映像機画版携帯獣世界転生物語 作:こうすけ増田劇場版
「クォン」
「ディン」
「ルルル」
「ロア!」
「フィイ!」
「ゲンゲロ」
「今回のコンセプトは特殊攻撃主体の奴だ……やることは至ってシンプルだ。最大値と速度を上げる事だ」
一週間が経過したのでラプラス、フーディン、ポリゴンZ、ヒスイゾロアーク、ニンフィア、ゲンガーの6体に入れ替えた。
今回のテーマは特殊攻撃による戦闘を主体にしたポケモン達だ。練習メニューは至ってシンプル、ポケモン達の出せるパワーの最大値を上げる。
「ゲンガーとゾロアークはシャドーボール、フーディンはサイコキネシス、ニンフィアはハイパーボイス、ポリゴンZはトライアタック、ラプラスはみずでっぽう……使い続けろ」
特殊攻撃を鍛える方法だがホントにシンプルであり、その特殊攻撃を使い続ける事だ。
多分ポケモンの体の何処かにあるその特殊攻撃を使うのに必要な筋繊維的なのをズタズタに追い込んでは超回復をするという理論だ。それっぽい論文が何個かポケモン研究者が出してて確かな成果は一応はある。物理じゃなくて特殊系の技を鍛えたいのならば使い続ける。物理系とやってることは大して変わらねえ……
「どうしたんですか、人の顔をジッと見つめて」
「いや、今更ながら俺は恵まれた環境に居ると思ってな」
サイトウもサイトウでポケモンを育成している。
ナツメもナツメで自分の力をコントロールしようとしたりしていて、今更ながら自分は恵まれた環境に居るのだと自覚する。
近接戦のエキスパートのサイトウと特殊攻撃が主体のエスパータイプの使い手のナツメ。
この2人から学び取ることが出来る技術はとても多い。サトシも似た環境の筈なのになんで成長しねえんだと思ったが、サトシの場合は幾つかの欠点があるから仕方がない。
「そういえばシズカ……全力のポケモンバトルをしてませんがいいんですか?」
「今はまだ基礎的な所で実戦形式は増やすつもりは無い……お前が不満か?」
「ええ……私も充分に色々と見たり聞いたりしたので育ったのだと思っているんですよ」
ジムリーダーの試験に合格したが1人のポケモントレーナーとして全力で戦いたいという欲求にサイトウは駆られている。
戦闘狂かそれとも武人としての基本的な心構えかは分からねえが、サイトウのポケモン達はしっかりと育てる事が出来ている。バシャーモ(かそく)、ニョロボン、カイリキー、エルレイド、ルチャブル、キノガッサ……かくとう統一で近距離戦や物理攻撃が主体だがどれもこれも強い。
「……セキエイ大会が終わったら正真正銘のフルバトルをするか」
「ええ、是非ともお願いします!」
サイトウはジムリーダー、新米だが物凄く強い。
まだまだレベルが低い俺が挑んだところで大した結果にはならないし、サイトウを満足させる事が出来ねえ……とにかくポケモン達を鍛える。追い込む時は追い込んで休む時は休んで、ポケモン達を育てていく。
特殊攻撃主体の特殊攻撃を鍛え終えれば、物理攻撃主体の奴に切り替えて体の使い方を覚える。全距離で戦える奴を集めてどういう感じで試合運びをすればいいのかの理論を自分の頭に叩き込む。とにかくこの二ヶ月がホントの本当に勝負の時間だった。
「あ〜生き返る」
とは言え、休む時にはしっかりと休まなきゃいけねえ。
Zワザとか強敵に挑むことを除いて修行をある程度は遂行したからとエーテル財団のリゾート施設で休憩をする。
「……シズカ、ホントにストイックね」
「いや、ちゃんと遊ぶ時とか休む時は休んでるだろ?」
「そうじゃないわ……女子2人に囲まれてるのに、なにも反応しないなんて」
リゾート施設の温泉(水着着用義務)で休んでいればナツメは俺がストイックと言ってくる。
休むべき時は休むが、趣味がスーパー銭湯とかのジジイみたいな思考をしている自覚はあるがそこまでストイックじゃねえと言えばナツメはアローラに来てからの事を振り返る。遊ぶ時はしっかりと遊んでるだろうと思ったが、また厄介な話題を出してきた。
「そうですね……シズカは枯れてるんですか?」
アローラに来てからナツメもサイトウもナンパされている。
見た目も中身も美人だからそりゃそうだろうと思っている。それに対して俺はナンパ阻止とかそういうのは特にしていない。
まぁ、モテるなで軽く流しているが、サイトウやナツメはそれを見てシンプルにムカついているらしい……女ってめんどくせえ。
「なら逆に聞くけどよ、俺がスゴくチャラついてたらどうすんだよ?」
