戦「エボルト、3行でまとめろ」
エ「はァ!?無茶振りすぎるだろォ!?」
美「良いから言いなさいよ。はいさーん、にーい、い―」
エ「分かった分かった!言うから!
一つ、2年前のライブの生き残り、立花響がガングニールの奏者に。
二つ、戦兎が変身し、ノイズを殲滅させた。
三つ、二課の内部から情報を得る方法を考えていたところ、突如葛城巧から天啓が!」
紗「と、いうことで今回は二課サイドから始まるわ」
惣「それでは、第3話をどうぞ〜」
エ「俺のあらすじ紹介については誰も何も言わないのかァ!?」
戦「あ、今回は二課SIDEから始まるよー」
〜特異災害対策機動部二課〜
〜三人称SIDE〜
―戦兎が葛城巧からの天啓を受け取った頃、特異災害対策起動部二課では響へシンフォギアへの説明を行っていた―
「―――それが、翼ちゃんや響ちゃん達が纏うことのできるノイズに対抗するための聖遺物、《シンフォギア》なのよ」
そう優しく諭すように言いながら響に説明しているのは、二課の科学者であり、シンフォギアシステムの生みの親、『櫻井了子』。
「なるほど...全くわかりません!」
「ハッハッハ、まあ急にこんなことを聞かされてもそうなるよな」
開き直った響に笑いながらそう言うのは赤いカッターシャツに身を包んだ体格のいい男は、二課の司令官である、『風鳴弦十郎』。
「...」
「ははは...」
「...(汗)」
何やら神妙な顔で響を見つめているのが、国内トップアーティストであり第一号聖遺物「天羽々斬」の装者、『風鳴翼』。(ちなみに翼は弦十郎の姪である。)
その隣で困ったように笑っている優男が、翼のマネージャーであり、ジャパニーズNINJYAである、『緒川慎次』。
剣呑そうな雰囲気を見て焦っているのが、二課のオペレーターである、『友里あおい』と情報分析官である『藤尭朔也』。
「でも、なんで私にそんなものが使えるんですか?」
当然とも言えるようなそんな質問に答えるように部屋のスクリーンに響のレントゲン写真が映し出される。
その心臓部分にあたる部分に、何か音楽記号の
「これがなんなのか、君には分かる筈だ」
「は、はい。私が二年前のライブで負った怪我です。」
そう答える響。
「そう。心臓付近に複雑に食い込んいて、手術でも摘出不可な無数の破片。調査の結果、この破片は二年前奏ちゃんが所有していた第三号聖遺物『ガングニール』の破片であることが、判明したのよ」
「...!」
了子が明かしたその事実に、翼は大きなショックを受けていた。
それもしょうがないだろう。なにせそのガングニールは、翼の相棒であった『天羽奏』が所有していたものなのだから。
「...じゃあ、響ちゃんへの説明も終わったところだし、次は...」
「...ああ、こいつについて、だな」
その弦十郎の言葉が合図になったのか、部屋のスクリーンには新たな画像が映し出された。
「これって...ビルドさん...?」
「ああ。」
「この人、急に現れて私達のことを助けてくれたんです!この人?って一体誰なんですか?」
「それがな、全く分かってないんだ」
「私が追跡しようとしましたが、気づいたときには影も形もありませんでした。彼の戦闘中のビデオも拝見しましたが、隠密能力、逃走能力、身体能力、状況判断能力、ともにかなり高いと思われます」
「まあだが声や口調からしておそらく男。そして最後は彼が指を鳴らした瞬間に煙が発生したことから、他にも仲間がいる可能性がある」
「もし仮に仲間がいるとすると、組織的な行動の可能性もありますね」
「まあただ、彼の言動からして私達や一般人に危害を加えようとする意思はなさそうね。それが分かっただけで良かったとは思うけど」
「...それでも正体不明の人物ということには変わりはありません。発見次第拘束します」
「翼。そこまでしなくても―」
「私はこれで失礼します」
そう言って、翼は部屋から出ていってしまった。
「はあ、あいつは...」
