復讐者と探索者と挑戦者   作:遠山tsun

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~番外者~

「……!」

「っ……!」

 

僕と透流はあるカードを片手ににらめっこをしていた。僕の手札は一枚、対する透流は二枚。冷や汗がそれぞれの頬を滴り落ちる。周りにいる穂香や由美香、ユリエやトラなど、いつもの面々も息を飲む。

 

「!!」

 

意を決してカッと目を見開いた僕は透流の手札の(こちらから見て)左のカードを天高く上げた!

 

「……フッ、よっしゃあああ!!」

「くそぉおお!!」

 

絵柄の揃った二枚の手札を床に投げ捨て、立ち上がりサムズアップ!対する透流は目に見えての落ち込みよう。そう、あるカードとはトランプ、種目はババ抜きだ。今日はGWの最終日、皆の予定があったこの日は、由美香を加えた皆の親睦を深めようという目的で開かれた《信睦会(しんぼくかい)》という名のゲーム大会真っ最中である。

 

どういう経緯でここまで至ったのかを説明しよう。

 

――――

 

「《信睦会》?」

「うむ。」

 

僕と穂香(&由美香←穂香と一緒に寝てる)の部屋に何かを伝えに来たらしい橘から、《信睦会》の話を聞いた。

 

「冬木姉との親睦を深めておきたく、そして他のみんなも同様に親睦を深めたいと思い、この会を開くことを決めた。他のみんなは予定は大丈夫だったので、最後に君達に話をしに来たのだ。」

 

そして、親睦ではなく信睦なのは、仲間としての信頼関係や絆も深めたいということだからだ、という補足を受けて……。

 

「どうかな?何か明日は予定があるかな?」

「僕はないよ。二人は?」

「私はないわね。」

「私もないよ。」

「決まりだな。明日は九重達の部屋に10時に集合だ。内容は行ってからのお楽しみということでここは一つ。」

「ほほぅ?」

 

行ってからのお楽しみ、この言葉はどこかで必ず期待をしてしまう言葉である。

 

「それでは、また後日。」

「「「じゃね~。」」」

 

用事を伝えた橘はそそくさと部屋を出ていってしまった。恐らく準備やら何やらで忙しいのだろう。

 

「明日が楽しみだな。」

 

僕は、期待から来る笑いを堪えることが出来ずに口元を緩ませてしまっていた。

 

――――翌日、午前10時――――

 

「えー、みんな、忙しい中来てくれてありがとう……って、ここは九重とユリエの部屋なのだが。まぁそれはさておき、堅苦しい挨拶を長々してはせっかくの気分も台無しだ。だから、今日は楽しもう!」

「「「「おおおお!」」」」

 

橘の社交辞令と少しの笑い要素を含んだ祝詞を意気揚々と述べ終え、《信睦会》がスタートしたのだった。

 

――午前10時10分――

 

最初は何をするか、と会議を始めようとした矢先、橘がポケットからトランプを出した。流石は橘というべきであろう。そこからは話がトントン拍子で進み、トランプでババ抜きをすることになり、僕と透流だけが残ってしまい、冒頭のにらみ合いに戻るのである――。

 

――午前10時20分――

 

「くっそぉ……何でバレたんだ?」

「透流、僕が視線でカードを選んでるって思ってたでしょ。」

「ぐっ!」

「だから敢えてババに視線を向けた。」

「ぐぐっ!」

「更に、あのにらみ合い、判断材料がありすぎる!」

「ぐぁああ……!」

「……馬鹿者が。」

 

僕の推理がまんまと当たり、そのことに落ち込みかけたところでトラの止めのボディブロー(精神)。床に崩れ落ちる透流。

 

「ま、まだ始まったばかりだ!次いくぞ!次は……人生ゲームだ!」

 

透流がどこから出したのか、人生ゲームをバァァアン!!と出した。皆の目が光る。

 

「またビリにしてあげるよ!」と僕。

「今度は災禍がビリになる番だ!」と透流。

「トール、頑張りましょう。」とユリエ。

「ペアじゃないよ?ユリエちゃん。」と穂高。

「ルーレットも得意なのだ、私は。」と橘。

「橘流……恐るべし。」とトラ。

「ふんっ!(俺も負けないぞ!)」とタツ。

「お姉ちゃん、頑張ろうね!」と穂香。

「そうね、やってやりましょうか!」と由美香。

 

こうして、波乱万丈身震い必死の人生ゲームが幕を開ける!

 

――午前10時30分――

 

「自分の右となりの人に視線を逸らされてゲームでやけになる、四千円支払う……って、何だよこのマス!」

 

透流がまたも支払いのコマに止まる。しかも内容がやけにリアルだ……。右となりはユリエだから、ユリエに視線を逸らされてゲームでやけになる透流……想像できてしまう辺りが恐ろしいでございます((((;゜Д゜)))

 

「ふんっ、またもビリになりそうだな、透流。」

「まだだ、まだ終わらんよ!」

「赤い彗星!?」

 

透流のセリf名言に驚く僕。まぁ、順位に差があるため度の違いはあれど皆和気藹々と楽しそうだ。

 

「ぬおおおおお!!」

 

透流の雄叫びに答えるように、ギャルルルルと音を立てて回るルーレットの出目は――!