「一緒に旅はしませんね……その、頑張ってるシズカが好きなので……」
「そうか。めんどくさい事を言ってくるな」
「言わせているのは貴方じゃないですか!!」
シゲルみたいにガールフレンドを沢山作ったとかそういう話にすれば頑張っている俺の姿を見て好意を抱いているとポロっと語るサイトウ。俺がチャラかったらとっくの昔に終わっていたことを言っているのだがストイック過ぎる事に対して不満を抱いているので、めんどくさい事を言っているなと思う。
「シズカは私達にそういう感情は向けないの?」
「……イチャイチャして堕落する俺と真面目にしてる俺のどっちがいい?」
「シズカは汚いわね!」
女性として意識してと言ってくるのだが、それをした場合は自分は堕落してしまう自覚はある。
頑張っている姿を見て応援して隣に居たいという感情があるんだったら、隣に立った瞬間に堕落する姿を見たいのか?と聞けばナツメは鋭く睨んでくるが、あくまでも事実を述べたまで。めんどくさいなと思っていればナツメはアポートで運命のスプーンを出した……俺の歪なぐらいに裂けている運命のスプーンだな。
「ルカリオに聞いたけど、師匠の物だから無理って言っていたわ」
「……言うな」
アーロンは心の何処かで繋がりを拒んでいる俺に縁を結びやすくしてもらっている。
ポケモンと出会いやすくしているのかと思ったが、それだけじゃなくて布袋みたいに縁結びもしている……ナツメとサイトウとの縁が結ばれたが、まだまだアーロンは縁を結びやすくしている。もうそれ加護じゃなくて呪いじゃねえの?とナツメはアーロンの相棒だったルカリオに解呪出来るかどうか頼んだが無理だった。
それから考えられることとして……これから色んなところで色んな女に出会うって言ってるもんだ。
ナツメやサイトウからすればそれは不愉快極まりないこと……と思ったが、なんか思ったよりも柔らかい。
「まぁ、シズカにそういう気持ちを向けるのは……」
「引くのは無理なのは一緒ですからね……最悪空手でシズカに教え込めば」
「やめろ…………つか、ライチさんがすんごい目つきで睨んできてるからこの話題はここで終了な」
オフのしまクイーンことライチさんが凄まじい目つきで睨んできている。
行き遅れているライチさんにとって浮ついた話は憎むべき厄災であり、これ以上していたら厄介なのは確かだ。
リフレッシュを終えて修行に励んだ……とにかく出来そうな事は色々と試したりしている。レベルは着実に上がっているが、強い相手との経験が少ない……まぁ、こればっかりは場数を踏んで伸ばす、時間経過じゃなきゃ解決しない問題だと認識する。
「この一ヶ月半、物凄く頑張ったな!」
「ええ」
「Zワザを覚える機会はあったが覚えなかった……折角アローラにまでやって来たのに手ぶらってのはちょいとな」
「クワガノンとアローラキュウコンをゲットしましたけど?」
「いや、実はな……ここにポケモンのタマゴがあるんだ」
そんなこんなで修行は終わってポケモンリーグ・セキエイ大会に向かうがアローラの空港でククイ博士とオーキド校長が見送りに来た。ククイ博士は折角アローラにきて手ぶらなのはと言うが、Zワザは俺個人の意見で今回は止めた。アローラのポケモンならばちゃんとゲットする事は出来ているからなにも手ぶらでもなんでもないことを伝えればククイ博士はポケモンのタマゴを見せる。
「このポケモンのタマゴをお前に譲ろうと思っててな」
「……なにが生まれるか、知ってんすか?」
「ああ。このポケモンを誰に譲ろうかって考えて、お前なら上手く付き合う事が出来るなって確信したんだ」
「……まぁ、どうせセキエイ大会を終えたらもう1回アローラに来ますんで」
ククイ博士はなんのポケモンのタマゴかは知っているが教えてくれない。
ククイ博士のことだから変なのは渡してこない。きっと良いポケモンを俺にくれたと意識を切り替えてタマゴを受け取る。ククイ博士はポケモンはタマゴの時から意識を持っている事が多いからポケモンリーグの本場であるポケモンリーグ・セキエイ大会の熱気で温めてほしいと頼んだ。
「アローラは素敵なところでしたね……」
「ああ……出来れば優勝トロフィーを片手に戻ってきてえよ」
「そこは出来れば、じゃなくで戻るって言わないと」
飛行機に乗ってアローラ地方を後にする。
サイトウはアローラはとってもいいところだと認め、俺はまた来る時は優勝トロフィーを引っ提げたいなと思ったが流石に無理があるなと思った。ナツメはそこは優勝するって言わないとと呆れているが、少なくとも優勝するつもりであっても優勝する自信があるかどうかの話になると、俺は自信は無い。
