週が開けて、月曜の朝。HRの後、すぐに英語と知ったときはなん……だと……と
唖然としたよ。
「オッハー☆皆何事もなく《絆双刃(デュオ)》が決まって良かったねー♪うんうん!さてさて、パートナーが正式に決まったから今日は席替えしようか?……っと、仮同居の人と変わってない人もいるみたいだけどぉ?」
「相性が良かったんです。」
「ほほう?どんな相性?」
「性格。」
「チッ」
透流に向けられた視線に透流が返事をすると、突っかかってきた月見先生は透流の返答に舌打ちをした。あの先生……今一瞬本性だしたぞ?そんなので大丈夫か?(大丈夫だ、問題n)お前には聞いてない。
脳内にフラグ建設者が現れたのを追っ払ったとき、月見先生がチラリとこちらを見たけど、そのままトランクスルーした。僕らも変わってないが、実のところまだ仮であることと、それについての事情を知ってる上での反応だから、当然と言えば当然だ。
「んじゃ、早速だけど、来週に《焔牙(ブレイズ)》を使用した模擬戦、《新刃戦》を行っちゃいまぁす!」
「ダニィ!?」
月見先生のいきなりの発言に僕は驚いた。
「嘘だ!!」
「嘘だよ!!」
「嘘だぁあ!!」
「そんなに信じられない!?」
流石我がクラス。こんなときはもちろん団結。ただ、今やってもただの現実逃避にしか思えない僕は異常なのか……?
「ル、ルールを説明するね?まず日程は来週の土曜日、つまりGWの前日ね?理由は~……誰かが病院送りになってもいいようにって理由ね?」
身も蓋もない!というか、怪我すること前提かいな……って、あれ?確か《焔牙》って人を傷つけないんじゃ……?まぁ、ええか。
「開始はひぐらしのなく頃に、つまり十七時から、十九時までってことで、時計塔の鐘が合図だよ~。場所は北区画一帯。」
何故に例えた?月見先生、あんた絶対確信犯だろ……。ただ、北区画一帯ということは、校舎もありってことになる。作戦の幅が、攻守共に、敵味方共に広がるなぁ。
「さて、肝心の敵だけど……。」
味方は誰かな?と思った僕が……、
「全員、敵♪」
馬鹿だった……。まさかのバトル・ロワイヤル、まさかとしか思ってなかったから、本当になるとはね……フラグ、侮れん!
――――
その日の昼のこと。またも橘に野菜を盛られ、透流と並んで涙を流して席につく。
「はぁ……。まだ《絆双刃》が決まったばかりなのに……。」
と、大きなパンチングボールを二つ揺らして(比喩的表現)ため息をつくのは、穂高みやび。
「逆に考えるんだ、みやび。決まったばかりだからなのだと。」
何故に知ってるそのネタを?と疑問を持たざるを得ないのは学級委員長、橘 巴(たちばな ともえ)。
「俺もそう思う。この時期だからこそなんだと思う。」
僕の右隣、《焔牙》が《楯(シールド)》の《異能(イレギュラー)》、
九重 透流(ここのえ とおる)が橘のネタ(ゲフンゲフン、喉が……)意見に同意する。
「どうゆうことなのかな?かな?」
あんたもか、穂高みやび!!その喋り方はアウトだ!という、ツッコミを飲み込んだ僕は一等賞(何のだろうね)。
「なるべく早い内に実践形式の戦闘を経験させておきたいのだろう何れ戦闘について学んだり、《絆双刃》の連携や動き方について学ぶだろうが、それはあくまで知識。それをものにするには、経験を経るしかない。……少々長くなったが、つまりは習うより慣れろ、ということだ。」
「ふんっ。それに、ご丁寧に時間帯や範囲の広さ、バトル・ロワイヤルというルールからも、不確定要素を高くして、より実践的な状況を用意してくれている。」
「時間帯?そういえば、随分と遅くにやるよね。それはどうしてなのかな?」
橘の説明に、トラが補足する。……今度は、みやびは例の喋り方をしなかった。良かった、わざとじゃなかったのか……ふぅ。
みやびの疑問に、透流の前に座るユリエが説明する。
