偶然にも、既に悠はエクレールとコミュを結んでいたという…
ここはまことみらい学園。みくるのクラスである二年一組に二人の転校生がやってきた。
「明智あんなです!よろしくお願いします!」
転校生の一人であるあんながクラスの生徒達に自己紹介をする。もう一人の転校生はあんなとみくると同じくらいの身長の少年だ。少年は灰色の髪色をしており、更に眼鏡をかけていた。
「鳴上
悠司と名乗ったこの少年。言わずもがなこの少年は悠である。
事の発端は昨日の事、あんながまことみらい学園に通えるよう理事長に頼み込みに行こうとした時だった。
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『待ってたぞ、二人とも』
『『…えっ?』』
あんなとみくるがリビングに入ると、そこにいたのは二人と同じくらいの身長になった悠だった。
『もしかして…悠さん!?』
『どうしてそんなに可愛い…じゃなくて!そんなに背が縮んでるんですか!?』
『フッ、これを使ったんだ』
そう言って悠はプリキットグロスを二人に見せる。これを唇に塗ると様々な姿に変装することができるのだ。ちなみに先日の事件であんなはプリキットグロスで女子高生に変装していたそうだ。
『そっか!プリキットグロス!』
『さっきジェット先輩に貰ったんだ。俺もみくると同じ学校に通いたくてな』
『私と同じ…それじゃあ!』
『ああ、俺も中等部に入ろうと思うんだ』
悠がそう言うと、あんなとみくるは嬉しそうな表情になった。
『嬉しい!悠さんも一緒に通えたら、絶対にはなまる楽しくなるよ!』
『そうだね!絶対に楽しくなるよ!…それにしても、14歳の頃の悠さんって、背が低かったんですね…』
『いや、14歳の頃はもうちょっと背が高かったな』
『えっ?それじゃあどうして…』
『学校生活くらいは、二人と同じ目線に立ちたいからな』
『私達と…』
『同じ目線…』
そう言うと二人は顔を真っ赤にし、『キュン!!!!』と聞こえてきそうな表情になっていた。
それを見た悠は不思議そうに首を傾げたのであった。
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それから悠…この14歳モードの時は悠司と呼んでおこう。悠司とあんなはそれぞれの席に着いた。あんながみくるの隣の席で、悠司があんなの前の席だ。
それから休憩時間になり、大勢のクラスメイト達が悠司とあんなに集まってきた。
「ねぇ!明智さんと鳴上君はどこから来たの?」
「部活とかやってた!?」
「好きな物は!?趣味は何!?」
「携帯持ってる?メル友になろうよ!」
「あわわ…!」
「前の学校ではバスケ部と演劇部に入っていたな。好きなのは妹の菜々子で、趣味はチェンジと合体だ」
質問攻めに合い、困惑するあんなをよそに悠司は淡々と質問に答えていた。
「鳴上君、妹が居るの?」
「ああ。目に入れても痛くないくらい可愛い妹だ」
「そうなんだ!今度写真見せてよ!」
「なぁ、チェンジと合体って何だ?」
「チェンジと合体はチェンジと合体だ」
「それ答えになってなくね?」
「はいみんな!気になる気持ちはわかるけど、程々にしないとあんなと悠さ…悠司君が困っちゃうでしょ?」
みくるが両手をパンパンと鳴らしてクラスメイト達を落ち着かせる。
「ごめんね。この時期に転校してくるのって珍しくてつい…」
「気にしなくていい。みくるも言ってたけど、気になる気持ちはわかるからな」
「うん!これからよろしくね!」
「ありがとう!ねぇ、二人の事、あんなと悠司って呼んでも良い?」
「うん!もちろん!」
「俺も構わないよ。えっと…」
「私、浅間りえ!こっちは依田ゆみ!」
「よろしく!」
赤色のショートボブの女の子がりえ、茶髪をポニーテールに結んでいる女の子がゆみというそうだ。
「こちらこそ。浅間、依田」
「も~!私達が下の名前で呼ぶのに、悠司だけ名字呼びしなくていいって!」
「そうそう!もちろんあんなもね!」
「わかった。りえ、ゆみ」
