映像機画版携帯獣世界転生物語 作:こうすけ増田劇場版
勝負は水物、下駄を履くまでわからないという。
「ポリゴンZ、はかいこうせんだ」
「ロ!」
「リュ!?……ゥ」
「ハクリュー、戦闘不能!ポリゴンZの勝ち!よって勝者、シズカ選手!」
『決まったぁ!シズカ選手、ポリゴンZ1体で勝ち抜いた!強い!強いぞ!』
「……」
3回戦ではオニシズクモを相手に大苦戦をした。
アローラで修行をしていた分の貯金を使い果たしたか?と思ったが、4回戦はポリゴンZ、1体で3タテした。
4回戦まで来ているんだからそろそろまぐれとかそういう言葉で解決していいレベルじゃない筈だ。3回戦で苦戦をしていたのだから4回戦ではもっと苦戦を強いられると思っていたんだが、思ったよりもあっさりと終わった。
「3回戦じゃ苦戦させられて4回戦が更に厳しいって思ったんだがな……」
「勝負はなにが起きるかわからないんですよ」
セントラルのポケモンセンターでポケモンを預ける。
ついでだからとそのままポケモンセンターで食事をし、4回戦の感想を述べるんだが……なんと言うかスゴく淡白だった。ポリゴンZのトライアタックが普通に強かったりする。いわタイプかはがねタイプか特殊耐久ポケモン持って来なかったから勝てたって感じがする。
「単純に貴方のポリゴンZが強かった……それじゃダメなの?」
「ダメだな」
「何故です?」
単純にポリゴンZが強かったという話で終わらせないの?とナツメは聞くが俺は即座にダメと答える。
何故?とサイトウが聞いてくるので答える。
「偏差値上げるにはそこを理解しておかなきゃいけねえんだ」
「偏差値、ですか?……比較対象が極端過ぎる2人なのでなんとも言えないですが、シズカはバカじゃないですよ」
「教養的な意味合いでの偏差値じゃない。勝たせる方法を知っているって意味の偏差値だ」
シゲルは頭脳明晰でサトシはポケモンと寄り添えるがアホという最もな評価をサイトウは下している。
その2人を比較対象にするのはどうかと思うがと一言入れて俺は決してバカじゃないとサイトウは色眼鏡無しの評価を下している。
「ここは勝者と敗者を決める場所だ。だから取りあえずの大前提で勝つことが重要だ……どれだけ育成したとかどれだけの人間ドラマがあったとか無関係だ」
「……そういうところ、重視しないのね」
「そのドラマが無きゃ勝てないってならそんなもんクソゲーだ……とにかく勝つのが大前提だが、そこから中身を解剖していく」
「何故そのポケモンバトルで勝てたのかを言語化する、そうすることで勝ち筋や仕組みを学んでいくのだろう」
ポケモンとの人間ドラマは無関係と切り捨てればナツメはそこを見ないのかと気にする。
1人1人にドラマがあってどちらが美しいドラマなのかで負けが決まるんじゃ、そりゃポケモンバトルの祭典じゃねえ。偏差値の意味を教えようとすればシゲルが現れて答えた。
「そうだ」
「シズカ……僕が言うのもなんだけど、そんな初歩も初歩的な当たり前の事を言ってどうするつもりなんだい?」
「それをちゃんとしてんのは、この場に何人居ると言える?」
試合の何処が良くて何処が悪かったかを解析する。頭に叩き込む。
ホントに当たり前の事だからシゲルは呆れているが、それをちゃんとしている奴はどれだけ居る?と聞けば……俺とシゲルを見ている一部のこの大会の出場者が視線を外した。その解析を怠っていたり、自分自身は強いのだと奢っていた証だな。
「最高は出来ても最強は出来ねえ」
「なにを根拠に言っている?」
「そのまんまだ。大人の財力に物を言わせてマスターボールで伝説のポケモンだけでパーティ編成しても勝てない……役割分担や攻めの勝ち筋等を最高にする事は出来ても、それは決して最強とは言えない」
現実のポケモンバトルの世界大会は全員が手持ちが同じで似たり寄ったりの技構成とか普通にあるが、中にはトンチキなのが居る。
有名どころで言えばパチリスさん……ではなく、しんかのきせき持ちブーバーとか。最高のセッティングは出来てもコレさえしときゃ最強とかは無い。そしてその最高のセッティングでもレギュレーション次第じゃ詰む。
原種のライチュウとかはメガシンカ禁止になったら使用率がバカみたいに下がるオチは見えている。
その辺はミニ四駆とかベイブレードとかと同じでその時の自分のカスタムがどんなに良くてもな世界だろう。
