D-Gray Man -The Metal Exocist in 2031   作:zwart

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サブタイ適当です。

あと二回続けて更新遅れてごめんなさい。


一撃

扉を開くという事は、つまり自分のセフィロトツリー上の階位を上げるという事だ。俺の階位はまだ、「マルクト」であり、つまり人間世界の住人である。それに対してヤツは、少なくとも二つは上の階位だろうか。

 

「なにを考えているんだい?」

 

ヤツの剣が俺の胸板を掠める。僅かに斬られた箇所から肉体が死んでいくのが分かる。この程度なら聖遺物を完全に解放している今ならば難無く死んだ細胞を捨てて一から再生する事ですぐに塞がるが、解放中で激しく削られていく体力が更に消費されていく。そんな事をもう何度も繰り返している。

隙が出来たヤツの胴に全力で斬りつける。珍しく直撃するが、肌を浅く斬った辺りで刃が止まった。体力はもう大分無くなって来ているらしい。恐らくあと3分立っていられないだろう。

ヤツの剣が俺の右肩を貫通するもう一度全力で、左手に持ち替えた大剣を上段から叩きつける。ヤツが避けたままに剣が肩から抜けていく。今の一撃で大分やられた。もう一撃振るうだけが精一杯だろう。

 

ならば、その一撃で終わらせなければならない―――。

 

空振りした勢いで大きく踏み込み、大剣を下段から右脇まで持ってくる。当然正面はガラ空きだ。だから、相手にも隙が生まれる。格上相手に俺は今まで防御主体で、後はカウンターだけで戦ってきた。だから俺の唐突の攻勢に瞬間ガチかブラフか判断できない。どんなにセフィロト上の階位を上げようが、精神は人間のままだ。ヤツが完全に取り込まれていようが、それは思考の方向性を引っ張られるだけであってベースは人間だ。むしろ思考が有る程度制限されている分だけ心理戦は成功しやすいかもしれない。所詮一発芸だが。

 

故に一撃で終わらせるのに最適だ。少なくとも今回は正解だったらしい。

 

剣がヤツの胴に吸い込まれていく。そして瞬間、

 

「――Break!」

 

短い祝詞を、俺は叫んだ。 それは聖遺物の固有の記憶――元の所持者たる神の能力/概念を引き出した。

 

その神は全ての命を冒涜し、生物として殺すのではなく、等しく物として壊しつずけた。生物は死んだら冥界に召されるが、物は壊れたらそれで終わりだ。後は朽ちるのみだ。

 

俺の聖遺物―――この剣は正しくその概念をもってヤツを壊した。しかしそれまでだった。壊しきれなかった。

 

ヤツの方が階位が上である以上、この「冒涜して壊す」力は効力が減少するのは当然の事だ。

 

――しかしそれでも、今までで最もヤツにダメージが通った事は確実だ。

 

「クッ、やってくれたね・・・!」

 

―――ざまあみろ

 

そこまでが俺の知覚できた間だった。

 

 

 

 

 

 

 

やれやれ、やってくれたね本当に。敵前で昏倒覚悟で聖遺物の概念解放してくるとは、いや驚いた驚いた。ついでに少し実害も被った。これじゃあ半日くらいは安静にしていないと痛くてしかたが無いや。良い子はしっかり寝るとしよう。

 

「と、言うわけで。其処のキミたち、この男の事をたのんだよ。じゃねー☆」

 

 

 

 

 

宙に浮いている男に声を掛けられて気がついた。気がついたという事は、今まで放心状態にでもなっていたのだろうか。少なくとも倒れてはいなかったので気絶ではないだろう。――ではなくて、

 

何故人間が浮いている!?

 

言っている間にも男は何処かに飛んで行ってしまった。

 

「そうだ、クレイヴさん!」

 

彼は見える範囲には居なかった。だが足元の巨大なクレーターを見下ろすと、その中心で彼は倒れていた。

あわててリナリーとクレーターを下りる。近くで見ると随分と酷い状態だった。体中に致命的な場所を含めて切り傷があった。恐らく、いや確実に先ほどの男にやられたのだろう。そして彼の大剣は、刀身の半ばで砕けていた。

 

敗北したのだろうが、まだかろうじて息はある。

 

ふと辺りが暗くなっている事に気がついた。

 

 

 

夜が訪れていた。

 

 

 




なかなか字数が増えない。

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