体中の痛みで目を覚まし周りを見渡すと知らない場所で、周りを確認していると
「あら。目を覚ましたわね。余り動かないほうがいいわよ。全身に強い衝撃を受けての打撲と右肩が亜脱臼していたから」
声を聞こえる方を痛みを我慢して振り向くと一人の女の先生が声を掛けてきた。
「だから全身が妙に重くて痛い感じがしたんですか」
痛みで声を出すのも辛そうに返事を返し。
「幾ら絶対防御があるといっても衝撃全て吸収するのは無理だからね~。でも、桐生君も試合で意識失うのは駄目よ。あの高さから落ちるのは危ないわよ」
どうやら試合中に意識を失ったらしい。そういえば降参しようとしたら最後に後ろからの衝撃と目の前からミサイルが来てあまりの痛みにそこから覚えていない。もう、やっぱりまだ早かったな。さっきの試合を思い出そうとすると体が震える。よく死ななかったけど行き成り死に掛かるとは。
「はい・・・すいません。あの僕はもう部屋に戻っても?」
痛む体に鞭打って部屋に帰ろうと立ち上がろうとすると。
「ダメよ。あなたは1週間ほどここで入院よ。大丈夫このIS学園は世界中のISのエリートが入学しにくるの。その子達を3年間治療するために医療技術は世界でもトップレベルだから安心して。貴方は全身打撲なんだからせめて体を普通に動かせるまで回復しないとダメよ。」
理路整然と言っている事は解るが僕にもこの戦闘を復習したりオルコットさんの武器や戦い方を覚えてる間に纏めたいので
「解りました。ならISの教科書と参考書、後ノートを取ってきて貰ってもいいでしょうか?」
「解ったわ。」
そういって先生は僕の部屋に向かう為に出ていき。僕は先ほどの戦闘を振り返る。といっても僕はオルコットさん相手にただ、逃げることも戦うことも出きず。無様に落とされ、最後には降参することも出来なかっ
た。
「くっ!?」
悔しくないわけが無い。無駄に時間を過ごして今日の試合を迎えたわけじゃない。負けるのは解っていたし。通用しないのも解っていた。でもそれは頭で理解していた事で感情は悔しさで一杯だった。その悔しさから漏れ出た言葉に鳴らない音と一緒にシーツに零れる水滴は一寸の間続き、我慢しようとすればするほど音は止まず涙は溢れても、彼にはどうしようもなかった。恐怖に震え悔しさに歯を食い縛りそれでも、彼は頑張ろうと自分の気持ちを落ち着けようと呼吸を落ち着け。先生が帰ってくるのを待った。そう、たった一人彼の悔しさと恐怖に震える慟哭をドアの向こうで黙って静かに聞き彼が落ち着くまで入らず、今も彼が聞かれている事すら知らない用に声を掛け。
「持ってきたわよ。教科書と参考書。ノートはこれでいいかしら?」
「はい。大丈夫です。ありがとうございます」
ノートを受け取り早速先ほどの戦闘でのオルコットさんの軌道、武器、そして自分で気づいた改善点を書いていると。
「桐生君、少し質問いいかな?」
「・・・なんですか?」
ノートに書くのを止めて顔を上げて先生を見つめると。
「桐生君、適正Dだよね?どうして毎朝走ったり、放課後もラファール・リヴァイヴの許可を取って操縦練習していたよね?確かに桐生君は男性操縦者だから学園に22機しか無いISも放課後は優先して回せるけど、ハッキリいうと適正Dの桐生君はどんなに練習しても勝てないよ。それほどIS適正っていうのは違うよ。それでも今の努力を続けるの?」
「・・・それでも・・・それでも僕はISに乗れるから・・・他の人は乗れなくて悔しくてそれでも頑張って何とかしょうとしても出来ない・・・けど、僕はそのチャンスを貰えたから。だから、そんな人達と比べれば適性Dでも諦めれないんです!それに織斑君もいますし。」
「たとえ、この先君は誰にも勝てなくても?全てのIS操縦者から蔑まれ世の男性達から怒りをぶつけられているかもしれないのに。それでも君は今みたいに頑張れる?」
先ほどとは違う声の硬さ、真剣な表情で僕に問い掛けられる。確かに僕はIS操縦者で一番弱い。適正も低い。けど、そんな事は今更だ。それでもやると決めたんだ。確かに恐怖でさっきまで震えていたけど先生と話してると思い出してきた。僕がやりたいと思っていた事を。
