這いつくばって   作:へうげもの

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学年別トーナメント

クラス対抗戦が終わってからアリーナでは毎日山田先生と桐生の二人は放課後に門限までの間ラファール・リヴァイヴでの戦闘訓練を行っていた。彼女が一番初めに教えた事はISでの射撃に必要な『空間認識能力』『先読み』『並列同時思考』この3つとISでの射撃の基礎。3発目にに当てる射撃。ISの高速機動とハイパーセンサーにより1発目で当てるには簡単ではなく。回避方向を誘導しての射撃訓練を優先的に鍛えられていた。

もちろんISが乗れない時や一人の時等は。先ほどの3つの能力を鍛える為に。5~7m先に目印をつてけ目印までの距離や空間を確認し、目を閉じたまま歩き、目印の位置まで移動するというのを繰り返したり。本を2冊同時に読むというトレーニング。IS学園に居る生徒のIS情報と武装、戦闘の傾向をノートに書き記したりをずっと繰り返していた。

 

彼はずっとトレーニングを繰り返していたが彼の周りでは織斑一夏と比較され、男でありながら専用機を持ち初心者でありながら代表候補生と良い試合をし、普段は社交的だが自分の通したい事は意地でも通すのを見て男らしいと高評価の一夏とは違い。

専用機も無く代表候補生には何も出来ず最後には降参しようとした。試合も最後まで断って逃げようとしたと最初に期待値が高かっただけに落胆され今では彼に話しかける人物は織斑一夏以外は居らず。また彼もそこまで気にしている暇が無く毎日を過ごしていた。

 

 

 

そうして1ヶ月ほど過ごしていると

 

「諸君、おはよう」

 

その挨拶と共にクラスの空気を変えながら入ってきた織斑千冬の後ろから

 

「皆さん、おはようございます」

 

山田真耶も挨拶をし。

 

「山田先生、HRを」

 

「は、はいっ」

 

「ええとですね・・今日はなんと転校生を紹介します!しかも二名です!」

 

転校生の紹介にクラス中がざわめき始めたが

 

「失礼します」

 

その言葉と共に入っていた転校生を見ると今度は静かになり

 

「シャルル・デュノアです。フランスからきました。この国では不慣れなことも多いかと思いますが、みなさんよろしくお願いします」

 

金髪で中性的な顔をした男、シャルル・デュノアがそう微笑みながら挨拶すると、静かに固まったままのクラスは

 

「お、男…?」

 

「はい、こちらに僕と同じ境遇の方がいると聞いて本国から転入を――――」

 

最後まで言葉を言えずにクラス中で叫び声が聞こえ

 

「「「キターーーッ!!!!」」」

 

「男子!!三人目!!」

「しかもうちのクラス!」

「美形!守ってあげたくなる系!」

 

「あー、騒ぐな。静かにしろ」

 

彼女が止めるまで騒ぎ続け

もう一人の転校生は銀髪にそして左目の眼帯が目を引き今までずっと無言で腕を組んで織斑千冬の方を向いている。

 

「・・・挨拶しろ、ラウラ。」

 

「はい、教官」

 

その返事と共に姿勢を正し

 

「ここではそう呼ぶな。もう私は教官ではないし、ここではお前も一般生徒だ。私のことは織斑先生と呼べ」

 

「了解しました。」

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

その一言で挨拶が終わり。クラスが先ほどとは違う意味で空気が凍りつく中彼女は目的の人物を見つけたのか織斑一夏の前まで歩いて行き腕を振り上げ

 

「!!貴様が――――」

 

振り上げた腕を下ろして綺麗な平手打ちを彼の頬に叩き込むという挨拶を交わし。そこから一夏も叩かれたことに気づき言いあいから喧嘩になろうかと言う時

 

「・・お前ら静かにしろ。ではHRを終わる。各人はすぐに着替えて第二グラウンドに集合。今日は二組と合同でIS模擬戦闘を行う。解散!」

 

教室の空気を一変し、必要な事を伝え終わると出て行き。男性3人は第2アリーナの更衣室へと走って行った。

 

