著者がミカに伝えたかったことを、先生の姿に投影してそのまま書きました。小説を書いたのは今回で初めてな上に、新任先生でめちゃくちゃにわかなので違和感のある表現が出てくると思いますが、何卒ご了承ください。
※エデン条約編までのネタバレを含みます。
・曇らせ注意
・キャラ崩壊注意
・何でも許してくれる方向け
「私って、やっぱりお姫様にはなれないのかもね…」
「その、もしよかったらちょっとだけ相談してもいいかな?」
--いつもと変わらない昼下がり、ミカからのモモトークが私の方に送られてきた。
「もちろん。私で良ければ話を聞くよ」
「生徒たちの話なら、色々聞きたいからさ」
「ありがとう、じゃあ、また後でね」
(後で…?どういうことだ?)
--先ほどのメッセージが少々心残りだが、今日が期日のタスクに追われていたので忙しなく作業を続けていた。
(ミカからのメッセージが来ないか、ふとしたときにモモトークを見てしまう……)
(このままだと良くないや。ミカのところに行って来るか。)
--そう思っていた矢先、シャーレのオフィスにミカが訪ねに来た。
--それと同時に、私はふいに「はぁ……」と、ミカに気づかれない程度に息を深く吐いていた。
「先生、お邪魔しちゃったかな、大丈夫?」
「全然大丈夫だよ」
「そ、そう?ありがと。」
「それで、どうかしたの?」
「……私、ね」
「最近、ちょっとだけ辛くてさ」
「"あの出来事"が起きたときのことをまだ気にしてて……」
「あれがあったときに、セイアちゃんとか、ナギちゃんを傷つけちゃったし」
「それだけじゃなくて、学園の皆に迷惑かけちゃったんだよ。友達とか、ほかの大切な人まで、学園のみんな全員を。」
「あのさ、前に私がいじめられたのも、トリニティの子たちに魔女だって言われたのも当然の報いだったのかなって、たまに思うときがあるんだよね」
「わざわざコハルちゃんが助けてくれたけど、私のことなんか無視して、助けてくれなくてもよかったのにって、あのままでよかったのかもって、今になっても思うときがあるんだ」
「なんで私って、いつもこうなのかな……」
--そう話すミカの声は小さく、それでいて震えている。無理やり喉から声を引きずり出しているような、どこか不安気のあるものに聴こえた。
--(少し、弱音のようなことを言ってしまうが、私にも何かこみ上げてくる感情があった。ミカにはバレないように抑えたが。)
「そっか。ミカはまだ、自分のことが許せないんだね」
「じゃあ、今から先生とカフェまでお出かけしよっか」
「辛くて、悲しいようなことがあるときは、おいしいものを食べて忘れよう!」
「え?な、なんで突然……?えっと……嫌じゃないし、嬉しくはあるんだけど……あ、ありがと」
「じゃあ、行こうか」
--そうして、ミカと手をつないでちょっと遠くのカフェまで歩き続けた。
--先生なのにも関わらず、どう言葉をかければいいかがわからない。ただただ、無言で歩くしかなかった。
--ミカの方を見ると、彼女は少し下を向いて歩き続けている。私の方から表情は見えても、心情までは理解できる気がしない。
--それはミカが私の心情を100%理解できないのと同様に、私もミカの心情は理解したくてもできるものではないからだと、その漠然とした現実を反芻していた。
--そんなことを考えていたらミカの足が止まり、その場に座って涙を流し始めた。
「えっと、大丈夫?少しこの辺で休もうか」
--今はただ、とにかくミカの話を聞こうとすることしかできない。私にはそれくらいのことしかできなかった。
「私って、やっぱり魔女なのかな」
「どうしても、あの時に言われたことがずっと忘れられないんだ」
「前にも言ったけど、改めて伝えるね」
「ミカは魔女じゃない、ずっと、何度だってそう言う」
「……私はそれだけミカのこと、大切に思ってるから」
「でも……私ってみんなから嫌われてるし、悪い子だし、それに……」
「確かに、"みんな"から好かれる人間なんて存在しない」
「それはミカも、勿論私だって同じ」
「でも、この世界にいる全員から嫌われるなんてことはない。この世界には、必ず自分を愛してくれる人がいるんだ」
「それは友達かもしれないし、また別の人かもしれない。少なくとも君の身近なところに、そういう人はいるものなんだよ」
「私、ずっと前からまたミカに言いたかったことがあるんだ。聞いてほしい。」
「私にとってのお姫様は、ミカ。君なんだよ」
「……ありがと、先生。そう言ってくれて本当にうれしい」
「ミカは間違いなく良い子なんだよ。こうして辛いときに、大人に頼るためにこうしてわざわざ来てくれたわけでしょ?」
「それはミカだからできたことだし、何より私はそうしてくれて嬉しかったんだ」
「先生。今日は本当にありがとう」
「よし、また一緒に歩こ。ミカはちゃんと、毎日一歩ずつ進んでいるんだよ」
「そうだね。それに、ずっと過去のことを引きずっても、みんなに合わせる顔がなくなっちゃうじゃんね☆」
「ところで私、戻ったらティーパーティーの皆でやりたいことがあるんだ!」
そうして、ミカと何気ない会話をしているうちにすっかり外は暗くなっていたが、予定通りミカと一緒にカフェまで歩いた。二人で一緒に美味しそうなロールケーキを食べているうちにすっかり笑顔が戻ったミカを見てつい微笑んでしまった。