映像機画版携帯獣世界転生物語 作:こうすけ増田劇場版
『さぁ、1回戦も着実と消化されていきます!続いての対戦はポケモンゼミよりセイヨ選手!対するはマサラタウン出身のシズカ選手!』
シゲルの試合が一番最初にやってきてシゲルは余裕で勝った。
サトシの試合が次にやってきてサトシが改めて理不尽な才能を持っていると証明された。最後は俺の番だと言うなんとも皮肉なものであり、シゲルとサトシは座っている席の位置は違えど俺の試合を見ている。
「先攻はセイヨ選手からです」
「いけ、ゴローニャ!」
「ゴローニャか……」
氷のフィールドの性質だがイマイチよく分からねえ。
足元が崩れやすいとかなら分かるがカビゴンやゴローニャなんかの最重量級のポケモンが乗ってもヒビ1つ入らない。
セイヨの1体目はゴローニャ
「練習は本番通りに本番は練習通りに」
この大会の試合、シゲルとサトシ以外の試合もしっかりと確認している。
明らかに場の空気に飲み込まれているトレーナーが負けたり逆に場の空気を飲み込んで強くなっているトレーナーが居る。
カメラが回ってる大会だからそういうことはあるだろうって言えばその通りだろうが、俺はどちらでもない。今まで積み上げた練習を本番で発揮するだけだ。
「いけ、トゲキッス!」
「チョゲ!」
『おっと、シズカ選手はまさかのトゲキッス!このポケモンはひこうタイプを持っている!ポケモンの選択を誤ってしまったか!』
「試合開始!」
「ゴローニャ、いわなだれ」
「トゲキッス、ゴローニャの上空に向かえ」
先に動いたのはセイヨで、ゴローニャの鈍足が関係無い、いわなだれを使ってきた。
中々に早いが飛行訓練をみっちりと積んできたトゲキッスにかかれば避けれないわけじゃない。ゴローニャの上空に向かう様に指示をすればゴローニャの上空に向かった。いわなだれはその名の通り上から岩を雪崩落とす技でゴローニャの真上に居ればゴローニャが当てる事が出来なきゃ自傷する可能性がある。
「トゲキッス、だいもんじだ」
「だいもんじ?……ゴローニャはいわタイプ。そんな初歩的なことも知らないだなんて」
「チョゲ!」
ゴローニャの上を取るのに成功したらトゲキッスにだいもんじの指示を出した。
セイヨはいわタイプのゴローニャにだいもんじを使うだなんてバカなことをと見下しているが、その余裕は直ぐに消える……何故ならトゲキッスのだいもんじで氷のフィールドの氷が溶けて水のフィールドになったから。
「なっ!?」
「ロニャ!?」
「フィールドの性質を見極めてこそのトレーナーだ……このフィールドはぶっ壊しやすい」
氷が完全に溶けたわけでなく、所々氷が浮いているいわば氷水のフィールドになった。
セイヨはコレが狙いだったことに気付いたが遅く、ゴローニャは浮島状態の自分の足場が自分の重さに耐えれずに沈んで慌てている。
「はどうだんだ」
トゲキッスは迷いなくはどうだんをぶつける。
水に溺れて慌てているゴローニャに綺麗に命中すればゴローニャはピクリと動かなくなる……ゴローニャの特性的に考えられることとして、アレだろうな。
「ゴローニャ、戦闘不能!トゲキッスの勝ち!」
『決まったぁ!先ずは1勝!シズカ選手、奇策に見せかけ王道な手段でゴローニャを撃破!』
「……っ!」
「このフィールド対策でポケモンを選んだか?」
俺は全タイプのポケモンを持っているわけじゃねえがある程度はポケモンをバランス良く育てているつもりだ。
セイヨは特別な対策をするんじゃなくて自分の武器をぶつける。氷のフィールドと相性が良いポケモンを選んだつもりだが今はフィールドが氷水のフィールドであり、色々と考えていた手が潰された。
「いけ、スリーパー!」
「リー……リ!?」
「スリーパー?」
「1つ勘違いしてるから言っておく。ここは水のフィールドじゃねえ、氷水のフィールドだ」
セイヨが2体目に出したのはスリーパー。
水に対して苦手意識を持っていたりするわけではなく、水の中に入ったが直ぐに顔を青褪める。どういうこと?とセイヨは疑問を抱くのでここが氷のフィールドじゃなくて氷水のフィールドだと答える。
「氷水のフィールド……まさか!」
「トゲキッス、でんじはだ」
氷水のフィールドと言われて気付いたが、もう遅い。
トゲキッスはスリーパーに向かってでんじはを浴びせればスリーパーは痺れて動けなくなる。
「リ、ィ……」
「早く残っている氷に」
「そう簡単に行くと思うなよ。エアスラッシュだ」
ここはただの水のフィールドじゃなくて氷水のフィールドだ。
スリーパーはエスパータイプでみずタイプの技は普通で水そのものに苦手意識があるというわけじゃねえ。サトシの持っている一部のみずタイプじゃないポケモン、例えばピカチュウとかも綺麗な川で水遊びをすることになんの抵抗感も抱かない。
