アンソニーの図書館接待記録【Library Of Ruina】   作:ハンノーナシ

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私が本編で愛用してたバトルページとか色々なバトルページをささやかに出してます。
わかった人は、うれしいね!


第一章:都市災害ランク『あらぬ噂』【両手がポケットをまさぐり、道へと歩き出します】
接待【ユン事務所】


 

接待が始まると、俺達は総記の階の接待の場所に配置される。

ネズミの力なんかで戦うのは、少し癪に障るが……翼に入ってE.G.O頼りに戦っていた俺なんかよりかは自力は遥かに高いだろう。

ま、精神の強さは圧倒的に俺だけどな。

そんなつまらないマウントを取りながら、警棒を相手に向ける。

 

「代表ってほんとに来んのかなぁ……」

「俺達で耐えるしかないだろ?」

 

そんな事を言っているユン事務所のフィクサーを他所に、俺は有り余る気力で最初から全力の攻撃を仕掛ける事にした。

たった三回ぶん殴るだけ。

切る、切る、突く。

至極真っ当でシンプルな攻撃。

 

ローランも同様に最速で決める事にした様だ。

 

「ゆる〜くやろうぜ?考えすぎないのが一番だからな」

 

お互い向かい合う、そして……全力で走る。

ユン事務所のフィクサーは受け流す体制を取る、どうやら俺の攻撃を防ぎ切るつもりの様だ。

 

「おら……よっと!!!」

 

──全力で腕に斬撃を喰らわせる。

傷を付ける程度出来たら良いと思ったのだが……相手は防ぐ体制から避ける体制を取った。

それが裏目に出て、モロに俺の攻撃を喰らった。

 

「い゛っ……」

 

この警棒、やべぇ……思ったよか、強い。

そんな事考えてる暇はない、次の攻撃を仕掛けないと。

無力化するなら……まずは攻撃をする四肢から!!!

 

もう片方の腕を切り落とそうとする物の、骨で止まる。

どうやら力を込めて切り落とされるのを少し軽減したようだ。

でも、これは避けられないはず……!!

 

「で、め゛ェ……!」

 

釘バットが利き手では無さそうな手で雑に振り回され、俺の体に少しぶつかる。

痛みはあるが、それ程でもない。

 

ユン事務所のフィクサーは俺を睨みつける。

俺は……その目線に罪悪感と共に、他責思考に陥りかけていた。

死にたくない、こんな場所で野垂れ死ぬくらいなら……殺してでも生き残らなきゃ。

 

お互いもう一度距離を取る、そして次の幕が始まる。

 

俺が殴ったユン事務所のフィクサーは殺意の篭った目で俺を見つめる。

そして、もう一人のユン事務所のフィクサーの目が俺に向く。

俺を狙っている……復讐でもする気か?浅はかだな……。

 

「片方のアイツはもう死にかけだ、処理は任せとけって」

「なら、任せる……絶対ぶっ飛ばしてくれよ、アイツ俺の事恨んでるだろうから……」

 

そして、もう片方のフィクサーと目を合わせる。

『マッチ』してやろうじゃないか。

 

勢いを乗せる攻撃で一番相性が良いのは……貫きだ。

昔見たセンク協会のインタビュー記事でそんな事が書いてた気がする。

俺は勢いを載せて走り出すと、フィクサーの胸元を貫く。

深い傷を負わせても、フィクサーはまだ食らいつく。

 

反撃を差し替えそうとした所を、防ぎ、弾く。

そうすると、出血多量か……意識が朦朧としたようだ。

 

「次で……!」

 

そんな時、ハッとしてローランの方を見る。

ローランがトドメを刺す瞬間を見る。

出血した部位から体が段々と……『本』へと変わっていく。

そんな光景に恐怖心と共に、自分もこうなるのか?という疑念が湧く。

こんな事にはなりたくない、本なんかに変わりたくない。

 

そんな時……『傷跡』がひしひしと痛みを覚えていた。

 

段々と高まっていく生存本能、それは……感情だろう。

人間は死にかけた時こそ子孫を残そうとする……そんな話があった、

生きたいと思うほど『自分が生きた情報を残したい』と思うだろう。

そんな感情が本の内容を潤沢にしていく。

直感的に、そう感じた。

 

「あとはそいつだけだ!」

 

そうローランに言われ、意識がハッとする。

剣を強く構え、次の幕へ。

俺はローランより先に飛び立つ。

今の相手なら、軽い攻撃でも相手を死に至らせられるだろう。

 

首を斬る、切り傷を残す。

致死には至らない。

なら……心臓を突けば。

 