「出場登録をお願いします」
「ジムバッジとポケモン図鑑をお願いします」
そんなこんなでポケモンリーグ・セキエイ大会の開催地でありポケモンリーグ協会のお膝元であるセキエイ高原にやって来た。
セキエイ大会の出場の申し込みをすればジョーイさんがジムバッジと身分証明証代わりになるポケモン図鑑の提示を求めるので2つとも出せば機械でスキャンされた。
「マサラタウンのシズカくんね、出場の登録は完了したわ。コレが大会ガイドブックと選手村の鍵よ」
「ありがとうございます」
ジョーイさんからガイドブックと選手村の鍵をもらった。
後ろを振り向けばこのポケモンリーグに出る為に必死に修行してきたトレーナーが沢山居る。そして何処かの局のカメラが回っている……
「1回でも負けたら終わりの世界、か……」
勝っても負けても最後は握手をしていい試合でしたと健闘を称える事を見ている側の住人だったが、今からは見られる側の住人になる。
ブルーロックだったか?W杯やオリンピックでメダルこそ貰えていないがいい試合だった事について疑問を投げかけている話。金メダルを持ち帰る事が出来なければただの負け犬、カスと同じとか色々と言っていた気がする。
「……球児達はコレに挑んでるのか」
テレビでよく見る甲子園、49校が出場する高校野球の祭典だが甲子園に行けるのは基本的には1つの県につき1つ、予選を勝ち抜いた奴だけだ。外国だと3試合をやって2試合勝てば良いが、日本は文字通りの一発勝負で優勝する確率は1%にすら満たない。
そこで何度も何度も優勝を果たしていたり、甲子園の出場をさも当たり前の如くしている高校はハッキリと言えば化け物学校で過去にスター選手を何人も輩出した確かな実績があったりする。
それをキンキンに冷えた部屋の中でテレビ越しで見ていた俺がなんの皮肉か、テレビの向こう側の世界の住人になった。
改めて思う。俺はこういう場所には向いてねえなって……トレーナー達は絶対に優勝してやるぞ!と闘志を剥き出しにしているが、俺はなんか変なことは起きていなかった。
「……シズカ、スゴいわね」
「マイペースなのは分かっていましたが、ここまでですか」
「会場の空気に飲み込まれてないかって話か?……ここに来るまでよ、全員が色々とあったし全員が色々と準備をしたんだ。ならそれをぶつけるだけで、必要以上に力を込めるとかそういうのは要らねえだろ?練習通り、修行の成果を目に見える形で発揮する」
甲子園の魔物のポケモンリーグバージョンというべきか、大会の場の空気に飲み込まれるかと虚勢を張ったりしてる奴等は居る。
俺は特に気にすることなく選手村に向かっているが、サイトウとナツメはコイツマジか?と言う目で俺を見てくる。理由としては淡々としているから。
「出来る限り追い込むことは充分にやった。それで出せる力の底上げはしっかりとやった。だったらその力で戦う……それ以上の力は出そうとしても出せねえ。今回の修行メニューの最初は絶対に地味な反復練習だった……飯を食う時にいただきますって言うだろ。それは極々自然と出る言葉で、特別に意識をしていない。そんな感じで力を出せる様に修行したんだ」
高級な料亭とかならまだ分かるが普段の何気ない飯を食うのに緊張するか?いただきますと言う言葉を意識的に使ってるか?
多分、俺にはここぞという時の爆発力が致命的に欠けている。代わりに地道にコツコツと鍛え続けたものを何事もなく出す……極限まで追い詰められて初めて出るタイプの力は、俺には合わねえ。
周りはそれが出来たら苦労はしねえよって視線で言っているが、それってそんなに難しいもんか?と少しだけ疑問を抱いた。
リザードン♂ LV49→52
コノヨザル♂ LV46→49
ニドキング LV47→51
ライチュウ(アローラの姿) LV51→53
ラプラス♀ LV44→48
ニンフィア♀ LV45→50
フーディン♂ LV42→52
ゾロアーク♂(ヒスイの姿) LV45→48
ルカリオ♂ LV68→69
ドサイドン♂ LV47→49
ゲンガー♂ LV47→51
ポリゴンZ LV41→49
メタモン(色違い) LV44→55
プテラ♂ LV52→54
トゲキッス LV39→46
ミュウツー LV72
ラティオス LV60
クワガノン♀ LV31→48
ロコン♀(アローラのすがた)→キュウコン♀(アローラのすがた) LV20→46
ポケモンのタマゴ