映像機画版携帯獣世界転生物語   作:こうすけ増田劇場版

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波導勇者物語後始末(後編)

 

「あっちか!」

 

「便利だな」

 

 サイトウにレジ系3体を任せたがチンタラしている時間は何処にも無い。

 ミュウが何処かとルカリオは波動を用いた探知能力を最大限に活かしてミュウの前までやって来た……珍しいから図鑑登録するか。

 

「ミュ!」

 

「我が名はルカリオ! 波導の勇者であるアーロン様に仕えしポケモンだ! ミュウよ、貴様ならばアーロン様についてなにか知っているだろう!」

 

 ミュウを見つけたのでミュウがなにをしに来たのかを聞けばルカリオはアーロンについて教えろと言った。

 アーロンについて知っているだろうが素直に教えてくれるのだろうかという最もらしい疑問を抱いたら……ミュウが消えた。

 

「あっちか!」

 

「ミュウ!」

 

「コレは……アーロン様の手袋!」

 

 ミュウが消えたが足取りは分かっていると追いかけようとするルカリオだったがミュウは直ぐに戻ってきた、手袋を持って。

 その手袋を見たルカリオはアーロンが使っていた手袋である事を即座に見抜いた。

 

「ミュウよ、なにを知っている! 知っているのであれば教えろ!」

 

「ミュ、ミュミュミュ! ミィ!」

 

「なっ……」

 

「なんて言ってんだ?」

 

「遊んでくれたら教えると言っている……サイトウの事もある。私達には時間が無いんだ!」

 

「ミュ!」

 

 遊んでくれたらアーロンについて教えてくれると言うが流石にタイムリミットがあるのをルカリオは分かっている。

 それをはいそうですかで承諾する事は出来ないのだとルカリオは断ろうとするが……ミュウはルカリオの姿に変身をした。

 

「化けただと!?」

 

「ミュウとメタモンしか覚えねえと言われているへんしんだ……お前をベースに変身してお前が出来る事の全てが出来るようになった。この場合の遊びは…………ミュウとのポケモンバトルか?」

 

「バゥ!」

 

 ミュウが提示してきた遊びの内容がなんなのかを考察して辿り着いたのはポケモンバトルだ。

 ポケモンバトルで勝ったのならばミュウはアーロンについて知っている事を教える。だが、ミュウに勝てなければアーロンの事を教えられない。ポケモンバトルを望んでいると言えばルカリオに変身しているミュウはその通りだと頷いてルカリオに向かって突撃する。

 

「勝ったのならば、答えてもらうぞ!」

 

 約束は出来たから、ここからはルカリオが頑張らなきゃならねえ。

 はがねタイプとかくとうタイプの2つを併せ持つルカリオはミュウとの相性はそこまで良くない……ミュウは余程の技では無い限りは全ての技を使うことが出来る。へんしんを使ってルカリオになったからルカリオのタイプ相性になっているが……ステータスとかどうだったか? 

 

 この手のコピー能力は自分のスペックで再現するのと、相手のスペックをそっくりそのままコピーするタイプの2つがある。

 メタモンはポケモンを厳選する為の道具であり実戦で使うことなんざ皆無だ。ミュウは確か種族値オール100でエスパータイプだから可も不可もない面白味の無いポケモン……

 

「バゥ!」「ミュ!」

 

 ルカリオとミュウははどうだんを放つ。

 はどうだん同士のぶつかり合いは相殺……ミュウのレベルがどれくらいかは知らねえが、ルカリオのレベルは相当なもんだ。それに合わせてくるって事はルカリオのパワーも再現することが出来ているって考えた方が良い。

 

「っぐ……」

 

「大丈夫か?」

 

「心配は無用だ!」

 

