ケンガンシークエル   作:如月雪

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幕間②神聴(しんちょう)のシュライク

「じゃあ、これは聞こえるか?」

 

刀也が再び踏み込む。

今度は先ほどより速い。

 

――モズが避ける。

――身体を捻る。

――半歩後退。

 

「まだまだ……!」

 

刀也の拳が連続して襲い掛かる。

俺の音全部聞こえてます。

当たるわけないですよって顔してるな……

 

「だったら……!!」

 

――相手の予測を上回る速さならどうだ?

 

「……ッ!」

 

モズの眉が僅かに動いた。

刀也の拳が、初めてモズの頬を掠めた。

銀色の髪が数本、宙を舞う。

 

「……シッ!!」

 

モズの拳。

 

――キレがあって強いのも理解した

 

刀也は反射的に顔を逸らす。

 

拳が頬を掠めた。

 

「……っ!」

 

防ぐ。

それでも、完全には捌ききれない。

 

「……やっぱり強いな」

 

刀也は笑った。

こっちの動きを読んで、先に潰してくる。

 

だったら――

こういう時は力が解決するんだよ!――

 

刀也が拳を握り込む。

 

「――先読みして防がれるなら」

 

拳を振り抜く。

 

「……ッ!?」

 

刀也の拳が、モズへ向かって一直線に走った。

こいつの防御ごと吹き飛ばせるだけの力を込める。

 

「――ッらぁ!!」

 

ドォンッ!!

 

拳がモズの腕を弾き飛ばした。

 

「な――」

 

そのまま勢いを殺さず、刀也の拳がモズの身体を捉える。

 

――轟ッ!!

 

「――ぐ、ぁッ!!」

 

モズの身体が、弾丸のように吹き飛んだ。

足が地面から完全に浮く。

そのまま為す術もなく後方へ飛ばされ――

 

「がッ!!」

 

――ドゴォンッ!!

 

背中から壁に叩きつけられる。

壁面に亀裂が走った。

 

「……っ、は……」

 

モズの身体が壁にめり込み、僅かに沈む。

モズが壁からずるりと落ちる。

立ち上がろうとするが、膝に力が入らない。

 

これ以上は……――

≪本業≫に差し支える可能性があるな――

 

「……参った」

 

観客がざわめく。

 

「私の負け」

 

「悪いな。俺のほうが一枚上だった」

 

『勝者!! “紅月”刀也!!』

 

???――

 

「……あの人」

 

「はい?」

 

「さっきの人、また来るのかな」

 

「気になるんですか?」

 

「うん。だって――」

 

刀也の方を見る。

 

「ああいう人、どう動くのか全然読めないし……私より強いかも」

 

!?――

 

「姫奈、きになったのか?」

 

「……刀也さん、また来るんですよね?」

 

「交渉してみるよ。」

 

「…お願いしますね、のぞみさん。」

 

――

 

「ん? ……なんだ?」

 

視線が気になるな……

なぜこっちを見て、視線が離れない?

まぁいい……

 

「どうだい?仕上がりは?」

 

桧山か

 

「上々といいたいところだが、まだまだ強くなれそうだ。」

 

「もっとつよいよ」

 

「上等だ。」

 

 

――事態は加速していくこととなる  To be continued...

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