映像機画版携帯獣世界転生物語 作:こうすけ増田劇場版
「出てこい」
「二ド!」
「ブギャ!」
「フィ!」
「ロア!」
「ドゥ!」
「ふむ……ここがアローラか」
アローラ地方にやって来て修行をする。Zワザに関してはセキエイ大会が終わった後に覚えるってことで話はついている。
モンスターボールから出したのはニドキング、コノヨザル、ニンフィア、ヒスイゾロアーク、ドサイドン、ルカリオだ。
「毎日毎日コロコロと入れ替えてたらやりづらいから先ずは1週間置きに色々な組み合わせで入れ替える。今回はこのメンツ……どうしたルカリオ?」
「いや、清浄な力を多く感じると思ってな」
ククイ博士が言っていた様にアローラ地方は神秘が濃い。ルカリオはそれを波動で感じ取った。
清浄な力を多く感じる……Zクリスタルの事とかか?……まぁ、今は気にしている場合じゃないか。
「シズカ、なにを理由に選んだのですか?」
「ルカリオは言うまでもなく監視役だが……他のポケモン達は足を使って走ったりするってのをコンセプトに選んでいる」
選んだポケモンのバランスとかが悪いなとサイトウは感じているので、なにを理由に選んだのかについて聞いてきた。
既に四天王やチャンピオンと渡り合えるルカリオはサボったりとかさせない為とか色々とあるが、他のポケモン達の特色として歩いたり走ったりするポケモンだ。
リザードンとかプテラとか飛んでるしポリゴンZは浮いてるしアローラライチュウは念力で飛んでる。
今回選んだのはポケモンバトルをする上で歩いたり走ったりする事が多いポケモン達だ。
「となると……走るのね」
「いや、逆だ。走らねえんだ」
人気が無い砂浜にやって来ているので、ナツメは砂浜での定番修行、砂の上で走ることで強靭な足腰を手に入れる修行をすると考えた。無論、俺もそれは考えているが今回はその逆、走らねえって事をするつもりだ。
「足を開ける奴は開く。四足歩行のニンフィアは歩く時の構えに。ニドキングとドサイドンは尻尾を地面につけるな……練習メニュー、強靭な足腰を手に入れる」
「……涼しい顔をして結構キツいメニューを出しますね」
「安心しろ。俺も見てるだけはしない」
全員を立たせて、走らせる……のでなく、なにもしない。
サイトウが練習メニューの真意を読み取った。キツいメニューを与えているなと気付いたが、その為にアローラに修行に来た。とは言え、俺も見ているだけなのは色々と問題はあるから自分の肩幅ぐらいに足を開いて立った。
「お、早速やってるな!」
「ククイ博士、どうも」
「砂浜って事は足腰を鍛える特訓か!」
「アローラは自然豊かなとこなんで自然を利用した修行にしてます」
「……ダッシュはしていないけど、大丈夫なの?」
ククイ博士がたまたま通りかかった。ポケモン達を出しているので早速修行か!と嬉しそうにしている。
俺は自然を利用した修行をしていると答えればナツメは大丈夫なのかと心配してくる。
「なら試しにお前もやってみろ……超能力禁止で」
「今はなにも見えないですが、直ぐに答えは分かりますよ」
この特訓が具体的にどれだけキツいのかと言うのをイメージする事が出来ていない。
サイトウは俺の真似をして足を開いた。修行メニューがどういうものなのかが分かっていてそれは自分を鍛えるのに最適だから。あまりピンと来ていないナツメだったが言われたしやってみるかと足を肩幅ほど開いて立った。
「ククイ博士、俺達の様子を見に来たんじゃなくて通りかかったっぽいんでやるべきことを……最低でも30分は変化は起きませんから」
「ん、どういうことだ?」
「この練習メニューは見た通り歩かずに立っていること。ポケモンの技の研究をしているククイ博士には面白味に欠ける修行っす」
ポケモン達は立っている。俺達も立っている。絵面がスゲえ地味としか言えねえ。けど、今回はこういう修行だ。