 そっくりそのまま自分と同じスペックのルカリオになったミュウに対して苦戦をしいられるルカリオ。

 時代が違うから当然と言えば当然だがルカリオとして育てていけば勝手に覚える技を主体に戦闘をしている。かくとうタイプの特殊攻撃である、はどうだん。かくとうタイプの名の通り殴り合いを主体にしているポケモン達で物理攻撃に能力が偏っている事が多い中でルカリオは特殊攻撃が高い。物理攻撃と似たり寄ったりだが、それでも俺のオコリザルやサイトウのかくとうタイプのポケモンと比較しても圧倒的に特殊攻撃が強く、それを活かすはどうだんをルカリオは自力習得する。

 

 はどうだんがわざマシンで会得出来る様になるまでは特殊かくとうアタッカーはルカリオの独壇場だったとも言えるぐらいだ。

 波導の勇者であるアーロンの相棒として研鑽したルカリオは強い……だが、ミュウと互角じゃねえ。今のルカリオには心の余裕が無い。はじまりの樹に向かうまでの間はスゴくピリピリとした感じだったが本来は真面目なポケモンだろう。進化前のリオルとルカリオはなんか人間の悪意とかを感じ取る事が出来るって話は聞いたことがある。

 

「落ち着けよ。このままじゃ勝つものも勝てねえぞ」

 

「分かっている! それぐらい!」

 

 心にゆとりが無いルカリオはそれでも充分過ぎるぐらいに強いが相手が悪い。

 波導の勇者の相棒として鍛錬を積んで最強クラスのルカリオのスペックをそっくりそのままコピーしたミュウ……ミュウは勝とうが負けようがどっちに転んでも美味しいから心にゆとりがある。心に余裕が無い奴が必ずしも負けるとは限らねえが、視野なんかが狭まる。

 

「……着けてみるか」

 

 ルカリオを言葉で説得する手段を俺は持っていない。

 スピーダーみたいなドーピングアイテムとかがあれば形勢逆転が出来ただろうが、そんな物は持ってねえ。今あるのは勇者アーロンが実際に付けていた手袋と何時もの冒険グッズだ。可能性があるのならば、この手袋だろう。

 

「……なんかくる」

 

『……ぇるかい……』

 

 手袋を取り敢えず着けてみればなにかを感じる。

 アーロンがルカリオを起こす時に必要な鍵を渡された時と似ているが少し異なる感覚でなにかが俺の元にやってくる。この場にはルカリオとミュウと俺しか居ない筈が脳内に直接、声が届いてくる。

 

『(もしかしてアーロンか?)』

 

『ああ……はじまりの樹によく来てくれた、と言いたいのだがね」

 

『(俺に対してテレパシーでの会話をするんじゃなくてルカリオに会話をしろよ)』

 

『そうしたいが、その手袋が触媒になってなんとか消えかけている私の一部と繋げる事が出来るんだ……興奮して自分を見失いかけているルカリオには真実を語りたくても語れない。なにより、あの時の言葉はあの時にしか言えない』

 

『(そうか)』

 

 アーロンが俺の脳内で会話をしてくるのでルカリオと会話が出来ないかと言うかやれよと指摘すれば無理なことが分かる。

 ここには真実が隠されていることについては言及していないが、ルカリオが知りたい事は確かにここにある。

 

『君はポケモントレーナーだね。ルカリオを扱えるかい?』

 

『(ルカリオってポケモンがどういう技を覚えるかは知っているが、ルカリオを使ってのバトルは皆無だ。あんたこそ波動を使ってなにかルカリオをパワーアップさせる事は出来ないのか?)』

 

『出来る……だが、正規の手順でのパワーアップではない。君の体に負担がかかる事になる』

 

『(明らかに立ち入り禁止区域の場所に足を踏み入れてんだから、今更だ)』

 

『だが』

 

『(寄越せ)』

 

 ルカリオが確実にミュウに勝つにはなにかハッキリとしたパワーアップをしないといけない。

 今の俺にはその手段が無いが、アーロンの残留思念の様な物はあることを教えてくれる。俺の体に負荷がかかるのでしたくないと言うが、こんな明らかに人間が入っていい場所じゃない立ち入り禁止区域に入ってんだから今更だ。