「今も蔑まれている事は同じです。怒りをぶつけられるのだって入学前の訓練中にだってありました。でも、一緒に頑張ろうといってくれた人も居ました・・・こんな世界じゃいけないと。女性だから男性より偉いんじゃないと。だから僕がISに乗って誰よりも強くなり!!能力があるから偉いんだと。男性だってやれるんだと証明するんです。」
そう、証明したい。だから僕に出来るのは努力だけ。それに僕は一人じゃない。織斑君と二人で努力すれば。
「そう。でも、今の君に出来るのは寝るだけよ。大人しく寝なさい。」
そういって。先生はまた出て行った。何でそんな投げやりな言葉だけ投げ掛けて。でも、先生と会話して大分気持ちの整理出来たな。ここにきてずっと緊張の連続だったしさらに今日は試合までしたし、先生の言う通り少し寝よう。
「・・・居なかったわけじゃないのよ。桐生君みたいな考えを持った人は・・・」
「織斑先生。彼なら寝てますよ」
「鈴木先生。桐生の容体は?」
担任の織斑千冬は保健室から離れた廊下で保険医の鈴木幸恵から桐生浩太の容体を聞く。
「全身打撲と右肩の亜脱臼です。1週間ほどここに入院すれば日常生活なら何とか戻れる感じですね。全身打撲がどれほどかは解りませんが」
「そうか。ふぅ~、全く心配をさせる」
織斑千冬はそう溜息を吐きながら心配したように口を開くが。
「織斑先生。本当に心配したんですか?彼は試合で負傷したと聞きました。しかも対戦相手は代表候補生のセシリア・オルコット。一体何でこんな試合を?彼が負けるのは解りきっていたのでは?」
「・・・負けることは解りきっていた。危険な事も。それでも乗せるしか無かった。彼にISとしての戦闘力が無いことを上に見せ付けないと」
「どういうことですか?」
「桐生はこのIS学園に居る間は安全だろう。彼には自衛隊や政府の一部も接触しているがそれはあくまでも一部。今の女尊男卑の世界で彼を守れると思うか?」
「それは!?」
「無理だ。だからこそ上に彼が戦闘力も無く放って置いても危険が無いと教えないといけない。彼はこの3年間地獄だろう。それでも、それでも死ぬよりはマシなはずだ!」
「それで無理矢理試合を受けさせたのですか?貴方の弟と一緒に」
鈴木の声がどんどん冷たく口調が硬く変わっていき織斑千冬を問い詰める
「彼に戦闘力が無いと解れば逆に彼にはモルモットの人生しかありませんよ。それこそ死ぬほうが楽な用に」
「それでも、死ぬよりはマシなはずだ」
織斑千冬も彼女なりに桐生の事を考えていた。彼女はISで強いという事が解っていた。彼女は強すぎるが故にモンド・グロッソの決勝で弟を誘拐された。もし、男で強ければ本人が狙われるかも知れない。彼には彼女の弟の用に後ろ盾など無い。だからこそ彼女は無理矢理にでも彼に戦闘をさせ実力が無いという事を皆に見せ彼には安全に生活してもらいたいという彼女なりの考えがあった。確かに3年間彼は蔑みの視線を受けるが弟がいる。弟なら彼と友達になって支えるだろうと。
「彼は諦めませんよ。どんなにバカにされ、笑われてもこの世界を変えるらしいです。」
鈴木は先ほどとは違い笑いながらそう告げ本当に楽しそうに笑う。それほど桐生の言ったことが可笑しかったらしい。
「桐生には才能が無い」
「才能は努力で覆すそうです」
「・・・無理だ」
「でしょうね」
言葉とは裏腹に笑顔でそう告げる鈴木は。
「でも、出来れば世界は変わるでしょうね。変えるのは先生の弟かもしれませんが。良い試合だったみたいですね。弟さんは。では、私は彼が起きるかもしれないので部屋に戻りますね」
興味なさそうに告げ。鈴木はその場から離れ部屋に戻って行った。残された織斑千冬は。
「それでも、私が守れるのはこんな方法しか」
あの試合から1週間が経ちやっと日常生活が遅れるようになると。
「先生。ありがとうございました」
挨拶をして部屋から出る準備で荷物を纏め。
