

何も言わない。

アサルトライフルを二発だけ撃つ。

一発目で軌道をわずかにずらし、二発目で進行方向を固定する。

完全に止めたわけではない。だが、“行き先”は決まる。

その先に、ストーム3が構えている。

「……来い」

重火力が真正面から叩き込まれ、ジラの動きが止まる。

ほんの一瞬。

「今だ!!叩き込め!!」ストーム2

爆発が重なり、ストーム4が上空から撃ち抜く。逃げ道が完全に潰される。

その中心へ、ストーム1が踏み込む。

距離ゼロ。

ショットガン。

直撃。

衝撃で巨体が大きく揺れる。

初めて、明確にダメージが通る。

だがジラはまだ止まらない。強引に体勢を崩しながら地面を破壊し、再び潜り込む。

完全には仕留めきれない。

一瞬、静寂が落ちる。

「……浅いか」ストーム2

だがその声に焦りはない。

むしろ確信に近い。

「今の形だ。次で落とす」

周囲ではまだ幼体が蠢いている。だが先ほどまでの脅威ではない。すでに処理できる範囲に入っている。

ストームは、やり方を掴んだ。

逃げる敵ではない。

捕まえて、叩く敵だ。

_____________

■第22章「捕捉」終

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。