「刃牙」の「ジャック・ハンマー」が登場する
ChatGPTで作成した創作短編小説です。
独自要素やジャック贔屓が含まれます。
独自の解釈や世界観の変更が苦手な方は、
ご注意いただくかご一読をお控えください。
就寝前、胡蝶しのぶは淡々と命じた。
――今夜は一切の薬物摂取を禁じます。
それは慈悲ではない。
彼女にとって、ジャック・ハンマーという存在は保護対象でも同胞でもない。
“測定すべき現在値”。
それ以上でもそれ以下でもない。
今この瞬間の肉体。
薬物非介入状態における肉体性能。
剥き出しの素のジャック・ハンマー。
それを把握しなければ、明日以降の実験は成立しない。
その危険度を正確に量る必要があった。
それは研究者としての、最低条件だった。
薄靄のかかる朝、蝶屋敷の庭に木漏れ日が差し込み始めた頃、
緊急招集された竈門炭治郎が元気よく挨拶しながら庭へと駆け込んできた。
「おはようございます!胡蝶さん――」
元気な挨拶は途中で喉に詰まった。
異様な光景が視界に滑り込む。
枝から、だらりと力なく垂れ下がる二本の脚。
「……えっ!?」
血の気が引く。
慌てて駆け寄り、喉が引き攣る。
炭治郎は凍りついた。
「胡蝶さん!!!!!
「あ、あ、あ、あれ!!!!
「く、く、く、首……つろ、つる、つ、吊ってい……ます……!」
声は裏返り、言葉は崩壊していた。
だが背後から、しのぶの穏やかな声が落ちた。
静かに、氷のように。
「炭治郎くん。よく見てください」
振り返ると、しのぶが微笑んでいる。
あまりに静かな、その表情。
言われるまま、恐る恐る炭治郎は男の正面に回り込む。
そして、炭次郎は言葉を失った。
枝から垂れた紐を――噛みついて。
巨体の男が、ぶら下がったまま熟睡している。
しかも、頭の上では二羽の雀が寄り添い仲睦まじく毛づくろいをしていた。
常識が音を立てて崩れる。
次の瞬間、男の瞼が開く。
ジャック・ハンマーは、
243センチ・211キロの巨体とは思えぬほど軽やかに地面に降り立った。
「やっぱりよ、布団の上じゃ落ち着かねえ」
首を鳴らしながら欠伸混じりに言う。
「こうやって紐を噛んで寝るのが一番だ」
雀たちは驚きもせず、ひらりと飛び去った。
そして炭治郎を見る。
「それはそうと……小僧が、しのぶのお眼鏡に叶った立会人か?」
「ジャックの目が炭治郎を射抜き唇を歪め獣のように笑った。」
「起き抜けだ。薬無しのナチュラルで――遊んでやるよ」
その立会い前に、しのぶは炭治郎を呼び寄せ、
彼の耳元で温度を欠いた声が囁かれる。
「炭治郎くん。目の前にいるのは人間ですが――」
「その力は、あなたが今までに遭った鬼を凌駕します」
炭治郎の背筋が凍る。
「一切の手加減は無用。」
「完膚なきまでに、敗北……否、殺しなさい!」
炭治郎が息を呑む。
「これは柱としての命令です」
炭治郎が反論しようと口を開いた瞬間、
しのぶの鋭い眼光が、それを封じた。
「万が一にも手心を加えたと判断されれば、あなたの命はありません」
冷たく断言。
「彼が絶命しようと再起不能になろうと――一切、気にする必要はありません」
そして、決定打。
「……いいですか。目の前にいるのは“鬼”です。」
「鬼として討伐する覚悟がなければ、確実に死ぬのは――炭治郎くん!あなたです!」
炭治郎は震えた。
彼女から漂う“本気”の匂いに。
――この人は、この男を殺させるつもりだ。
立会いが始まった。
だが、ジャックの攻撃は炭治郎を捉えない。
否――掠りもしない。
炭治郎は呼吸を整え、回避を続けながら思う。
(力は圧倒的……でも、動きは追える)
炭治郎は隙の糸を見るまでもなく回避を続けた。
彼は木刀で何度も致命的な打撃を叩き込んでいた。
だが、そのたびに違和感が募る。
(胡蝶さんは……なぜ僕に、この人を?)
(確かに速くて重い。でも――)
(過去に戦った鬼の方が、もっと――)
その瞬間だった。
ジャックから漂う純粋な闘志が黒く濁り憤怒へと一変する。
「……小僧」
低く地を這う声。
木刀の連撃を受け止めたまま、ジャックは言った。
「俺の身体がデカいだけで攻撃も遅く欠伸が出そうか?」
一歩、踏み込む。
「だからって、俺を見くびりすぎじゃねえか?」
眼が獣のそれに変わる。
「なあ、小僧。なんで木刀なんだ?」
「なんで真剣を使わねえ?」
炭治郎の背筋が凍る。
「俺は……お前にそこまで気を使わせるほど、貧弱に見えるのか?」
息が詰まる。
「鬼はよ……木刀でどうにかなる相手なのか?」
怒気が、空気を裂く。
「しのぶから、俺を“殺せ”って命じられてきてねえのか?」
憤怒の匂いが、庭を満たす。
炭治郎は警戒を強めた。
「だがな、小僧」
「こう何度も打ち込まれりゃ、嫌でも分かる」
ジャックの口元が歪み薄ら笑いが浮かぶ。
「お前の“型”。呼吸。初動から、全部だ」
その瞬間。
炭治郎の視界が反転した。
捕獲。
圧倒的な腕力。
高身長から信じられない速度で振り下ろされ叩きつけられる――
ボディスラム一閃。
人ならざる鬼をも超える膂力。
受け身を取る覚悟すら間に合わず、炭治郎の背中が地面を穿つ。
肺の空気が、一気に吐き出された。
ジャックは見下ろし低く言った。
「……どうだ、小僧。まだ、やるかい?」
朝の柔らかな光の中で、
胡蝶しのぶは一言も発さず、その光景を見つめていた。
柱として。
観察者として。
研究者として。
感情はない。
躊躇もない。
狂気の蝶は既にに羽化している。