「次は気をつけなさいよ。桐生君は弱いんだから無茶はダメよ」
「弱いからこそ人の何倍も努力するんですよ。」
笑顔でそう言って部屋に向かって歩いていると
「お。浩太もういいのか?」
「うん。もう大丈夫だよ。一夏」
一夏と篠ノ之さんが歩いてきた。
「良かったな。心配してたんだよ」
「そっか。ありがとう」
「一夏。部屋に戻るぞ」
篠ノ之さんがそう言って部屋に引っ張って行った。
「ちょっ!?ほ...箒!?待てって。浩太!?そういえばクラス代表が俺に決まったんだよ」
「え!オルコットさんじゃないの?一夏なの?」
一夏は篠ノ之さんの引っ張られてる腕を離して此方を向き
「ああ。セシリアが俺に譲ってクラス代表になったんだ」
「そうなんだ。おめでとう。無理しない程度に頑張ってね」
「おぅ。そんな優しい言葉かけてくれるの浩太だけだよ」
「一夏!!それはどういう事だ。私も言っただろ」
「箒!?落ち着け!」
二人の言い合いが長くなりそうなので僕は部屋に戻ろうと二人に声をかけて部屋に向かう。
「一夏。篠ノ之さん僕は先に部屋に向かうね。それじゃ」
そう言って、部屋に向かう。それにしても一夏は凄いな。僕とIS搭乗時間変わらないはずなのにクラス代表になるなんて僕も負けないように頑張らなくちゃ。
次の日の朝1週間ぶりに朝の訓練を終わらし、準備して教室に向かうと彼がクラスに行くと空気が一瞬凍りつき後は何事も無かった用にまたそれぞれ話し出す。まるで彼が居ないかのように。桐生はその空気を気にせずに席に座り準備をしていると。
「浩太。おはよう」
「おはよう。一夏」
挨拶しながら隣の席に座る一夏に
「おはようございます一夏さん」
挨拶しながら近づいてくるオルコットさん。そして少し挨拶をしていると
「ねえねえ二人とも知っている転校生の話」
「私の存在に危機感を持ったのかしら?」
オルコットさんがそう呟くと。
「なんでも中国の代表候補生らしいよ。」
また、代表候補生。
「このクラスに転校してくるわけではないのだからそれほど気にする必要もないのではないか?」
篠ノ之さんいつのまに此方に。さっきまでいなかったのに。
「そうだね。相手の事も大事だけどまずは自分の力を上げる事に集中した方が今はいいかもね。今は鍛えれば鍛えるほど力も上がるだろうし」
「そうですわ。一夏さんは私と一緒に特訓を!」
「やれるだけ頑張ろう一夏」
「おう、そうする浩太」
「やれるだけでは困りますわ! 一夏さんには勝っていただきませんと!」
「そうだぞ。男子たるものそんな弱気でどうする」
「織斑くんが勝つとみんなが幸せなんだよ~」
学食のデザート半年間フリーパスを目指しクラス一同で声援を一夏に送ると。
「今のところ専用機を持ってるクラス代表って一組と四組だけだから余裕だよ」
「その情報、古いよ」
その声に振り返るとツインテールに小柄な女の子が胸を張ってこっちを見ていた。
「鈴?お前、鈴か!?」
「そう、中国代表候補生、凰・鈴音。宣戦布告を言いに来たってわけ」
ツインテールを揺らしながら自信に満ち溢れた表情で宣言してるけど。知り合いなのかな?
「なにかっこつけているんだ、鈴。似合わないぞ」
「な!? なんてこと言うのよ一夏!」
一夏君の言葉に威嚇するように顔全体で怒りをあらわしている。
「おい」
「なによ!?」
振り向いた瞬間に彼女の頭に衝撃と共に有難いお説教が。出席簿で叩くのに何であんな音が・・
「ち、千冬さん・・・」
「織斑先生と呼べ。あと邪魔だ」
「す、すみません。とりあえず一夏!昼に食堂で待ってるからね。来なさいよ!!」
凄いな。そう言うとあの女の子は戻っていった。行動力あるな。
「おい!一夏さっきの女子はいったい誰だ?ずいぶんと親しそうだったな」
「そうですわ、一夏さんさっきの方とはどのような関係―――」
最後まで言い切ることなく3人の頭に出席簿が落とされた。今のは痛いよね。だって出席簿で叩いてる音じゃなかったし。でも織斑先生が居るのにSHRの邪魔したら駄目だよ。