這いつくばって   作:へうげもの

5 / 7
クラス対抗戦

「すごい!?一夏君はあそこまでISを動かせるなんて」

 

一夏君と凰さんのクラス対抗戦をモニター室での観戦を許可されて観ているけど。溜息が漏れる。ISを自由に動かし今も凰さんが動かしている甲龍と高速での格闘戦を行っている。甲龍の装備武装双天牙月を右手に構えて振り被りながら一夏に迫るが一夏も何とか距離を取ろうと上下左右に動きながら後ろへ下がるが凰さんもキッチリとついて行き。このままじゃジリ貧で一夏がが削られるかなと思っていると。

 

「――――甘いっ!!」

 

その言葉と共に、凰さんの右肩が光ったかと思うと一夏の白式が後方へ飛ばされた。

 

「今のはジャブだからね」

 

その言葉が終わると今度は両肩が光、先ほどよりも強い音と共に地面へ叩きつけられた。

 

『衝撃砲』

どうやら山田先生の説明によれば第三世代兵器で、空間自体に圧力をかけ砲身を打ち出す武器。砲身の稼動限界角度はなく、説明を聞く限り死角は無さそうで凄い。その説明の間も一夏は懸命に動き回りハイパーセンサーを駆使して回避に専念している。

 

「よくかわすじゃない。衝撃砲≪龍砲≫は砲身も砲弾も見えないのが特徴なのに」

 

笑顔で凰さんはそう告げるけど一夏は答えない。必死に勝つ方法を考えているのかな。頑張れ一夏。

 

「鈴」

 

「なによ?」

 

「本気でいくからな」

 

そう言った一夏の顔は、真剣で何かするのか。

 

「な、なによ。そんなの当たり前じゃない……とにかく、格の違いってのを見せてあげるわよ!」

 

凰さんは双天牙月を構えなおして一夏に迫りながら衝撃砲を撃つけど一夏は何か狙っているのか。

 

「織斑君。何かするつもりですね」

 

山田先生の疑問に。織斑先生が

 

「『瞬時加速』だろう。私が教えた」

 

「瞬時加速?」

 

オルコットさんの疑問を

 

「一瞬でトップスピードを出し。敵に接近する奇襲攻撃だ。出し所さえ間違えなければアイツでも代表候補生とも渡り合える。しかし・・・通用するのは・・1回だけだ」

 

なるほど、織斑先生の言う通り先ほどから刀しか武装も無い一夏君にはあう方法だ。そうして、逃げながら隙を伺っていた一夏は衝撃砲を凰さんの後ろ移動しその一瞬の隙に―瞬時加速を使い凰さんに後一歩という所まで近づいた時に。

 

 

ズドオオオオオオオンッ!!!

 

 

声援と歓声に彩られていたアリーナに衝撃と轟音が響き静寂に包まれる。試合を即時中止し、システムが破損し遮断シールドを破って何者かが侵入してきた。真っ黒なフルスキン装甲に長い両腕、頭部に複数のモニターと不審度満点ISが乱入し急いで3年生の人達が非難を誘導し。山田先生が一夏達にアリーナから非難するように言うが一夏は皆が非難するまで時間を稼ぐと断っている。山田先生の必死の呼びかけも繋がらずなおも呼びかけるが・・・

 

「本人達がやると言っているのだから。やらせてみてもいいだろう」

 

織斑先生のその言葉に山田先生が普段とは違って凄い勢いで食って掛るが。

 

「落ち着け。コーヒーでも飲め。糖分が足りないからイライラする」

 

その言葉を吐きながら塩入りのコーヒーを飲もうとした織斑先生に砂糖と塩が逆と指摘をし。今何が出来るか探して考え、オルコットさんが織斑先生に出撃許可を求める声が聞こえ。

 

「そうしたい所だが。これを見ろ」

 

「遮断シールドがレベル4に設定」

 

「しかも、扉が全てロックされて」

 

「そのようだ。これでは非難することも救助に向かうことも出来ないな」

 

篠ノ之さんとオルコットさんの言葉で画面をみてみるとどうやら非難も救出も出来ないらしい。既に緊急事態として政府に助勢を要請し3年生の精鋭部隊がシステムクラックを実行。学園は打てる手を全て打ち。後は一夏と凰さんに時間を稼いで貰うのが最善らしい。それも後数十分が限界だろう。それ以上は一夏達が落とされてしまう。

 

 

 

 

 

 

アリーナ上空では一夏と凰の戦闘は激戦が続き。先ほどから凰の衝撃砲での隙を作っての一夏の瞬時加速からの突撃は4回目も失敗に終わる。一夏の白式のエネルギーも減って行く。二人は何か会話を交わし

 

「なぁ。鈴。あいつの動きって機械じみて無いか?」

 

「何言ってるのよ。ISは機械じゃない」

 

「そういうんじゃなくてだなぁ」

 

「そういえば。あれ、さっきから私達が会話してる時は余り攻撃してこないわね。まるで私達に興味があるように」

 

「だろ。仮に無人機ならどうだ?」

 

「何?無人機なら勝てるっていうの?」

 

「ああ。無人機なら全力で攻撃できるからな。零落白夜で」

 

「零落白夜だかなんだか知らないけど。その攻撃自体当たらないじゃない」

 

「次は当てる。」

 

「ふぅ~。言い切ったわね~。じゃあ。そんな事あり得ないけど、あれが無人機だと仮定して攻めましょうか」

 

