鏡に映るのはハッサム。
色違いの姿のハッサム。
「これ私か……?」
私が動いてみると鏡の中のハッサムも同じ動きをしている。
私の顔は写っておらずハッサムのみ。これから導き出される答え……それは私がハッサムになっているということだ。
「なんだこれ……。あっ、そういや私の手持ちポケモンは!?」
私はキョロキョロと辺りを見渡すと、ポケモンが二体倒れていた。
「カイリューと……ロズレイド。まさか……」
とりあえず起こしてみることにした。
軽く叩いて起こそうとするが目が覚める気配はない。軽くこづいただけでは起きそうにないな。
私は出来るだろうという考えのもと、技を使ってみることにした。
「バレットパンチ!」
「ごふぅ!」
カイリューの鳩尾にクリーンヒット。
「げほっ……なんだよぉ」
「目が覚めたか」
「ハッサム? 色違いじゃん! ってなんで喋ってんの?」
「サザンカでしょ」
「そーだけど? てかあのポケモンは?」
「知らない。それより鏡見てみろ」
「鏡?」
サザンカは鏡を覗き込んでいた。
「おわぁあああああ!? なんじゃこりゃあああああ!?」
「私たちポケモンになってる。そこのロズレイドは多分カズラ」
「なんで私たちポケモンになってんの!?」
「わからない」
とりあえずカズラを叩き起こした。
「なるほどなるほど。私たちはポケモンに……。どういう理屈でなってんだろ」
「さぁ……。とりあえず元に戻る手段探さないとね……」
「あのポケモン探すしかないでしょ」
「だとしても私たち三人ポケモンだよ? 歩いてたら野生と間違われて即捕獲よ。特にワレモは色違いだから尚更狙われるしね」
「……ワカバは?」
「そーいや見ないね? どこいったんだろ」
「……あの」
ひょこっと瓦礫の下から顔を出していた。
瓦礫の下には私たちのモンスターボールもあった。どうやら手持ちポケモンは全員無事のようだ。
「主人様」
「……ギルガルド?」
「私のご判断で勝手に飛び出し、この者をお守りいたしました。褒めてください」
「あ、えらいえらい……」
「なんかポケモンの言葉わかるようになったね」
「ポケモンになったからだろーね」
私たちのポケモンが一斉にモンスターボールから飛び出してきた。
私の手持ちのボスゴドラ、ナットレイ、アーマーガア、メタグロス、ジバコイル、ギルガルドと、サザンカの手持ちのチルタリス、バクガメス、ブリジュラス、ジャラランガ、ガチゴラス、カミツオロチ。そしてカズラの手持ちのウツボット、ドヒドイデ、ペンドラー。
デカいポケモンばかりで研究所内が圧迫している。
「……大丈夫? ワレモ」
「ありがとうナットレイ。大丈夫だよ」
「可愛そーに……。でもご主人、空飛びたくなったら僕に頼ってね」
「ワシの頭でもわからん……。ニンゲンがポケモンに……」
「……シンキンカン」
私のポケモンたちが心配して駆け寄ってくれた。
「さて、これからどーするよ」
「どーするもなにもあのポケモン探して戻るしか」
「だよな。でも私たちは野生なわけだし誰かに捕まえられるかもしれない。だからさ……ワカバ、手伝ってくれないか」
「え、私ですか!?」
「私たちのトレーナーとしてあのポケモンを探そう。もちろん私たちも手を貸すし、私たちのポケモンの中から好きなの連れて行っていいからさ」
「でもポケモントレーナーの手持ちは6匹まで……。連れてかないポケモンはボックスに預けておかないとね」
「好きなの選んでいいよ」
そういうと、ジャラランガとジバコイルがずずっと前に出る。
「オレ! オレ強いよ!」
「テツダイタイ」
「やる気すごいなお前ら」
「え、えと……。じゃあジャラランガとジバコイル……と。ぺ、ペンドラーで!」
「……え、ボク?」
選ばれたペンドラーは意外そうな顔をしている。
「ボクなんかがいいの? この二人のポケモンの方がレベル高いのに……」
「ペンドラー困惑してるよ」
「えっと……実は私虫ポケモンが好きで……」
「あー」
ペンドラーは私を除いたこの中で唯一の虫タイプである。
虫タイプが好きならそりゃ選ぶよね。わかる。私も鋼タイプがいたら選ぶもん。
「じゃ、他の子はボックスで待っててね。必要になったら呼ぶかもしれないから」
「了解した。私の力が必要ならいつでもお呼びください」