「シズカはアレだね。敵は己の内にありってタイプだね」
「どうだろうな……なんと言うか、気付いたらって感じだからな」
「気付いたら……確かにシズカは特別な事をしている、でなく当たり前にしているという感じが強いか……」
シゲルは俺を敵は己の内にあり!と自分を厳しくしているタイプと言うが、俺はどうにもしっくりと来ない。
一番しっくりと来るのは気付いたらって感じだ。気付いたらアニポケに近い世界に転生していたがマイペースにここまで来ている。追い込む時はしっかりと追い込んでいるが、それはなんて言うか、自分は追い込まなきゃ怠惰になるとか人の何倍も努力して凡人レベルの成果が出るからとかそういうのじゃない。
別になんてことはない。気付いた時からこうだった。
スポーツとかそういうのは好きじゃない。体育会系のノリがウザい。体育の授業で体育教師くたばれと思った事は結構な回数がある。だからってムキになってそのスポーツを上手くなろうとかそういうのは無い。
やらなきゃいけないこととかはわかっているし、それに対して黙々とやっている。
それが気持ちいいからとか優勝をして満面の笑みを浮かべたいとかそんな感じの感情は特に無い。
「普通、それは徹底的に叩き込まなきゃ出来ないんですよ?」
「そういうもんか?」
何処かで慢心になる。何処かでもう辞めていいだろうと諦める理由を探す。
それ自体は決しておかしいことでもなんでもない。でも、それは明らかに心の贅肉だ。そういうことをしない様に精神的にも徹底的に鍛え上げられるし、生活面でも徹底的に仕込まれる。俺はそういうのは特に思い当たるのはあんま無いな。
サイトウやシゲルはコイツ、マジかと言う顔で見ているが……親父とかもこんな感じの性格だからな……別にそれで苦労とか特に無いし。
「あ、シズカ」
「席、空いてるか?」
「ああ、空いているぞ」
飯を食い終えれば岩のスタジアムに向かう。
観客席に向かえばサトシとタケシに遭遇する。席が空いているかどうかを聞けばタケシは空いていると頷いてくれた。
「5回戦進出おめでとう」
「お前はもうすぐ試合だけど、ここに居ていいのか?」
「大丈夫だ」
「今日は敵の視察、そんなところかしら?」
「ああ……シゲルのポケモンバトル、よくよく考えたらまともに見てないからな」
5回戦に進出を決めたことをサトシは称えてくれる。
サトシの4回戦はまだ終わっていない。こんな所に居ていいのかと聞けばサトシは大丈夫と言いスタジアムに視線を向けている。ナツメは敵の視察かと聞けば、サトシはシゲルのポケモンバトルを見たいと燃えている……
「真逆、なんですよね……」
「やめとけ。自覚は0だ」
ポケモンをしっかりと育てていて、お手本通りのシゲル。
ポケモンを育てては居るがバランス配分が悪く教科書外の戦闘が得意なサトシ。
2人はトレーナーとして真逆に位置しているとサイトウは気付いているが、互いに自覚は0。自分のやり方こそが正しいもしくはそれで勝ってみせるとかそう思っている。
「それにしても、生で見たいのね」
「ああ、この試合は見たいと思っててな」
当然と言えば当然だが試合は映像として記録されている。
選手村のパソコンを使えば様々な解説等が入った物を見れる、それでも俺はこの試合を生で見たいと思った。
1回戦のサトシのキングラー、そして4回戦のシゲルのバトル、この2つは絶対に見たいと思っていた……サトシのキングラーはサトシが如何にイカれたトレーナーなのか、ぶっつけ本番クラブとか言う割とふざけんなよと言いたいことをこの世界でも出来るのを見たかったから。次にシゲルの4回戦だが……原作じゃシゲルは4回戦で敗退をする。シゲルを倒したトレーナーについて詳細は語られていないが五分五分の試合だった。
この世界でシゲルは俺と関わった。シゲルにとっては俺は同期ぐらいの感覚で、気にしているのはサトシだ。けど、俺は最初にシゲルに勝った。次にシゲルに負けた。その結果から分かることはシゲルは原作よりも遥かにパワーアップをしている……と思う。
「いけ、サンドパン!」
「いけ、ギャラドス!」
岩のフィールドでのポケモンバトルが始まる。
対戦相手のトレーナーが出したのはサンドパン、シゲルが出したのはギャラドス。いかく個体なのかサンドパンは攻撃力が落ちる。