「開始から三十分も経てば、日も落ちて、終了時刻の三十分前ともなれば日没となり非常に視界が悪くなるからです、みやび。」
「ふんっ。視界が悪くなればなるほど、実践に近くなる。実践が昼とは限らんし、寧ろ夜の方が戦闘は起きやすいものだからな。」
今度はユリエの説明に、トラが補足する。トラさんや、あんた、お人好しだねぇ。
という僕の視線を感じ取ってかトラがキロッ、とこちらを睨んだ。おお、怖い怖い。
「そっかぁ……色々理由があるのは分かったけど、もう少し《焔牙》に慣れてからの方がよかったなぁ。」
そう、いくら僕らが《超えし者(イクシード)》であるとはいえ、《焔牙》を扱う授業は滅多にない。だから、慣れてないのも無理はない。……僕は、例により馴染んでいるのだけれど。
「みやび。そこまで心配することはない。今回は入学試験の時と違って、負けても何も失うものはないのだから。それに、今日の放課後からは申請をすれば、放課後の学園内のみでだが、《焔牙》の使用が認められているのだから、地道に慣れていこうではないか。」
橘の言う通り、今日から《新刃戦》までは申請を出しさえすれば、放課後の学園内のみで《焔牙》の使用が認められるから、バリバリ訓練が出来るのだ。しかし、ここで重要になってくるのが、無断で他の《絆双刃》の訓練を見学、つまり(スパイダーマッ!!)違うそうじゃない。……スパイ行為が学園側が容認されているということだ。はて、このスパイ行為容認がどう《新刃戦》の結果に影響してくるか、見ものだな~へっへっへ( ゜∀゜)。
その後、優秀な成績を収めた《絆双刃》の賞与である《位階昇華(レベルアップ)》をする大事な機会、《昇華の儀》を得られることと、《絶対絆双刃(アブソリュート・デュオ)》について触れ、そのまま昼が過ぎていった――。
――――
その日の夜、別の女子と昼御飯を食べていた穂香に、こちらで話したことを一通り話して、《絶対絆双刃》とは何か、という話になった。
「《絶対絆双刃》……学園長が入学式の時に言ってた言葉だけど、それってなんなんだろう?」
お風呂上がりで血行が良くなった上に、いい匂いのする穂香が、隣で聞いてくる。……距離?そうだね、五十センチは離れてるよ。そうしないと「目覚めろ野生!」しそうだからね、近くにずっといると。
「《絆双刃》の関係があることは分かるけど……やっぱり分からないね。学園長に聞いても果たして素直に教えてくれるか……。」
「「う~ん……。」」
何の手がかりもないのに、どう判断しろと言うのか……。このまま考えていても拉致があかないか。
「とりあえず、この話は終わろうか。全く分からないし。」
「そうだね、そうしよっか。……といっても、消灯時間にはまだ早いし……。」
「「う~ん……。」」
と、また別のことで頭を悩ませる僕ら。忙しないとはまさにこのことであろう。
「……あれ?そういや、穂香の《焔牙》って一体何?」
「あ、そっか。災禍にはまだ見せてなかったっけ。私の《焔牙》は《短剣》。あまり攻撃を受け止めることは出来ないけど、かなりの速度で連続して斬れるよ。」
「ふむ……。」
僕が攻撃を受けて、その隙に穂香に攻撃させる。これが基本の型になるだろう。後は、これをどう変化させていくか……。
「ねぇ、穂香。《新刃戦》の作戦についてなんだけど――。」
僕は、穂香と《新刃戦》の作戦の打ち合わせを始めた。そして、その日の夜は打ち合わせに時間を費やしてしまい、終わり次第寝てしまうのであった……。
――――
どうも!春休みで生活バランスが逆に考えるんだ状態の遠山tsunです。
今回は文が多かった気がします。気にしないけどね!
さて、もう少しで《新刃戦》が始まりますね!つまり、この作品の最終回が近づいているということでございます。
ここで、一つ皆さんに質問を。
もし、続けてほしい、と思う方がいましたら、コメントに。
一人でも思ってくれる方がいたら、続けようと思います。
それでは、また次回。じゃあの!!