『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!』
「お前は何だ?ワタル」
「⋯⋯⋯仮面ライダーフィクス、直すって意味のフィクスだァ!!」
そう言い、ワタルは右脚を蹴り上げると兎のようなスピードでスタークに迫る。
「真逆、本来とは逆に入れるとは思わなかったよ」
「何の話だァ!!」
ワタルはスタークに殴りかかる。だが、何事もないようにスタークは受け止め流している。
「先刻も言ったが、ボトル同士の特性を活かせてない…これじゃ、お前は俺には勝てない」
「ボトルの特性?」
ワタルは少し後ろに下がると、自身の脚を見る。右脚に赤い装甲でバネのような物がついており、左脚の青い装甲の足裏には戦車のキャタピラのような物がついている。
「⋯そうか!」
「さて、こっちも終わりと行こうか」
『フルボトル!』
スタークの持っているスチームガンに青色のエネルギーが溜まり始める。ワタルはそれを見て、兎の脚力で上空に飛び上がる。
「こっちこそ、お前を終わらせる!!」
ワタルはドライバーのボルテックレバーを回し、エネルギー生成ユニット”ボルテックチャージャー”を作動させた。
『ready go!』
ワタルは上空で2回転すると、左脚を突き出した。そして、タンクローラーシューズが作動し、キャタピラが回転し始める。
『ボルテックフィニッシュ!イェーイ!』
『スチームアタック!ウルフ!』
「何ッ!?」
ワタルはスタークが発射した狼の形のエネルギー弾を突き破り、そのままキックを叩き込んだ。そしてスタークはその場から吹き飛ばされ、スタークが持っていたボトルの幾つかが散らばる。
「やるじゃねえか、ご褒美に俺の目的の一端を教えてやるよ。現状、俺とリンネは利害の一致で共に行動してるだけだ」
「利害の一致だァ?」
「契約内容はこうだ、向こうは目的の為に異能力での戦力の提供、こっちはライダーシステムの提供。そしてその先に俺の求める物がある!」
「それは一体」
「おっと、今回はここまでだ。ま、これで暫くはお前と会う事も無いだろうがな」
「巫山戯んな、だったらぶっ倒して吐かせるだけだ!!」
「そんな事やってる暇はあるのかねぇ?」
スタークは手を出すと、カウントダウンのように指で数字を表していく。
「5…4…3…2…1…0!!」
スタークがカウントを終えると、上空から雪が降り始める。
(そういえば昨日のニュースで降るって言ってたな───ッ!?)
ワタルはマキが言っていた自身の異能力についての事を思い出した。
『私の異能力は⋯寒さ、冷たさへの耐性を失う代わりに───』
「マキがやべェ!!」
「ようやく気づいたか。それでどうする?」
「そんなもんッ!!」
「俺を倒す為にここに残って黒神マキを見殺しにするのか?それとも黒神マキを助けに行くか?好きな方を選ぶといい?まあ、時間が経てば経つほど黒神マキの死の確率は高くなっていくけどな」
「クソッ……」
「それじゃあな、Chao!後、俺が落としたボトルはお前に預ける事にするよ!」
スタークは自身が落としたフルボトルを見やりながら言うと、スチームガンで煙を発生し、離脱したのだった。そしてワタルはその場に落ちていた幾つかのボトルを掴むと、マキの元へと走って行った。
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数刻前
ワタルがスタークに連れて行かれ、それを見てマキはゆっくり立ち上がり、自分の敵である憑从影の方へと向いた。
「ぎゃははッ!キミ達が僕たちに勝てるワケないじゃ~ん!!」
「高階さん⋯?さっき⋯憑影になるって⋯」
「バッカじゃないの〜!?協力なんかするワケないし!リンネ様がいらっしゃる風を感じたんだよ!」
マキは自身が騙されたことを悟り、先程ワタルが叫んでいた怒りが頭にフラッシュバックする。
「ぐっ!」
「ムダムダ〜!!ねえ、知ってる!?リンネ様が悪童六鬼だって事!!」
「ゔぅ⋯」
「ぎゃあ〜っはっは!!怖いよねぇ!?地縛系、動物系、他の系統も全てそう!6体ぜ~んぶ憑从影だよ!?”起源の死霊”を持たないキミたち憑影、いや醜い蟻どもに勝機なんて無いからぁ〜!!」
「そ、そんな⋯」