だが、ここは違う。
水でなくキンキンに冷えている氷水だ。サウナとかで体を熱くした状態ですら冷たい水風呂に入って悲鳴を上げるのに、体が全くと言って暖まっていない状態で氷水に入ればそれだけでダメージになる。
ゴローニャの特性はがんじょうだ。技を受けても一発は確実に耐える筈だがトゲキッスのはどうだんでやられた。考えられるのは苦手な水の中に入ってしまってダメージを受けたから。
「エアスラッシュ」
トゲキッスのエアスラッシュが入ればスリーパーは怯んだ。
てんのめぐみ個体のトゲキッスだからエアスラッシュは単純計算で2回に1回は相手を怯ませる事が出来る反則技でただでさえまひ状態のスリーパーが動くのが遅くてキンキンに冷えている氷水のフィールドで体力が少しずつ奪われていく中での怯みだ。
「リィ……」
「スリーパー!?」
「スリーパー、戦闘不能!トゲキッスの勝ち!」
『決まった!トゲキッス、2体抜き!しかもノーダメージ!セイヨ選手は残す所は後1体だけとなり、いよいよ後が無い!さぁ、ここからの巻き返しがなるか!』
「私が負けたら終わり…………そんなの、そんなのっ……嫌!!」
負けたらばポケモンゼミの話は無かったことにされる。そうなればポケモンゼミに価値は無くなる。
セイヨはプレッシャーに飲み込まれるかと思ったが土壇場で気持ちを乗り越えた……だけどな
「気持ちの強さが力に変わるなんて都合の良い話は早々にねえんだ」
「それはどうかしら?いけ、ゴルダック!」
「ルダ!」
3体目に出てきたのはゴルダック。
スリーパーじゃなくてゴルダックを出さなかったのか?と疑問はあるが、出す順番を間違えただけなのかもしれない。
ゴルダックは氷水に入る。流石はみずタイプのポケモンだけあってかキンキンに冷えた氷水のフィールドで自傷ダメージは負わない。
「戻れ」
「ここで引くの!?」
「そりゃそうだろう」
トゲキッスはでんじは、だいもんじ、はどうだん、エアスラッシュを使った。
はどうだんを使えばゴルダックを炙り出す事は出来るかもしれねえが、より強い勝ち筋がある方を選ぶ。ただそれだけだ。
「いけ、キュウコン」
「コーン!」
「キュウコン……アローラのキュウコンね!」
『シズカ選手の2体目はキュウコン、ただのキュウコンではございません!アローラ地方で独自の進化を遂げたキュウコン、通称アローラキュウコンです!』
そこはリージョンフォームだと説明してやれよ。
幸いにもセイヨはリージョンフォームの知識があるのかキュウコンをただのキュウコンじゃなくアローラのキュウコンだと見抜いた。アローラキュウコンは氷の浮島に乗った。それと同時に雪が降ってくる。
「これは、ゆきふらし……!ゴルダック、氷のうえに」
「遅い、ふぶきだ」
ゆきおこし等の技を使わずにフィールドがゆき状態になった。
セイヨはゆきふらしの特性でゆきが舞い降りている事を見抜いた。そしてそこからどの様なコンボが生まれるのかについて気付いた。ならさっさと手は打っておく。ただそれだけだと言わんばかりにふぶきを使う。
ゆきが舞い降りるフィールドに猛烈なふぶきが舞う。
氷水のバトルフィールドはカチンコチンに凍りつき、再び氷のフィールドになるのだがここで1つだけ注目するところがあった。
「ッゴ、ゴバ!?」
体の半分、上半身部分を表に出していたゴルダックが氷に捕まった。
フィールドが再び氷のフィールドになる際にゴルダックはこおり状態にこそならなかったものの、氷に挟まれて身動きが取れない。
「この状態で外すなんてミスはしねえよな?」
「コン」
アローラキュウコンはゴルダックの前にまで走った。
ゴルダックはアローラキュウコンに睨まれれば冷や汗を流している。これからとんでもない攻撃がやってくるのだと本能的に察した。
「ぜったいれいどだ」
この距離ならば絶対に外しはしない。
アローラキュウコンはぜったいれいどをゴルダックに叩き込めばゴルダックはカチンコチンに凍りついた。氷が砕ければ中からゴルダックが出てきてそのまま意識を失った。
「ゴルダック、戦闘不能!キュウコンの勝ち!よって勝者、シズカ選手!」
『ここで試合終了ぅううう!!蓋を開けてみればまさかの結果!シゲル選手、サトシ選手に続きシズカ選手も余裕の快勝!今年のマサラタウン出身のトレーナーは一味違う!』
ゴルダックが無事に戦闘不能だと判定されれば会場が騒いだ。
サトシの試合でもサトシは快勝、シゲルの試合でもシゲルの快勝、俺の試合でも俺が快勝、今年出場を決めたマサラタウンの3人のトレーナーはレベルが違うと世間に見せつける。ただ……コイツは勝てて当然のレベルだった。
「戻れ……ダメージらしいダメージは無いが、メディカルチェックは受けてもらうぞ」
アローラキュウコンをモンスターボールに戻して俺はそう呟く。