 

――午後6時――

 

「うん……やっぱり、ここの景色と風は最高だな。」

 

結局フラグを回収した透流を慰めるユリエを尻目に解散した《信睦会》。僕はそのあと、少しお疲れの由美香と穂香に一時の別れを告げて、時計塔の羅針盤の上にある展望台みたいなところで、沈み行く松岡修ZOではなく、沈み行く太陽を遠目に、海風に当たっていた。

 

「……災禍?」

「?……あれ、ユリエ?」

 

チリン、と鈴の音と共に聞こえた抑揚の小さい声に振り向くと、透流の《絆双刃(デュオ)》であるユリエがそこにいた。

 

「何をしていたのですか?」

「ちょっと黄昏てた、って言えば分かるかな?」

「?」

「あはは、やっぱり分からないか。まぁ何でもないよ。」

 

鈴の音を響かせながら小首を傾げたユリエが少し面白くて失礼ながら小さく笑うと、ユリエに話を返した。

 

「そういうユリエは?」

「私は……ここの景色が好きなので。」

「あ、分かる。綺麗だよね。」

「ヤー。」

 

夕陽に照らされる学園に、水面に映る燃えるように赤い夕陽、そしてそこに海のそよ風と相成って幻想的な景色になっていた。実を言うと、僕もここはお気に入り。

 

「そう言えば、災禍とはこんな風に喋るのは初めてでしたね。」

「確かに。人がいつも多いからなのかもしれないけど。」

「人が多すぎるのは苦手ですが、皆と一緒にいるのはとても良いものです。」

「そうだね~。」

ユリエとはあまり話してなかったな……。今日は何だか色々良いことがあったな、よし、明日から頑張ろう!

 

そのあと、由美香と透流というこれまた珍しい組み合わせで僕らを迎えに来て、それぞれの部屋に帰っていった。

 

――――午後10時――――

 

「むにゅむにゅ……。」

 

穂香の可愛らしい寝言(?)を上から聞きながら、下段のベッドに由美香と並んで座っていた。

 

「……。」

「……。」

 

二人とも、なにも話さず、目も合わせない。常人なら、何か話さなきゃ、と気を起こすが僕らは違う。こんなゆったりした時間に、言葉は不用である、そう二人とも思ってるからだ。

 

「ねぇ、災禍。」

「……うん?」

 

かといって、何も話さないわけではないので、由美香が僕に話しかけてくる。

 

「あの頃は……こんなこと、しなかったわね。」

「そうだね……。」

 

あの頃、小さい頃はまだ僕らは小さかったから、お泊まりなんて出来なかったから、夜に二人で話すなんてことはなかったから、やっぱりまだ不思議なんだ。

 

「いっぱい、待たせちゃったわね、災禍。」

「そんなことないよ。僕が迎えにいけなかったのが悪いんだ。」

「いやいやいや……。」

「いぃやいやいや……。」

「「いやいやいや……。」」

 

何とかバスターズの直枝さんかって思うくらい、いやいやを言い合った僕らは、顔を見合わせて笑った。

 

「……災禍、今までずっと言えなかったことがあるの。」

「うん?」

「実はね……私、災禍のことが、s「ちわぁっす!三河屋どぅえっす♪」ひゃああ!?」

「どこから来てるんですかうざ先……うさ先生!」

「窓からだよぉ?ていうか、今うざ先生って言いかけたよね?」

「あれは嘘だ。」

「なぁんだうそかぁ……って、そんなことはどうでもいいんだよ。なんだなんだ?消灯時間過ぎてるってぇのにお二人さんは逢い引きってか?クハッ!」

「ち、違いますよ!!」

 

しまった……いつのまにか消灯時間を過ぎてたのか……って、ちょっと待て!

 

「せ、先生、どうか許してヒヤシンス。」

「ちょっくら理事長のところに「まぢですんませんしたぁ!!」……ったく、しゃあねぇな。三人目、いや、四人目の同居人を作らねぇって約束できんならいいぜ?」

「約束します!!」

「よろしい。……んじゃ、さっさと寝るんだぞ♪」

 

そう言ってうさ先生はまさに脱兎の如く窓の外へと駆け出していった。……まさか、野生の少女キラーさんのお弟子さんですか!?壁上れるなんて!?

 

「……っと、由美香。何か言いかけたよね?なに言おうとしてたの?」

「……な、何でもない!!おやすみ!!」

「え!?ちょ、そこ僕のオフトゥン「zzz…。」速い(確信)」

 

全く……と、大きく溜め息をはいて苦笑いした僕は、小さいクッションの上に座って眠ることにした。

 

明日から、また学校が始まる……。きっと、何かが起きる。僕は、そう確信している。

 

そして、そのうち僕は睡魔にやられ……眠りについた。

 

――――




どうでしたか?番外編ということで、意外な組み合わせの多かった今回は?
どうも、一週間以上空けてしまいごめんなさい、遠山tsunです。
散々延びてしまったこの『復讐者と探索者と挑戦者ですが、今回で正式に最終回となります。長い間見てくださった方、コメントを書いてくださった方、評価して下さった方(念のため名前は伏せさせていただきます)、どうもありがとうございました!
続編は……あると思います?正直に言えば、一話も書いてませんよ?プロットも出来上がってませんよ?最終回書きながら続編のプロット考えるなんて高等技術僕にはありませんよ?
なので、正直に言えば(またですが)、続編は未定ですね。
ていうか、今執筆中小説一覧の中に何故かマインクラフトがあったんですけど、誰か理由知りませんか?あ、知らないですか……。
他にも幾つか書いてありますね……よし、決めました!
次回作は、内容は決めてませんでしたが二つ書くつもりだったので、下の中から二つ選んで下さい!多かった二つを書くことにします!誠心誠意で!

①アブソss続編 ②マインクラフト ③fate(カーニバル・ファンタズム風) ④オリジナル

コメントで投票よろしくお願いいたします!それでは、またいつか!
じゃあの!!
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