(ひ、比嘉先輩に聞いたことがある⋯死霊の頂点に君臨する悪霊が6体いるって⋯そ、その中の1体の異能力が⋯『十戒』⋯)
マキはこの任務に来る前、兄であるユウマと交わした約束を思い出す、
『危なくなったら逃げろ。約束な』
『うん!約束!』
マキは先程の雷撃で与えられた体の痛みを抑えながら立ち上がる。
(に、逃げなきゃ⋯このままじゃ⋯)
マキが逃亡に転じようとした瞬間、上空にいた憑从影の一人が人差し指と中指を天に向けて言った。
「異能力『才華転生』」
その言葉と共に、地面から赤黒い人型の何かがゾンビのように地面から這い出てきた。
「え⋯!?つ、土の中から⋯何かが⋯!!」
「必要ならあと1000体増やす?あ、飛んでもムダだから」
「せ、1000⋯体⋯」
1000体という膨大な数に呆然するマキに叫び声を上げながら赤黒い何かがマキに襲いかかった。
「グギャアアアアーーーー!!!」
「きゃあっ!!」
マキは殴られて後方に吹き飛ばされる。
(に、逃げられない⋯)
その瞬間走馬灯のような物が頭を駆け巡った、それは、生前の比嘉倫彦がマキに言っていた言葉だった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『黒神、早く食わねーと麺伸びんぞー』
『また一人⋯隊員が亡くなりました⋯』
『ん?』
『比嘉先輩は⋯何でそんなに普通にいられるんですか』
マキは平気な顔でカップ麺を啜っている比嘉に問いた。
『えー?重い重い⋯!空気重いから⋯』
『は、はぐらかさないで下さい!』
『あいつ上級2体やったらしいぜ?ヤバくね?』
『そ、そこじゃないです!どれだけ倒しても⋯憑从影は増え続けて⋯その度に隊員の命が奪われてて⋯こんなの私⋯』
『想像してみ?』
『え⋯?』
『もし憑从影の前で自分の最期を悟ったらとーする?』
『か、考えたく⋯ないです⋯』
『ははっ、オモロい答え!』
『じゃあ⋯ひ、比嘉先輩は⋯どうするんですか⋯?』
『んなの決まってんだろ、脳がぶっ壊れるその瞬間まで狩って狩って狩りまくるんだよ!』
『え!?』
『その一撃が道を歩く少年の明日を作ってるかも知れねえ、そのダッセー最期が仲間の意志を奮い立たせるかもしれねえ』
『仲間の意志⋯ですか⋯?』
『ああ、わかってっと思うけど俺たちは圧倒的弱者だ、国の未来を護ろうなんて不明瞭にも程がある、だから今日、今日の1日だけ殲滅部隊56人の少ねー命を積み重ねて明日に繋ぐんだ、それが365回続きゃあ1年は街の人たちが笑ってられる』
『さ、365人も、いないじゃないですか』
泣きながら聞いていたマキに比嘉は笑いながら言った。
『ははっ、小せーことは気にすんな』
『何ですかそれ⋯』
『黒神⋯』
『はい⋯』
『いつも仲間の死に慣れろっつって悪りーな』
『え⋯?』
『先逝く仲間を誇ってやれ』
『比嘉⋯先輩⋯?』
『お前たちが見知らぬ少年少女の今日を守ったんだぞってな!』
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
(比嘉先輩の言葉の意味⋯分かりました⋯お兄ちゃん⋯ごめんなさい⋯でもまだ⋯諦めてないから)
「うぐぅ⋯うぐぐ⋯」
(私は殲滅部隊の隊員⋯戦わなきゃ⋯)
「この街の人たちを⋯守らなきゃ⋯」
「はあ!?」
高階は嘲笑うように言うが、マキは言う。
「みんなが安心して⋯暮らせるようにするのです⋯」
「そういうクサいのいらないって〜今すぐ脳を潰してあげるからぁ」
「もう1つ⋯お兄ちゃんと約束したから⋯」
「あ゙あ〜?」
『マキが死んだら、お兄ちゃん泣いてくれる?』
『縁起でもねーこと言うな⋯てか兄弟でお前が一番才能あんだろ』
『じゃあ約束!マキ絶対死なないからだから前髪降ろそ?ね!?良いでしょお兄ちゃん!』
『いやいま前髪関係ねーから』
『あははっ♪お兄ちゃんだ~い好きっ♪』
マキは異能力を発動し、青炎の翼を広げた。
「約束⋯したんです⋯だからまだ⋯死ねません!!!」
「え!?ヤ、ヤバッ!!」
「青焔蒼天”四連柱”」
マキがそう叫ぶと、マキの周囲に青炎の炎柱が現れ、赤黒い異形を燃やし尽くしていく。
「ゴギャアアアアーーーー!!!」
それを見ていた高階は驚き、止まってしまっていた。
(こ、こいつ⋯!!とんでもない力を秘めてやがる!!)