「ま、まあでも!今度またビルドさんにあったら、なにか情報が得られないか話してみます!!話してみた感じいい人だと思うので!」
「ああ。それは俺達も思った。その時はよろしく頼むぞ。響くん」
「はい!」
「でも今後は、この正体不明の戦士の個体名を『ビルド』とし、協力関係締結の提案や、情報の聞き出しなどを行う!いいな!」
『はい!』
その会話を最後に、二課のビルドに対しての会議は終わった。
しかし―――
「...あの、すみません」
そこで、おずおずと響が声を挙げる。
「どうした?」
「この力のことって、誰かに話しちゃいけない事なんですか?」
そう問いかける響に、弦十郎は静かに、そして真剣に答える。
「君がそのの力を持っている事を何者かに知られた場合、君の周りの人間に危機が迫る可能性がある。もしかしたら『命』にまで関わってしまうかもしれない」
「命に...関わる...?」
それを聞いた響の脳裏に、親友の未来の顔が浮かぶ。
「...」
その幻影を見て、響は思わず俯いてしまう。
「俺たちが守りたいのは機密ではない。人の命だ。そのために、どうかこの力のことは内密にしてほしい」
「あなたに秘められてしまった力は、それほどにまで大きくて危険だということを、どうかわかってほしいの」
そこで実感が湧いてきた響は、言葉を失う。
自身に秘められた力はそこまで大きなものだという事を、少し前までただの一般人であった響には、到底理解出来なかった。
しかし、しばらく考え込んでいた響は、突然顔を上げると、弦十郎に問いかけた。
「...私の力で、誰かを、助けることができるんですよね?」
その問いかけに、弦十郎と了子は強く頷く。
「分かりました!!」
それが、響の出した精一杯の答えだった。
一方、部屋を出ていった翼は、相棒の力を持っている響のことについて悩んでいた。
(...私に、あいつを受け入れることができるのか?あいつが奏の置き土産だったとしても、どうやって...)
内心では響を受けいれなければとは思っているが、翼にはどうしてもそれができそうにはなかった。
(奏...私はどうすれば...)
そこで、扉が開く音が聞こえ、振り返ればそこから響が駆け寄ってきて、翼の前に立つと話しかけてきた。
「私、戦います!!」
響はいきなりそんなことを言い出してきた。
「慣れない身ですが、一生懸命頑張ります!翼さんと一緒に戦えればと思います!」
そう言いながら、響は翼に手を伸ばす。
「...」
しかし翼は、響の手を見つめた後、目を逸らしてしまった。
「...あ、あの...つ、翼さ―」
その瞬間、本部内に激しく警報が鳴り響く。
「な、何!?」
「ノイズだ!急いで行くぞ!」
「ノイズが出現しました!」
「一家に本件は我々が預かることを通達しろ!」
「了解しました!」
その頃、弦十郎が職員たちに次々と指示を飛ばしていた。
「ノイズの出現血特定!座標出します!」
そして映し出された場所は、リディアンのすぐ側だった。
「リディアンより距離二百!」
「かなり近いな...」
「すぐに向かいます!」
駆け出した翼を追いかけるように、響も駆け出す。
「待て!君はまだ...」
そこを弦十郎に止められるが、
「私の力が誰かの助けになるんですよね?だったら私は行きます!」
響はそう短く答えると、すぐに翼の後を追っていってしまう。
「危険を承知でも誰かの為に戦おうとするなんて、あの子、良い子ですね」
「...果たして本当にそうだろうか?」
「え...?」
弦十郎は重く、静かに言う。
「翼のように、幼いころから鍛錬を積んできた訳ではない。ついこの前まで日常の中に身を置いていた少女が、誰かの助けになるというだけで、命を懸けた戦いに赴けるというのは、それは、歪な事ではないだろうか?」
「つまりあの子もまた私たちと同じ、こちら側ということね・・・」
二人が去った指令室には、重い空気が漂っていた。
【ノイズが出現しました。皆さんは直ちに近くのシェルターへ避難して下さい。繰り返します―】
そんな刑法があたり一面に響き渡る中風鳴翼は何十体ものノイズの前に立っていた。
