薬師アレンとエルフのリズレ   作:ルゥー創作するのは間違っているだろうかー

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「ギルドから招待状が来たぞ?」

 

「何の?」

 

 

 

「えーと、クルーズ船の旅ご招待」

 

 

 

 

 

冒険者救出してからアレンとリズレとベルの知名度が爆上がりした

 

 

 

 

 

「クルーズ船は初めてですっ!」

ベルは身を乗り出してアレンの手元に食いついた

 

「私も」

リズレは興味なさそうに外を眺めている

 

「俺も」

アレンはベルに手紙を渡すと唸った

 

「海の上か、逃げ場がないな」

 

 

リズレもさらっと続ける

「泳いで逃げるしかないみたいね」

 

 

手紙から視線を外し、アレンとリズレをみるベル

「怖いこと言わないでくださいっ?!」

 

 

 

「ははっ、ベル。冒険者たるもの身の危険は1番に考える必要があるんだぞ?」

 

 

「招待なのに危険なんですか?」

 

 

「ああ、間違いなく厄介なのが...出るな」

 

「厄介なの?」

ベルは首を傾げる

 

「別に留守番でもいいけど?」

リズレはベルをみて淡々と言った

 

 

「それは寂しいです!!」

 

 

「初心者のお前を連れていくのは正直どうかと思うが。」

アレンは腕を組みリズレを見る

 

 

「ま、何とかなるでしょ」

 

 

「それ、説得力ないからな?」

リズレを指さしてアレンは笑う

 

 

リズレはむっとする

 

「これでも、一応ケルベロスと闘ってたんだけど?」

 

 

「ケルベロス...?」

アレンが眉根を上げる

 

「それって伝説の...確か3つの頭部を持つ冥界の門番のことですか?!」

ベルは瞳を見開く

 

 

「お前...それで致命傷喰らったんじゃないだろうな?」

 

治りが遅い、呪印が混じり合った特殊な傷

 

「...」

リズレは黙る

 

 

「...そうなんだな?」

ハァ、と大きく溜息を吐くアレン

 

「どうしたら、冥界の門へ行けるんですか?」

 

 

 

ベルは興味深々に聞く。

 

 

 

ケルベロスの言葉を聞いたばかりなのに、怖さより好奇心が勝っていた。

 

 

 

アレンは即座に眉をひそめた。

 

 

 

「それは知らない方がいい」

 

 

 

リズレもほぼ同時に言う。

 

 

 

 

 

 

 

ベルはきょとんとする。

 

 

 

「えっ、そんなにですか?」

 

 

 

アレンは手紙を机に置いた。

 

 

 

「冗談じゃなくな」

 

 

 

少し間を置いて、リズレが窓の外を見る。

 

 

 

「冥界の話するなら、海の方がまだマシ」

 

 

 

「海も十分怖いですけど……」

 

 

 

ベルが小さくつぶやく。

 

 

 

アレンはため息をついた。

 

 

 

「とにかく、今回のクルーズは“普通の旅”じゃない可能性が高い。準備だけちゃんとして行こう」

 

 

「分かりました!」

ベルは頷く

 

 

「俺は薬草取りに行ってくる、ベルも行くか?」

 

 

「僕は街で回復薬と装備見に行ってきます」

 

「リズレは?」

 

 

「わたしは久しぶりに短剣の手入れでもしようかな」

 

「ああ。分かった」

それぞれ別行動になった

 

街へと向かうベルにリズレがついていく

 

「リズレさん...?剣の手入れをするんじゃ」

 

「後でちゃんとする」

リズレさんの脚は僕と同じ方向へ止まらない

 

 

「僕と同じで街へ行くんですか?」

 

「うん」

 

「街は嫌いなんじゃないですか?」

 

「もちろん。でも、武器の達人がいるでしょ?」

 

「ああ...鍛冶師ですか?僕、見てもらったことないな」

 

「だから一緒に行ってあげる」

 

え?