「逃さないし」
先程の憑从影が赤黒い異形を地面、そして上空にまでも出現させた。
「グギャアアアアーーーー!!!」
(逃げ道がないことくらい⋯分かってます⋯逃げれないんだったら⋯逃がしてくれないんだったら⋯)
『脳がぶっ壊れるその瞬間まで狩って狩って狩りまくるんだよ!』
マキは自身の首に掛けていた御守りを握って言った。
「お願いお兄ちゃん、マキに⋯力を貸して!!最期まで⋯戦います!!」
そう言い、マキはリンネ達が浮遊していたよりも更に上空へと飛翔していく。
「あのガキ、動物系か」
「まだ獣人化はできないみたいね」
「青焔神威」
青炎の矢のような物が、赤黒い異形を燃やし尽くした。だが、
「はあ⋯はあ⋯ぐっ⋯!み、水のシールド⋯!」
マキの攻撃は先程の憑从影が展開した水のシールドで全てを防がれていた。
「この子”未完の憑依系”じゃなかったわね」
「だがこれで絞れた」
「ええ」
「ただの人間だと思って見過ごした昨日のガキ、アレが”未完の憑依系”だ」
「あの子のお母さん、異能力も憑依系も知らなそうだったのに〜、私たちの目を欺く為に、ううん、娘を奪われない為に異能力使わなかったんだ〜」
「こっちは蟻を始末する」
「ええ、あとは病院を襲撃するカグラ達の仕事、うふ♡昨日のあの子、どんな憑从影にアップデートしようかしら♪」
「はあ⋯はあ⋯青焔神威!!」
マキは残りの異形たちも青炎で燃やし尽くすと、リンネ達を目視する。
「あと3体⋯あの水で攻撃されたら⋯呪いで動けなくなる⋯だから攻撃される前に、脳を潰される前に!!最大火力の一撃を!!!」
マキは腕を広げると、火炎、黒炎、青炎がマキに纏い始める。
「ん?」
「3色の炎?」
「何この霊気」
憑从影側は少しだけ困惑すると、マキは叫んだ。
「朧火よ⋯地獄の業火で焼き尽くせ!!
『インファーナル・リー⋯え⋯?」
だが、マキが最大火力を放出する寸前、空からはタイムリミットを迎えたというように、雪が振り始めた。
「ゆ、雪が⋯降ってきて⋯あぐあ゙あっ!!!」
マキの体に雪が触れると、焼けるような音と共に黒い煙のような物が肌から現れた。マキはそのまま真っ逆さまに地へと落下してしまう。
「痛いっ!!うぐぅ⋯!!!うあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あああ⋯!!!」
「呪いか」
「あら可哀想〜、憑从影には呪いなんてないのに〜」
「痛いッ!!痛いッ!!