これで先ずは1勝、最初の試合だからスゴく軽いと感じるがこれから少しずつ難易度が上がっていき、その上で8連勝をしなきゃならねえ……思った以上にハードだ。
「負け、た…………あぁ……ああ……」
「……行くか」
負けてしまったとセイヨが涙を流しているが俺はペコリと一礼をした後にスタジアムを出ようとする。
周りから色々と言われるなんて警戒はしていたが特にそういうことはなく、セントラルのポケモンセンターでナツメ達と合流を果たすんだが……
「なんで居るんすか?」
ポケモンリーグ協会副会長が居た。
セイヨが負けたのならばセイヨの肩を持ってなにかしらの言葉をかけるのが普通だろうが、何故かセイヨの所に居なくて俺の所に居る。
「なに、1回戦勝利おめでとうとね」
「……」
「そう身構えないでくれ。純粋に君の勝利を称えに来たんだ」
でも、絶対になにか裏があるだろう。
副会長は俺の勝利を素直に喜んでいるものの、なにか裏があるのだと感じる。
「言いたいこととかあるならばハッキリとお願いします。俺、そういうの苦手なんで」
「そうか……なら、彼女と戦ってどうだったか?……君のガールフレンドに聞いたが、やはり練度が足りないのだと答えたよ」
難しい腹の探り合いはいいからとっとと用件を言ってくれと言う。
交渉の席でその言葉は禁句だろうが交渉の席じゃないと分かっているから副会長はどうだったのかを素直に聞いてくる。
「今の俺が実際にどの立ち位置かは分かりません。もしかしたら2回戦で負ける可能性は普通にあります……それでも言えることと言えば、ここからは怪物だけが生き残れる世界で、まだまだひよっ子ってとこじゃないっすかね」
ポケモンリーグに出る絶対の条件はジムバッジを8個集めることだ。
この大会には200人以上が出場している。ポケモンゼミ枠とかポケモン検定枠とか考慮してもそれでも100人はジムバッジを8個以上集める事に成功している……だが、それがどうした?って話だ。
バトル漫画で、このレベルに至ってる奴は少ないとか言う初期設定があるが、物語終盤になればそのレベルなんて居て当たり前の世界になる。バトル漫画特有のインフレだ。
このセキエイ大会に出ようと必死になったものの出ることすら出来なかったトレーナーも普通に居る。ジムバッジ8個を集める事に成功したのはゴールじゃなくて1つのステップ、1つのスタートラインの上に立っただけだ。
「今から少しずつ怪物の世界に足を踏み入れる……1回戦は勝てる奴は余裕で勝ってる」
シゲルやサトシは1回戦を快勝した。俺も快勝した。だが俺達だけじゃない。
過去に他の地方リーグで好成績を残したトレーナー達だって出ている。今回初出場や2度目とかのトレーナーを軽々と一蹴している。自分で言ってて改めて思う。化物達が住んでいるエリアに徐々に足を踏み入れていくってのを……けど、それがポケモントレーナーとしてやっていくって事だ。
「その1回戦ですら余裕で負けてしまったか……うん、これは決定だね。すまないね、手間を取らせてしまって……2回戦以降は君を応援しておくよ」
「あんまハードル上げないでくださいね」
副会長はそう言うとセントラルのポケモンセンターを去っていった。
サイトウとナツメは顔を青くしている……理由に関しては大体は予想はつく。
「これで、ポケモンゼミが潰れましたね……」
「仕方ねえだろ。勝てねえ奴が悪いんだから」
「試合中の副会長、恐ろしかったわ……流石は副会長ね」
ポケモンゼミの生徒が普通に負けてしまった。僅差とかスゴいドラマがあったとかそういうのは一切無い。
ホントに普通に力の差があって普通に負けた。これでポケモンゼミの価値は無いと証明してしまったのでサイトウは申し訳なさそうにしているが、ここは本気で勝つ為に頑張ってる奴等の場所だ。なら勝てなかった奴が悪いだけ。
副会長は俺とセイヨの試合中に恐ろしい顔をしていたとナツメは思い出して顔を青くしている……少し威圧的な雰囲気はしているが、副会長自身は至極まっとうに仕事をしてるんだよな……やっぱジムリーダーは怖いか。会長のタマランゼはスゴい緩いから仕方ないと言えば仕方ないが。
リザードン♂ LV52
コノヨザル♂ LV49
ニドキング LV51
ライチュウ♂(アローラの姿) LV53
ラプラス♀ LV48
ニンフィア♀ LV50
フーディン♂ LV52
ゾロアーク♂(ヒスイの姿) LV48
ルカリオ♂ LV69
ドサイドン♂ LV49
ゲンガー♂ LV51
ポリゴンZ LV49
メタモン(色違い) LV55
プテラ♂ LV54
トゲキッス♀ LV46
ミュウツー LV72
ラティオス LV60
クワガノン♀ LV48
キュウコン♀(アローラのすがた) LV46
ポケモンのタマゴ