【希望ヶ峰学園P】:1
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私立希望ヶ峰学園、多分みんな知ってるような超有名な学校、いまや世界では京大よりも東大よりも知名度のある高校。
ここは頭さえ良ければだれでもテストを受けて入れるってわけじゃない、むしろ頭の良さなんて関係ない
入るための条件一つ、一つの分野で世界や日本に認められるような超高校級の才能を持つこと
つまりは私の年齢で世界に羽ばたけるような才能をすでに手にしている怪獣みたいな人たちがいる高校ってこと
勿論卒業後は希望ヶ峰学園卒っていうだけで人生は大成功だし、超高校級の皆はここで才能を伸ばして各分野のプロフェッショナルになっている。
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多分間違ってなければ、希望ヶ峰学園ってこんなところだったと思う、私には関係ないような遠い世界の話で。
それなのになぜか、どうしてかは分からないけど、私宛に希望ヶ峰学園の入学案内が届いてる
マジでわけわかんないし、私に心当たりなんて一切ない。
中学の時は多分そこまで目立つようなこともしてないし、部活にだって入っていなかった、唯一の友達は趣味に没頭して1年の冬には学校で話すことすらなくなった
だからこそ高校では一転してイメチェンし、漫画の様な生活をするんだって決めて必死で雑誌を読む春休みだったのに、突然こんなものが届いたからお父さんもお母さんも大騒ぎだった。
「まあ……なんとかなるっしょ」
雑誌の受け売りだった、なんとかなるわけがないなんて思いながらも私は、入学案内書の封を開けて中を見てみる。
『超高校級の幸運』として。
「あなたの才能は、もはや一個人の可能性という枠に収まりません
その輝きは社会を動かし、人々を熱狂させ、時に時代そのものを書き換える力を秘めています。
私立 希望ヶ峰学園 は、各分野において頂点へ到達した高校生──“超高校級”のみを迎え入れる特別な学園です
厳正なる調査・選定の結果、あなたの才能が本学園の理念に相応しいものであると認められました。
ゆえにここに、あなたを希望ヶ峰学園へ正式にスカウトいたします。
“希望”は選ばれた者の中に宿る
その証明を、どうかこの学園で示してください」
なんだか重ためのことが書いてあるななんて思った、意味はよく分かんない、要するにくじ引きで大当たりを引いたラッキーガールってこと??
運がいいだけで人生がバラ色になる、宝くじよりすごいじゃん、いや。宝くじの方がすごいのか? なんて大騒ぎするお母さんたちを後目にぼんやり考えていた。
多分まだ私の中に現実感がないからかもしれない、こういうのなんていうんだっけ? 台湾の火事? なんか違う気がするけど、そんなニュアンスの言葉だった気がする。
覚えてるのはここまで、あとは本当にぼんやりとしか覚えていない。
希望ヶ峰学園の制服はいろんな種類があるんだなーとか、入学式はちょっと遅めなんだなーとか、やたら家族がバタバタしてて友達とまともに連絡スラとってなかったなとか
とにもかくにも一瞬で時間が過ぎてって、入学式当日になって、あとは────
「……くらっ」
気が付いたら冷たい床の上で、周りは真っ暗、窓っぽい場所には鉄板みたいなものが打ち付けられていて
非常口の緑の灯りだけがお化け屋敷みたいにここを照らしていた。
そもそもここはどこなんだろう、なんで私今こんな場所に居るんだろう、入学式は? なんてぼんやりしながらも必死で考えてみる
寝起きのせいかそれとも別の何かなのか全く分からないけど、現状が全く理解できない。
「……なにこれ?」
地面に突っ伏しているままだとなんだか少し汚い気がして、その場で体を起こして座り込んでみた、床が冷たすぎてタイツをはいて来ればよかったなんて思っちゃったり
それよりもスカートのポケットに入っている固い大きな感触が気になった。
「スマホ? ……アイパッド??」
取り出してみると、それはタブレットみたいな大きな機械
私はスマホしか手に取ったことしかないけど、ゲームが大好きな友達が時々これでゲームをしていたのを見ていたことがある。
多分スイッチだろうなぁなんてボタンを色々押してみると画面が明るくなる。
●『超高校級の──―』●
●『芽吹苗香』●
壊れてしまってるのか画面に少しノイズが走って、私の名前が出てくる。
『超高校級の幸運』
画面が遅れてキレイに表示されて、招待状にかれていた才能が表示される。
電子生徒手帳と画面に表示されて、私の名前と才能が書かれていた
他の項目は鍵のマークが書いてあって何を押しても反応しない、ロックされているってことなのかな?