絵面がスゲえ地味だし目立つこともなにも無い……目に見える変化が現れるのは最低でも30分以上は必要だ。ククイ博士はホントに偶然に通りかかっただけだったから暫くしたら目に見えて出てくる成果を期待して、本来の目的を果たしにどっかに行った。
「……っ……」
10分、20分、30分と時間が経過していく。
予想通りと言うべきか、ナツメが真っ先に反応を示した。足がプルプルと震え出している。
「なんで……」
俺との冒険では無闇に超能力を使わない様にしていて1時間ぐらい歩くなんて普通にあった。
それなのに関わらずただ何もしていない、立っているだけで足がプルプルと震えて悲鳴を上げている理由が分からなかった。
「同じ構えで居るのは、体に掛かる負荷は大きいのです」
サイトウは足を震わせておらず、普通に立っていた。
そしてこの練習メニューの狙いがなんなのか、砂浜ダッシュとは異なる特訓をしている理由について教えようとする。
「確かに私達の冒険で1時間以上歩くのは極々当たり前です。しかし歩いているのと立っているのでは場合によっては立っているだけの方が負荷が大きいです。空手の中に反復練習とはまた異なる同じ構えをずっと維持しているだけの修行がありますが、シズカはそれを再現しています」
「歩くより、なんで立っている方が」
「歩いている時は重心や掛かる負荷が分散される。だが、ただ立っているだけの場合は常に一定の負荷が同じ所にかけ続けられる」
歩いている時と立っている時じゃ足腰に掛かる負担の度合いが違う。
ただ立っているだけに見えているが重心が常に同じ所にあって、足の同じ所に負荷がかかり続ける。
ゴリッゴリの武闘派なサイトウは意味が分かった上で修行をしているが、ナツメは意味が分かっていなかった。
サイトウや俺が意味を話したら成る程とナツメは納得すると同時に倒れた。普通に足腰の限界が来た。
「お前等、分かってると思うが手は抜くなよ?」
コレは俺と俺のポケモンの修行だ。ナツメの修行じゃねえ。
本来なら30分程度で限界を迎えるなよと言いてえがナツメの修行じゃねえんだからその辺についてああだこうだ言わねえ。
ナツメは限界を迎えて倒れているが、俺のポケモン達は倒れたらアウトだ。
「ところでシズカ。何時までしてるつもりですか?」
「まぁ、2時間ってとこだな」
「コレの4倍!?」
強靭な足腰を手に入れる為の修行だが、他の部分が疎かになっている。
その他の部分を埋める修行は別にするとして、この足腰を鍛えるのはどれくらいするのかをサイトウは聞くので2時間と答えればナツメは顔を青くする。体育会系には付き合いきれないってか?
「言っとくが、まだ軽いメニューだからな。俺の考えじゃ重りを持ってコレをするんだ」
「ハードね……」
「それにコイツは基礎的な能力の向上であってポケモンバトルという競技の細かなメカニックのメスを入れてるわけじゃねえ。歩いたり走ったりが主体のポケモンがやる準備運動だ」
「……鬼ね……」
コレがハードな特訓だ!なんて一言も言っていない。コレに関しては歩いたり走ったりするタイプのポケモンが行う基礎だ。
準備運動と言えばナツメは顔を青くして鬼と言ってくる……そして30分、この修行を始めて約1時間が経過した。
「二ド」
「ドゥ……」
ニドキングとドサイドンが苦しそうな顔をしている。
この2体は他と違って尻尾も浮かせているから体に掛かる負担が大きい。苦しそうな表情をしているが、わざと倒れるという事はしない。
「まったく、この程度で音を上げるとはまだまだだな」
一方のルカリオはケロッとしている。
尻尾を地面につけないことは普段からしているし、アーロンと居た時代的に整備されていない凸凹道が当たり前だった世界の住人だ。強靭な足腰は当然兼ね備えている……ルカリオだけ重りスタートの方が良かったか?