「よし。じゃあ俺が合図したらあいつに向かって衝撃砲を撃ってくれ。最大出力で」

 

二人の会話最中も正体不明のISは動かず、二人の会話も終わり作戦も決まって今からという時に。

 

「一夏!!」

 

一人の少女の声が響き

 

「男なら!!男ならその位の敵に勝てなくて何とする!!」

 

ピットの上から生身で一夏に大声で声を張り上げた。正体不明のISはすぐさま対象を箒い移し砲身を箒へ向けた。

 

「箒!!っくそぉ、鈴!?」

 

「!!ええい、もぉーッ!どうなっても知らないよ」

 

その言葉と共にエネルギー全開で衝撃砲を充填しその射撃先にいる

 

「撃て!!」

 

一夏の言葉に、凰が衝撃砲を最大威力で発射され。一夏の背中に衝撃砲が直撃し轟音と共に激しい衝撃により声が漏れ痛みに耐えながらも。白式のエネルギーのバーが急速に上昇し。

 

『エネルギー充電率90%到達ーーワンオフアビリティー『零落白夜』使用可能』

 

『雪片弐型』よりも一回り大きな刀が現れ。

 

「おおおおおおお!!」

 

叫び声と共に零落白夜を振り被り彼のもう一つの武器である一瞬で間合いを詰める瞬時加速で一気に近づき零落白夜を振り下ろす。音を立てて相手の腕を落とし、手ごたえを感じる一夏だが同時に衝撃を感じ体を吹き飛ばされる。吹き飛ばされるに正体不明のISは痛みを感じていないかのようにもう片方の腕で白式を最初に自分が落ちてきたクレーターへ白式を吹き飛ばし彼に照準を合わしたまま近づくが。

 

「狙いは?」

 

「完璧ですわ」

 

その答えと同時に展開された4基のビットが正体不明ISを連続で打ち抜き体勢を狂わし。

 

「セシリア!決めろ!!」

 

「了解ですわ!」

 

スターライトmkⅢを即座に構え鈍くなった相手に対しその中心部分を打ち抜く。正体不明のISは腹部を打ち抜かれ後方へ倒れ煙で見えなくなり戦闘が終わったと気を抜いた瞬間に一夏は敵ISにロックオンされ敵ISの左手にはエネルギーが充電されその先には一夏がターゲットにされている。一夏はすぐさま駆け抜け。敵ISにそのまま突っ込んで行った。

 

 

 

 

 

凄い。僕と同じ位しか稼働時間が無いのにあの戦闘技術。最初は凰さんの見えない衝撃砲に苦戦していたのに途中からは格闘技術も互角に近く衝撃砲には確実に交わせるぐらいに。そして『瞬時加速』あれを、僕は防ぐ方法が無い。

 

「織斑先生。織斑君は何日で瞬時加速を覚えたんでしょうか?」

 

「桐生。聞いてどうするんだ。貴様が例え覚えても有効に使えない。先ほども言った様にあれが通用するのは1回だけ。その1回で相手を倒せないと意味が無い。桐生。お前にはその1回で倒す方法が無い。諦めろ」

 

「いえ。あの・・・何日で覚えたかを・・・僕が使えても意味が無いのは解っているので。」

 

「1週間だ」

 

一夏は天才?あのバリア無効攻撃と瞬時加速。この2つを上手く使えば初見の相手限定なら織斑先生の言うように良い試合所か勝てる可能性もある。羨ましい・・・僕にもその半分でも才能がありもっと上手く動かせれれば。僕が入院してる間にそんなあっさりと覚えれるなんて・・追い付かないと。

 

「山田先生。山田先生は学生時代ラファール・リヴァイヴを乗っていたんですよね?」

 

大きく息を吐いて山田先生に聞き。

 

「あ、はい。そうですよ」

 

「僕に、ラファール・リヴァイヴの操作を教えて貰えないでしょうか?」

 

「わ・・私がですか?」

 

「はい。鈴木先生に聞きました。山田先生は元日本代表候補でラファール・リヴァイヴに乗っていたと。織斑先生が乗っていた機体は暮桜。僕は格闘は出来ないので教わるなら山田先生が一番良いと思うのですが駄目でしょうか?」

 

「まってください!?私も「いいだろう」織斑先生!?」

 

 

「桐生の言う事も間違いでは無い。放課後から門限までの暇な時間なら教えてもいいんでは?補習だと思えばいい」

 

「う~。解りました。桐生君。宜しくお願いしますね」

 

織斑先生の援護射撃もあり、何とか山田先生に教わる事が出来る事になる。これで少しは動かせるようになるかな。

 

「桐生。ではお前も戻れ」

 

「はい。失礼します」

 

明日から頑張ろう。少しでも追い付けるように。一夏君もあれだけ出来るんだから。

 

 

 

「織斑先生、いいんですか?」

 

「桐生の事か?この3年間は自由にしてもいいだろう。山田先生・・彼のことは頼む」

 

その言葉と共に織斑千冬はこの話は終わりとコーヒーを口に運び口を噤む。つい先日鈴木幸恵に言われた言葉(生きててもこのままならモルモット、現実をみせても諦めない心)故に彼女は彼にせめてもの自由をこの3年間与えようと彼の要望を後押しした。彼がその努力の先に届かない壁を見て絶望して諦めるか最後まで努力を続けるのか。どちらにしろ彼女は最後まで見ようと決意する。教師としては失格でも諦めて欲しいと思いながら。彼女は今日も鉄の仮面を被り。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。