自分はあの日の光景が昨日のことのように思い出す。血飛沫が飛んだ壁や床、咽るような鉄の匂い、そして……
『ワタル…逃げ…て』
『アンタ、何で?!!』
血溜まりに倒れている女性。自分を鼓舞させる言葉をかける男性。
『そこを退け、俺はお前等に協力してた訳じゃねえ、そこのガキに用があるんだよ』
胸に水色のコブラの紋様が見えた。銃のような物を持っている怪物の姿。
そして自分が見ていた光景は切り替わる。周りはすっかり夜であり、しかも雨が降っていた。走って行った先は工業地帯のようだった。そのまま路地裏に隠れると息を殺していた。
『もう大丈夫かな?』
そう言うと共に、自分の耳にはコツコツと靴の音が近づいてくる。そして自分は限界が来たのか意識がどんどん消えていく、そして自分が最後に見えたのは茶色いスーツを着て、サングラスを掛けた。傘を差した男性が驚いたような顔をしていた所だった。
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「あっ!?ハァ」
少年が目を覚ますと、目の前には知らない……
いや、いつも通りの天井だった。少年は全身から大量の汗が出ていることに気付く。
「また、この夢か」
先程、少年が見ていたのは7歳の誕生日の日の出来事の夢だった。
「取り敢えず、着替えてマスターに飯でも作ってもらうか」
そう言って少年は寝ていた座敷から出ていく。そしてワタルが向かったのは喫茶店らしきホールだった。だが、誰も居ない。
「なんだ?マスターまだバイト言ってんのか?仕方ない、自分で作る──」
「ボンジョールノ!!
「うわぁ!!って何だマスターか、何子供みたいなことやってんだよ」
「何時までも子供心を忘れない、そう言う大人になりたくてよ!」
少年、月影ワタルがマスターと呼んだのはこの店nacitaの店主でありオーナーの石動惣一である。
「どうしたよ?凄く疲れてるみてぇだが?」
「いや、また夢を見たんだよ」
「お前の両親を殺した奴だったか?」
ワタルは石動惣一に拾われた日から、悪夢に魘されている。
コブラの紋様がスーツに描かれている怪人に両親が殺害される。
「まあ、あの怪人の予測はついてるけどな」
「お、なんだよ?」
「人間と悪霊のハーフである
ワタルは、壊れて動かなくなった腕時計を見ながら言った。
「確か、人間の脳を喰ってるとか言われてる奴だろ?そんな、危ねえ奴らが居るなんて怖いね〜」
「それでも、俺はあのコブラの怪人を見つけ出してぶっ殺さなくちゃならねえ」
殺意のこもった目をしているワタルに石動惣一はデコピンをしてやめさせた。
「イデッ、何すんだよマスター」
「お前が眼力だけで人を殺せそうな目してるからだろうがァ」
「いや、だけどッ!」
「そう言えば、依頼来てたぞ?」
そう言い、石動惣一は店の奥へと行き、小さな小箱のような物を持ってきた。
「これは?」
「確か、
「ふーん、何かのアクリルスタンドっすか?」
「あーあ、最近中学生の間で話題でよ、確か幕ラブとか言ったかな?」
「何でマスターは中学生の流行りを知ってんだよ」
「俺のバイト先に中学生が居るんだよ」
「本当にマスター何処でバイトしてんのさ」
ワタルはそう言うと、割れてしまっているアクリルスタンドに手を加えていく。
そして5分後、
「終わりました〜」
「相変わらず速いね〜」
ワタルの手には割れ目が完全に無くなって元通りになったアクリルスタンドがあった。
「そうだワタル、お前に前に頼んでたあれの修理って出来てるか?」
「流石に色々ぶっ壊れてましたから無理ですよ」
ワタルが言っているのは、昔マスターに修理を依頼された赤色のハンドルのような物がついた物だった。
「何か、あれは修理に時間が掛かってて」
「ワタルにも直せない物はあるんだな?」
「煽ってくれるねえ、マスター。いいよいつか絶対に修理してやる!!」
「楽しみにしとくぜ〜!!」
そう言った話をしているとマスターの携帯からメール音声が流れる。
「ワタル、仕事だ」
「了解」
そう言うと、ワタルは銃のような物を取り出し、懐にしまう。そしてもう片方の手には緑色の小瓶が握られている。
「場所は何処ですか?」
「ここから近い北の工業地帯だな、ほら俺がお前を拾った場所のすぐ近くの」
「分かりました!」
ワタルはマスターの言葉を聞くと、店の入り口に手を掛け、出ようとする。だがワタルはマスターに振り返ると言った。
「行ってきます!」
「おう!行ってらっしゃい」
ワタルとマスターはお互い満足そうな顔になると、ワタルは店から出ていった。
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──工業地帯──
ワタルは工業地帯に着くと、直ぐ様現場に向かおうとしたが、それは止められた。
「止まってください!!」
「あ?」
ワタルが声の方向を見ると、自分と同じくらいの背の少女がいた。
「貴方は一般人ですか?それとも」
「何の話だ?つうかアンタは一体」
「この先は憑从影が暴れています!なので一般人なら避難をお願いします!」
「やっぱりこの先か、さっさと片付けるに限る」
ワタルは懐から銃のような物と緑色の小瓶を取り出した。それを見た少女は驚いた表情をすると、直ぐ様大声で叫ぶ。
「銃を下ろしてください!憑从影は私達が倒します!だから──」
「待て、”私達が”というのはどういう意味だ?」
「私達は対憑从影殲滅部隊で───」
その瞬間、ワタルから殺気のような物が漏れ出始めた。
「成る程な、チビには色々と聞きたいことができた」
「誰がチビですか!?私には黒神マキって名前が」
「武器を持てよ、憑从影モドキ」
そう言うと、ワタルは銃を右手、左手で緑色の小瓶を振り、そして小瓶を銃に装填した。
『fix spanner!』
その音と共に絶叫のような音が鳴り始める。そしてワタルは言った。目の前の存在を消すために、
「
マキに向けて引き金を引くと、銃口から緑色のスパナが現れ、ワタルの周りを緑色のミストのような物が覆い始めた。
『spanner in fix all clear!』
ミストが晴れると、そこには先程までは着ていなかった鎧が装着され、頭部には緑色のスパナが強調されている。
「最後の忠告だ憑从影モドキ、そこを退け」
「貴方は一体何者ですか!?」
ワタルは頭部のスパナの紋様を指でなぞるようにして言った。
「リ・フィクス、俺は今の姿はそう呼んでるよ」
また、ゆった〜り書かせていただきます。アンケートで確認したいことがありますので答えてくれると嬉しいです。それと下に新しいオリ主のプロフィールを書いておきます。
人名:月影ワタル
異能力:不明
系統:不明
個体データ:人間?
誕生日:3月30日
年齢:14歳
身長:144cm
血液型:A型
趣味:メニュー作り、修理
職業:喫茶店nacitaの手伝い、修理屋
フレーズ「憑从影は全員ぶっ潰す」
7歳の誕生日に両親が憑从影に殺されており、その後、両親の行きつけの喫茶店の店主である石動惣一に拾われ、養子として迎え入れられた。ただ、両親の姓だけは石動惣一に養子として迎え入れられた後でも名乗っている。因みに両親の職業は現段階で不明。両親の死後、1週間に一度お墓参りに行っている。
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