グルメ界で、鹿でしかない   作:トリコ世界の料理食べたい

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目覚めたら、鹿

ええ、はい。

 

起きたら鹿になってました。

 

何故かわからないけど、体長が6km、体高が1kmほどありました。

とどのつまり、私はトリコの世界に転生し『鹿王スカイディア』と呼ばれる存在に転生してしまったみたい。

 

 

 

 

 

誰が言った────全身の肉が全て舌の上でとろける霜降り状態の獣がいると───

プリっプリで身のずっしり詰まったオマール海老やタラバ蟹の身が一年中生る樹があると───

琥珀色の上質で芳醇なブランデーが絶え間なく湧き出る泉があると───

人々は魅せられる!未知なる美味に───!!

世はグルメ時代───未開の味を探求する時代───‼︎

 

みたいな世界観の中で主人公がなんやらかんやらあって、カクカクシカジカある話がトリコ、という作品である。

 

私はこの世界におけるグルメ界*1という野生度マックスな環境で生を受けた。

生まれ落ちてから早くも数十年経ってしまったらしい。

 

何やら500字にも達していない気がするが、経ったと言ったら経ったのだ。

 

私の種族にはどうやら親というものは存在していない。

先代…、というか私の前の鹿王スカイディアが死んだ時、死体から生えた苗木。それが私となった。

そんな感じらしい。

 

つまりは単為生殖によるものであり、私はメスとなるのだが…。

前世の人間としての性はオスだったような、メスだったような。

 

ま、転生した瞬間にそこら辺のことは驚きで吹き飛んだのでよく考えていないのだ。

前世の母にも言われたが、私は細かいことは気にしないタチなのである。

 

そして私の背中についてではあるのだが、そこにはツノの代わりと言うかのように森林が広がっている。

情報によると、ここには無数の猛獣が生息しているらしい。前世の知識では捕獲レベル*2のアベレージが4000を超えている。一概にはくくれはしないが化け物揃いの森林…となる予定らしい。

 

情報によると、なのだが私は幼体のため背中に住み着いている生物が少ない。

どうも住んでいるのは捕獲レベルが200程度だとか。

 

鹿王スカイディア。

それはグルメ界を実質的に治めている存在。いや、その強さによってグルメ界における食物連鎖の圧倒的頂点に存在する八体の獣、八王。

そのうち、エリア5と呼ばれるグルメ界の一角に住まう最強種のうち一体。

 

それが私なのであるが、今は弱すぎるのだ。

私のツノ森に住まうとしてもそれほど強くない奴らがせいぜいであり、もっと強い獣たちは先代鹿王が死んだ時に離れて行ったらしい。

つまるところ森に住んで欲しいんだったら強さ見せろ、と。

 

代替わり直前ということで、先代鹿王のオーラみたいなものが残っているらしくエリア5に動乱は起きていないが、現在エリア5における八王の席は実質的な空白だ。

 

これは大変。

さっさと強くならなくては。

 

という感じでいるのが最近である。

 

え?なんで親もいないというのにこんな情報を多く知っているのかって?

それは後で話すとしよう。

 

最近はえっさほいさと無駄に多い足を動かしながら、エリア5の各地を歩くのが日課だ。

森を越え、山を越え、川を越え、そしてたまに眠る。

何をしているかって?

 

挨拶である。

 

 

 

「グルルルルルルゥ‼︎」

 

 

ただし物理。

 

 

オラッ、催眠*3‼︎喰らうと大体の相手は死ぬ‼︎

 

 

 

「キシャアァァ     ァ      ァ、         」

 

 

 

私たち鹿王スカイディアには種族特性というか、特殊能力がある。

それは時間操作。

 

特殊なフィールドを自在に展開し、時の進みを異常に速くしたり、遅くしたりできるのだ。

『裏のチャンネル』とか言ったりするのだが、この時間の進み方を弄って仕舞えばあら不思議。通常の数千倍の速さで時間が進む空間の完成である。

 

老衰、までいかずとも普通に餓死や脱水で確殺だ。

そんな感じで先代鹿王がいなくなった影響下で、舐めた真似こいてた奴らを抹殺中だ。今回の相手はトカゲども。休眠とかいうクマノミみたいな技を使うけど、それを実行する前にこちらの技を放てばOK。

ちなみにコイツらの罪状はここら辺の生き物や植物の乱獲罪。

汝ら、死刑!

 

こいつらの肉は小さすぎるし、私は草食なので食べないのだが土に還ればまた芽が生える。

これもまた、食物連鎖なのだ。

 

移動時間や食事・戦闘時間以外、つまり休憩や寝る際は地面に潜るのが基本。

どうも私の種族というものは植物と哺乳類の中間みたいな生物らしく、作中の表現で言えば植物獣類とかそんな感じだ。

なのでそこらの木(高さ400m)を貪り食う以外には、光合成と地面に足を突っ込んで土から栄養を吸って成長を続けている。

土の中がなんか心地ええんだよね。布団の中に入ってるみたいで。寝る際は足で適当に地面をほじくって、全身を埋めるようにして寝るのが最近のマイブームでございます。

 

せっかくトリコの世界に転生したんだから、樹木以外にも美味しいものをたらふく食べてみたいものなのだが、まあそれはおいおい。

 

今後のためにも早めに成長したいので、寝ている間は自身に『裏のチャンネル』による時間加速を付与して、栄養吸収を早めている。

寿命とかは問題なし。何もしなくても数万年ほど生きるので大方誤差である。

 

しかし時間加速の加減を間違えると、砂漠化してしまうので大変だ。

寝た時は大森林だったはずなのに、目が覚めたら砂漠だった時は大変驚いた。

…生まれて少ししか経っていないので許して欲しい。アー、環境破壊と生態系破壊で環境団体から訴えられてしまう。

 

とはいえ、それは転生してすぐの頃の話。

最近はコントロールできてきている。寝ぼけているとたまに失敗してのがたまに傷。

 

でも砂漠化したとしても数十年もしたらまた森になるだろうし、もーまんたいもーまんたい。

十分大きくなったら怪我とか回復する時ぐらいにしか使わないでしょ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グルメ界、エリア5における()()()()、呼び名を”気紛れの荒野”

エリア5全域で確認され、ものの数分で大森林が荒野と、砂漠と化していくことからアカシアによって名付けられた。

 

それが起きる周期も、原因も特にわかっていない。

 

アカシアは弟子たちに言っていた。

ーーー『あれは彼女の食事だ。気にしないほうがいい』

 

そしてもう一つ。

ーーー『広大な砂漠となっても森が一つ残るだろう。死にたくなかったらこれだけ覚えておきなさい。

    森には絶対に行くな。絶対に、だ』

*1
この世界には”グルメ界”と”人間界”の二つが存在している。知らない方は人間界における最大レベルが100くらいだとすると、グルメ界は6500レベルが最大レベルみたいな感じ

*2
捕獲の難易度を示すレベル。基準に関しては『強くて殺すのが難しい』『隠れたり、獲った瞬間劣化するから採集するのが難しい』など

*3
催眠じゃない

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