EDF 怪獣戦記   作:究極神黎斗

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第27章「反撃」

第27章「反撃」

崩れたはずの戦線は、それでも完全には止まらなかった。

空はすでに怪獣側に傾いている。ラドンとギャオスが中空を埋め、低空へ流れ込む流れは止まっていない。

それでも人類側の火力は消えておらず、戦場はまだ“抵抗できる状態”を保っていた。

低空では大型武装ヘリ部隊が編隊を捨て、散開したまま戦い続けている。

互いに距離を取り、それぞれが別角度から射線を通すことで、ラドンの進路に弾を置き続ける。

撃墜を狙うのではなく、通さないことに集中した動きだった。

その結果、空の流れにわずかな歪みが生まれ、自由に飛べる領域が少しずつ削られていく。

中空でも同様に、戦い方は変わっていた。

LCは広く空域を取るのをやめ、狭く限定したラインを維持することに集中している。

その線に合わせてHCが前に出て、押し上げるのではなく“押し下げられない位置”で踏みとどまる。

降りてくる個体を完全に止めることはできない。

それでも進路は確実に歪み、その先で別の部隊の射線に入る。

ばらばらだった動きが、再び一つの流れとして繋がり始めていた。

その中心にいるのが

アースガロン Mod.3 だった。

損傷を抱えながらも前線から退かず、低空と中空の境界に立ち続ける。

降下してくる個体に対して正面から撃ち合うのではなく、進路をずらすことに徹している。

わずかに軌道が変われば、その先には味方の射線がある。

単体で決めるのではなく、戦場全体の流れを繋ぐ動きだった。

エクドロモイも同じ方向に動いていた。

広く囲い込むのではなく、狭い空間に誘導して火力を集中させる。

MG型の弾幕で逃げ道を削り、PG型が上から圧をかけて進路を限定する。

その中に誘い込まれた個体は動きが単調になり、そこへEP型が踏み込む。

撃破には至らなくても軌道は大きく崩れ、そのまま戦線の外へ押し出される。

崩壊したはずの戦場に、確かに“押し返す力”が戻り始めていた。

その流れをさらに押し上げているのが、上空に留まり続けるバルテウスだった。

損傷を受けながらも火力は健在で、一斉制圧ではなく時間差と角度を使った攻撃に切り替えている。

誘導が乱れることを前提に、爆発の重なりで空間を削る。

その結果、中空に残っていた隙間が一時的に埋まり、ギャオスとラドンの動きが鈍る。

空が、ほんの一瞬だけ整う。

その瞬間を逃さず、各部隊が前に出る。

ヘリが射線を重ね、LCがラインを押し上げ、エクドロモイが踏み込み、アースガロンが流れを繋ぐ。

ばらばらだった戦闘が、再び一つの方向に揃う。

取り返せる、という感覚が戻る。

だがそれは、長くは続かなかった。

上空を走る

デルタンダル の動きが変わる。

同時に突っ込むのではなく、時間差で侵入してくる。

一体目で回避を引き出し、二体目で体勢を崩し、三体目で空いた進路を抜ける。

対処の順番そのものを崩してくる動きだった。

アースガロンが一体に対応した瞬間、別方向が空く。

その隙間にギャオスが滑り込む。

さらに遠方で旋回する

ガゾート が位置を変える。

戦場全体のズレが、再び広がる。

ミサイルの誘導は機能している。

それでも精度が落ち、決定的な制圧にならない。

せっかく埋めた空間に、再び穴が生まれる。

その穴を、怪獣が通り抜ける。

押し返したはずの流れが、再び崩れ始める。

それでも人類側の動きは止まらない。

ヘリは撃ち続け、

LCは線を維持し、

エクドロモイは踏み込み、

アースガロンは境界に立ち続ける。

だが誰もが理解していた。

このままでは、持たない。

流れを一気に奪い返す一手がない。

その時、通信に新たな信号が割り込む。

「最終調整、完了」

その一言で、空気が変わる。

まだ見えていない。

だが確実に——

次の一手が動き出していた。

■第27章「反撃」終

 

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