D-Gray Man -The Metal Exocist in 2031 作:zwart
「君達の具体的な戦闘力が知りたいんだ」
俺とエリンを呼び出したコムイは、開口一番にそう言った。
つまり彼等が正式にエクソシストを名乗るにあたって、大元帥に各々の価値を示す必要がある。それはイノセンスの適合者ならばヘブラスカに診てもらえば済むのだが、クレイヴとエリンはそれを受けられないので、特例措置として戦闘データを見せることになったらしい。
「闘技場を貸し切って測定を行うから、15時に来てくれ」
そんな訳でクレイヴとエリンが闘技場に来てみると、ゴツイ機材を持ち込んで準備万端な
「それで具体的には何をすればいいんだ?」
「うん。君エリン君で闘ってもらいたい」
その間に例のゴツい機材でヘブラスカの予言やイノセンスのシンクロ率の代替になるデータを採るということだ。戦闘系ではないが一つの神の結晶と同等の能力を求められるのだ。機材がゴツいのも頷ける。
「悪いなリーバー、俺らの為に時間を割かせて」
「気にするな。それにこんな面白そうな仕事はなかなか無いからな。どんなデータが採れるか皆楽しみにしているよ」
「ヨーイ、始め!」
コムイの合図でクレイヴとエリンは戦闘を開始した。
「ハアァァッ…!」
「ラアァァッ!!」
合図と同時に二人は真正面に踏み込み、義肢から現れた刀と巨大なスパイクが衝突する。
双方弾かれて一度後退。そこでエリンは十字架を構え直し、ガトリング砲で容赦なく弾幕を撃ち出した。
「温い!」
クレイヴはそれらを避わし、時に刀で弾きながら距離を詰める。
「まだですッ」
一瞬弾幕に空白が出来て、その隙に一気に半分以上の距離をクレイヴは疾走するが、そこで彼は足止めをくらった。
-轟ッ!
鼓膜が破れんばかりの音と共に艦砲射撃クラスの砲撃が至近距離で放たれた。
仮にも聖遺物の砲撃だ。模擬戦だから多少威力を落としているが、切り裂くことは愚か弾くことも叶わない。しかしここでエリンは油断しなかった。
…今だ
彼女が念じると同時、対人に使うには巨大すぎる弾丸は、盛大に爆発した。
縛炎で視界がとれず、十字架の砲身をガトリング砲に戻しながらエリンは周りを警戒した。
幾ら彼でもあの砲撃と爆発は避けたはず。従って反撃が来るとしたら左右と上方…流石に床下はありませんよね。
だがクレイヴは、正面の爆炎の中から出てきた。服の端々が燃えたり吹き飛んだりしているが、本人には大きな外傷は無かった。彼は砲撃も爆発も全て受け止めていた。
「よぉ」
「…嘘」
驚きながらもエリンは十字架を構える。距離が近いのでスパイクを選んだ。
今度はクレイヴは突撃しなかったが、替わりに構えをとった。
刃を床と水平に、エリンに向けて刺すように。
彼我の距離は四メートル。互いに超人の一歩を踏み込めば一撃が入る距離。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「…参りました」
いつの間にかエリンの喉元にクレイヴの刀の切っ先が迫っていた。
クレイヴは一歩も動いていなかった。
「お疲れ。なかなか楽しかったぜ」
そう言ってクレイヴが退けた刀は、戦闘が始まった頃の打刀ではなく柄を含めて3メートルを超える長さを持った大太刀だった。
「何をしたんですか?」
「何、単純に伸ばしただけだ。因みにあれが限界だな」
「いやー二人ともお疲れ様。いい試合だったよ。データも十分採れたし。ね、リーバー君」
「ええ」
闘技場の端の方でデータを採っていた科学班と室長がぞろぞろと集まって来た。皆満足げに顔をほころばせながら各々に二人をねぎらっていた。
「クレイヴお前スゲェじゃん」「怪我は無いのか」「エリンの十字架に弾切れは無いのか」「そんな大きな十字架振り回して重く無いのか」等々。リーバーが止めに入るまで質問の嵐は止まなかった。