ダンガンロンパ:P   作:海苔子

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【希望ヶ峰学園P】:4

「んで? なに? それ必要あんの? めんどくせぇな」

 

「なーにをそんなケンケンケンケン言うてんの!! 花の女子高生が二人して挨拶に来たってんねんからもっと喜びぃな!!」

 

 6人目はひょろっと下無愛想な男の人。

 なんて言えばインだろう、こういう事いうのってあんまりよくないんだろうけど、クラスの隅っこで見たことあるような雰囲気の子

 温井くんとは違う感じの等身大の男子高校生って雰囲気がある人だった。

 

「あのさ、俺ら誘拐されてるわけな? そん中で仲良くしましょー! ウチらマブ~みてえなの苦笑いしかでねえっての」

 

「ええやないの! 一蓮托生! 何があってもウチらで助け合って生きていくんやから!」

 

「なんでそんな思い入れあるんだよ……。まだ顔合わせて一時間も経ってないってのによ」

 

 それはそうだと思ってしまう、実際私もまだ状況は飲みこめてないし、道頓堀さんのペースに飲み込まれているだけな気がする。

 

「ごめんね? ずけずけしちゃって、私は芽吹、幸運で入学したんだけど。えっと、君は?」

 

「千葉。超高校級のドローン操縦者。ま、ドローンもねえし今はざっこい一般男子高校生だから何か期待しても無駄だぞ」

 

 

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 頭を書きながら目をそらしているけどちゃんと自己紹介には応じてくれたみたい

 悪い人ではなさそうなのかな? でもあんまりしゃべりかけるとダルがられそうだし、あんまり積極的に話しかけない方が良いのかな

 

「ドローンってあの……飛行機みたいなの?」

 

「ん? そ、あれ有れば撮影でも物資の運搬でもなんでもできるってのが俺」

 

「しかも同時で8台操縦できる神の腕をもってんねん! な?」

 

「6台な、別にやろうとしたらできっかもしんねえけど……。てかナチュラルに話盛るなよ、変に期待されてもめんどくせぇだろ」

 

「男なんて期待されてなんぼやないの! もっとこうドーンとしとき!!」

 

「いちいち声がデカいんだよ、鼓膜ちぎれる」

 

 終始めんどくさそうにしているけどきっちり応対してくれるところを見るとなんだかんだ面倒見はよさそうだなぁなんて。

 

「色々話してくれてありがと、千場君も面倒くさそうだし、そろそろほかの人のところ行かない?」

 

 多分道頓堀さんと千場君は水と油だし、この場にずっと留まっているのも悪いなぁなんて思って私達は千場君の所を後にした。

 次はあの……機械に乗ってる子……のとこに向かってるのかな? 

 

 

「おー! ちびっ子! お姉ちゃんが来たったで!!」

 

「やめたまえ! ぼく様はちびっ子ではない! 超高校級のロボット設計士!! 安藤ロイドという名があるのだよ!!」

 

 

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 ウィーンガシャンと音を鳴らしながら機械事後ろに振り向いてくれた安藤君。

 操縦席に座っている安藤君は明らかに高校生っていうより中学生……いや、小学生みたいで

 

「……はじめまして~。えっと」

 

 同年代として接するべきなのか、それとも年下として接するべきなのかが分からなくて言葉に詰まってしまう

 年下のように接して同年代だったら凄く失礼なことをしてるかもだし、同年代と接して年下だった時は怖がらせてしまうかもしれないし。

 

「ふん! なにを臆しているのだ、超天才飛び級小学生であるぼく様に臆しているのか?」

 

 年下だったぁ、まあそうだよね。この見た目で同年代はさすがに童顔とか超えてる次元だもんね。

 

「飛び級って日本の高校じゃないの……かな?」

 

「日本の高校?? そんなレベルの低い集団に属するわけがないだろう! ぼく様はあのアメリカのバーバード工科高校の超天才エリート様なんだぞ!?」

 

 バーバード工科高校……って、どこだっけ? バーバー大学は聞いたことある気はするけど、多分日本でいう東大みたいなエリート大学だったよね? 