そのノイズ達を睨みつけた翼は、胸のペンダントを握りしめ、歌う。
「――――Imyuteus amenohabakiri tron――」
次の瞬間、胸のペンダントが輝き出し、翼に蒼銀の装甲を纏わせる。
すぐさま歌いながら走り出す翼。
その翼に対抗するようにノイズは体中に生えた針を全て飛ばすが、翼は縦横無尽に飛び回りながら、すべて避けていく。
『翼!もうすぐ響くんが到着するから、二人で連携して―』
「いえ、私一人でできます!」
『おい翼―』
弦十郎からの無線もすべて聞かずに切り、ソノママノ伊豆の背後を取ったと思いきや、その手に持つ巨大な刀で翼が後ろにいることすら気づいていないノイズを後ろから串刺しにする。
串刺しにされたノイズはすぐさま炭化するが、翼の後ろから強大なノイズが現れる。
「翼さん!後ろ!」
響の声で後ろへ振り返った翼は、
『蒼ノ一閃』
その巨大な刀でノイズを一瞬にして断ち切る。
そして全てのノイズを殲滅し、一息ついていた翼の元へ、響が駆け寄る。
「翼さーん!」
「...」
「私、今は足手纏いかもしれないですけど、一生懸命頑張ります!だから、私と一緒に戦ってください!」
その響の願いを聞いて、翼はしばらく黙る。
そして―
「...そうね」
そう、返ってきた翼の言葉に、響は嬉しさをあらわにする。
だが―
「貴方と私、戦いましょうか」
「え...?」
響が想像していた言葉とは全く違う言葉によって、嬉しさは困惑へと変わった。
その言葉意味を響きが理解する前に、翼は自身の刀を響に突き付ける。
「え、あの、そ、そういう意味じゃありません。私は、翼さんと力を合わせようと...」
「分かっているわ、そんな事」
「だ、だったらどうして...」
「私が、貴方と戦いたいからよ」
「え...」
その言葉に、響は増々困惑する。
「私は貴方を受け入れられない。力を合わせ、貴方と共に戦う事など、風鳴翼が許せるはずがない」
響が纏っているのは相棒のシンフォギア。
しかしそのシンフォギアを纏っているのは数日前まで日常の中に居た、何も知らないド素人。
それがただの自分のわがままだとしても、そんな相手と共に戦う事なんてできない。
「貴方もアームドギアを構えなさい」
―そして翼は響に告げる。
「それは、常在戦場の意思の体現。貴方が、何をも貫き通す無双の一振り、
その言葉を一方的に告げられた響はというと。
「か、覚悟とかそんな...私、アームドギアなんて分かりません...分かってないのに構えろなんて、それこそ全然分かりません!」
シンフォギアのことすらよく理解していない響にとって、アームドギアとは全く持って未知なるもの。
そんなものをいきなり理解し、使えというのは無論無理な話だ。
その言葉に、翼は刃を降ろし、そして背中を向けて歩き出す。
まだ油断はできない状況だが、響は不安そうに翼の背中を見つめている。
「覚悟を持たずに、のこのこと
翼が十分着距離を取ったところで、響に言い放つ。
「―――奏の何を受け継いでいるというの!?」
「―――...ッ!?」
その言葉が、響に大きな衝撃を与える。
その衝撃で響が動けないにも関わらず、翼は飛び上がり、刀を響に向かって投げる。
ただの刀だったはずのそれが一気に巨大化し瞬く間に巨大な大剣へと変わる。
その柄頭を、一気に加速した翼は思いっきり蹴り込み、一気に響に叩きつけようとする。
『天ノ逆鱗』
「え――」
「ねえ、これ、かなりまずいんじゃない?」
「わかってる。だが、なにか嫌な予感がしてな...」
あわやその一撃が響に直撃しようとしたとき。
『...!?まずい、お前ら伏せろ!』
二儀軌の直ぐ側を何かが物凄い勢いで通り過ぎたかと思うと―――
「コラァ!」
「ハアアアアアアアァァァァ!?!?」
「...あの人を敵に回したらまずそうだな...」
怒号とともに、ワインレッドのカッターシャツをなびかせ、拳一つで『天ノ逆鱗』を真正面から打ち返した。
―そう。その人物こそ...