「シズカ、大丈夫ですか?」
「割とキツいが、ポケモン達が頑張ってんだし俺も鍛えとかなきゃ色々と厄介だろう」
1時間が経過してポケモン達に疲労が目に見えてきた。そこから15分が経過すれば俺の足が震えだす。
サイトウは俺に限界が来ていると見ているが、俺もこれから先の冒険について考えるんだったら強靭な足腰を手に入れていた方がいい。サイトウは……まだまだピンピンしている。
「フィィ……」
「倒れるな!」
「フィ」
「休むのは1分だけだ」
「フィイ!?」
ポケモン側の一番最初の脱落者が出た。ニンフィアだ。
まだ準備運動をしているだけで倒れたのでルカリオが注意するがニンフィアは少し休憩が欲しいと言ってるみたいなので一分だけ休むことを許すがニンフィアが立った1分だけ!?と驚いている。
「コノヨザルなんて見てみろよ。深呼吸してんぞ」
ルカリオ以外のポケモンが足にかかる負担がキツくなっている。
ここで手を緩めるのでなく、コノヨザルは深呼吸をしている。息を大きく吸ってゆっくりと吐いてと足の震えや痛みを誤魔化す為に色々と工夫をしている。
「フィ……」
「それはそうだが、このメニューは正しい!」
「なに言ってるんです?」
「私、四足歩行なんだけどって言ってる」
ニンフィア以外は二足歩行のポケモンで、ニンフィアだけが四足歩行のポケモンだ。
かかる負担が自分の方が大きくないの?と言いたいんだろうが、ルカリオはこの練習メニューは正しく自分を鍛えているメニューだと分かっているので1分の休憩はともかく最後までやり切る様に言う。
「あ〜キツい」
「流石に、来ますね」
「なに、ここからだ」
この修行を開始して1時間40分が経過した。
俺の足はガクガクに震えている。流石にサイトウも少し疲れを見せている。ルカリオも疲れを見せてはいるが、ここからが重要だと耐える。
「ロア……」
「1分の休憩は許してる……ただし残り時間的にしたらもう次は無い」
ヒスイゾロアークが限界を迎えようとしている。
1分の休憩はありと言えばありだが、それを取った後に再び休憩することは残りの時間的に許されない。それでも休めるのはありがたいとヒスイゾロアークは一旦地面に座って深呼吸をして休憩を取る。
「……まぁ、こうなるか」
ヒスイゾロアークとニンフィアが1回倒れた。ルカリオ、ニドキング、コノヨザル、ドサイドンが最後までやり遂げた。
ヒスイゾロアークもニンフィアも走ったり歩いたりはするが、物理攻撃による戦闘じゃなくて特殊攻撃による戦闘が主体だ……だからと言って特別に練習メニューは変えない。コイツは基礎も基礎な準備運動だ。
「次はどうしますか?」
「次は足を使わないメニューだ」
俺はそう言うとガムテープを取り出してニンフィア以外の足を巻き付けて油性マジックでバツ印をつけた。
「別に難しいことはしない。ハイハイをしてこの砂浜を時間内に周回する。最低でも20周、それが出来てたら後は何周しても文句は言わねえが、20周は時間内に絶対にしろ」
「また、えらくハードなのを」
「……別にお前はしなくていいんだぞ?」
砂浜をハイハイで制限時間の限り周回すると言う腕を鍛える練習メニュー。
ナツメはさっきは足が死にかけるメニューで次は腕が死にかけるメニューだとボヤくが、別にコレは俺と俺のポケモン達の問題で別にナツメが練習をしなくてもいいんだぞ?
「体は鍛えておいて損は無いわ……それに、コレだとサイトウの独壇場だし」
「安心しろ。コレが終わったらちゃんと技術的な指導が始まる。その時はナツメの方が役に立つ」
基礎的な部分を鍛え上げる修行についてはサイトウの独壇場だが、この準備運動が終わった後にやるポケモンバトルの修行はナツメの方が力になる。変なところで張り合わなくてもいいぞと思う。
「それでニンフィアにはなにをさせるのですか?」
「ニンフィアは普通に走り込む。俺達が手で這いつくばる道をダッシュで走り続けるんだ」
「フィ……フィイ」
「今回は真面目な修行なんだ。甘やかすわけないだろう」
自分は大丈夫だと安全圏に居るとニンフィアは勘違いしているが、そんな甘いことはしない。
ニンフィアはそんなハードなメニューがあるのと目に見えて落ち込んでいるが、俺は気にせずに自分の足にガムテープを巻きつけてバツ印を書いた。
リザードン♂ LV47
コノヨザル♂ LV43→45
ニドキング LV44→46
ライチュウ♂(アローラの姿) LV50
ラプラス♀ LV44
ニンフィア♀ LV42→44
フーディン♂ LV42
ゾロアーク♂(ヒスイの姿) LV43→45
ルカリオ♂ LV68
ドサイドン♂ LV44→47
ゲンガー♂ LV43
ポリゴンZ LV41
メタモン(色違い) LV44
プテラ♂ LV50
トゲピー♀ LV13→15
ミュウツー LV72
ラティオス LV60