 つまりそれの高校ってことは……。とにかく頭が良いってことでいいのかな? 

 

「どうしても希望ヶ峰学園に編入してほしいというから来てやったものを、こんな事態に巻き込まれて、周りはぼく様よりレベルの低いバカどもばかり! 一刻も早く帰国してやりたいよ! まったく!!」

 

「まあそんなケンケンせんと、ほら。飴ちゃんあげるからご機嫌なおしい」

 

「ぼく様を子ども扱いするな!! あとそれじゃない味が良い! ソーダ味にしろソーダ味に!!」

 

 あ。なんだかんだ飴はきっちり受け取るんだなんて思うと少し笑ってしまいそうになった。

 

「まあ誘拐であれ何であれ、ぼくちゃま.ぼく様が居れば安心安全モーマンタイなのだよ! 大船に乗ったつもりでいたまえ!」

 

 飴をカラコロと舐めながら、機械の上でふんぞり返っている安藤君

 なんだか友達の生意気な弟を見ているみたいでちょっとほほえましい気分になる、ここにいるってことは本当にすごい人なんだろうけど

 

「飴ちゃん食べながら喋るんやめときや! 喉つめるで!」

 

「またね~? 何かあったらお姉ちゃんたちに言ってね?」

 

「おい!! ぼく様を子ども扱い────ゴホッ!!!!」

 

「ほらぁ!! 言うたやん!!! 喉つめるでって!!! もー!!!!」

 

 なんとか二人で安藤君ののどに詰まった飴を取り出して、難を逃れた。

 道頓堀さんから「落ち着いて食べなさい」なんてお説教を食らっている安藤君は年相応で少し可愛いななんて思ってしまった。

 

 

「ほんでまたなんでそんなけったいなことをしてるん? コウモリみたいなってんで?」

 

 次に私たちが向かったのは、バスケットゴールに足を引っかけて逆さ吊りになっている女の人。

 どっかのサーカスからやってきたみたいなおしゃれで派手派手な服を着ている

 

「おっと! 申し訳ないね、これはワタシの癖みたいなものだから気にしないでおくれよ」

 

 そうとだけ言うとその人は振り子の要領で体を前後に揺らし始めて、そのままその勢いのまま宙に回転しながらくるくると飛んだ

 3回転位したかと思うと、そのまま綺麗に私たちの前に音もたてずにピタッと着地した

 

「どうもお嬢さん達? まあゼニーとは二回目ましてだけど、改めて自己紹介を。ワタシは超高校級の曲芸師。紅絹蛇魅! どーぞお見知りおきを」

 

 

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 まるで舞台の上で何かを演じるような大きな身振り手振りで紅絹さんは自己紹介をしてくれた。

 思わず拍手が出てしまうような、洗練された一連の動き

 やっぱりサーカスとかの人は舞台慣れしてて、別の次元の人みたいに思えてしまう。

 

「君のお名前は?」

 

「あ、芽吹苗香です。超高校級の幸運でここに」

 

「へぇ、ナエカはラッキーガールかぁ、いいね。傍にいるだけでゲンを担げそうだよ」

 

 私自身そんなに運がいいと思ったことはないし、そんなパワーストーンみたいな効能はないと思うけど……。

 

「もう結構ご挨拶は済んだのかい? さっきからせわしなくみんなの所を回っているようだけど?」

 

「あー、えっとあとは~……5人くらいかな?」

 

「どう? 面白そうな人たちばかりだろう? こんな状況だけどワクワクしてたまらないよ」

 

「面白いっていうか個性的っていうか、いろんな人たちがいるなぁって思うかな」

 

「ここは希望ヶ峰学園だからね、才能も個性も際立った精鋭揃いなんだろうね」

 

 そうとだけ言って紅絹さんは助走をつけてまたバスケットゴールに宙吊りになってしまう。

 

「ほら。次に行っておいで、ワタシはここで見守ってるからさ」

 

 逆さづりのままヒラヒラと手を振る紅絹さんを後にして、私達は次の人たちの所へ行くことにした。

 

 

「よーやく来たわね! 関西ブス!!! 人の事三回見たら死ぬ絵扱いしてくれちゃって!!!」

 

 次は……え。これは何? 男の人? 女の人? めちゃくちゃおっきいから多分男の人……なんだよね? 

