D-Gray Man -The Metal Exocist in 2031   作:zwart

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新キャラ登場します。Dグレにはレギュラーの女の子がリナリーしか居なくて、書いてて男だらけ路線をまっしぐらになりそうだったんでオリキャラを一人投下することにしました。

ではどうぞ~。


要塞少女_The_Second.

室長達が病室を荒らし回った日から二日程経ち、自分の団服も完成。後数時間で夜明けだが、そうしたら俺も割り当てられた個室に移動する事になる。病室生活ともあと少しでおさらばだ。

 

夜明けまで後数時間。より正確に言うと現在午前3時なのだが、俺は別に餓鬼みたいに未だ見ぬ自室が楽しみで夜も眠れないとかそんな馬鹿馬鹿しい状態に陥っている訳では無い。そもそも経った今起きた所だ。

 

なぜ今起きたのか。それは起きた本人にも分からないが、起きてからずっと「同類」の感覚がする。つまり聖遺物か、聖遺物と融合した被検体が近くに居るという事になる。しかし・・・微かな気配は、生憎と記憶にある聖遺物の気配では無い。そもそも本部にそんな存在が保管されているとは思えない。一度暴走したら同類以外に止められない、敵にねがえったりしたら最悪だ。―――だが、確かに足元、恐らく本部地下にそいつは居る。

 

―――行くか。

 

卓上のランプの電源を入れて、部屋を出る。思ったよりもランプの明かりは見通しが悪かったが、勘でどうにかする事にした。足元が見えない訳でもない。下からの気配を頼りに、下層へと降りて往く。そして降りるにつれて確実に気配は強くなっていった。途中科学班研究室の近くを通った時に明かりが付いていたのは残業だろうか。

 

そうして長い階段を下った末に、俺は科学班フロアの一つの鉄門扉の前に立っていた。

 

いる。確実にこの扉の向こう側には俺の同類が。

 

そこで扉を開けようとして、鍵が掛っている事に気が付いた。よく見れば扉には「第13保管庫 解錠厳禁」と書かれたプレートが貼ってある。鍵は埃まみれで、数十年単位で鍵穴に鍵がさし込まれていない事が容易に覗えた。こういう時は、鍵を持っているだろう人間―――コムイ・リー室長に相談するのが当然の第一選択肢だ。

 

・・・数秒逡巡した末に、力任せに鍵を壊す事にした。理由なんて無い。ただ気が赴くままに選択したまでだ。

 

バギャッ!!

 

そんな音と共に長年忘れ去られていた錠前は破壊された。開かれた扉はゆっくりと元の位置に戻ってゆき、辛うじて生きていた警報装置がけたましく鳴り響くが、クレイヴの意識はそれを認識していなかった。全ての意識は部屋の闇の中に注がれている。

 

一か所に集まる電気コードの束。微かに灯る計器類の光。鉄製の円筒形。表面に小さなプレート。

 

「セフィロト理論被験体 4番 固体名 エリン・フォートレス」

 

―――しばしば被検体調達のために人造人間が使われると聞いた事がある。苗字から察するにこちらを見ている彼女はその中の一人なのだろう。 そう、見ている。

 

円筒形に付けられた小窓の向こう側から彼女はこちらを見つめている。彼女はとても人造人間とは思えない程整った顔立ちをしている。その顔立ちには幼さが残っていて、10代前半であろう事が覗えた。だが、恐らく見た目そのままの年齢では無いだろう。俺と同じように長い間この円筒の中で眠っていたのだろうから。

 

扉は開かない。今の彼女には命令が成されていない以上、円筒の制御システムは開く必要を認めない。故に、開かない。

 

円筒の制御盤の一番端にある大きなボタン。それは手動で扉を開放する非常装置だ。押せば扉は開くが、同時に中の生命維持装置も機能停止する。当然これは安全が確認されてから押さなければ中の被検体にとってただの死刑執行ボタンにすぎない。だが、今更同じ事だろう。中の彼女が扉に内側から寄りかかっていて、長年放置された扉の気密部分が隙間を作り、培養液が漏れている。ならば開放してしまった方が良い。機能停止した培養液はただ溺れ死ぬ事を彼女に強いるだけだろう。

 

ボタンを押す。

 

そして二つの扉が開いた。

 

一つはクレイヴによって開かれた生命維持装置の扉で、もう一つは警報を聞きつけてやってきた残業あがりのコムイ率いる科学班が開けた鍵の壊れた部屋の扉だった。

 

クレイヴは後ろの気配の事をとりあえず無視する。そしてそのまま、開いた生命維持装置から扉が開いたと同時に転げるように倒れ込みかけた円筒の中の彼女――エリン・フォートレスを抱きとめた。外からでは見えなかったが、彼女は簡素な白い病人服のような服を着ていた。そして予想以上に衰弱している。目の下には隈が出来ていて、体の何処にも力が入っていない。そのまま屑折れるようにしてクレイヴの腕の中に倒れこんでしまった。

 

「其処で何をしているんだい?クレイヴ君。」

そこで初めて彼はコムイ室長の声を認識した。しかし返すのは返答では無い。

「・・・話は後だ。彼女を医療班に見せる。」

そういってクレイヴはエリンを運ぶために抱き上げた。其処にコムイの制止が入る。

「待つんだ。彼女は何者だい?」

 

ほんの一瞬、沈黙の時が流れた。

 

「彼女は恐らく俺と同類・・・聖遺物を宿した者だ。」

 




時にこんな二次創作を読んで下さるやさしくて心の広い皆様に質問があるのですが、このサイトで挿し絵を載せる方法って知ってますか?僕は知らないので知っている方は教えてくれるとうれしいです。
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