 

 

 

 

 

 

上空ではセシリア・オルコットと凰鈴音に山田真耶は1vs2でありながら二人の行動を読みながら常に一定の距離を開け。近づいたら離れ離れたら近づき自分の距離で戦い。射撃で牽制しながら連携を出来なくして。最後には二人が回避しようと動いた先に二人がぶつかった所をアサルトライフルからグレネードへ切り替え二人を打ち落とした。

 

桐生はその戦闘をデュノアのIS説明を聞きながら自分の目指すIS戦闘を見た。これ以後、彼は常に山田真耶ならどう動くかどう回避させどううち落とすかを考えながらISに乗る。

 

「さて、これで諸君にもIS学園教員の実力は理解できただろう。

以後は敬意を持って接するように・・・

ではこれより実習を開始する。

専用機持ちはグループリーダーをしろ。

他の者は出席番号順にそれぞれのグループに均等に別れろ」

 

この合同訓練で桐生は自分の目指す方向性を見つけより訓練に励むことになる。

 

 

 

 

いつもどおりのトレーニングに今日もアリーナへ向かっている桐生は通りすがる女子達の

「第三アリーナで専用機持ち3人の模擬戦やってるよ」という声を聞き第三アリーへ行くとすでにそこではラウラ・ボーデヴィッヒとセシリア・オルコットと凰鈴音との戦闘最中であった。正確にはラウラ・ボーデヴィッヒ一人で一方的に二人を殴っている状況で桐生はそれを呆然としながら観戦している。山田先生には負けたけどもオルコットも凰も代表候補生なだけに全く弱いとは言い切れない二人を一方的に相手している所から彼女の実力が頭一つ抜けていると考え。彼女の武装や戦い方をチェックしていると彼の横で同じく観戦して居た一夏が白式を展開しアリーナのバリアを壊して乱入し。さらにはシャルルも乱入し最後には織斑千冬が生身のままIS武装してラウラ・ボーデヴィッヒの攻撃を受け止めるという目を疑う行為でこの模擬戦は終了した。

その後学年別トーナメントが二人一組というのを知ったクラスメイトが一夏とシャルルに殺到したが一夏はシャルルと組むという事を聞き。オルコットと凰は全力で一夏達を応援する事となる。

 

 

 

 

 

 

学年別トーナメント。例年より慌ただしく大勢の来賓を向かえ。生徒も教師も忙しく動き回っていた。やっとそれから開放された生徒達は更衣室に行って着替えて準備をしていた。

桐生と組む事になったのはラウラ・ボーデヴィッヒ。桐生はその人気の無さから誰とも組む事が出来なかったのとラウラ・ボーデヴィッヒは誰も寄せ付けない性格とあの模擬戦を見て怖くなり誰も組まなかったという残り物通しのペアで挑むことになった。準備が終わった桐生はペアを組む事になったボーデヴィッヒに挨拶をし。

 

「宜しくね。ボーデヴィッヒさん」

 

「桐生。私の邪魔だけはするな」

 

「うん。邪魔しないように頑張るよ」

 

ボーデヴィッヒは最初から桐生の力を当てにしておらず、桐生も最初から自分が役に立つと思っていない。毎日夜中までトレーニングをしているとはいえ。彼が出来ることは人並みの射撃のみなので大人しくボーデヴィッヒさんのやりたいようにさせようとサポートに徹する事に決めていた。

そんな二人の対戦相手はモニターがトーナメント表に切り変わり表示され『一夏・シャルル』のペアとの対戦だった。ボーデヴィッヒは嬉しそうに笑い。桐生はじっとモニターを見て考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

