D-Gray Man -The Metal Exocist in 2031   作:zwart

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中東へ行くエクソシスト

その日、アレン、リナリー、クレイヴ、エリンの四人は室長に呼び出された。

 

「多分ね~有ると思うんだよねぇイノセンス。といっても多分だからね~たぶん。期待しないでね~たぶんだから」

 

「分かりましたよ『多分』は」

 

「…大丈夫かジョニー」クレイヴが本の山に埋もれたジョニーを足から引っこ抜いた。

その拍子に幾つかの本がクレイヴの足元に転がる。

「何々、『北欧神話』『古事記』『パラレルワールドと時空多重交差理論』『旧約聖書』『ラブクラフトの描いた世界』…って最後はクトゥルフ神話かよ。20世紀の創作まで持ってくるとか、どんだけテンパってるんだよ」

 

「…なんかねー巻き戻ってる街があるみたいなんだよねー。リーバーくん」

「ウィィッス。」

 

 

 

ふんふん。要は同じ日を延々繰り返してる街が在るっポイけどファインダーは中に入れない。だけどエクソシストなら入れるかも知れないから俺らに行けと。

 

「今回はエクソシスト単独の長期ミッションだ。街に入ったら最後、イノセンスの頂上現象を止めない限り外からのサポートは一切出来ないと考えていい。くれぐれも無理はしないように。」

 

「あ、後クレイヴとエリンは別任務ね。」

 

彼らの力はイノセンスが源では無い。よってファインダー達の様に中に入れない、何てことも考えての人選だろうか。

「君達には別のイノセンスを回収してもらうよ」

エリンが尋ねる。

「場所は?」

「中東のS国だ。そこに持ち込まれたあらゆる兵器が急速に酸化する区域が存在する。」

「大国の新兵器では無いと」

「ああ、そこに持ち込まれたまれた小銃、ロケットランチャー、ナイフは全て錆びて使えなくなるが、他の…例えばベルトの金具とか無線機は無傷で持ち帰られている。単なる科学技術ではこんな分別は不可能だ。それにそこへ電子制御の戦車で乗り込んだ場合、制御系に使われている金製部品も例外なく朽ちている」

「不屈の金属を錆びさせた、と」

 

「そう。詳しくは任務先のファインダーが伝えるから」

 

 

そんな訳で、中東。

 

ターバンを巻いた色黒の青年が空港で迎えてくれた。ちなみに俺達は機内では団服は脱いでいた。流石に上空で襲撃を受けて無事で済むとは思えなかった。勿論機体にローズクロスが描いてあったりはしない。

「ファインダーの」

「よろしく。早速問題の区域に案内をお願いしたい」

「構いませんが、その前に武装を此方でお預かりします。」

「対悪魔武器でも錆びるのか?」

 

「恐らくは。アクマと近くの集落で祀られていた宝剣が朽ちるのは確認されています。」

 

「分かった。エリン」

「はい」

「行ってこい」

 

「…は?」

「いや俺の武器義手だからさ。行けないんだよ。お前の十字架は俺が預かっておくから」

「外せば良いじゃないですか」

「外れないんだよ簡単には」

 

「はあ、じゃあよろしくお願いします」

十字架を受け取ってエリンと を見送った。

 

大きく伸びをして体をポキポキ鳴らしたクレイヴは、道を歩いている中の一人に声を掛けた。

「さて、宿でも探すかね。そこのオッサン、ここら辺に宿はあるか?」

 

「…一口に宿と言っても色々ある。どんなのがのぞみだ。」

「ああ、簡単だ。アクマを死ぬほど殺せる所があい」

 

いつの間にか老人の頭には黒い逆五乏星が浮き出ていた。その胴体からは沢山の砲身が生えている。

「ギャッ」

その前にクレイヴの左手が老人の眼前に持ち上げられ、飛び出した日本刀に眉間を貫かれていた。

ふとクレイヴが周りを見渡すと往来にいた人々は全て最悪の悪性兵器へと姿を代えていた。

 

「さあ、遊ぼうぜ」

 

 

 

クレイヴと別れれてから一時間程度。今のところ問題はない。

「あの、ちょっといいですか?」

だから、今の内に一番の面倒を解決する事にした。

「はい。何でしょうか」

「例の区域はこの先でいいんですね?」

 

「はい。ですがそこから先は私は同行出来ませ「それは貴方がアクマだからですか?」

 

 

「…何を仰っているのか解りかねますが」

「人間に紛れ込むのが下手すぎです。人間の皮被ってる意味あるんですか?」

しばし俯いて考え込んでいた。

 

「…ハッ、分かったから何だってんだ。今のテメエは丸腰だろうがッ!!」アクマが潜伏することを捨て、殺戮する為の身体を呼び覚ました。

 

はあ、とエリンは呆れた様に嘆息して、

「てい」

拳一つで変形直前のアクマの胴体を中のフレームごと貫いて砕いた。

 

「普通のエクソシストならどうだか知りませんが、私は聖遺物に肉体から強化されているセカンドですよ?ましてや私は『フォートレス』アクマの装甲程度に強度負けする訳が無いんですよ」

 