「げ、弦十郎さん!?」
二課の司令官。風鳴弦十郎。その人だった。
弦十郎は直撃したらただではすまないような大剣を、古武井市で受け止めるどころか、拳と剣の間に僅かにできた空間で受け止めていた。
それだけでなく、あろうことかそのまま大剣を消滅させてしまったのだ。
「えぇぇえええぇぇえええぇぇえぇぇえええぇええ!?」
「おじさま...!?」
それだけに留まらず、
「おぉぉぉお......たァっ!!」
気合の声と共に、足元の道路が一気に崩れあたり一面に吹き飛ぶ。
「俺、あの人に勝てる気がしないんだけど...」
『生身でもあそこまでに威力が出せるなら、ブラッドスタークと互角かそれ以上にやりあえそうだなァ...』
「えええええええええぇぇぇぇ!?」
その威力は、一瞬弦十郎が人間ではないのではないかと錯覚させるほどのものであった。
同時に下水道管をも損傷させてしまったのか、割れたアスファルトの隙間から水道水が怒涛の勢いで溢れ出す。
それと同時に、響と翼のシンフォギアが解除される。
翼は地面に静かに着地した後その場にへたり込む。
「あーあーこんなにしちまって。何をやってんだお前たちは。この靴、高かったんだぞ?」
「いや絶対そこじゃないだろ」
「ご、ごめんなさい・・・」
「一体何本の映画が借りられると思ってんだ?」
見れば、弦十郎の靴は原型も残さないような有様になっていた。
『なんで映画ァ?』
へたり込む翼に向かって、弦十郎は話しかける。
「らしくないな、翼。ろくに狙いもつけずにぶっ放したのか?それとも...」
そこで、弦十郎は翼の異変に気付いた。
「翼、お前、泣いて...」
「泣いてなんかいません!」
その事実を、翼は否定する。
「涙なんて、流していません...」
翼は何度も何度も、頑なに否定する。
「風鳴翼は、その身を、剣と鍛えた戦士です。だから...」
「...」
剣という言葉は翼が自分の心を守るために作った固く、そして脆い殻のようなものだった。
弦十郎はそれ以上翼の確信触れるようなことはせず、そっと翼を立ち上がらせる。
「翼さん...」
「...」
その様子に、響は心配そうに呟き、翼に向かって話しかける。
「私、自分がダメダメなのは分かっています」
響はとても心優しい少女だった。
「だから、これから一生懸命頑張って、」
なんとかして翼を慰めようとしたのだろう。
「
その言葉が、翼の核心に更に触れてしまうものになるとは一切知らずに。
次の瞬間、乾いた破裂音がその場に響き、響が困惑しながら見上げた翼は――――泣いていた。
その後、二課の職員達が現場に到着し、炭を全て集めていた。
響はその光景を見ながら、瓦礫に腰掛けていた。
「はぁ...」
思い詰めたようにため息を吐いた響の手に、もふもふとした"何か"が当たる。
「ん?」
響がその"何か"の方を見てみると。
『...』
前足は赤、後ろ足は青。尻尾は金色で、胴体はすべてを飲み込む
そんな摩訶不思議な色合いをした『兎』が地面にちょこんと座り、響のことをじっと見つめていた。
「兎...?なんでこんな所に...?」
響が訝しげにその兎を見ていると、ある事に気がついた。
「あれ?この子、首に板が提がってる...?」
そう。その兎の首には『エボル
「捨て猫?じゃなくて捨て兎?...なんか変な名前」
響がそう言うと、エボル兎は不機嫌そうに後ろ足でダンダン!と地面を強く蹴る。
「あ!ご、ごめん!謝るから落ち着いて!!でもなんか可愛いな...」
慌てて落ち着かせようとする響は、不意にエボル兎を掴み上げ、抱きしめる。
『!?!?』
ジタバタともがくエボル兎を気にもとめずに、
「すうぅー...はぁー...」
猫吸いならぬ兎吸いを開始する。
そしてしばらくエボル兎のもふもふを堪能した後、