試合開始と同時に一夏はボーデヴィッヒへ先制攻撃をしかけるがAICで防がれデュノアはアサルトカノンで桐生を攻撃と同時に後退し牽制しながらAICで止められた一夏を救出の為に高速切替での連装ショットガンで一夏を救出する。一夏対ボーデヴィッヒはボーデヴィッヒの方が技量は上回っているが一夏は最初から耐える事を狙いまた決定的なピンチにはデュノアがカバーすることによって効果的なダメージを与えることが出来ず。逆に桐生対デュノアでは連装ショットガンをばら撒きながら近づき近接ブレードで切り付け確実にシールドエネルギーを減らして行く。桐生は少しでも被害を抑えようと左右に動くがデュノアの精確な射撃で出足を止められ近づいてのブレードを防ぐ術がなくやられていく。このままでは一番先に落ちるのは桐生だろうと誰もが思っていると。唐突に桐生はアサルトライフルを構えシャルルを狙う。シャルルはそれを避けようとしたがやめてそのまま受ける。

 

「デュノアさん。僕もただでは負けないよ。何もしてこなかったわけじゃないから。」

 

「くっ・・早く一夏を助けないとなのに」

 

その射線の先にAICで止められた一夏がいたからだ。桐生はずっと攻撃を受けながらボーデヴィッヒの行動を見ていた。彼女がAICを使うときに動かないことから近接攻撃しか無い一夏が止められる事にも気づき。格上のデュノアに攻撃を当てるにはこの方法しか無いと無様に避けながら射線上まで誘導し避けれない状況に追いやった。ずっと我慢して受け。状況を認識し。無様にも動き回った結果攻撃を当てた。

 

「私の邪魔をするな」

 

だがボーデヴィッヒも彼の狙いに気づき。邪魔をしたと判断しワイヤーを彼に巻きつけ後方へ追いやり。それを見たデュノアが彼に一気に近づき近接ブレードでシールドエネルギーを0にした。

 

1対2に成った事でそれまで優位に立っていたボーデヴィッヒは一夏とデュノアのコンビに対処が出来なくなった。AICでどちらかを止めればどちらかが攻撃をするという状況によりシールドエネルギーを減らされて行き焦ったボーデヴィッヒが無理に勝負を掛けAICで止めた一夏に止めをさそうとした所を。

一夏の真横から出てきたデュノアの六九口径パイルバンカー『灰色の鱗殻』を打ち込まれ撃墜され。試合終了と思った時。

 

突如。

 

「あああああああっ!!!」

 

ラウラ・ボーデヴィッヒが身を裂かんばかりの絶叫をする。シュヴァルツェア・レーゲンの装甲が溶け、ラウラ・ボーデヴィッヒを包み込む。

 

「あれは・・・何?」

 

装甲が溶け液状化した何かはそのまま動きながら地面に降り形を整えてゆき黒い全身装甲のISらしき物になった。桐生はそれをぼぅっと見ていたが。ISらしきものは桐生に気づき。一気に近づき片手に持っていた近接ブレードで切りかかってきた。かろうじで上半身を捻るが完全には回避できず、右腕とIS装甲をきられ、血が滴り落ちる。右腕の痛みに今すぐでも気を失いたいが失ったら死ぬかもしれないと気をしっかり持ちこの先のことを考えていると。

 

「うおおおおっ!!!」

 

一夏は叫びながら残りわずかなエネルギーで雪片弐型を展開し切りかかるもいなされて逆にピンチを招きデュノアの援護で距離をとる。

 

一夏とデュノア。そして何故か下りてきた篠ノ之 箒の3人との会話を聞きながら桐生は一夏に激しく恐怖を抱く。彼が怒っているのは織斑千冬のデータを使ったから。彼女のデータは彼女の物。あの正体不明のISを放置すれば危険だから倒すんじゃなく。織斑千冬のデータを使ったあのISを殴りたいから殴るという行為。これが日常でならいい。だが、今は正体不明のISみたいな何か。もし織斑一夏がISに乗っている時に切れれば。そんな事を考えていると一夏はシャルルからエネルギーを貰いISを一極限定モードに展開し白式を起動、右腕装甲で。

 

一夏はISみたいな物に突撃し袈裟斬りを弾き近接ブレードを上空に構え勢いよく振り下ろしたと同時に桐生は痛みにより気を失った。

 

後に桐生はあれがVTシステムだと知る。そのシステムを彼はきちんと聞いた時決意する。

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