剣と魔法の世界から提督(?)が着任しました。 作:ラバウルユーザー
“ステータス”の表示から固定スキル発動を選択する。
すると、視界に白い枠が現れる。これが設計の基礎だ。
陣地はいくつかのパーツがあり、それを組み合わせて建物を作る。
最初にこれを使った時は、「どこのゲームだよ!」とツッコミしたものだ。
さて、とりあえず鎮守府なる建物を作ろうと思うんだが、俺はその建物を見たことがない。
ここはうちの妖精さんに期待したいところだ。
肩の上に居る妖精さんを見る。
視線が合うと、
「…」(グッ!)
気合い十分な感じらしい。
頼もしい限り。
そして突然、
“固有スキル”が更新されました。
と、脳内アナウンス。
固有スキルを見るとサンプルがある。これが妖精さんの力なのか?
早速、サンプルを選択して目の前に白枠を作る。
中々の大きさだが資材はどうなってるのか、予定資材一覧を見る。
陣地作製に使う木材や石材や鋼材は、その土地の物を使う場合と自分のアイテムを使う場合とがあるが、今回は無人島のようなので使えるものは現地調達だ。
どうやらこの島には地下資源も有ったようで、鉄鉱石などは錬金されて建築材料になる。
スキル万歳だな。
細かい部分でアイテムとして持っていた希少金属(オリハルコンやらなんやら)を使うようだが、概ねこの島にあるもので大丈夫そうだ。
それじゃあ、一丁ドーンと作ってみるか。
「さて、じゃ始めるとしよう。・・・少し離れていたほうが良いかもしれん」
仲間を運び終えて、近くに寄っていた扶桑に声を掛ける。
「わかりました・・・あの、その陣地作製?・・・というのは危なかったりするんでしょうか?」
扶桑が少し不安そうに聞いてくる。
まぁ、確かに概要は説明したとはいえ、何でもかんでも魔法じゃ不安にもなるか。
「安心してくれ。・・・色々現実離れした光景になるとは思うが、心配は無い。・・・それに、多分面白い光景が見れるぞ」
そう言って、陣地作製を発動する。
―――カッ!
「きゃあ!?」
突然の閃光に驚いた声をあげる扶桑。
しまったな、最初は光るってこと教えてなかった。
俺は慣れているので、声もあげなければ視界もすぐに元に戻る。
扶桑は咄嗟に目を左手で庇った状態のまま微動だにしていない。
「あー、・・・すまなかったな、扶桑。・・・最初は光るってのを教えてなかった」
「うー、目がチカチカします。・・・不幸だわ」
目を擦りながら、恨めしげにこっちを見る扶桑。少し恐い。
「すまない。・・・だが、この光景を見れば少しは機嫌が回復するんじゃないか?」
「あら・・・これは凄いですね!」
目の前では、地面が淡く光り、地下資源の鉄鉱石などは地中で練成されて、釘や土台の補強部品へ姿を変え、海岸の砂場からは石などが砕けて合成され、建物の基礎へと重なる。
周囲の木々は音も無く伐採され、宙に浮かび、解体されて建物の枠組みへと組み込まれてゆく。
時間にしたら僅か10分程度で建物自体が完成した。
「思ったより早かったな。・・・建物のサイズがそれ程大きくないからか?」
鎮守府を参考にしてはあるが、その大きさは大きめの一軒家程度。
工廠やらは別途作るので、今回はとりあえずの休憩場所も兼ねた仮の拠点だ。
肩の上で、一仕事やり終えた感の妖精さんは、デフォルメされたマントをはためかせてドヤ顔をしている。
うん。サンプルは貰ったけど、作ったのは俺の魔力だからね?
「じゃ、簡単に内装を説明しよう。・・・君の仲間も中で休ませてあげないといけないだろうしな」
とりあえず、妖精さんはスルーして、まだ驚いたままの扶桑に声を掛け、彼女の仲間たちに“フロート”と“トレース・トラッキング”の魔法を掛けて運ぶ。
入り口は艤装のことも考えて広めに作ったので、通るのに問題はない。
さぁ、彼女たちをきっちり休ませないとな。