生々しい感触が手元に残る。

人間を殺した感触、嫌な程手に染み付く。

 

そして……ユン事務所の本へと、フィクサーは変わっていく。

 

「……あんま背負い込むなよ、こんなの日常茶飯事になるだろうからな」

「……わかってる」

 

都市で生きるフィクサー達は人の死なんかに微塵も心は動きはしないだろう。

依頼や自己保身の為に人を殺す、これが当たり前の日々だから。

そんな事に罪悪感を抱いている自分に優越感を感じてしまっていた。

そんな自分に触れた……。

 

【心の底から助けを求めるこの沢山の手を、誰も見てくれないの】

 

ユン事務所のフィクサーの『青ざめた手』が、俺を責め立てていた。

 

──────……

 

次の接待の準備をする、相手はユン事務所の代表。

底辺事務所とは言っても代表だ……実力がある相手には違いない。

油断せず、確実に。

 

「先に着いた奴らは全員始末されたのか……?はぁ、引き伸ばす必要もないな、終わらせるぞ」

「全力でぶちかましてあげるからね〜!覚悟しなよ!」

 

部下が死んだのに何も感じていないのか?

……気分が悪くなる。

警棒を強く握り、ユンに近付く。

今度も、集中攻撃で──。

 

「遅い」

 

当たらない。

当たらない。

当たらない。

 

──まずい、大きな隙を……。

 

ユンの拳が鋭い斬撃のような風を纏って俺に近寄る。

せめて手で受け流──。

 

重い音が鳴る、傷跡が──。

……痛まない?

痛みも何も感じない。

ジンジンと痛むはずであろう痣も無い。

 

「なんだ?今のはかなり確実に殴れたと思ったんだがな……」

 

安堵していた最中……隣から、チェーンソーの様な物が俺に近寄る。

 

「アンタ、ガラ空き!!」

 

やばい、殴られる──。

そんな時。

更に隣から、エリーという女の腕を突き刺す黒い警棒が現れる。

 

「危ない所だったな?」

 

ローランが、俺を庇ってくれていた。

エリーがそんなローランを殴り返そうとした所を、防御で受け流していた。

 

そして、1幕目が終わる。

ユンは無傷、エリーは確実に損傷を得ている。

無能のまま終われない、チャンスを……掴むんだ。

 

「前に出る」

 

ユンはタバコを吹かすと、拳を強く握る。

どうしたら良い、きっと強い攻撃が来る。

受け流す?でも……俺の力量じゃあの速さの攻撃を受け流すのなんて無理だ。

痛みは無いけれど、何故か……少し体に力が入らない。

今攻撃を喰らえば、かなりの損傷をしてしまう気がした。

 

「アンソニー、俺に計画があるんだが……俺が先にユンの奴をぶん殴ってやる。お前は俺がアイツを気絶させらんなかった時の尻拭い役になっちまうけど……行けるか?」

「エリーの奴はどうするんだ?」

「アイツは腕を損傷してろくな攻撃が出来ない筈だ、今は無視でいい」

 

……ここはローランを信じて、やるしかない。

俺は走り出すと、大声を出してユンを挑発する。

 

「武器買う金もねぇのか、貧乏事務所が!!」

「……安い挑発だな」

 

ローランを死角に隠し……突撃する。

ユンの力強い拳が俺に当たる刹那。

ローランが横から現れ、ユンを切り裂く。

 

「おし、決まったぞ!やれ!!」

「勿論、挑発から卑劣な一撃を……お見舞いしてやらぁ!!」

 

ネズミの相手の頭をぶん殴るシンプルな技。

──こんなボロボロの相手には、効果的だ。

 

「かはっ……」

 

ユンは血を吐瀉し、その場に倒れる。

そして……体が本へと変わっていく。

 

「俺が、負けただと……?無様だな……」

 

ユンは本へと変わった……後は、エリーだけ。

 

「逝く奴は先に逝くし……私は、生きなきゃ……」

 

そして、第三幕目。

 

俺とローランはエリーに一斉攻撃を仕掛ける。

エリーの四肢を切り裂き、貫く。

そうして……呆気なく本となった。

 

「こんなの不公平……どうしてアタシがこんな目にあわなきゃなんないのよ!!」

 

……ユン事務所は、これで終わりなんだろう。

図書館にさえ入らなければ、こんな事にはならなかったろうに。

 

「……よし、戻ろうぜ」

「……あぁ、アンジェラ様に本を渡さなきゃなんないしな……」

 

そうして、俺の初陣は……少し、心は痛むが。

大勝で終わったのだった。

このお話に出てきたバトルページ、全部わかったかい?!答え合わせは次回だ!!!

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