薬師アレンとエルフのリズレ 作:ルゥー創作するのは間違っているだろうかー
「えっと...この辺ですよね?護衛が居なくなるのって」
「そうだ」
「ふーん」
「何か感じるか?リズレ」
「特に何も?」
「何もないか...」
「何もなさすぎて逆に変」
「というと?」
「風が無い」
「確かに、空気が違いますね?」
何かの術中か...?
アレンは薬瓶を取り出すと地面に投げつけた
「わっ?!」
ベルが後退する
「何かするなら、せめて教えて」
リズレもその場から飛び退く
白い煙幕が辺りに立ち込めた
その瞬間だった
「え?」
「え?」
ベルとリズレが入れ替わる
ベルの前にベルが。
リズレの前にリズレが。
身体はそのまま中身だけ心が入れ替わってる
「何かおかしい」
ベル(リズレ)はアレンの発生させた煙幕の中から不安定であり得ない影に斬りかかる
「ふっ」
白い一閃が疾った
その瞬間、リズレとベルの身体は元に戻る
「治った!って、ベル
リズレが怒鳴る
「すみません、つい?!」
「何だったんだ、今の?」
「分からない、不透明な物体を斬ったんだけど」
「今のリズレさんの感覚...僕にちゃんと残ってます!凄い」
掌を見つめベルは瞳を輝かせる
「あんたが触った感触もちゃんと残ってるわよ?」
リズレは瞳を細めベルを睨む
「す、すみません?!僕が女っていう確認のために」
「次やったら許さない」
口元が引き攣っている
かなり、怒っている
ベルは焦る
「身体の動かし方がわかるってベルにとっちゃいい経験だな」
アレンは感心したように呟いた
「もうごめんだけど?」
リズレは辺りを警戒する
「まだ油断できない、アレンさっきの。」
リズレは短剣を抜いた
「分かった」
薬瓶を取り出し地面に叩きつける
「いや、何これ?!」
赤い液体が辺り一面に霧散した
リズレとベルにも降りかかる
「コレはやる前に一言お願いします?!」
その瞬間だった
「あ...」
「きた」
アレンとリズレが入れ替わる
赤い液体が霧のように広がり、空間の“輪郭”が浮かび上がった
アレン(リズレ)はなりふり構わずナイフで切り裂き、蹴りを喰らわした
リズレ(アレン)も短剣で丸い空間を薙ぎ払った
その瞬間、アレンとリズレの入れ替わりが戻る
「アレン、武器コレだけ?」
「すまん、薬草取りのナイフくらいしかない」
「...闘う気あるの?」
リズレは短剣を収めながら言った
「でも、今のって...」
ベルは全てを見ていた
「スライムな」
「スライムね」
「でも、普通姿が見えますよね?」
「あれは
「幻術においては1、2を争う面倒なやつね」
「人がいなくなったのもこいつらのせいだな」
赤い液体が辺り一面に広がり全貌が姿を表す
その数100近く
「なるべく近寄らないように散って」
リズレはスライムを狩り出しに駆け出した
金色の瞳が輝くと森が唸る
地面から根が盛り上がり細やかに砂埃を巻き上げる
そこにある丸い空間目掛け突進していくリズレ
有無を言わさず無双していく
ベルが口を開けて突っ立っているとアレンが叫んだ
「こいつらは弱い!片付けるぞ、ベルッ」
アレンが薬瓶を持てるだけ取り出した
赤、青、黄、緑、黒、白、茶、ピンク、橙、水...
走りながら均等位置に投げつけていく
たくさん出てきた丸い空間にベルも短剣を突き刺した
スライムが爆ぜる
「はいっ!」
霧喰いスライムを全滅させる頃には、行方不明の冒険者たちが次々と森から姿を現した
「お前らが助けてくれたのか?」
「ありがとう...」
膝を追って泣き崩れる者もいた
アレンは介抱し、支えた
リズレとベルは荷馬車を先導し無事全員村まで送り届けた