「ギャラドス、アクアテール!」
「サンドパン、ブレイククローだ!」
ギャラドスのアクアテールとサンドパンのブレイククローがぶつかる。
対戦相手のサンドパンは弱くはないが……ギャラドスのいかくがここでいい仕事をし、ブレイククローを力で押し負かしてアクアテールを叩き込んだ。
「サァ……」
「サンドパン、戦闘不能!ギャラドスの勝ち」
「い、一撃!?」
「ピィ!?」
「あのギャラドス、よく育てられているな……ジム巡りの際にギャラドスに何度も対峙しているが、その中でも段違い。シゲルの言う事を聞いているし……シゲルのトレーナーとしてのレベルの高さが伺える」
ギャラドスとサンドパンによる攻撃の撃ち合いの結果はギャラドスの圧勝。
一撃で戦闘不能になったのだとサトシとピカチュウは驚いている。タケシはギャラドスが高レベルなのを見抜くがそれと同時にその高レベルのギャラドスをしっかりと言う事を聞かせているシゲルのトレーナーとしてのレベルの高さを感じる。
コイキングからギャラドスに進化すれば性格は凶暴になる。
コイキングの頃から愛情を注げばギャラドスはしっかりと言う事を聞いてくれるが、ギャラドス状態からゲットしたら中々に言う事を聞かない。かと言ってコイキング状態で育てるとなれば物凄く難易度は高い。
シゲルのことだろうから、コイキングから育てている可能性が高い。
コイキングをギャラドスに育て上げる根気は強いし、進化したら進化したでしっかりと言う事を聞いてくれる……
「も、戻れ」
対戦相手のトレーナーはギャラドス相手に萎縮している。
流石に一撃でやられるのは予想外だろうが……そこは想定外、予想外と言っても仕方ねえ事だ。
「いけ、マルマイン!」
「あれは……あれ?見た目が違う?」
「アレはリージョンフォームですね」
サンドパンが戻り2体目に出てきたのはマルマイン。
ただのマルマインでなくヒスイ種のマルマインでサトシはポケモン図鑑に載っているマルマインとは異なる事に気付く。サイトウがヒスイマルマインだと指摘すればリージョンフォームが分かっていないのでタケシが軽く解説をし、直ぐに飲み込んだ。
「マルマインは素速い事に定評があるでんきタイプの中でも特に素速いポケモン」
「10まんボルトだ!」
ギャラドスの絶対的な弱点、でんきタイプの技。
ヒスイマルマインは技を直ぐに放つ……一部のポケモンを除けば俺の知る限りでトップレベルのスピートだ……ただ
「ギャラドス、10まんボルトを纏え」
「ゴォオ!」
シゲルはそれは想定内だった。
10まんボルトをギャラドスに纏わせる……この感じは、電気を放つんじゃなくて帯電した状態にしている。その上ででんきタイプの技を受けて地面に流し込んで電気攻撃を避けている……物理攻撃ならともかく特殊攻撃のでんきタイプの技ならばある程度は上手く流せる。
「ギャラドス、こおりのキバ!」
「マルマイン、避けろ!」
マルマインの10まんボルトは絶対に回避する事は出来ないからとマルマインの10まんボルトを受け流した。
弱点の対策はしっかりとしていてこの世界ならではの対策方法だ。防御から攻撃に移り変わるんだが……でんきタイプの中でもトップレベルのスピートを持っている。ギャラドス自身は決して遅くは無いんだが、マルマインが速すぎる。
「なみのりとかで攻めれば」
「いや、ヒスイマルマインはくさ・でんきタイプのポケモンだから余裕で耐える。それどころかなみのりの津波を経由して10まんボルトを叩き込んでくる可能性が高い」
広範囲に及ぶ波状系の攻撃で攻めればとサイトウは言うが、ヒスイマルマインはくさタイプも持っている。
なみのりやうずしおは確実に耐えるしそれを経由しての10まんボルトは普通にありえる。じしんも同じ理由で使えない。
「マルマイン、ころがる!」
「ギャラドス、回転速度が上がる前にかみつけ!」
「……あ」
10まんボルトが通じないのならばところがる攻撃を使ってくる。
シゲルはころがるは放置すれば危険だと回転速度が最高になる前にとこおりのキバ状態のギャラドスで真っ向からの衝突をし、ヒスイマルマインはギャラドスに噛みつかれている状態になった、が、狙っている。この状態はまずい。
「10まんボルト」
「……っ!」
