『フルボトル!スマッシュバフ!タカ!』
ワタルは銃口を上に向けて放つと、ワタルにオレンジ色の鷹の翼が背中に現れる。そして青炎をまとったマキの隣に立った。
「ぐう⋯うぐぐ⋯こんな力を⋯か、隠し持ってやがったなんて⋯!」
「青炎は私の意志に呼応してムゲンに形状を変化させます」
「自分が持っているこの”スマッシュスチームガン”はバトルモードとバフモード、2つのモードがあってな、ボトルに対応した効果を得る事ができる。そして自分がこの銃を使って掛けるバフは俺が望む限り永遠に続く」
それを聞いた高階は狼狽えたようにワタルとマキに向かって叫んだ。
「ど、どうなってる⋯!?ちゅ、中級の強さじゃねぇ⋯!!お前に限っては憑影でもないのに⋯!!こうならない為に⋯昨日ぼ、僕の異能力で計測した筈だ⋯!!一体何が⋯!!」
「狗っち、寝てたんじゃないですか?」
「そりゃあ、自分は異能力じゃなくて異端技術で戦ってるだけだからな」
「なっ!?か、囮影が寝たくらいで僕の異能力に読み違えなど!!それに異端技術だと!?」
「冗談です。覚えておいてください、『地の極致』黒神家の血筋は、”衝動”によってその力を大きく変化させます」
「知り合いの科学者に見せても特に分からなかったからな、この銃、でも腐りきった奴らをぶっ殺すには十分」
「しょ、衝動⋯だと⋯!!?」
「憑从影殲滅が私の任務です、それと⋯比嘉先輩とハカちゃんのお母さんをころしたあなた達を⋯私はぜったい許しません!」
「例えこの力が、自分がこの世で最も憎んでる奴から与えられた力でも、自分はこれを正義の為に使う、それが力を手にした俺のケジメだ!!」
「くそっ⋯!!この僕が!!こ⋯こんな小僧と小娘に⋯!!」
「DEAD OR ALIVE 朧火よ、地獄の業火で焼き尽くせ!」
『フルボトル!スマッシュアタック!フェニックス!』
「そこに更に火力の上乗せだァ!!地獄で詫びろォ!!!」
「この厨二病共が!!
その力が僕にあれば!!
その炎さえ、銃さえ扱えれば!!
お前達如き一瞬で焼さつしてやったのに!!」
「青焔蒼天!!」
「自分をマキと厨二病で一括りにするなァ!!!」
マキの異能力である青炎とスチームガンから発射する不死鳥の火炎、2つの炎が混ざり合い、高階に2色の炎の竜巻となって衝突したのだった。
「くぎゃアアアアーーーー!!!」
「恋と邪推は、滅びでござる!」
「何カッコつけて言ってんだよ…」
決め台詞を言ったマキにマキと共に地面に降りたワタルはジト目を送りながら、高階が居た場所を見る。高階はまだ死んでいなかったからだ。
「う⋯うぐがぁ⋯」
(ギリギリ異能力で⋯僕自身の残像を視覚化して直撃は避けたけど⋯このままじゃ⋯ん⋯?)
高階の元に冷たい風が吹き始める。
(こ、この風!!それにこの雲は!!)
「よし、止めと行こうか…選べよ、俺に拷問の末殺されるか、今この瞬間即死させられるかを」
「ワタル、少し落ち着いて」
「た、頼む⋯命だけは⋯脳だけは潰さないでくれ⋯」
高階が始めたのはみっともない命乞いだった。誰からでも演技と分かる、そんな薄っぺらい。
その姿を見て、ワタルは唖然とした。マキですら黙ってしまっている。
「⋯⋯」
「あ゙ァ!!?」
「他の奴らに言って⋯もう止めさせる⋯!!
そ、そのあと僕も憑影になって⋯キミたちに協力するから!!」
「ふざけ──」
「本当ですか⋯?」
「は?」
「ほ、本当だ!
僕は人間の心を持ってる!
