男は、内心焦る。
フェイズ5・ブラックは異界を生成する。
そして、個性のような特性を発現する。
奴等は、異界内部にて共通する能力がある。
「不死身」
外に、コイツが出れば、最初の被害者の二人の死は、後世に数字として記録される。
……安全基準での作戦は、ここで終了だ。
だが、はぁ~数日は、禁酒だな
「記録開始・・・変異主を確認」
「現異界主を異形の赤ん坊と仮認定」
「「特異物対策室」室長・村雲 龍ムラクモ・リュウ」
装備の蒼炎が走り白衣に蒼い模様が刻まれる。
「これより破邪滅却を行う」
その言葉は、最後の安全装置が外される。
「貴殿の存在は否定された」
同時に異形の赤ん坊は、
村雲を否定するための渾身の力でその巨体を飛び上がらせて
そして、全ての腕を振り下ろした。
拳で奴を潰したと確信して高笑う。
だが、自分の拳の感覚がないのを不思議に思う。
動けない拳。
その下からの蒼炎が漏れ出す。
それは、異形の赤ん坊の怒りを再び燃え上がらせた。
忘却。
ヤツは、恐怖を忘れることを選択した。
生き残る為に、理性ではなく感情を優先した。
異形の赤ん坊は、全ての腕を泥に変えて恐怖から、後ろに距離を取った。
そして、瞬時により強靭な二本腕を泥から作り出す。
周囲の泥を集める異界主
この異界を破壊する一撃をもって、蒼炎の持ち主を殺す決意をする。
同時に、元々六本腕が泥に変わる瞬間。
蒼炎は、火柱を上げ全てを燃やす。
人間の影が一人
其処に異形の赤ん坊が恐怖する、男がこちらにゆっくりと歩いていた。
「蒼炎・断罪の大剣」
その言葉と共に現れた、蒼い大剣は異界主はその輝きから視線が離せなかった。
それは、それまでの怒りも恐怖も忘れるほどの
憧れと言う感情が溢れ出して、異形の赤ん坊を支配した。
それは、刹那の一瞬にて決着した。
その一撃は、異界さえも燃やし尽くす。
全ては、蒼炎に呑まれた。
ひび割れ穴の開いた朱い異界の空
そこから見える星空を下に村雲 龍は、異界主の体が消えていくのを見守る。
だが、ヤツはまだ諦めてなかった。
所々溶けた、巨体
ヤツは、六本の腕を羽根に変貌させる。
外へ逃げ出す。
それは、ヤツにとっては最後の賭けだった。
「やはり完全消滅には、後一撃足りないか!」
村雲 龍は、改めて自身の装備の火力不足を認識した。
脚に力を籠めるが、力が入らない。
フェイズ3~4装備の適正外使用
今、その負担が彼の身体を襲う。
それは、奴の羽根を完全なものにする時間を与えた。
「まだ抗うのか」
「だが、無茶も考慮済みだ」
そして、両手の蒼炎を太ももに気付け代わりに押し付けた。
肉が焼き焦げる。
その酷い匂いは、痛覚を通じて意識を目覚めさせていく
村雲 龍は、脚や手に力を入れて確認する。
「まだやれるな」
その異常な行動を裏付けるように、彼の闘志はまだ燃えている。
蒼炎は、まだ消えない