あ゙ぐあ゙あ゙あ゙ああーーー!!!」
そしてその様子を見ていた高階が下品に笑う。
「ぎゃっはっはぁ〜!!呪いで冷たいもの触れないんだっけ〜!?あと見せてなかったけど僕さぁ〜少しの時間だけこんな事も出来ちゃうんだ〜、異能力『
高階は何もない空間から青色に淡く光る剣を作り出した。そして剣先をマキに向けた
「い、いや⋯」
その瞬間、剣は貫いた。それに割り込んで来た者に……
「え?」
「ぐっ⋯!!ぐがっ⋯!!!」
「お前は⋯!」
「遅くなっちまった⋯悪ぃマキ⋯1人で辛かったな」
「お、お兄⋯ちゃん⋯!」
その場にはマキの兄であるユウマがマキと高階の間に割って入っており、ユウマの太ももは剣で貫かれていた。
「来て⋯くれたの⋯?でも⋯あ、脚が⋯!!」
「ははっ、こんなの気にすんな何ともねーよ」
そう言い、ユウマは自身に刺さった剣を抜き取ると、マキにフードを被せて、マキの体を持ち上げる。
「掴まれるか⋯?ほら、家に帰るぞ⋯」
「えぐっ⋯ひぐっ⋯うん!」
「誰かと思えば”黒の亡霊”だっけ?出来損ないの兄じゃ~ん!?」
「兄?」
リンネがそう言うが、ユウマや高階には聞こえていない。
「そこどけよッ!」
そう言い、マキを抱えているユウマを足蹴にする。その弾みでマキは雪が顔に当たり、黒い煙がまた現れる。
「ぐっ!!!」
「あぐぁっ!!!」
「痛てーよな?すぐ屋根があるとこ行こうな!」
ユウマはマキに雪が当たってしまった所を拭くと再度、マキを抱えて歩き始める。
(ぐっ⋯脚が⋯!くそっ!そんなこと考えてる場合じゃねえ!マキの肌に雪が触れるのはそれこそ刃物で刺されてんのと変わらねえ!)
「どう考えたらこの状況で逃げれると思ったんだろ?」
(俺には異能力なんてねーし、戦う術もねー!)
ユウマの後ろには新しく生成されたのか、赤黒い異形が再び現れ、ユウマを蹴り上げる。
「ぐはあっ!!」
(でも⋯妹が苦しんでる時に⋯無条件で手を差し伸べらんねーなら、そんなもん兄貴じゃねえ!!!)
「お兄ちゃん⋯!!」
(逃げることしかできねーなら、俺は今それをやるだけだ!!)
「空虚こ再会は済んだか?」
リンネはそう言い、ユウマとマキがいる上空にある物を大量に出現させた。
「え⋯?こ、氷⋯?何だよ⋯こ、この空は⋯!?」
氷柱と呼べる程の大量の氷が空を埋め尽くしていた。リンネは言った。
「気が変わった、俺がやる、お前がそのガキの兄なら始末しておく必要がある」
「どうしてマキを!!何でお前らは人間を襲うんだよ!!?」
「絶望とは”知る事”だ、何も知らずに死ね」
「ぐっ!!マキだけは⋯マキだけは守らねーと!!」
「雷焉」
リンネがそう言うと、マキとユウマの直ぐ側で落雷が直撃する。そのまま2人は倒れ伏した。
「あら、今度は直撃」
「脳も壊れたね」
「ゲームオーバー〜!」
「⋯⋯」
(か、体が⋯動かねえ⋯)
「生きてるし、あいつなに?」
「でも2人とも始まってるわ”囮影の離脱”」
「死霊の魂を宿す者が脳を破壊された場合、囮影は肉体を離れ、肉体は数秒で死後硬直を終え、残骸と化す。躯となって散れ」
「マキ⋯海⋯見に行こうな⋯」
「え⋯?」
「いつか入ってみてーって⋯言ってたろ⋯?」
「連れてって⋯くれる⋯?」
「ああ⋯帰ったら屋上で⋯雪だるまも作らなきゃな⋯」
「うん⋯お兄ちゃんと一緒に⋯作る⋯」
「マキ⋯」
「ん⋯?」
「こんな兄ちゃんで⋯ごめんな⋯」
「もう⋯昨日も同じこと⋯言ってたぁ⋯」
「こんな誕生日に⋯しちまってごめん⋯」
「ずっとこのお守りが⋯勇気をくれたんだよ⋯」
「え⋯?」
「お兄ちゃんがマキの事⋯ずっと守ってくれてたんだよ⋯」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『ねえお兄ちゃん、神社に来て何するの?』
『あーちょっと用があって嫌だったか?』
『えへへ、マキはお兄ちゃんとデート出来るならドコでもいいのです!』
『いやデートじゃねーから⋯』
『むううう⋯デートなのぉ⋯』
『おっ、あった!』
『お守り?』
『マキ来週から殲滅部隊入んだろ?』