「よし!二課に連れて帰ろう!」
とエボル兎を抱きかかえながら少し遠くで待機している緒川のもとまで歩いていく。
ーこのとき、響は気付いていないが、かなり力を入れていたため、エボル兎がぐったりとしていた。
「緒川さーん!!」
「響さん、遅かっ―...なんですか、それ」
「見ての通り兎です!!どうやら捨てられたみたいで、可愛いので二課につれて帰ろうと思って!!」
「兎...?これが...?...響さん、その子を少し貸して下さい」
「え?は、はい!分かりました!」
響からエボル兎を受け取った緒川は、エボル兎を隅から隅まで調べる。
「...どうやらカメラや盗聴器の類はないようですね。色がおかしいですが、本当に捨て兎のようですね...分かりました。二課に連れて行って、そこで飼いましょう」
「ありがとうございます!!やったねエボル兎!!」
『プキュ!』
響に賛同するように、嬉しそうに鼻を鳴らしたエボル兎。
『(計画通り、っと♪男の方はともかくガングニールはチョロいなァ)』
しかしその正体は、兎に擬態したエボルトであった―
どうしてこんな事になってしまったのか。
それは数日前に遡る―――
『戦兎。僕に考えがある』
そう言ったのは、戦兎が旧世界で記憶喪失になるまでにあった人格。葛城巧。
彼は本来新世界創造のときに人格ごと消えてなくなるはずだったのだが、戦兎たちと同じく、戦兎の二重人格として今世界に来てしまったのだ。
「うおっ、葛城!?」
「え、巧から話しかけるなんて珍しいね」
『僕は戦兎経由で君たちのことを常に見ているからね。まあそれより戦兎。先程の話だが、少し僕と変わってくれないか?』
「ん?ああ、分かった。」
そういうと戦兎は目を閉じる。
そして直ぐに目を開けると、その目からは冷徹な雰囲気が漂っていた。
「お、巧か?」
「...ああ、僕だ」
そういったのは戦兎と人格を交換した巧。
「巧ィ、さっき言ってた考えってなんだァ?」
そうエボルトが問うと、巧はエボルトの方をちらりと見て、ニヤリ、と「悪魔の科学者」と言われるにふさわしい笑みを浮かべた。
「...なんかとてつもなく嫌な予感がするんだがァ?」
「御名答だエボルト。...まず、誰かが二課に潜入するという作戦は君たちと同じだ。そしてやるのは君だ。エボルト。君にはなにか可愛らしいペットに擬態してもらう」
突然の爆弾発言。固まる地下室。
「まず立花響は人助けが趣味だ。よって、可愛い動物が道端に捨てられていたら間違いなく拾うだろう。それもノイズが発生して、その戦闘後、そのタイミングで立花響の元へ行けば、二課へ戻る立花響とともに二課に行ける、というわけ―」
「待て待て待て待て!!流石におかしいだろォ!?」
「だがこれが一番効率的で成功確率も高い」
「ハァ!?」
「まあ良いんじゃないか?」
「そうね。あの子のお人好しは噂になっているレベルだし、ペットとして二課に潜入できればほとんど怪しまれずに情報が入手できるわね」
「お前らァ!?」
「まあ別にいいんじゃない?かわいいペットになったこいつもいじりがいあるだろうし」
「美空ァ!?お前までェ!?俺はお前らの世界を壊しかけたんだ存在なんだぞォ!?そんな俺がペットになってお前ら面白いのかァ!?」
『面白い』
「満場一致かよクソがァ!?」
「では何の動物に擬態させるかだが―」
そこで戦兎が巧に話しかける。
『(おい葛城。エボルトって言う名前から思いついたんだが―――)』
「...なるほど。それはいい考えだね。ではエボルト。少し別室に移ってもらおうか」
「おい!なにする気―おいこら引っ張るなァ!ほんとに何にされるんだ俺はァ!?」
まさに奇想天外と言えるような作戦を思いついた巧によって、エボルトは別室に連れて行かれた。