「よお、なーにボケっとしてんだ? 誘拐でもされてきましたーみてぇな顔してよ」
いろんなことを思い出そうとタブレットの画面を見て座り込んでいると、後ろから男の人の声が聞こえてきた
「まあ実際誘拐は誘拐なんだけどな、一人じゃねえぶんちょっとは楽になんだろ? なんねーか」
そこにいたのはたばこを吸いながらのそのそと歩いてくる男の人、学校の制服を着ているってことは希望ヶ峰学園の生徒? けどタバコ吸ってるってことは大人?
え、ヤンキーの人? あ、私がギャルみたいな格好してるからもしかして仲間だと思ってる?? どうしよう私全然小中までは真面目に生きてきたから、悪いギャルっぽい事できないし知らないけど……
とりあえずネイルがーとか……つけまがーとか……。ってこの人誘拐されてるみたいなこと言ってなかった?!
「おん、急にめっちゃ見てくるじゃねえか、ひとりじゃねーって安心できたか? あ、俺がめっちゃ強そうだから守ってもらえるかもーとかか? そりゃあ無理だぞ。
俺だって何がどうなってんのか全く分かんねえんだから、まあ……お前よりかは先に目さめたみてえだからお前よりかはわかること多いかもな」
「ここ……どこですか?」
「しらねぇ、希望ヶ峰学園の中ってことは分かってんだけど、それ以外は全然。外に出る出口さえ見つけられてねぇよ」
「私と……。私と……えっと……お兄さんが誘拐されて……ってことですか?」
「ん? いーや、他にもめちゃくちゃ居るみてぇだな、全員同級生ってことしかわかってねぇけど。
あ、あと俺は枯山な、枯山落葉。才能は分かんねえ、これにもなーんも書いてねえけど、新入生って記憶だけはあるから新入生なんだろーな」
枯山さんは自分の電子生徒手帳をひらひらと振るように私に見せつけてきて、すぐに学ランのポケットにしまい込んだ。
「他のみんなは……どこにいるんですか?」
「んー? 体育館、ここ行って曲がるとすぐにつく。俺は一服してぇからタバコ吸いながらうろうろしてたらお前のこと見つけたってわけ」
「……あ、芽吹です。芽吹苗香。確か超高校級の幸運で、今日の入学式に来たら────って感じで……」
「才能とやらもアテになんねーよな、幸運が誘拐されてちゃ世話ねーもんな」
「です……ね」
もともと自分が幸運だなんて思ったことはないけど、この状況じゃあ幸運っていうより不運だよ、誘拐なんてテレビドラマか治安の悪い国のニュースでしか聞いたことないのに。
でもほかにも人がいるって知れたことは幸運なのかな? それとも今ここで枯山くんと出会えたことが幸運? 出会えなかったらしばらく途方にくれていたかもしれないし……
「んまぁ。とりあえずみんなのとこでき行くか? 多分ここにいても何も変わんねぇだろうし」
「案内お願いしても……いいですか?」
「ん、もうすぐで吸い終わるから待ってな」
しばらく二人で何を話すわけでもなく、独特なちょっと重たい空気が流れ始めて
何か喋った方が良いのかなぁ……なんて思いながらも、「何歳なんですか?」なんていきなり聞けるわけもなくて。
「ん、お待たせ……んなら行くかぁ」
「お願い……しまーす」
まだ全然分からない状況で、全然頭も追いついていないけど
他に誰かが、すごい才能がある人たちならこの状況を何とかしてくれるかもしれないななんて淡い期待を抱きながら、私は枯山くんの後ろをついていくことにした。
今回ランダムで決めた個所
・芽吹と出会う人物