EDF 怪獣戦記   作:究極神黎斗

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第4章 崩壊

第4章「崩壊」

制圧域は、完成されたはずだった。

外からの侵入を防ぎ、内部を守り、戦線を安定させる。実際、多くの都市でその効果は証明されていた。

だが——

その前提が崩れる。

防衛ラインの内側から現れた

メガロ

それは“想定の外”だった。

至近距離での出現。

回避も展開も間に合わない。バラムは即座に砲門を向けるが、距離が近すぎる。

直撃。

衝撃が内部まで貫く。

構造が軋み、姿勢が崩れる。

その隙を逃さず、外側から別の個体が接近する。

二方向からの圧力。

それまで安定していた制圧域が、一気に不安定になる。

指揮系統は即座に再編を試みる。

内側のメガロを優先排除し、外部の侵入を抑える。

だが、間に合わない。

メガロが地面を叩くたび、周囲の構造が崩れていく。

防衛設備が破壊され、火力網に穴が空く。

そこへ外側の怪獣がなだれ込む。

制圧域は、“守る場所”から“閉じ込められる場所”へと変わる。

別の制圧域でも、同様の現象が発生する。

同時多発的な内部出現。

偶然ではない。

だが、その時点では誰もそれを証明できない。

やがて、決定的な瞬間が訪れる。

メガロの一撃が、バラムの脚部に直撃する。

バラム

巨体が揺れる。

支えを失い、ゆっくりと傾く。

そのまま、崩れ落ちる。

制圧域の中核が、破壊された。

その光景は、各地に伝播する。

“絶対だった防衛”が、崩れる映像。

人々の中で、何かが変わる。

撤退命令が出る。

だが、すでに遅い場所もある。

包囲され、脱出できない部隊。通信が途絶える拠点。

防衛は、崩壊へと転じる。

そして、その混乱の中で——

新たな影が現れる。

都市の外縁。

崩壊した防衛線の先。

静かに、しかし確実に接近してくる。

ジラ

他の怪獣とは違う動きだった。

暴れない。無駄に破壊しない。

ただ、状況を“見ている”。

次の瞬間、動く。

崩れた防衛ラインの隙間を正確に抜け、弱い箇所だけを狙う。

速い。

そして、的確すぎる。

残存部隊が対応するが、追いつかない。

すでに“崩れている戦場”では、その機動を止められない。

気づいたときには、制圧域の奥深くまで侵入されていた。

それは破壊ではない。

“侵食”だった。

人類は、この時初めて理解する。

戦線は崩れたのではない。

“崩された”のだと。

そして、その裏で。

深海。

観測の届かない領域。

かつて確認されていた“小さな反応”が、さらに増えていた。

数が、桁違いに増えている。

まだ誰も、それを脅威とは認識していない。

だが確実に、次の段階が始まっている。

制圧域は崩壊し、戦線は後退する。

人類は再び、押される側へと戻る。

だが今回は違う。

ただの無力ではない。

“戦い方を知った状態での劣勢”。

それが、この先をさらに過酷にする。

■第4章「崩壊」 終

 

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