復讐者と探索者と挑戦者   作:遠山tsun

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~異能者~

あの、恐ろしい入学試験を終え、晴れやかな顔をする人、暗い顔をする人、様々な人がいるも、いずれも各々の教室に向かう。

 

まぁ、そりゃそうだよね……。誰かを蹴落として、今この場にいるのだから。

 

僕も、少しばかり悲しい。問答無用で斬りつけたのだから。まぁ、あくまで僕には目標があるから、仕方ないと割りきってしまうけど。

 

えっと……僕のクラスはここか。クラスのプレートを見て、自分のクラスであることを確認する。

中に入って、個人用の机ではなく、二人で使う用の机が並べられているので、それの廊下側の一番奥の横長の机に座る。床は殆ど汚れがなく、軋みもしなく、少しばかり高級感が漂っている。黒板も、汚れがない。

 

……本当にここは先輩方が使った教室なのだろうか。

 

そんな疑問を抱かずにはいられかった。時計を見て、教室を見回すが、いずれもHRをするまでに至ってないので、寮に宅配便で届けた食材をを思い出して、自室でなに作ろうか、と考えていると、隣の席に女の子が座った。髪はややショートだが、両サイドに髪を小さく結び、小さなツインテールだ。身長は僕より小さい158cmくらい。髪の色は普通の茶色。顔は小さく一瞬可愛いと思った。

 

「あ、隣座ってよかった?」

 

僕が見てるのをみて、断りの意思表示と受け取ったのか体を少し浮かせるから、慌てて弁明に入る。

 

「いや、いいよいいよ!ただ、少しいきなり座るからびっくりしただけで。」

「そうなの?よかった~。いきなり誰かに嫌われたかと。」

「そんなことないと思うけどな……。」

「え?何か言った?」

「あ、いや、なんでもないよ。」

 

と、初対面なのに上手く会話できることに、少し疑問を抱く。僕は自慢じゃないが、初対面の女の子と気軽に話せるほどのコミュ力を有してはいない。なのに、どうして話せるのか……。本来ならどうでもいいはずの疑問にとらわれる。そのことについて考えようとすると、外側の窓が勢いよく開いたので、それに意識を持っていかれる。

そして、その窓からバニーガールの服装をした女の子が現れた。

 

「どうも~♪このクラスの担任の月見璃兎でーす♡このクラスの担任になったから、一年間よろしくね~♪」

 

クラスが固まる。そう、空気すらも固まり、誰も、一言も話さなくなる。僕も、僕の隣の席の女の子もそうだ。……ちなみに、胸は、可愛らしい、という表現で許してほしい。

 

「ありゃりゃ?皆どうしたの~?……はっ!?まさか先生の魅力に見惚れちゃってる~!?」

「……何をどう反応すればいいかわからないだけです。」

「それってつまり引いてるの?」

「yes、yesyes!!」

 

出来るだけネイティブな発音でしっかり答える僕。

 

「なぁんだぁ見惚れてる訳じゃないんだぁ……って、皆引いてるの!?」

「「「「「yes!!yes!!yeees!!」」」」」

 

一切打ち合わせしたわけでもないのにこのクラスの連帯感、このクラス、出来る!!(連携的な意味で)

 

「皆して酷いよぉ!!……まぁ、とりあえず学校の説明……は知ってるだろうから省いて。」

 

省くんかい。

 

「まずは自己紹介からいってみよぉ♪ちなみに、私はつい最近ここを卒業したばかりで、成績がよかったからここに来てくれ、って言われた18才の美少女です♪」

 

自分で言うんかい。などと一人で心で突っ込んで、自己紹介が始まる。外側の席から順々に。

 

「九重、透流(ここのえ とおる)です。よろしくお願いします。」

「九重?あぁ!!君が《異能(イレギュラー)》の一人の!?職員室で噂になってるよ!?」

「噂?」

 

九重が片眉をあげる。それよりも僕が気になったのは、《異能》の方だ。《異能》の一人……つまり、僕と同じ人ってことは、九重が楯の《焔牙(ブレイズ)》の人ってことか。

九十九朔夜(つくも さくや)理事長……漆黒の衣装を着た本当の十一才の女の子が言っていた、今年は《異能》の人が多い、っていうのは本当だったのか。

 

「今年は《異能》の人が二人もいるって♪」

「二人も?ってことは、俺以外にも?」

 

俺以外にも、というのは俺以外にも《異能》がいるのか、という疑問だろう。

 

「うん!……多分、もう一人このクラスだったってことだけど……まぁいいや!次いこ!」

「ヤー。」

 

銀色の髪の女の子が立ち上がる。例の講堂の視線を一身に受けた少女だ。立ち上がるとチリン、と髪留めの鈴の音がする。

 

「ユリエ=シグトゥーナです。よろしくお願いします。」

 

流暢な日本語に、皆が息を飲む。その後、何人か自己紹介が終わり、ついに僕の隣の席の少女の番になった。

 

「冬木 穂香(ふゆぎ ほのか)です。よろしくお願いします。」

「!?」

 

冬木……だって……!?偶然かもしれない、でも、でもあいつの名字は、冬木なんだ!!

 

その僕の心の動揺を感じてか感じないでかにこっと座るときに小さく笑った。

 

「次、君の番だよ?」

「あ、はい!」

 

少し冬木と間があいたので、少し心配そうに先生がこちらに話しかけ、それに応じて立ち上がる。

 

「斬龍 災禍(きりゅう さいか)です。よろしくお願いします。」

「斬龍……君がもう一人の《異能》君か!やっぱりうちのクラスだったんだ~!」

 

そう言われて、九重の二の舞のクラスの視線集中砲火を座りながら受けた。

 

結構、きついんだな……。あの視線、滅多に受けたくないものだ。

 

「あ、今日はもうこれで終わりだから、さっそく週末までの仮の《絆双刃(デュオ)》を言っとくね?仮の《絆双刃》は……隣の席の人♪」

「「ん……?」」

 

隣の席の人、という言葉に僕と九重は隣の人をみる。

 

「「駄目でしょ!?」」

「決まっちゃったものはしょうがないよねぇ。」

「「普通じゃない!」」

「……入学試験がまともじゃない学校が、まともだと思う?」

「「……。」」

 

その一言に、僕と九重は揃って静かに座り、隣の席の少女に「よろしくお願いします。」

と言われるのだった……。




どうも、二話目の人はまた来てくれてありがとうございます。初めての人は一話目も見てね、遠山tsunです!
今回はついにHR、そして主人公の隣に現れた冬木という女の子。
果たして、その女の子が主人公にどういう影響を与えるのか、そして九重達との関わりは!?
気になるかたは、次回もお楽しみに~。次回はちょっと、恋愛要素あるかもね?
のしのし~。
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