日和に憑依転生、百獣海賊団√ 作:Sasa
目が覚める。
寝起きでいきなり全身が痛いし、覇気はカラッカラだし、力は入らない……のは海楼石か。
痛む体を無理やり起こし、周囲を確認する。
牢獄のようだ。ですよね。
見回すとこちらを見下ろしていた大男と目が合う。
全身黒ずくめに翼、燃える背中。
百獣海賊団大看板。”火災”のキング。
ずっと見てたんでしょうか。
「起きたな。カイドウさんがお呼びだ、さっさと動け」
「そんなこと言われましても、全身痛いのですが…」
「お前にそんな自由があると思うか?いいから動け」
「……わかりました」
もうちょっと労わってほしいというか……
まぁ捕虜なんてこんなものですね。
言われるがままにキングに付いて行く。
時折こちらに視線を向けて来るけれど何なのだろうか。
全身痛いというのにそれなりに歩き、着いたと思えばカイドウの前に放り投げられる。
海楼石の手錠もされて、力も抜けているというのに……
まぁ恰好つかないので頑張って立ち上がる。
立ち上がるのを見たカイドウは上機嫌で話し始めた。
「ウォロロロロ……来たな。お前に選択肢をやる……百獣海賊団に入るか、奴隷となるかだ」
まぁそうでしょうね。
実質一択しかないけどこれ。
「二つに一つだ。どちらか選べ……」
「……一つだけ条件があります。それさえ飲んでくれれば、私はあなたの配下となりましょう」
「良いだろう、聞いてやる」
よかった、聞いてはくれるっぽい。
「……では。今からおよそ十年後に戻ってくるであろう赤鞘九人男、そして黒炭オロチ。これらを切らせて頂けるのであれば」
「ウォロロロロ……なるほどな。いいだろう、ただし───」
カイドウは一度酒を呷り、続ける。
「───十年後、それまでに大看板を超えてみろ。そして赤鞘九人男、あいつらを殺した後でなら良いだろう。オロチの奴をお前にくれてやる」
「…譲歩はここまでだ。さァ選べ」
あと十年。
それで大看板を、キングを超えろと。
……いいでしょう。望むところです。
「───その言葉を信じてもよろしいのならば」
「ウォロロロロ……、お前がウチに入るならな。約束は違えねェ」
「……わかりました」
膝を地に付き、頭を下げる。
「”カイドウ様”。今後の一生を、貴方に仕えましょう」
カイドウ様は満足気に笑い、酒を呷る。
「ウォロロロロ……!!それでいい…!!」
「……キング。こいつの手錠を外してやれ」
「ああ、カイドウさん」
指示されたキング様は鍵を取り出し、手錠を外す。
手を握り、力の具合を確かめる。
力が入るようになったとはいえ、まだ全身は痛いままだ。
回復にはしばらくかかるだろう。
「……ありがとうございます。キング様」
「───フン」
「それで、私は何をすればよろしいのでしょうか」
カイドウ様はこちらを一瞥して言う。
「まずは休め、まだ覇気も戻ってねェだろう。あァ、指示は追って伝える」
「……わかりました」
「あァ。キング、こいつに部屋を一つやれ。案内してやれ」
「ああ、承知した」
「ついてこい」
「はい」
指示を受けたキング様は私にそう言い、歩き出した。
また結構歩く羽目になりそう……
というかキング様でかい。6mとかだっけ…?
私が今170cmとかなので、3倍…?
もう少し伸びてほしいですね。何というかリーチが…
お母さまが190cmとかだったような、それくらいは欲しいところです。
とか考えている間に着いたようで。
「ここだ。さっさと入れ、そして休め。それが今のお前の仕事だ」
「はい。ありがとうございます」
とりあえず礼をいう。
大事ですよねお礼。
「……フン」
それだけ言うとキング様は去っていきました。
「───これで、良かったんですよね」
正直オロチを殺せるのが10年後というのがアレですが、この手で切れるのなら良いです。
それに、逃げながら鍛錬するよりは百倍良いです。
すでに原作からズレてるんです、好きにやりましょう。
……私は、この世界で生きて行きます。
次回は小話…かなぁ?
閻魔の行方とかですかね。
それとしてエミュ出来てますかねこれ、不安だ…
そしてやっぱり地の文少ないですよね。次からちょっと描写もっと細かく頑張ってみます。