『え!?プレゼントしてくれるの!?』
『好きなの選んで良いぞー』
『うんっ!!』
『ケガとかしねーように健康のお守りとか⋯』
『んーあっ!マキこれにする!!』
マキが選んだのは縁結びのお守りだった。
『え⋯?な、何故に縁結び⋯?』
『お兄ちゃんとハカちゃんとお姉ちゃんとコウ君と、あと⋯マキとお兄ちゃん!!』
『え⋯!?は⋯!?ど、どゆこと⋯?』
『5人の縁が結ばれるように、マキも大好きなお兄ちゃんとずーっと一緒にいられるように、このお守りにする!だって一緒にいられるってことは健康ってことだもん!』
『それお守りのキャパ超えてね⋯?』
『超えてないもーん!』
マキはお守りを首に掛け、ユウマに見せて言った。
『ねえねえお兄ちゃん似合ってる?』
『お守りの主張強すぎんだろ⋯普通バッグとか財布の中に』
『ここが良いの!このお守りは今日からマキの一部なのです!』
『バカにされても知らねーぞ⋯』
『だってお兄ちゃんが買ってくれたの嬉しいんだもーん!ぐりぐり⋯うりうり』
『うげ、顔こすりつけんな』
『えへへ、マキお兄ちゃんだ~い好きっ!』
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「お兄ちゃん⋯いつも守ってくれて⋯ありがと⋯」
「ちげーだろ⋯俺がこんなだから⋯マキに負担ばっかかけちまって⋯」
「いつも優しくしてくれて⋯ありがと⋯」
「マキ⋯?」
「目⋯見えなくなって⋯きちゃった⋯」
「え⋯?」
「おい⋯マキ?」
「さっきから痛みも⋯感じなくて⋯」
「マキ!!もう少ししたら、兄ちゃん足動くようになっから!そしたらあったらあったかいとこ行こう!なっ!!?」
「最期にお姉ちゃんにも⋯会いたかったなぁ⋯」
「何言ってんだ!!最後じゃねーって!!」
(何で動かねーんだよ⋯!!どうして妹が泣いてんのに⋯助けてやれねーんだよ!!!)
「お兄ちゃん⋯いつもマキの⋯お兄ちゃんでいてくれて⋯ありがと⋯」
「んなの⋯当たり前だろ⋯」
「お兄ちゃんは⋯マキのこと⋯好き⋯?」
「ああ⋯大好きだ⋯」
「ユウマ!!マキ!!」
そこにマキとユウマの姉であるミレイも現場に辿り着く。
「あ⋯お姉ちゃんの声⋯えへへ⋯マキもお兄ちゃんのこと⋯大好き」
その瞬間、上空にある氷柱の1つがユウマとマキの頭部に目掛けて落下する。だが、マキには聞こえた、何かを振るような音と共に炎が燃えるような音が。
『ドライヤー!フェニックス!』
『Are you ready?』
「させるかァァァ!!!!」
ユウマとマキの頭を貫く瞬間に、その氷柱は水も残らず蒸発した。ワタルはマキとユウマの真上に向けて、マキが出したような炎のシールドを張った。
「何故貴様がここに居る、スタークはどうした?」
「知るか!!マキ!ユウマさん無事ですか!?」
「その声、ワタル君か?」
ワタルはそう言うと、フェニックスフルボトルをドライヤーから取り外し、マキとユウマさんの手に重なるように持たせて振らせた。
「体が、少し楽になって」
「マキの方も…」
「取り敢えずそのボトルを渡すんで2人は逃げてください」
ワタルはタンクフルボトルとラビットフルボトルを取り出し、振り始める。
「でもッ!!」
「マキのケガが酷いんです!自分は大丈夫ですから」
「逃げられると思ってるの?」
「思ってるから言ってんだよ、クソ憑从影共」
『タンク!ラビット!ベストマッチ!』
「変身!」
『ラビットタンク!イェーイ!』
「憑从影は全員、俺がぶっ潰す!!」
その叫ぶと、ワタルがドライバーに装填していたラビットフルボトルから、パイプのような物が伸び、ワタルの前でそれの姿が形作られる。
『ドリルクラッシャー!』
『忍者!』
「目を瞑って走ってください!!」
「分かった!マキ、姉貴逃げるぞ!!」
『ready go!ボルテックブレイク!』
ワタルはドリルクラッシャーを地面に叩きつけると煙幕が発生し、それに紛れてユウマとマキはミレイはその場から離脱した。
「さて、3対1と行こうか」
「チッ、ただの蟻風情が」
感想お待ちしております。