それって

もしかしなくても

デート!!!

 

赤色の瞳を震わせるベル

 

「心強いです」

 

 

 

「えっと、その。リズレさんの魔法って...どんなのなんですか?」

 

「あぁ...見てたの?」

 

「はい、木の根がボコボコっと動き出して。まるで森が生きているみたいでした」

 

 

「当たり、森は生きてる。魔法というか...その力を利用する力だよ」

 

 

「それってすごくないですか?普通御伽話とかで聞くのって炎、水、雷、風、回復とかの辺りなのに」

 

 

「人間が偏見すぎ。もっと色々魔法には種類があるでしょ?転移とか天候を操るとか厄介なのは時を止めるとかね」 

 

「そう、なんですか?」

 

 

「例えばこの間の心と身体が入れ替わる魔法も存在している」

 

 

「へ、へえ?!魔法って奥が深いんですね」

 

ベルは掌を見つめる

「僕にも使えたらなあ」

 

 

 

「使える方法ならいくらでもあるでしょ?」

 

 

「え?」

 

 

「例えば、魔素が宿る杖を使ったり、魔法陣を描いたり、詠唱したり」

 

「それは元々素質のある人であって。僕みたいな...素人にもできるやつ無いんですかね?」

 

「とっておきのがある」

 

「とっておき?」

 

そうして先に着いたのは鍛冶屋だった

リズレはフードを目深に被り、短剣を見せた

 

ドワーフの鍛治師は瞳を見開く

 

「コイツは...お前さん。エルフじゃな?」

 

「ええ」

 

「久々に見たな」

 

「いいから早くして」

 

「あいよ」

 

「そんなに有名なんですか?リズレさんの武器」

 

「これはエルフ王族の装備品だ」

 

「王族?!ハイエルフってことですか、格好いいリズレさん!!」

 

瞳を輝かせるベル

 

「っ、そうじゃないよ。違う...」

リズレが口元を抑えて笑う

ベルはそんなリズレを初めて見た

 

 

「これはアレンにはまだ内緒にしててね?2人だけの秘密」

人差し指を口元にあてリズレはお願いした

 

「2人だけの...?分かりましたッ」

ベルは嬉しくなって頰を赤くする

 

 

「ベルの武器は?」

リズレが短剣を見る

 

 

「なんかボロボロだな、最近何と闘ったんだ?」

 

「露喰いスライムです」

 

「そりゃあ厄介なヤツに当たったなあ」

 

「ベルは武器ごと変えちゃえば?」

 

「でも、高いですよね?お金がなくて...」

眉尻を下げるベル

 

「出すよ」

迷わずさらりとリズレは提案した

 

「ええっ?!いいんですか?」

 

なんだか自然と関係が深くなってるような。

だって、リズレさんと貸し借りの関係に!!!

ベルはその事実に喜んでいた

 

 

「借金一件ね」

 

 

 

「絶対、後で返します!」

 

「ちゃんと返して」

 

 

「それじゃあ、代わりの剣貸すから街でも見てこいよお二人さん、デートなんだろ?」

 

 

「違う」

リズレは即答する

 

「違いますっ?!いや、違く無いけど...」

ベルは顔を赤くして否定する

 

 

「デートなの?」

ベルの顔を不思議そうにみつめるリズレ

 

「僕だけ勘違いでもいいです」

顔を隠して指の隙間からリズレを見た

 

嫌ではなさそうだ

 

こうしてリズレの短剣を預けているうちに武具屋へと足を運ぶ2人

 

「好きなの選びなよ」

 

「うわっ、値段が可愛く無い」

 

「値段で決めない方がいい。命を預ける代物なんだし」

 

「そうですよね...」

 

「コレは?」

リズレが剣を構える

様になっている

格好いい

 

 

「流石に僕にはまだ大きすぎるかと」

 

「...だよね」

 

 

 

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