憑从影に脅されてただけで本当は人ごろしなんかしたくないんだ!」
その言葉にワタルの中で何かがキレると、ワタルは高階の元に走り、スチームガンの銃口を高階の口の中に突っ込んだ。
「巫山戯んなァ!!!そんな見え透いたくっせぇ演技、吐きそうだ!黙って地獄に行ってくれよ、俺が死んだらそっちでまたころしてやるからよ」
「ワタル!!」
「マキも何でこんな奴の言う事が真実だと思う!?」
「彼が降伏している以上、ここからの仕事はマキじゃないです」
「こんな腐れ外道、今殺しといて損は無い!!比嘉さんの仇だ」
「ワタル!駄目、銃を下ろして」
「何でだ!?コイツはどこまでも自分達人間を舐め腐りやがって、お前等が現れてから何人、人が死んだ!!?何人行方不明になった!!?」
「でも、高階さんの言ってる事が本当の事の可能性もある」
「先刻、嬉々として語ってたコイツがか?マキが殺らねえなら自分が殺る!!」
「駄目!!もし、高階さんの言ってる事が本当なら──」
「マキ!?もう黙っ──」
「ワタルが人ごろしになっちゃう!!」
「ッ!?」
マキは悲しそうな声で言った。
「ワタルには人ごろしになって欲しくない」
「親を見殺しにした時点で自分は───」
「ワタルのお父さんとお母さんだって、憑从影を殺させる為に逃がしたんじゃ無いでしょ!?幸せになって欲しいからでしょ!?」
「ッ!!」
「だから、お願い⋯銃を下ろして」
マキの言葉を聞いたワタルは、高階の口に突っ込んだ銃口を抜くと、高階を蹴り飛ばした。
「お前は何時か殺す、でも今じゃ無い、マキに感謝するんだな。少しでも妙な真似したら、半殺しにするからな」
「今から第四殲滅支部に連絡して身柄を拘束します、それで良いですか?」
「ああ⋯も、もちろんだ⋯」
すると、冷たい霧のような風が吹き始めた。そして、ワタルとマキは風が吹いている方へと目を向けるとそこには、
「高階、笑えん状況だな」
「リンネ様!!」
「まあ良い、下がれ」
「時間稼ぎ成功ぉ〜!
黒神マキ⋯月影ワタル⋯僕の勝ちだぁ〜!」
「え⋯?」
「なっ!?」
「あら、やっぱりあの子達、強いのねぇ」
そこには黒いスーツを着た髪の上部が白髪、下部が濃い青色の男、赤髪の赤紫色のローブを纏った女、他にも様々な憑从影の群れがそこに居た。
「上空に⋯た、大量の憑从影が⋯!!!」
「やっぱり、高階はあの時ころしておくべきだった!!」
「何も喋るな。死ね⋯異能力⋯『十戒』」
「え⋯?じ、十戒って⋯!!」
「来るぞッ!!」
「あら、三明の剣は使わないのね」
「直接手を下す必要もない。五の戒『雷焉』」
リンネの言葉と共に、上空から巨大な稲妻がワタルとマキに落下していく。マキは上に炎のバリアを張り、ワタルはダイヤモンドフルボトルでバリアを作った。だが、
「ぐっ!!!あ゙あ゙あ゙ああああーーー!!!!」
「あ゙あ゙ぐあああ!!!」
「ほう、炎のシールドとダイヤのシールドで直撃は避けたか、なら小僧の相手はお前に任せるぞ、スターク」
「へいへい、リンネ様の仰せのままにってな!!さて、ワタルお前の相手は俺だァ!!!」
「スタークッ!!!!」
リンネの言葉により現れたスタークはワタルを引っ張って、その場から離れて行った。
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「お前と戦うのは数ヶ月ぶりだな、ワタル?」
「気安く呼ぶんじゃねえ!!俺をその名で呼んでいいのはこの世で2人だけだ!!」
「くぅーー!甘いねぇ、だったら俺を黙らせてみるんだな」
ワタルはスマッシュスチームガン、スタークはトランスチームガン、お互いがお互いに銃口を向けて、フルボトルを装填した。
『フルボトル!スマッシュアタック!ラビット!』
『フルボトル!スチームアタック!タンク!』
高速の赤い弾丸がスタークに向かっていくが、それをスタークは軽々と避け、青色の弾丸をワタルに撃ち込む。ワタルは直撃し、そのまま吹き飛ばされる。
「アガァ!!」
「どうした!!その程度じゃ、俺に勝つなんて夢のまた夢だぞ?」
「ッ!!」
『フルボトル!スマッシュバフ!タカ!』
ワタルは鷹の翼を広げると、そのまま上空へと飛翔し、攻撃を銃撃するつもりでいた。スチームガンも、ある程度距離を離していれば撃たれないと思ったからだ。だが、
『フルボトル!スチームアタック!ガトリング!』
「鳥を撃ち落とすにはコイツが一番良い」
スタークが上空に撃ち込むと、まるで川の流れのようにワタルに直撃し、撃ち落とされた。そして、地面に激突する。
「グハァッ!!何で⋯」
「フルボトルをお前に渡したのは俺だぜ?ボトルの相性に関しての知識は俺の方が上だ」
『フルボトル!スチームアタック!ゴリラ!』
スタークのスチームガンの銃口から巨大な茶色の拳が現れる。ワタルは咄嗟にダイヤモンドのボトルを装填し、バリアを張った。
『フルボトル!スマッシュアタック!ダイヤモンド!』
「ようやく、ボトル同士の相性ってのも分かってきたんじゃねえか?」
「うるせぇ!」
『フルボトル!スマッシュアタック!ローズ!』
『フルボトル!スチームアタック!ヘリコプター!』