 

『わかった……だが一瞬で決着を着けてくれ。本来の正しい手順じゃないんだ』

 

『(ああ、わかった)』

 

 俺の身に余程の負荷がかかるのか、アーロンは勝負は一瞬で着けてくれと言ってくる。

 具体的になにが起こるのかは分からねえがやるしかない。

 

「ルカリオ、このままじゃジリ貧だ」

 

「わかっている、だが」

 

「1回深呼吸をしろ……お前の相手はお前をコピーしていて心のゆとりがある。そんなのを前に相手にしてやっとのジリ貧だ。勝つ為の力をお前に渡す」

 

「勝つ為の力だと……そんなのが……」

 

「とにかく1回深呼吸をしろ」

 

 勝つ為の力があると言えば、頼らない! とは言わない。ルカリオが俺がアーロンがつけていた手袋をつけている事に気付く。

 なにかがあるんだとルカリオは1回深呼吸をし……俺は手を翳す。ルカリオに向かってアーロンから託されたなにかと同時に俺の中にある別のなにかが抜け出る

 

「っ!」

 

「バゥ!!!!」

 

 ルカリオは白い繭に包まれる。

 アレがなんなのかは知っているが、それと同時に恐ろしい速度で俺の中にある生命力みたいな物が出ていき……ルカリオはメガルカリオに、ただのメガルカリオじゃない。メガルカリオZにメガシンカした。

 

「コレは……」

 

「時間が無い、ミュウを倒してくれ」

 

 メガストーンもキーストーンも一切使わずにルカリオをメガルカリオZにメガシンカさせた。

 本来の正規の手順とか言っていたから、メガストーンやキーストーンの力を使わない……メガシンカパワーをアーロンは自らの力と俺の生命力で代用している。

 

「ああ、任せろ!」

 

「ミュゥ!」

 

 メガルカリオZと俺の間になにかが繋がっている。

 100%でなく120%、俺の中の生命力がメガルカリオZに持っていかれているからメガルカリオZに決着を着けろと言えば……メガルカリオZは目にも止まらぬ速さでルカリオに変身したミュウに近づいてはどうだんを叩き込み、ミュウを戦闘不能に追い込んだ。

 

「っぐ……」

 

「どうやら無茶していたのは俺だけじゃねえか」

 

 ミュウを無事に倒すことに成功したメガルカリオZだったが膝をついた。

 本来のやり方でメガルカリオZになったわけじゃねえからルカリオ自身にも負担が掛かっている。

 

「あの姿、僅かだがアーロン様の力を感じた」

 

「ああ……説明はしてやるが、先ずは答えを知るぞ」

 

 アーロンの助力があったおかげで本来は出来ないメガルカリオZになれた。

 ルカリオはそのアーロンの力を感じ取っていたが、説明は後で本来の目的を果たす……ミュウはこっちだと言い飛んでいった場所についていけば一輪のガラス細工を彷彿とさせる花があった。その花は起きた出来事の一部を記録する花であり、勇者アーロンの最期が……己の命をはじまりの樹に捧げた事で混乱の世を鎮める事が出来た。

 

 アーロンは最後にルカリオに会いたかったと言った。ルカリオは涙を流した。

 

「お前ならどうしていた?」

 

「……この真実を知っていたのならばアーロン様と同じ事をしていた」

 

「そうか……」

 

「ミュ!」

 

 自らの命を捧げて世界を鎮めたアーロンを見て、決して自分を見捨てたわけじゃねえとルカリオは知った。

 同じ状況に追い込まれたのならばお前はどうすると聞けばルカリオはアーロンの代わりにこのはじまりの樹に命を捧げるという。同じ事をしている似た者同士であるから特になにも言えねえ。

 

「なんさこれ……うぉ!?」

 

「不用意に触るんじゃない!」

 

