復讐者と探索者と挑戦者   作:遠山tsun

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~探索者~

「っう……うう!!」

 

胸の内から《星紋(アスター)》と呼ばれる印から溢れだす《魂》の焔が荒れ狂う。これは

人を越えるための力、《黎明の星紋(ルキフル)》を体内に取り入れ、『超えし者(イクシード)』に昇華するために出てきた焔だ。体のすべてが、骨までもすべてが焦げるような痛みに呻き声をあげる。だが、この程度の焔、制せなければ『超えし者』なんて夢のまた夢だ。

 

幼馴染みを……あいつを見つけるために、僕は強くならなけらばならないんだ!!強くなって、あいつを、もう二度と手を離さないために、もう二度と誰にも傷付けさせないために!!

 

「《焔牙(ブレイズ》!!」

 

《力ある言葉》に呼応し、焔が僕の手のひらを中心に棒状にのび、やがて大太刀の形を型どる。……僕の魂を具現化した武器、それが大太刀だった。しかも、抜き身ではなく、鞘までついた状態で。

 

「……。」

 

僕は、自分の焔牙を見つめ、小さく笑う。道を切り裂いてでも、誰かを凪ぎ払ってでもあいつを見つける、僕のそんな信念に呼応したのではないか、そう思えたからだ。

 

「……今年は、《異能(イレギュラー)》が多いですわね……。」

「《異能》?」

「ある方は、楯の《焔牙》でしたわ。……貴方は、鞘付きという、類稀なる《焔牙》。嬉しいですわ♪」

 

見る人をぞっとさせるような笑顔を浮かべた漆黒の衣装を着た女の子が言った。

 

何故、僕とその楯の《焔牙》をもった人が《異能》なのかというと、本来ブレイズは武器であり、防具ではない。つまり、楯は普通はあり得ないのだ。

 

――言ってしまえば、《焔牙》の存在もあり得ないかもしれないけど――。

 

そして、僕が《異能》である理由、それは《焔牙》は魂の武器、だから言えば体が鞘みたいなものなのだ。だから、僕のように鞘がついてる《焔牙》は滅多にないのだ。だから、《異能》なのだ。

 

「というか、《》使いすぎじゃないかな……。」

 

と、メメタァな話をすると、

 

「……メタな話はおやめなさい。」

 

と突っ込まれた。

 

「さて、貴方の《焔牙》が一体どういう未来を切り開くのか……見物ですわ。」

 

そう言いながら、クスクス笑う少女は何処かへ歩き去っていった。

僕は、斬龍 災禍(きりゅう さいか)。数年前に、幼馴染みがいなくなって以来、そいつを探し続けている探索者、フェレットとなった男だ。……鼠とかじゃないよ?

 

――――

 

講堂が、一瞬にして静寂に包まれる。理由はたったひとつ、たったひとつの簡単な理由だよ。銀色の少女が現れたからだ。無論、僕も見惚(みと)れていた。腰まで届く銀色の髪、透き通る、雪のように白い肌、だからこそ光る深紅の瞳。外国の少女ということがスグにわかるような風貌だ。視線を一身に受けながらも、意に介さない銀色の少女は、僕から四列前の席に座った。

 

「はぁ……。美少女ってあぁいうのをいうのね……。………せめて、相槌くらいうってくれないかな?」

「え、俺に言ってるのか?」

「他に誰がいるのよ。」

「悪い、考え事してた。」

「……よかった、話せる人で。」

 

などといった会話が、前列から聞こえてくる。仲がいいことで何よりだ。……そう、ひとりでに頷いていると、胸ポケットの資料が目に入り、それに目を通す。

 

《超えし者(イクシード)》――数年前にドーン機関と呼ばれる組織が開発した《黎明の星紋(ルキフル)》という名の生体超化ナノマシンを投与された者のことを指す。

千人に一人と言われる《適性(アプト)》をもった者へ投与すると――。

 

その先を、僕は見ることが出来なかった。『あ、あ……。』というマイクテストの声が耳に入ったからだ。そして、入学式が始まり、晃陵(こうりょう)学園高等学校理事長挨拶が始まった。僕は、途中まで目を見開いていた。漆黒の衣装の少女が、教卓にたっていたがために。

 

……あの女の子は、理事長だったんだ。確かに、背丈とは不釣り合いの落ち着いた口調と、奇抜な服装、そして雰囲気が年齢を感じさせないものだった。

 

僕は、ようやく理解し、挨拶を聞き入り、そろそろ寝てしまおうか、というところに、眠気を醒ます一言が告げられた。

 

『あなた方には、今から隣の席の人と決闘をしてもらい、負けたものは《黎明の星紋》を除去、ここから立ち去ってもらいます。』

「なっ!?」

 

驚いたのは僕だけじゃなく、他のみんなも同様で、ついには罵倒を飛ばす人も現れた。が、これまた一言で片付けられる。

 

『他人を蹴落とし、勝利を手にすることを知らぬものに、ここを入学する権利はありませんわ。』

 

皆が黙り混み、誰かがおもむろに立ち上がり、《力ある言葉》を叫んだ。

 

「《焔牙》!!」

 

それを皮切りに、逃げ出すもの、《焔牙》を出し、戦闘するものの二つに別れた。僕は、逃げ出すものに少し懸念を覚える。《焔牙》は、決して人を傷付けることはなく、《魂》を傷付けるものなのだ。だから、最悪気絶ですむ。なのに、逃げ出す……そう思うも、あの人たちにも思うところがあってだろうと自己解決する。

そして、目の前の男の子……《斧》の《焔牙》の男の子を見る。

 

「……お前も《焔牙》を出せよ。」

「《焔牙》。」

 

出し惜しみをするつもりはないので、《力ある言葉》を呟く。そして、大太刀が僕の手に現れた。

 

「!?それがお前の!?」

「そう、これが僕の……《焔牙》だ!!」

 

抜きながら、一気に加速し、斜めに切り上げる。『超えし者』というだけあって、あっというまに相手の懐に潜り込む。何とか相手は防ぐも、切り上げに耐えきれず《斧》が飛んでいく。

 

「くそっ……!!」

 

相手は走って取りに戻る。その時に、背中を向けた。……戦闘中に、相手に背中を向けるのは、命取りだよ。

僕は、もう一度かけて、今度は大振りに振り、相手を切りつける。

 

「ぐぁあ……!!」

 

相手は、走った勢いのまま倒れこんだ。左、右と斜めに振り、鞘に納める。……何となく、こうしたかったから。後悔じゃなく、公開はしている。反省は秘密。

 

「ふぅ……。」

 

習った訳じゃないから、少しぎこちない素振りではあったが、まぁ何とかなってよかった。

 

……これからは毎日練習しよう。心に誓った。俺は、心に誓うぞ、ジョジョぉ!!あこれ違うわ。

 

頭を振って周りを見渡すと、ほこりや土煙の合間から、周りの様子が切れ切れに見え、あらかた戦闘は終わっていた。

 

『――おめでとう。今勝ち残っている者のみ、入学を認めます。……そして、勝ち残った者たちにこの言葉をおくります。汝がいつか、絶対絆双刃(アブソリュート・デュオ)へ至らんことを。』

 

終戦の合図と共に告げられたその言葉は、やけに心に残った。

 




こんにちは!!遠山tsunです!!
先日、アブソリュート・デュオの第一話が放送されましたねぇ。内容はネタバレになるのでいえませんが。
アブソリュート・デュオ、原作もアニメもどちらも面白いので、是非見てくださいね(こちらも見てね!!)!!。
では、また次回~。
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