ワタルの銃口から薔薇のトゲがついている鞭のような蔓が現れてそれをスタークに当てようとするが、スタークが銃口から出したのはヘリコプターのプロペラであり、棘の鞭が勢い良く千切られる。そして、スタークはワタルの直ぐ側まで行くと、ワタルの腹部に銃口を向けた。
『スチームブレイク!コブラ!』
「しまっ──グフッ!!!」
「駄目だ駄目だ!!ボトルの特性を活かせてねぇ!!」
スタークはそう言うと、立ち上がり再度フルボトルをスチームガンに装填しようとしているワタルの腕を止めて、スマッシュスチームガンを奪い取った。
「これが無きゃ、お前は何も守れない」
「止めろ、返せ⋯」
「元々、俺がお前に贈ったものだ。だが、この程度で胡座をかいているような奴にこれは要らないな?」
「うぐっ!!」
スタークはワタルを蹴り飛ばすと、ワタルは変身が解除されてしまった。
そして、スタークはスマッシュスチームガンを持っている手に力を込める。
スマッシュスチームガンからメキメキと音が鳴り始める。
「何やって⋯」
「こうするんだよッ!!」
そう言い、スタークはスマッシュスチームガンを握り潰し、粉砕した。その光景を呆然としながらワタルは見ていた。
「これで、お前はもうフィクスになれない」
「あ⋯あぁ⋯」
「⋯⋯お前は一体何の為に戦ってるんだ?」
「⋯はぁ?」
「俺が知ってる奴は愛と平和の為だの仲間の為だの国の為だの、だがお前はその力を自分の為にも使うし、人の為にも使う……どっち付かずって奴だ」
「何が⋯言いたい?」
「これは俺の戯言だ、聞き流してくれていいぜ。リンネの奴の目的は”未完の憑依系”だ」
「⋯⋯んだよ、それ?」
「さあな?俺は詳しく聞いてねえから知らない。だけどよ、リンネは恐らくだがお前のガールフレンドを殺すだろうな?」
「あ゙ァ⋯?」
「俺としてもモルモットは多いに越したことはないんだが、そこに関してはリンネの奴とは反りが悪くてよ」
「何で⋯それを⋯自分に」
「言った筈だ、俺の戯言だと⋯⋯さぁ立て、お前にはまだ俺に対抗できる力がある筈だぜ?」
それを聞き、ワタルはゆっくりと立ち上がると、懐からビルドドライバーを取り出した。
「ビンゴ!!そして正解の報酬にコイツをやるよ」
スタークは先程使っていたタンクフルボトルをワタルに投げ渡した。
「だけど、お前なんかに渡された物なんてもう──」
「今更善人ぶりするつもりか?どういう経緯であれ、お前が俺から渡された力で戦ってきたのはもう変えられない事実なんだよ。むしろ、あのままスマッシュスチームガンを使ってたお前が可笑しいって話だ、お前は自分でも無意識で力を渇望してるんだよ」
「そんな事は無い!!自分はただ俺みたいな奴を出したくなくてッ!!」
「だとしても、遅かれ早かれお前はそのドライバーを使うことになってたんだよ、スマッシュスチームガンだけじゃ、どうやっても災害級以上の連中には勝てないからな、それとも何だ?本気であの銃一丁で勝てると本気で思ってたのか?だとしたら、能天気にも程がある」
「⋯⋯⋯」
「まあ、でもお前が戦わないんなら黒神マキは死ぬだけだ。どうする?」
「1つだけ聞かせろ、お前は一体どんな目的でこんな事を」
「俺には壮大な計画があってな!!詳しく知りたいなら俺に勝てたら教えてやるよ」
「⋯⋯⋯」
ワタルはビルドドライバーを見つめながら、覚悟を決める。そして、腰に取り付けた。
『ビルドドライバー!』
ワタルは左手にタンクフルボトル。右手にラビットフルボトルを持つと、それを振り始めた。そして振り終わるとキャップを開き、ドライバーの”ツインボトルスロット”装填した。
『タンク!ラビット!ベストマッチ!』
左についているボルテックレバーを回すと、プラモデルのランナーに似た”スナップライドビルダー”が現れ、ファクトリアパイプラインと呼ばれるパイプに”トランジェルソリット”が流し込まれ、前方に青、後方に赤のアーマーが形成された。
『Are you ready?』
覚悟は良いか?と言われた気がしたワタルは高らかと叫んだ。
「変身!!」
その言葉と共にワタルの前方と後方に現れたアーマーはワタルに重なるように装着された。
青色砲弾が描かれた複眼と兎の耳を意識したような複眼。そして、ワタルの体から蒸気が噴き上がった。
『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!』
「お前は何だ?ワタル」
「⋯⋯仮面ライダーフィクス、直すって意味のフィクスだ」
そう言うと、ワタルは右足で地面を蹴り上げ、兎のようなスピードでスタークに迫って行った。
仮面ライダーフィクス
変身者:月影ワタル
スペック
■身長160cm
■体重80.0kg
■パンチ力:17.0t(左腕)/9.9t(左腕)
■キック力:17.8t(右脚)/23.7(左脚)
■ジャンプ力:55.0(ひと飛び)
■必殺技:ボルテックフィニッシュ!
他の機能は、ビルドのアーマーを反転させただけなので変わりません。無機物/有機物というビルドとは反対なのが、差別化点です。感想お待ちしております。