 ミュウがなんかの鉱石を持ってきた。純金じゃないのは確かだろうがなんだと思って触れてみれば輝いた。

 ルカリオが不用意に触れることを怒っており……アーロンが使っていた手袋が消滅して1つの宝玉になった。

 

「ミ!」

 

「……お前に持って行けと言っているが、なんだそれは? アーロン様の力が完全に消えて別の物に変化したが……」

 

「……多分だがお前をさっきの姿に正しい手順で変えるアイテムの片割れだ」

 

 アーロンが使っていた手袋とミュウが持ってきた鉱石が融合して、ルカリオナイトになった。

 ただのルカリオナイトじゃねえ、メガルカリオでなくメガルカリオZにメガシンカするルカリオナイトZだ……本来は別の形で生まれるもんだが、流石は勇者アーロンの力と言ったところか。

 

 戦いは無事に終わり真実を見届ける事が出来た。

 サイトウの元に戻ればレジ系と殴り合いをしていた……ポケモンじゃなくてサイトウ自身が殴り合って時間を稼いでくれた。目的を果たして、オルドラン城に定期的にミュウが現れてる事からテレポートが出来ないかを聞けばミュウが送り届けてくれた。

 

「やはり、波導の勇者アーロンは勇者に相応しい功績を成し遂げたのですね」

 

「それと同時に勇者らしいと言えば勇者らしいオチを迎えたっすけどね」

 

 アーロンが悪人ではないと信じていた女王様に事の顛末を伝えればアーロンは紛れもなく勇者だったと讃える。

 俺は勇者らしいオチを迎えたことについて無視してるんじゃねえのかと思って指摘をすればルカリオに睨まれたが、怖いとは感じねえ。

 

「コレで勇者アーロンの願いは聞き受けた。友であり相棒であったルカリオをしがらみを無くした」

 

「……ああ」

 

 出来ればアーロンと共に最後まで戦い抜きたかったルカリオだったが、それが不可能な事ぐらいは分かっている。

 ルカリオはポツリと一滴の涙を流した。それを拭って……新しい一歩を踏み出した。

 

「シズカ、私をパワーアップさせるアイテムだが」

 

「ルカリオってポケモンなら誰でも出来る……ただ、もう1個、トレーナー側が持たなきゃいけねえのがある」

 

「そうか……アイリーン様、今は大きな戦争が無い平和な世の中です。平和な世の中に勇者と言う存在は不要です……私はただのルカリオというポケモンに戻ります」

 

「ルカリオ……ついて行くのですね。止める理由は何処にもありません……シズカ、どうかルカリオをゲットして頂けませんか?」

 

「…………いいっすけど…………ルカリオ、お前は滅茶苦茶強い」

 

「不服か?」

 

「ああ……俺は修業をしていて、お前は別格の力を持っている。お前に頼ってしまえばジム巡りは楽々と解決するがトレーナーとしての腕が磨けねえ。だがお前は理知的なポケモンだ。これからゲットしていくポケモン達の先頭に立ち、オーキド博士の研究所で鍛錬を積んでくれ」

 

 今回はなんとかなったがルカリオは別格の強さを持っている。

 次のジムからルカリオを使ったとしたら余裕でジム巡りの冒険を終える。だからルカリオには研究所に残ってもらう。流石にポケモンリーグのここぞという時の勝負にはルカリオは使うが、それ以外ではポケモンの育成の為にしか使わねえ。

 

「私がお前の怠慢の理由になるわけにはいかない。だが、それを持っているのだ。ここぞという時は思う存分に頼れ」

 

 俺はモンスターボールを取り出してルカリオをモンスターボールに入れる。

 ポケモン図鑑でステータスを確認するが俺の持っているポケモンと比較しても圧倒的に段違いだと分かったのでオーキド博士の研究所に送りつけた。




リザード♂ LV39

オコリザル♂ LV33

ニドキング LV31

ピカチュウ♂ LV43

ラプラス♀ LV33

ニンフィア♀ LV31

フーディン♂ LV29

タマゴ

ルカリオ♂ LV68
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