―数分後―
「やあ君たち。うまくいったようだよ」
そう言って戻ってきた巧が抱えていたのは―
「まあこの作戦がベストだろう」
『(ちょ、おまww)』
「思った以上にwか、かわいいww」
「に、似合ってるぞw」
「ふ、ふふw」
『笑うなお前らァ!!』
仮面ライダーエボルをイメージしたような色合いになっている
「目は真っ赤なのね」
「へえ、足は赤と青なのか...」
「尻尾が金色でかわいい!」
『(胴体の黒はブラックホールイメージか?)』
「ふむ。エボルトにしてはセンスが良いんじゃないか?」
『おいにしてはってなんだァ?』
「というかなんで兎w」
「ああ。戦兎からの提案でね。兎は「と」とも読むからね。エボルトのトを兎に置き換えて、エボル兎という名前の兎にしてみてはどうかと言われたんだ」
『お前か戦兎ォ!!』
「まあでもお前ならすぐに戻れるだろ?それでも戻らないってことはそのままでいいってことだろエボルト?w」
『...』
「まあそういうことで、次にノイズが出現するまで待とうか。その時に立花響とエボル兎が接触。いいね?」
『...もうどうにでもなれ』
「じゃあその時が来るまではエボル兎は私のものね!」
『...はァ?』
「ん?」
「え?」
「じゃあ行こっかエボル兎!」
『おい待て急に―しまってる!しまってるから!駄目ならせめてもう少し優しくしてくれ!』
「美空。俺も撫でていいか?」
「うん!いいよ」
「んじゃあお言葉に甘えて...おお、思ったよりもふもふなんだな...」
『おい俺は許可してな―おい潰れる!力入れすぎだ惣一ィ!』
「...写真撮っておきましょうか」
『おいふざけ――』
その後地下室には、エボルト改めエボル兎の悲痛な叫びか響き渡ったと言う。
『(まああいつには妥当な罰だな。うん)』
「そうだね。それじゃあそろそろ戻ろうか」
『(りょーかい)』
そして時は現在、場所は二課に戻る。
そこでエボル兎は―
「どうですこの子!?可愛いでしょう!?」
「あら、ほんとに可愛いわね!撫でてみてもいかしら?」
「わ、私も撫でてみたいです...!」
「その子、これからここで買うんですか?」
「ハッハッハ、可愛いなあお前は!」
「げ、弦十郎さん!潰れちゃってます!!」
「...(明らかにありえない色合い...人馴れしすぎている...捨てられたとは思えない清潔具合...警戒しておくに越したことはない)」
「と、思ってるんじゃないですか?翼さん」
「ッ!?...ああ、緒川か...ああ、その通りだ。兎と言っても、警戒しておくに越したことはないだろう」
「ええ。私も全く同じです。兎とは言えども万が一がありますからね」
『(残念だがその万が一はもう起こっ...いやだから痛いんだよおっさん!?潰れるから本気でェ!てかこの展開前にも見たぞォ!?)』
「じゃあこれからよろしくね!エボル兎!」
「響ちゃん。しまってるわよ」
『(...やっぱり承諾しなけりゃよかったかねェ...)』
想像以上に重労働だったエボル兎は、内心そう思うのだった。
次回予告
「ん...いっぱいですね」
「全て、私の弱さが招いた事だ...」
『ノイズが出た!すぐに出動してくれ!』
「―――流れ星見たかったあああああ!!」
「―――だから?んでどうすんだよ?」
「...『ネフシュタンの鎧』...」
「来い!出て来い!アームドギアァ!」
「防人の生き様!覚悟を見せてあげる!」
「頼む!俺しか彼女を救えないんだ!」
次回〘衝撃のリユニオン〙
「な、んで...お、前がそっち、に...?」
「...すまねぇ。戦兎」
作者です!この小説は毎日更新ではありません!
そして、明日から多忙になるので、更新速度が遅くなります!後了承下さい!