技は先にヒスイマルマインが繰り出すが、ギャラドスはさっきみたいに10まんボルトで受け流すのが決して間に合わないわけじゃない。ただシゲルは直ぐに気付く。ギャラドスとヒスイマルマインが接触しているのを。しかも口元にヒスイマルマインはいる。
体の外に纏わせて10まんボルトを受け流していたが、あの状態だと10まんボルトが体の奥まで通る。
シゲルはそれに直ぐに気付いてここまでかとなり……ギャラドスが戦闘不能になった。
「ギャラドス、戦闘不能!マルマインの勝ち!」
「中々に強いですね……」
対戦相手のトレーナーはシゲルのギャラドスをなんとか倒した。
ただまだ試合は終わりではないとシゲルは呼吸を整えモンスターボールを取り出す。
「いけ、ニドキング!」
「二ド!」
「マルマイン、ひかりのかべ!」
「ならば、どくづきだ!」
「だいばくはつ!」
「……無理矢理1−1に持ってったな」
ニドキングが出てきて最初にしたことはひかりのかべ。
もっと色々とあるだろうと思ったが、対戦相手のトレーナーはなんの迷いもなくだいばくはつを起こした……
「どう見ます?」
「ヒスイマルマインは通常のマルマインと異なってじめんタイプに有利に出れる……ただ相手はニドキングだ。状態異常、物理攻撃から特殊攻撃まで幅広い技がある。ならなにかをする前に無理矢理落としたってところか」
自分でニドキングを使っているからニドキングがどんだけ便利なポケモンなのかは熟知してる。
カントーじゃメジャーなポケモンでもあるから下手に試合をグダつかせるよりも無理矢理にでも1−1にして試合をリセットした……ニドキングみたいなタイプのポケモンを運用する際にそれをやられたらキツい。シゲルも色々としようとしていたにも関わらず一瞬で潰されただけに言葉に詰まる。
「流れが悪いな……」
ひかりのかべを展開してからのだいばくはつ。
1−1になったが相手の方が圧倒的に優位……相手はこの盤面を想定しての特殊攻撃にゴリッゴリ強い奴か、それとも物理攻撃に強い奴か……
「いけ、ゴローニャ!」
「ふぅ……どうやら世の中、そこまで甘くはないみたいだね」
「……シゲルの奴、スッゴく楽しそうだな」
「ピィ」
相手のポケモンはゴローニャ、ひかりのかべとの相性は微妙といえば微妙。
シゲルはこの状況で笑っている。サトシはそんなシゲルを見て、ポケモンバトルを心の底から楽しんでいるなと気付く……
「やっとと言うところじゃの」
「オーキド博士、ママ、それにおばさんも」
シゲルが笑みを浮かべていることを見て喜んでいる人、オーキド博士とサトシのママさんとお袋が現れた。
シゲルが笑みを浮かべて喜んでいるということをオーキド博士は喜んでいる。
「追い詰められてるのに、喜ぶんすね」
「なに、シゲルの奴はやっと張り合いが出てきたところじゃからの」
「……まぁ、そうっすけど」
本来なら8個でいいところをバッジを10個集めたシゲル。
シゲルにとってジム戦は簡単なものだった……けど、ここにはそのジム戦を勝ち抜いたトレーナーしか居ない。シゲルの闘志をメラメラと燃やすのにちょうどいいとオーキド博士は見ている。シゲルは3体目にカイリキーを出した。カイリキーはばくれつパンチを叩き込んだ……ノーガード個体のカイリキーで、ゴローニャはじわれを撃ったがカイリキーはケロッとしていた。ゴローニャよりもカイリキーの方がレベルが高かった、ただそれだけだ。
「ゴローニャ、戦闘不能!カイリキーの勝ち!よって勝者、シゲル選手!」
本来ならば4回戦で負けるシゲルだったが、見事に4回戦を突破した。
この時に不思議な事かなにかカチリと音が聞こえた。そんな物音はしていない、完全に俺だけの感覚ではあるが……シゲルが原作をひっくり返したことで、理不尽な原作修正力的なのが出来なくなったとかそんな感じか。
リザードン♂ LV52
コノヨザル♂ LV49
ニドキング LV51
ライチュウ♂(アローラの姿) LV53
ラプラス♀ LV48
ニンフィア♀ LV50
フーディン♂ LV52
ゾロアーク♂(ヒスイの姿) LV48
ルカリオ♂ LV69
ドサイドン♂ LV49
ゲンガー♂ LV51
ポリゴンZ LV49
メタモン(色違い) LV55
プテラ♂ LV54
トゲキッス♀ LV46
ミュウツー LV72
ラティオス LV60
クワガノン♀ LV48
キュウコン♀(アローラのすがた) LV46
ポケモンのタマゴ