とはいえ、対アクマ武器を使った攻撃でない限り風穴の一つや二つはアクマにとって致命傷にはならない。故に彼女は乱打することにした。

「流石にフレームが粉微塵になれば動けないでしょう」

 

 

「ああ、何時以来だ?こんなに沢山の相手を単独で相手したのは」

手頃な足場の上に立ち、クレイヴ・ダウンは呟いた。

「そうそう、第二次世界大戦の時に湧いた連中を殲滅した時以来か。ザッと見てもコイツ等のクォリティーはあの時より低いが」

独り言だ。言葉を返すモノなど無い。

 

「腹が減ったな」

しかし辺りにあった市場は軒並み薙ぎ倒されていて、無事な果物一つ無い。変わりに見えるのは山程のアクマの残骸だった。レベルは2から3程度。要は雑魚だった。

 

「はあ」

食べれそうな物が何も残ってなくて少ししょげた。ついでに数しか能の無い敵の相手をして若干荒れていた感情を冷ます。

 

 

そろそろエリンも目的の区域に着いている頃か。

 

 

 

 

 

 

 

エリンはとりあえずアクマの言った通りの方向へ進むと、森林に突き当たった。

 

目的のイノセンスはこの森の中だろうか。

 

ザクザクと音のする砂地から、湿気がこもる森の中に分け入って行った。

 

 

結果的に言えば、エリンは目的のイノセンスを見つけた。

 

それはもう呆気なく。

 

エリンが最初に見つけたのは小さな人間の足跡だった。

 

後を追ったら子供がいた。

 

ピンク髪の色白の少女だった。

 

ピンク髪=普通じゃない

=人外=イノセンス絡んでるんじゃね?

 

 

 

 

「という訳で連れてきました」

 

「ツッコミたい事は山ほどあるが、とりあえずソイツのイノセンスの力はちゃんと止まってるのか?」

 

「大丈夫です。頼んだら止めてくれました」

 

「そけ」

 

まあ、恐らくエリンの判断は間違っていないだろう。

 

その子供が首にぶら下げている古風な短剣は見たところ腐食していない。

 

それにその短剣は何か異質なモノを感じさせる輝きを放っていた。

 

「さて、イノセンスの能力を制御出来てるということは、適合者か」

 

「どうしましょうか」

 

「俺らの使命に忠実に行動するなら、この子ごと連れて行くしかないな。…おい、何か反応してくれよ」

 

「あなたの顔が怖いのでは?」

 

 

ない、と信じたい。

 

 

「冗談です。普通に英語で通じますよ」

 

因みにここまでエリンは終始真顔だった。

 

 

「初めからそう言ってくれ」

 

この戦争地帯の森の奥に独りで住んでいて、現地の言葉ではなく英語を喋る…なんとも不思議な子供だった。

ともあれ、クレイヴは目の前の子供を勧誘しにかかった。

 

「さて、君は世界の為に命を懸けて闘いたくはないか?」

 

「いのちがけ?せかい?」

理解していないようだ。クレイヴは説明を付け足した。

「文字通りの意味だ。この世界には、毎日人間を材料に沢山の殺人兵器を造っている悪人がいる。ソイツはその兵器を使ってそのうち世界を壊しにかかるからソイツを止めなくちゃならない。それが俺たちの仕事で、君がこれからなる職業の内容だ」

 

「どうして、へいきをつくるとせかいがこわれるの?」

 

「わからない。が、本人がそう言っている」

 

「せかいがこわれると、どうなるの?」

 

「皆が困る。多分沢山の人が死ぬ」

 

「じゃあ、おにいさんはみんなをたすけるためにはたらいてるの?」

 

「ああ、そうだ」

 

「そっちのおねえさんも?」

 

「そうですよ」

 

ここまで問答毎に唸りながら考えていたが、今度の沈黙は少し、長かった。

 

「ぼくにもできる?」

 

「既にそのための『力』を君は持っている。後は君が選択するだけだ」

 

「…やる」

 

「本当に良いのか?闘いを選択すればもう後戻りは出来ない」

 

「…へいき」

 

「分かった」

 

 

 

 

 

 

その日の夜、クレイヴはアンテナのある近くの街でコムイに報告をしていた。

 

「最悪だよ全く。イノセンスはあんなガキも戦争に巻き込む」

イノセンスが宿れば伯爵に狩られるか、教団の駒になる以外にない。

 

『…それで、彼は戦うことを承諾したのかい?』

 

「ああしたよ。堅い言葉で語られて何が何だか判らずな」

 

元よりあの会話に大した意味など無い。一度イノセンスの適合者を見つければ教団はあらゆる手を尽くして確保しにかかるだろう。

 

『済まない。辛い役目を押し付けた』

 

「ああ、次はちゃんとテメエで原稿を用意しやがれ」

 

全く、ガキを勧誘して戦場へ送り込むとか胸糞悪い。

 

「それで、その子の名前は?」

 

「知らん。恐らく孤児だろう…まてよ」

 

「どうした」

 

「そいつの事を殆ど知らん」

 

「ヲイ」

 

「いや、待て。流石にある程度は解るぞ?彼は…彼?アイツは女だった筈…?」

 

「馬鹿かい君は」

 

「黙れ巻き毛」

 




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