「おはよう!今からプリキュアだっていう証拠を…」
「ポチーーーー!!」
「わぁーーー!?」
「ひゃわっ!?」
あんなとみくるが名探偵プリキュアになった次の日、ジェットにプリキュアだという証拠を見せに事務所にやって来たみくるの目の前にポチタンに引っ張られていくあんなが飛び出してきた。みくるは間一髪で避ける事が出来、あんなはそのままポチタンに引っ張られていった。
「ど、どうしたんですか、悠さん?」
「突然ポチタンが何かに反応して、そのままあんなを引っ張っていったんだ」
「それって、昨日と同じ…」
「昨日?」
「昨日もポチタンが何かに反応して、あんなを引っ張っていったんです。その先にあったのがあの結婚式場だったんです!」
「…なるほど、そういう事か」
「おい、一人で納得してないで教えてくれ」
「多分ポチタンには、どこかで起こった事件を感知する力があるんだ。昨日の結婚式場でもティアラが盗まれる事件が起きた…つまり」
「どこかで何か、事件が起きたって訳か」
「大変!すぐにあんなとポチタンを追いかけなきゃ!」
そう言ってみくるはあんな達の後を追いかけていった。
「僕も行く!」
「わかった!」
悠とジェットも後に続いていき、しばらく走っているとあんな達の姿が見えてきた。あんな達が止まっていた場所には『パティスリーチュチュ』という店があった。
「ここは…お店か?」
「…ない…どこに行ったの…?」
店の方を見てみると、女性客と店の人間と思われる男性が何かを探している様子だった。
「たちゅけて…」
「ポチタン…あの!」
それから悠達は二人に何があったかを聴く事にした。女性客は来栖エリザという高校生作家らしく、コンクールの時に貰ったペンを失くしてしまったそうだ。
「ペンの紛失か…来栖さん、ペンを失くした時、何か変わった事はなかったか?」
「えっと…変わった事って程じゃないかもしれないけど、ついさっきお婆さんが話しかけられて、気がついたらいなくなってたの。そしたらペンが失くなってて…」
(なるほど…どうもそのおばあさんが怪しそうだな…)
「ねぇみくる、それって…」
「お婆さんが犯人なんじゃ…」
「えぇっ!?あのお婆さんが!?」
「二人とも、来栖さん達に丸聞こえだったぞ」
「「あっ…」」
「まったく、何やってるんだよ…」
あんなとみくるは小声で話していたのだろうが、その内容はエリザと店長に聞こえていたようだ。思わずジェットも呆れてしまっていた。
「あわわっ!お、お巡りさん!」
「落ち着いてくれ。まだ可能性の話だ」
「…繋がらない!?」
「なんだって?」
「通信障害みたいです」
店の中から店のパティシエと思われる女性が出てきた。パッと見では悠と歳が近そうだった。
「帆羽さん、通信障害ってどういう事だい?」
「電波が繋がらなくて携帯電話が使えないって、ニュースで言っていました…」
「…私がお婆さんを見つけてきます!」
「待てあんな!…みくるとジェットさんはここで待っていてくれ!」
「待て!」
老婆を探しに行こうとする悠とあんなをジェットが引き留める。
「これを持っていけ。僕が開発したプリキットだ」
そう言ってジェットはプリキットという物をあんなに渡した。
「プリキット?」
「探偵道具だよ。このプリキットボイスメモがあれば連絡し合うことが出来る。今は二つしかないが、あんなに一つ渡しておく」
「ハイカラなデザインだ」
(ハイカラって、悠さんの口癖なのかな?)
「ありがとうジェットさん!」
あれから老婆を探していた二人だったが、中々見つからずに途方に暮れていた。
「見つからないね…」
「ああ…」
「…ねぇ、悠さん」
「どうした?」
「どうして悠さんは、みくるとジェットさんと一緒に残らなかったの?」
「フッ、みくるじゃなくて俺じゃ心許ないか?」
「あっ!そういう意味で訊いた訳じゃないからね!」
「わかってるよ」
「もう、悠さんの意地悪…」
悠に揶揄われたあんなは少し頬を膨らませてしまう。
「…深い理由なんてないよ。ただお前の事が心配だっただけだ」
「そんな…私、これでも14歳になったばかりだよ?心配されるほどの歳じゃ…」
「そうは言っても、俺の方があんなより年上だぞ?」
「それはそうだけど…」
「けど、どっちが年上とか年下とか関係ない」
そう言って悠はあんなの方を向く。
「俺はお前の力になりたいんだ。だからとことんまで頼ってくれ」
「悠さん…」
悠の言葉を聞いていたあんなは悠をジッと見つめていた。
その時、ジェットから受け取っていたボイスメモから音が鳴り響いた。
「き、きっとみくる達からだよ!…もしもし?」
『悠さん、あんな、聞こえる?』
「み、みくる!うん、聞こえてるよ!」
「俺の方もバッチリだ」
『良かった…今からエリザさんから聴いた事を伝えるから、通信を入れたままにしておいて!』
「う、うん!」
『?…ねぇあんな、さっきから様子が変だよ?何というか…狼狽えてる?』
「そ、そそそそ、そんな事ないよ!?アハハ!」
『そ、そっか…じゃあ、しっかり聞いてね!』
エリザから聴いた情報によると、件の老婆からファンだと言われて握手を求められ、それからサインをしようとしたら机に置いていたペンが失くなっており、老婆もいなくなっていたようだ。
老婆の特徴は緑の着物を着て、お団子頭だったようだ。
(待てよ?お婆さんはいつの間にか消えていたって来栖さんは言っていたけど、そもそもお婆さんがすぐにその場から逃げる事は出来ないんじゃないのか?若い人だったらすぐに逃げたり隠れたりは出来そうだが…若い人…まさか…!)
「緑の着物を着た、お団子頭のお婆さん…あっ!」
「どうした?」
「あそこ!」
あんなが指を指した場所に一人の老婆の姿があった。見た目もエリザが言っていた特徴と一致しており、すぐさまあんなは老婆の元へ向かっていった。
「待てあんな!そいつは怪盗団ファントムだ!」
「えっ!?」
「フッ、バレちゃったか…じゃあね、ベイビー達!」
老婆はその場から逃げていった。悠とあんなはすぐに老婆を追いかけていった。
(あの口調から推理すると、あいつはニジーが変装した姿だな…!)
『まさか怪盗団ファントムとはな…!』
「知ってるのか?」
『まぁな…』
どうやらジェットも怪盗団ファントムを知っているようだ。
それから老婆が公園に入っていくのが見え、二人も公園に入るが老婆の姿が消えていた。その場にいたのはサラリーマン、カップル、電話をしているギャルだった。
「いない…」
「昨日の事やさっきのお婆さんの事を踏まえると、誰かに変装している可能性が高いな…」
『悠さん、あんな!今どこにいるの?』
「公園だよ!」
『わかった!今そっちに行くね!』
それから二人はみくるとジェットが来るのを待ち、しばらくすると二人の姿が見えてきた。
「悠さん、あんな!」
「みくる、ジェットさん!」
「ファントムは?」
「おそらく、この公園にいる誰かに変装している筈だ」
「この中の誰かが…」
「けどファントム…ニジーは一つだけ墓穴を掘っている」
「墓穴を?」
「ああ。そいつはこの状況でありえない行動をしているんだ」
「「ありえない行動…あっ!」」
悠が言っている事の意味が分かったのか、あんなとみくるは声を漏らしていた。
「「見えた!これが答えだ!!」」