Join Us   作:フキヤヒロミ

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第2話

「こればかりはウォーロックの負け、だな。ま、見てる分には賑やかで楽しかったけどな」

 

 大吾さんがロックくんの背中を力強く叩く。勢いに負けて、ロックくんはよろつき前に押し出されていた。

 

「おい大吾!痛えじゃねえか!」

 

「すまんすまん。そんなに力を込めた覚えもなかったんだがなあ」

 

「オマエなあ……」

 

「ほらほら二人とも、そのあたりにして。せっかく支度も済んでるんだから。ミソラちゃんもごめんなさいね。ひとまず空いてる席にどうぞ」

 

 台所から、あかねさんが声をかけてくれた。お言葉に甘えて、席に向かう。どこに座ろうか迷っていたら、スバルくんが椅子を引いてくれた。

 

 ピンクのポシェットを外して、ひとまずかたわらに置く。そのまま椅子に座ると、スバルくんが隣に座った。

 

「ミソラちゃん、今日は来てくれてありがとう」

 

 スバルくんが言った。

 

「スバルくんからのお誘いだもん。ほかのおシゴト全部、キャンセルしてでも行くよ!」

 

「はは……、冗談だと思うけど、ミソラちゃんならやりそうで怖いよ」

 

 次々とお料理が目の前に配膳されていく。

 

 カラフルなサラダボウルに、コーンポタージュ。ポテトサラダと平皿に盛られたライスが出てきた。

 

 可愛いボタニカルの丸皿が目の前に置かれる。

 

 ふわっと、ワタシの目の前まで湯気が上がってきた。見ると、煮込みハンバーグだ。デミグラスソースにじゃがいもとにんじんが浸っている。ハンバーグの上に、ちょこんとクレソンがのっていた。

 

「母さんのハンバーグ、結構おいしいんだよ」

 

 隣でスバルくんが教えてくれた。

 

「久しぶりに食べるな」

 

 大吾さんがぼそりと呟く。

 

「あなたはしばらくいなかったからでしょ」

 

 笑いながらあかねさんが答える。

 

 なにげない会話のなかに、その言葉だけは少し違って聞こえた。

 

 大吾さんの「久しぶり」にも、あかねさんの「しばらく」にも。

 

 ワタシにはわからない時間が詰まってるんだ。

 

 そう思うだけで、胸がキュッとした。

 

「さあ、冷めちゃう前にいただきます、しましょ」

 

 私の目の前にあかねさんが座る。もちろん、隣は大吾さん。

 

 気がついたらいつの間にか、ハープとロックくんはいなくなっていた。端末に戻っている気配もない。

 

 おおかた、ロックくんと一緒にウェーブロードに上がっているんだろうな、と思った。たいてい今までそうだったから。

 

 さっきまであんなやり取りしてたのに、と思うと少しニヤついてしまう。……いけない、顔に出ちゃいそう。

 

 気を取り直して、前を向き直す。そして、手を合わせて。

 

「いただきます」

 

 自然と、隣のスバルくんと声が重なった。ちょっぴり嬉しくて、ついスバルくんのほうを見る。

 

 目が、合った。スバルくんもワタシを見ていた。

 

 照れくさくて、笑った。スバルくんもつられて笑う。

 

「いいな、アオハルってやつか」

 

「父さん、ソレ、意味分かって言ってる?」

 

「お父さんミーハーだから、すぐそういう言葉使いたがるのよ」

 

「ミーハーっておまえ……もう死語だぞ」

 

 あかねさんが笑い、大吾さんも笑う。スバルくんも。

 

 気がつけば、ワタシも輪のなかで笑っていた。

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