 いやでもスカート履いてるし、女の人? 海外とかの女の人なのかな? 

 

「なーにあんたも素っ頓狂な顔してくれてんのよ! 高校デビュー失敗ブス!!!」

 

「あ……え……ごめん……なさい?」

 

 人生で可愛いって言われたこともないけど、こんなに直球にブスって言われたのも初めてでどう反応していいかわからない

 

「はい、そんなわけでこのオネェさんは蝶ヶ崎美々杏さん。ちゃんと男の人やで」

 

ちゃんと男の人やで」はこっそり耳打ちしてくれたけど、多分蝶ヶ崎さんの表情を見るに聞こえている気がする。

 

「はぁ……着こなしも悪けりゃデリカシーも無い、男女で括るんじゃないわよっ! 神に性別はなくってよ?!」

 

 

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「芽吹です、この学校には──―」

 

「才能なんて興味がないわ! それより何? その田舎の芋娘が頑張りました見たいな流行遅れの平成ギャルみたいな恰好は? 女子高生よ!? 女が誰しも輝く一番最初の時期だってのに! 

 まずメイクがだめ、アイラインがぶれてる。着こなしもダサい、せいぜい田舎のジャスコでしか映えないような恰好。

 まーだ道頓堀みたいに下品に胸元開けてる方が潔くってよ!!!」

 

 止まらない、蝶ヶ崎さんの変なスイッチが入ったのか一切合切止まらない批評

 

「それにねぇ、なに? その髪型! 10年前のギャル雑誌でも見てきたのかしら? 絶滅危惧種よ!? 初期のAKBでもそんな髪型の女はいないわ!!」

 

「蝶ヶ崎さんはなスタイリストやから服装にはホンマにうるさいね──―」

 

「オダマリ! 道頓堀!! まだ話は終わってないでしょうが!!!」

 

 あの道頓堀さんが一括入れられて完全に黙らされてしまった。

 多分この人は誰よりも強いんだな、それはヒシヒシと身体を突き抜けて脳に直接理解させてきた

 

「なーに? そのバカみたいなルーズソックス! それなら黒タイツ履いてきなさいよ! あとそれ! その百均で買った使いどころのない腕につけてるシュシュ! なーにがおしゃれなの? どこをどう切り取っておしゃれだと思ったの?」

 

「これは雑誌の受け売りで」

 

「雑誌のスタイルは洗練されたモデルだから似合うのよ! そのまんまコピーしてもなーんの意味もないわよ! temuで買いましたみたいなネックレスも気に食わないわね」

 

 全部当たっている、購入元が全部バレている、超高校級ってやっぱりすごいななんて言葉の嵐の真ん中でぼんやりとそう思うことしかできなかった

 

「もーいや! 目がブスになりそう!!! ほら! さっさと去りなさい!! うつるわブスが! 空気感染してステージ4のブスになるわ! このまんまだと!!!」

 

 嵐のようにまくし立てて、ドシンドシンと地震のように私たちの前から去っていく蝶ヶ崎さん。

 多分私は今、一生分のブスを身に受けた気がする

 

「大丈夫……大丈夫やで、ちゃんと可愛いと思う、ウチは!!」

 

 そのフォローが逆に傷ついちゃうよ、あとそんな気まずい顔で目をそらさないでほしいな……なんて思ったけど、善意として受け取っておこう。

 ありがとうね、道頓堀さん

 

 

 

 

 

 

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