「よろしくね!りえ、ゆみ!」
こうして会話が盛り上がる中、悠司とあんなはある噂を聞いた。
「七の月の噂?」
「最近噂になってるんだよ?一九九九年七の月、地球に大魔王がやってくる…って話!」
「へぇ…」
(もしかしてそれ、ノストラダムスの大予言の話か?そういえば今いる時代はそれが話題になってた頃か…)
「そういえば三人とも、同じ家に住んでるんだよね?どういう関係なの?」
「「フフフ…私達、探偵やってるの!」」
「それと俺は二人の助手だ」
三人は名刺を取り出し、素早くクラスメイト達にそれを渡していった。ちなみに悠司の名刺はこれまで使っていた物ではなく、鳴上悠司の時に渡せるように用意した名刺だ。
「どんな事件もはなまる解決!」
「キュアット探偵事務所に何でもお任せ!」
「そしてなんと!私達は名探偵プリ」
「わぁぁぁ~~~!!」
あんながプリキュアの事を口走ろうとした瞬間、みくるがあんなの口を抑える。
「あんな、プリキュアの事は秘密だっただろ?」
「そうだよ!忘れたの?」
「そうだった…ごめん」
「ポチ~!」
するとどういう訳か、この場にいない筈のポチタンの声が聞こえてきた。
「ポチ?」
「えっと…」
「これはその…」
「…ポチ~」
あんなとみくるがどう言い訳しようか考えている中、悠司が少し高い声でポチタンの真似をし始めた。
「え?今のって悠司?」
「ポチ~」
「あれ?でももう少し高い声だったような…」
すると授業開始のチャイムが聞こえてきた。
「あ、鳴っちゃった…」
「じゃあまた後でね」
「ポチ」
「それはもういいから…」
クラスメイト達が次の授業がある場所へ向かい始めると、あんなのカバンからポチタンが顔を出してきた。
「やっぱり…」
「ついてきてたんだな」
「ポチタン。シーっ、だよ?」
「ポチ!」
「それじゃあ、俺達も行くか」
「うん!」
三人は教室を出て、次の授業場所である理科室へ向かっていったのだった。
「それにしても、この学校ってすっごく広いよね…」
「ああ…俺も色んな学校に通ってきたけど、こんなに広い学校には始めて通うな」
「色んな学校?」
「ああ、両親の仕事の都合で転校することが多かったんだ。だから…って、どうした二人とも?」
「ポチ?」
悠司の話を聞いたあんなとみくるは悲しそうな表情で悠司を見ていた。
「ご、ごめんね悠司君…辛いこと思い出させちゃって…」
「悠司君、きっと友達が出来てもすぐにお別れしてきたんですよね…苦労してきたんですね…」
「…確かに、友達が出来てもすぐに疎遠になってきたよ。でも、今の俺は独りぼっちじゃない。離れていても縁が切れることがない、かけがえのない友達も沢山できたし、今はお前達もいるからな」
「悠司君…ありがとう」
「…さて、早く理科室に行かないとな」
「そうだった!…でもどこなんだろ?」
「それなら心配ご無用!」
そう言ってみくるは二枚の紙を二人に見せてきた。
「これって…この学校の地図!」
「私も転校した時迷っちゃって、それで作ったの!」
「流石みくる!」
「…なぁみくる、この絵って…」
地図に描かれているのはポチタンであろう似顔絵だったが、お世辞にも上手いとは言えない出来だった。
「もちろんポチタンです!」
「ポチ!?」
「…似てるね!」
「ポチ!?」
「でしょ?悠司君、どうですか!?」
「…ハイカラだな」
「…ポチ」
それから悠司達が渡り廊下を歩いていると、あんなが中庭にある大きな木を見つけた。
「大きな桜!」
「この学園が創立された時からあるんだって」
「へぇ、凄いね!」
「そうだな…とりあえず、まずは理科室に行かないとな」
「「そうだった!」」
それから時間がギリギリだということもあり、三人は慌てながら理科室に駆け込んでいった。
「間に合った!…あれ?」
「ここって…」
「体育館…だよな?」
そう、理科室に入ったはずだったが、どういう訳かここは体育館だったのだ。
悠司という名前には実は由来があります。なんだと思いますか?
ヒントは二つ、『番長の名前』と『漫画』です。