EDF 怪獣戦記   作:究極神黎斗

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第7章 侵食

第7章「侵食」

イェーガーの投入によって、戦場の構図は変わった。

怪獣に対して、正面からぶつかり、押し切る。

それが可能になったことで、人類は初めて“主導権”に触れ始めていた。

だが、その均衡は長く続かない。

異変は、戦場の外側から現れる。

最初に確認されたのは、高速で接近する単独個体。

既存の怪獣とは明らかに違う軌道だった。直線的で、無駄がない。迷いもない。

やがて、その姿が視認される。

ガイガン(FW)

サイボーグ化された異形の怪獣。

だが問題は、その外見ではなかった。

“戦い方”が違う。

最初の接触は、都市外縁の戦線だった。

LCが展開し、いつも通り散開する。

HCが前に出て、火力を構える。

その瞬間——

ガイガンが加速する。

一瞬だった。

LCの編隊が、真横から切り裂かれる。

回避が間に合わない。そもそも、狙われていることに気づくのが遅れる。

ただ速いだけではない。

“順番に崩している”。

HCが迎撃に入る。

だが、その火力が集中する前に、ガイガンはすでに位置を変えている。

側面。

死角。

そこへ正確に入り込み、関節部を破壊する。

HCが膝をつく。

戦線が、崩れる。

「……違う」

誰かが呟く。

これまでの怪獣とは、根本的に違う。

力で押すのではない。

“構造を崩している”。

その異常な戦闘に対し、イェーガーが投入される。

ストライカー・エウレカ

最速の機体が、迎撃に向かう。

接触。

ストライカーが正面から踏み込む。

だがガイガンは止まらない。

ぶつかる直前で軌道を変える。

横へ抜ける。

そして、背後へ。

斬撃。

ストライカーの装甲が裂ける。

初めての“有効打”。

ストライカーが距離を取る。

だが、追いつかれる。

ガイガンの方が速い。

そこへ、もう一体が割り込む。

ジプシー・デンジャー

今度は逃がさない。

真正面から受ける。

衝突。

ガイガンの動きが、一瞬止まる。

その瞬間、ストライカーが側面から打撃を叩き込む。

初めて、ガイガンが後退する。

だが——

崩れない。

すぐに体勢を立て直す。

そして、再び加速する。

戦場を横切る。

LC、HC、残存部隊。

“弱い順に”崩していく。

戦場が、侵食されていく。

それは破壊ではなかった。

制圧でもない。

“解体”だった。

イェーガーが踏み込む。

だが、捕まえきれない。

止められない。

初めて、

“勝てないかもしれない相手”が現れる。

やがて、ガイガンは動きを止める。

戦場を一通り“壊した”後だった。

そのまま、ゆっくりと離脱する。

追撃はできない。

残されたのは、

崩壊した戦線と、

“戦い方そのものを壊された”という事実。

■ラスト

司令部は沈黙していた。

勝てるはずだった。

並んだはずだった。

だが、その前提が崩れた。

「……戦い方を変える必要がある」

誰かが言う。

それは、後退ではない。

“次の段階”への移行だった。

そしてその裏で、

もう一つの脅威が動いている。

ジラ

別の場所で、

別の戦場を侵食している。

戦いは、さらに複雑になっていく。

■第7章「侵食」 終

 

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